BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 【オリジナルGL】 ふたりでいること
- 日時: 2018/01/19 09:10
- 名前: はるたに (ID: /DhfUDtL)
はじめまして、はるたにと言います!
今回は オリジナルGL に挑戦します!
GLを書くのは初めてなので、至らぬ点も数多くあるかとは思いますが、生温い目で見てあげてください。
【注意】
*更新遅めの可能性有
*パクり、荒らしはご遠慮ください
*駄作お断りの方はブラウザバックをおすすめします
*誤字、脱字多いです
*完全オリジナルです
*今後、R15くらいまではあるかも…?
*コメントくださるとヘドバンしながら喜びます
【 おしらせ 】
>>19
【 Characters 】
>>2
【 Episodes 】
*Episode 0 >>1 *Episode 1 >>3
*Episode 2 >>4 *Episode 3 >>5
*Episode 4 >>6 *Episode 5 >>7
*Episode 6 >>8 *Episode 7 >>9
*Episode 8 >>10 *Episode 9 >>11
*Episode 10 >>12 *Episode 11 >>13
*Episode 12 >>14 *Episode 13 >>17
*Episode 14 >>18 *Episode 15 >>20
*Episode 16 >>21 *Episode 17 >>22
*Episode 18 >>23 *Episode 19 >>24
*Episode 20 >>26 *Episode 21 >>27【New!!】
- 【 おしらせ 】 ( No.19 )
- 日時: 2016/12/31 03:35
- 名前: はるたに (ID: DSoXLpvQ)
はじめまして。はるたにです(*_ _)
最近、なかなか更新できていなくて、申し訳ありませんでした。
私生活が忙しく、こちらがあまり更新できない状況にあります。
今年の春から就職活動が始まり、さらに忙しくなって、こちらの更新が遅くなるという可能姓が、大いにあります。そうなった場合、ほんとうに半年に1回とか、そういうペースになってしまうかもしれません。
また、私は携帯で下書きをしてから、PCに打ち込む際手直しをするという方法をとっているのですが、PCにだいぶガタが来ています(おかしいですね、おととし買ったばかりなのに)。
なので、もしPCが壊れるなんてことが起きたら、またもや更新頻度が低くなってしまうかもしれません。
更新できていなくても、書き溜めているということが、多々あります。
書き溜めているため、今回のように一気に更新することもあります。
これから、さらに更新が不定期になるかもしれませんが、見離さず、生暖かく見守っててあげてください。
- ふたりでいること 【Episode 15】 ( No.20 )
- 日時: 2017/01/13 03:55
- 名前: はるたに (ID: DSoXLpvQ)
【Episode 15】
8月20日の午前9時。
きっかりの時間に集合場所に着いた唯は、すぐになつきを見つけた。
いくらか前に着いていたなつきは、高校の制服姿。イヤフォンで音楽を聴いていたようだ。彼女の肩にぽん、と手を置くと、びくっと身を跳ねさせた。
「おわっ!?」
「えへへ、ごめんね、なっちゃん。おまたせ」
「いや、そんなに待ってないよ」
へらっとこちらに笑いかけたなつきの笑顔が、以前会ったときと変わらなくて、唯は安心する。なつきの笑顔を見ると、唯の心はなぜだか安らいだ。……まあ、気のせいなのかもしれないけど。
なつきと肩を並べて、唯はあるきだす。
——今日は、12時30分に霧ッ乃中に集まることになっている。
だが、唯となつきは、早めに集まり、唯の家で遊ぶことにした。高校に入ってから、霧ッ乃中に用事があるときは、基本こうしている。
ふたりでいるのが楽しいから、できるだけ長く一緒にいようという、唯からの提案だった。
霧ッ乃中に行くということもあり、ふたりとも制服姿で集合していた。
「今日なにやろうねー」
「あー……15分前に朝飯食べたから、激しい運動パスで」
「室内だから、激しい運動なんてしないよ。Wiiとかやる?」
「やる!」
「なっちゃん、いつもWiiしかやらないじゃん」
唯がくすくす笑うと、なつきはぶすっと顔をふくれさせた。
「家にWiiがないんだっちゅーの」
「分かってるよ?」
「じゃあ言うなやっ」
優しめのチョップが額に当たる。
唯はへらへらして「ごめん」と流すと、なつきは呆れ半分なため息をつきながら、チョップしたところをさすってくれる。
こころなしか、なつきは唯にすこしあまいキガスル。唯が謝ると必ず許してくれるし、唯が困っていると、手取り足取り助けてくれるし。
んー、尽くしてもらってる感じ……?
(でも、やってもらいっぱなしは、申し訳ないしなあ……)
「? どうしたの、唯。らしくもなく考えごと?」
「らしくないってどういうこと?」
むすっとして、唯は聞き返す。
額をさする手を止めず、なつきはにやにやしながら唯を見下ろす。
「普段ぽけーっとしてるくせに、神妙な顔付きしてるから」
「失礼だよ!?」
からかわれていることが分かって、唯はくちびるをとがらせた。
相変わらずなつきはにやにやしていて、額はすりすりしたままだ。
「へーへー。怒るとデコにしわが寄ってブスだねー」
「ブス!?」
「オーバーリアクション」
けらけらと笑ってくるなつきに、唯はじっとりとした視線を向ける。一方のなつきは、まったく気にしませんという顔で、マンションの階段を降り始めた。
- ふたりでいること 【Episode 16】 ( No.21 )
- 日時: 2017/02/18 13:41
- 名前: はるたに (ID: DSoXLpvQ)
【Episode 16】
(はあ〜〜〜〜〜〜〜、唯可愛すぎか!)
唯の部屋に入ると、お茶を淹れるからと言って、彼女はキッチンに向かった。取り残されたなつきは、唯がいなくなると、持っていた鞄にぼすっと顔をうずめた。
唯の家族は、いま全員出払っているらしい。家のなかは、唯がキッチンでかちゃかちゃと食器を動かす音と、かすかな布擦れの音くらいだ。
つまり……ふたりっきり……。
(って! あほじゃないの!)
弾かれたようにからだを起こし、自分の頬を思いっきり引っぱたく。ゆでだこみたく赤くなっていた頬が、さらに赤みを増す。
「唯は、友だち。うん……」
口のなかでそう唱えるように言うと、心の温度が急激に下がる。
冷静になっていたなつきは、さっきまで舞い上がっていた自分が、すこし滑稽に思えた。そんなに浮かれることでもないでしょう。唯は、誰にでもああやって、優しくて、いじられるとふてくされて、でも褒められたらかんたんにニヤニヤして。ちょっと悪戯っぽく笑うこともあるし、天然っぽいところがあって、友だち思いで……。
……そう、……結局、あたしは友だちのままでしか……。
「と、もだち……」
フローリングに敷かれた、緑のカーペットのふちを見つめて、無意識につぶやく。緑と茶の境目に、わずかに目がちかちかした。
と同時に。
「ごめんね、お待たせ〜」
麦茶を載せた盆を持った唯が、扉から入ってきた。
はっと我に返り、なつきは笑顔を見せる。ぱっとつくった笑顔だったから、ちょっと不自然だったかな……。
なつきの不安は当たっていたようで、唯はちいさく首を傾げたものの、さっとローテーブルのうえに麦茶を置いた。
「どうぞ♪」
「うん、ありがとう」
麦茶を一口飲む。からん、と涼しげな音が鳴る。真夏の陽の下を歩いてきたからだに、冷えた麦茶は染み渡った。
「やっぱり、夏は麦茶だよね〜」
なつきと同じように、麦茶を飲んだ唯は、お年寄りのように「ほう」と息をつき、そう漏らした。
「麦茶と『アイス』でしょ」
「アイスが欲しいと?」
横目でこちらを見てくる唯に、なつきは苦笑い。
「違うっての。いいよねって話」
えーでもー、と唯が和菓子だと言い出した。その意見に、なつきは顔をしかめて反論する。その意見に、唯がことばをかぶせる。
くだらない内容で、ざっと20分は言い合った頃。
「「アイスはいつ食べても最高」」
という結論に至った。そんな話だったっけか。
コップの麦茶を飲みきると、唯は「あっ」と立ち上がった。制服のスカートをひらひらっとなびかせ、唯は部屋から駆け出て行く。
(なに急いでんだ?)
なつきは眉根を寄せたがあまり気にせず、コップに残った氷をごりごり噛み砕く。
すこしすると、目をきらきら輝かせた唯が帰ってきた。
彼女の両手には、ハーゲン〇ッツ。
「食べよ、なっちゃん!」
鼻息を荒くしている唯と、ハー〇ンダッツを、交互に見つめてから。
なつきは、力強く頷いた。
- ふたりでいること 【Episode 17】 ( No.22 )
- 日時: 2017/02/18 14:01
- 名前: はるたに (ID: DSoXLpvQ)
【Episode 17】
「幸せそーだな」
笑い半分、呆れ半分の声で隼に言われた。なつきはそっぽを向き、唯はむふふと満足げに笑う。
「うっさいな」
「美味しかったよ、バニラ味!」
「なに食ったんだよ」
「アイスだよ、ハーゲンダ〇ツ!」
「はっ、ずりぃ! 俺も食いてえ! 今日の帰りに食いに行こうぜ!」
「帰りは唯とふたりきりでパイゼなんで」
「ずりぃ!!」
ずるいばっかかよ。
8月20日の正午。
霧ッ乃中に在校していたとき、仲のよかった先生に昇降口を開けてもらって、なつき、唯、隼の三人は、校舎内に入っていた。音楽室に向かいながら、パイゼに行く行かないのことで揉めていると。
遠くから複数のメロディが重なり合い、三人の鼓膜を震わせる。
「お?」
「真面目にやってるみたいだな」
「今年の3年は、あたしらのときなんかより、よっぽど真面目らしいよ」
「今年の3年はすげーなー」
「私たちがはっちゃけ過ぎだった、っていうのはあるよね……」
「あたしら、はっちゃけ杉田玄白」
「それは考え杉田玄白だろ」
「誰も回収してくれないよ、それ」
音楽室はどんどん近付いてきて、合唱もどんどんは迫力を増してくる。
とうとう音楽室前に着くと、ちょうどぴたりと演奏が止まり、先生の話し声が聞こえた。ソプラノのピッチが下がり気味だったから、そこを指摘されているようだった。
先生の声がまだしているのに、隼は躊躇なく扉を勢いよく開けた。
「こんちゃーっす!」
「ちょっ……!?」
「隼くっ……!?」
あまりにも予想外な行動に、なつきと唯はセメントで固められたように、硬直してしまう。
だが、瞬く間もないほどの勢いで。
「うっさいわねェ!!」
怒声が飛んできて、三人の肩はびくっと跳ねた。
すごい剣幕でこちらを振り返ったのは、霧ッ乃中合唱部の顧問・伊月先生。吊り目がちな目をさらに吊り上げ、こちらを睨みつけている。
だが、隼の姿を確認したからか、落胆したようにため息をついた。
「あんただったの……怒鳴って損したわ」
「久しぶり、せんせー!」
まるで同級生と接するときのような軽さで、隼はあいさつすると、ずかずか音楽室に入っていく。そんなようすに、部員たちはくすくすと笑い声を立てていた。
このやりとりは、現役時代はよくあったことだった。伊月先生のお気に入りの生徒は、たいていなにをしても許された。特に男子。いわゆるひいきだが、それに口出しする生徒はいない(口出ししたら最後、どうなるか……考えるだけで恐ろしい)。
「あら、なっちゃんと唯ちゃんも! はやいわねえ」
「練習聴いてみたいなって、思ったので……」
唯が蚊の鳴くようなちいさい声で言うと、伊月先生は笑顔で手招きしてくれた。ここで、ようやくふたりは音楽室に入る。
割と気さくな先生だし、ユーモアもあるひとだ。だが、よく分からないところに怒りのスイッチがあるため、いつ逆鱗に触れるか分からない。それが原因なのか、大半の生徒は、伊月先生と接するとき、かなり腰が低くなり、おそるおそる会話をする。
「向井先輩、平井先輩、吹屋先輩、こんにちは!」
「「「こんにちは!」」」
なつきたちが全員、音楽室に入ると、部長が元気な声ではきはきとあいさつをする。それに続くように、部員たちもあいさつをしてくれた。三人はにっこりして、それに返事をする。
「「こんにちは!」」
「ぃよっす!」
「普通にしろや」
なつきが肘で小突くと、隼はへらへら誤魔化し笑いをする。そのようすに、部員はまた、くすくすと笑みをこぼした。
音楽室のすみにみっつ、椅子を並べて座り、集合時間になるまで、三人は後輩たちが指導を受けている姿を見ていた。
- ふたりでいること 【Episode 18】 ( No.23 )
- 日時: 2017/09/02 01:22
- 名前: はるたに (ID: RnkmdEze)
【Episode 18】
布団にもぐりこんで、もうすぐ1時間が経つ。
霧ッ乃中で演奏会について、ひととおり説明を受け、唯や隼と別れ、風呂や夕食を済ませ。
いつもなら、もうぐっすりの時間なのに……。
目はぱっちり。
胸はもやもや。
眠れない理由は、もう分かっている。いつものことだから。
すこしでももやもやを拭いたくて、なつきは布団から出、薄いカーテンの隙間から、空を眺める。 雲が多くて、星空はまったく見えない。見えるのは、三日月の端っこと、そこから漏れる細い光だけ。
ちゃんと月が出ていないせいか、気のせいなのか。家のまわりも、普段よりいくらか暗く感じた。
鈍色をした雲のおかげで、なつきの心はますます沈む。気晴らしのために、外を見たはずなのに。
カーテンを閉め直すと、なつきはふたたび、布団にもぐる。
ぺらぺらのタオルケットが、なんだか頼りなく感じる。
胸のなかをぐちゃぐちゃに掻き回されている感じがして、タオルケットをちからいっぱい握る。
(…………また、会えない……)
体中の血の温度が上がったみたいに、からだの内側を熱が駆け抜ける。
なにか詰まったみたいに息が苦しくなり、胸をおおきく上下させながら、強くタオルケットを握る。
(今度はどれくらいかな)
1ヶ月? 2ヶ月? もっと?
ばさっと頭からタオルケットをかぶり、ちいさく吐息を吐く。
まっ暗な視界。
(駄目だ、こんなの……)
「ぶはっ」
勢いよくタオルケットを蹴飛ばし、からだを起こす。
「なに考えてんだろ……」
こんなこと考えたって、唯に会えるわけでもないのに。
——結局、眠りの世界に落ちたのは、朝日が見え始めた頃だった。
〇
「おめでと、唯ー!!」
勢いよく飛び込むと、唯はぎゅっと強く抱き締めてくれた。なつきは唯の首元に、ぐいぐいと顔をうずめる。
「ありがとう、なっちゃん!」
なつきの頭に、唯の頬が押し付けられる。頭上から降ってくる唯の声は、泣きそうに湿っていた。唯の背を、子どもを甘やかすようにとんとん、とたたく。
「えへへー、受かってなによりだよ〜」
唯はなつきから離れ、ふわっと愛らしい笑顔を浮かべた。
——私立推薦受験の結果発表後。
部活を既に引退したふたりは、合格していた唯を祝うため、唯の家に来ていた。
「これで念願の栄黎生だね!」
「うん……よかったぁ……」
心の底から安心しきった彼女は、とうとう泣き出してしまった。ちいさい子どものように、大粒の涙をぼろぼろ流しながら、よかった、よかったと声を漏らした。
「もう、そういうのは封筒開けたときにやりなよ」
指で涙を拭おうとする唯を、なつきはぎゅっと力強く、しかし壊れものを扱うように優しさを込めて抱き締める。唯は、なつきの背に腕を回し。
「だって、なんか……なっちゃ、ん、がいると、安心、しちゃって……」
しゃっくりのせいで途切れ途切れになりながら、唯はそう言った。なつきの胸に顔を押し付けながら、唯はまだ泣き続ける。
「もう……子どもじゃないんだから……」
艶やかな唯の髪をなで、なつきは呆れ半分で笑った。
子どもというワードに反応したのか、唯はバッとからだを離し、ぷうっと頬を膨らませた。目も耳もまっ赤。
「子どもじゃないもん!」
「ぶふっ……余計子どもみたいっ」
思わず吹き出すと、欲しいものを買ってもらえなかった幼稚園児みたいに、彼女は腕をばたばたさせた。
「子どもじゃないってば!」
「はいはい、分かった分かった」
「分かってないでしょ!」
「分かったってば、小学生」
「私は中学生!」
むきーっと歯を食いしばる唯に、なつきは悪意を込めて。
「こんなくだらないことでムキになる時点で、小学生同然だわ」
「もう! こんなこと言うためになっちゃんは来たの!?」
「えー、それは違うよー。英黎合格おめでとー。ってことでご飯作ろう」
するりと唯のわきをすり抜け、なつきはキッチンに足を運ぶ。3年間、唯の家で何度も料理をしたなつきは、何がどこにあるかなんてすべて分かっていた。
唯が後ろでぶつぶつ言っているのを聞こえないふりして、慣れた手つきで食材を取り出し、彼女の合格祝いを作る。
とびきり豪華なのを、あげなくちゃ。