BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

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【オリジナルGL】 ふたりでいること
日時: 2018/01/19 09:10
名前: はるたに (ID: /DhfUDtL)

はじめまして、はるたにと言います!

今回は オリジナルGL に挑戦します!
GLを書くのは初めてなので、至らぬ点も数多くあるかとは思いますが、生温い目で見てあげてください。


【注意】

 *更新遅めの可能性有
 *パクり、荒らしはご遠慮ください
 *駄作お断りの方はブラウザバックをおすすめします
 *誤字、脱字多いです
 *完全オリジナルです
 *今後、R15くらいまではあるかも…?
 *コメントくださるとヘドバンしながら喜びます


【 おしらせ 】
>>19


【 Characters 】
 >>2


【 Episodes 】

 *Episode 0   >>1   *Episode 1   >>3
 *Episode 2   >>4   *Episode 3   >>5
 *Episode 4   >>6   *Episode 5   >>7
 *Episode 6   >>8   *Episode 7   >>9
 *Episode 8   >>10   *Episode 9   >>11
 *Episode 10  >>12   *Episode 11  >>13
 *Episode 12  >>14   *Episode 13  >>17
 *Episode 14  >>18   *Episode 15  >>20
 *Episode 16  >>21   *Episode 17  >>22
 *Episode 18  >>23   *Episode 19  >>24
 *Episode 20  >>26   *Episode 21  >>27【New!!】

ふたりでいること 【Episode2】 ( No.4 )
日時: 2016/08/20 16:48
名前: はるたに (ID: DSoXLpvQ)

     【Episode 2】





「『それでも、私は友人である彼を、信じたいの……』」
「『……は?』」
「『嘘はないってことを。彼の気持ち——彼が本気で、あなたをすきって思う気持ちに、嘘はないって』」
「『……なに、言ってんだよ』」
「はい、ストップ!」

 私立栄黎高校第二体育館。
 栄黎高校演劇部は、真夏日の今日も、この体育館で汗を流しながら、練習をしていた。
 演出を行う3年生の「待った」の声が、舞台上で演技をしていたふたりが、彼女のほうを向く。

「もうすこしタメてほしいかな、梨子りこのほう。噛み締めるようにって言えば、分かる?」
「はい、分かりました」

 梨子役を務めるのは、2年生の吹屋唯ふきやゆい。いま現在、部内では一番の実力者だろうと言われている。
 ふわふわしていて、ちょっと天然で、でも舞台に立つとスイッチが一気に切り替わる。そんな少女だ。

「あと、真姫まきは、間があり過ぎて不自然だよ。動揺してても、そこまではいらない」
「はい!」

 真姫役の潮田さくらもまた、この部トップクラスのキャストだ。恋愛モノでは特に、そのちからが光る。
 3年生はちらっと時計を確認し、次いで、舞台袖のほうに声をかける。

「そろそろ終わったほうがよくない?」

ふたりでいること 【Episode 3】 ( No.5 )
日時: 2016/08/20 17:15
名前: はるたに (ID: DSoXLpvQ)

     【Episode 3】





『……って、感じかなあ』
「まじかー! 唯のほう、めっちゃ大変じゃん」
『うん、まあ……。でも、お芝居はすっごく楽しいから。充実してるよ』

 夜の8時を回る頃。なつきと唯は、電話越しに近況を報告し合っていた。無料通話なのをいいことに、既に3時間は話し続けている。

『とは言っても、やっぱり、疲れるは疲れるんだよね……』
「なるほどねえ。それで、久々のオフの今日は、昼の1時までぐっすりだったわけね」

 ちょっと冗談交じりに言うと、唯は慌てたように。

『ご、ごめんね? 遊べなくて……』
「いいの、いいの! 遊べたらいいなー、くらいの気持ちで誘ったから!」

 寝間着のすそをいじりながら、なつきは唯をフォローする。

『ほんとう? 都合がつく日見つけたら、必ず教えるね』
「うん! あたし、基本的に暇だから、唯の予定に合わせるよ!」

 唯が、目の前にいるわけじゃない。

『そう? あっ、でもなっちゃん、夏休みは補習、あるんでしょ?』
「う゛う゛っ……」
『もう、なっちゃんってば。中学のときから、びっくりするほどできなかったもんね。栄黎にも、あと5点ってところで、落ちちゃったし』
「それは言わない約束!」
『ふふ、ごめんごめん。そうだ、今度会うとき、教えてあげよっか? 英語なら任せて!』

 やめてよ。

「えー。唯、ちゃんと教えてくれるのー?」
『もちろん〜。なっちゃんの留年を、阻止しなくちゃだし!』
「唯に教えてもらうのか……不安ー……」
『これでも私、クラス10位にはおさまってるんだからね?』
「いやみですかねえ!?」

 くるしい。

「はああ……自慢されたああああぁ……聞きたくなかったよおおおおおぉ……」
『ふふふ。ごめんってば。今度お菓子あげるから、ね?』
「ほんとー?」
『ほんと、ほんと』
「んー……じゃあ、許す」
『渋々って感じだね。……そんなに、怒らせちゃった?』
「……唯はさっきから、ずいぶん楽しそうだね」
『うん。1週間ぶりの電話だしね♪』

 携帯を耳に当てながら、のんきに笑っている唯を思い浮かべて、なつきは口元を緩める。

「そーだね。あんたがあまりにも忙しいから、電話できないんだけど」
『えへへ……お芝居に夢中な唯ちゃんでーす♪』
「はいはい」

 そのとおり過ぎて、なにも言えないじゃん。

「んじゃ、あたし、もう晩ご飯だから」
『分かった。それじゃ、おやすみ〜』
「うん、おやすみ」

 ぷつっ、と電話が切れる音がして、ツーツーという音が聞こえる。
 なつきは「はああぁ……」と、長い長いため息をつき、携帯を枕に放る。晩ご飯までは、あと30分ある。
 ごろん、と横になり、手で目元を覆う。視界がまっ暗になると、なつきはふたたびため息を漏らし亜。

「今度って、いったいいつ……?」

 1週間前の電話でも、「今度」って言った。
 3週間前のメッセージのやりとりでも、「また今度」って言った。
 1ヶ月前のメッセージのやりとりでも、「今度絶対会おうね」って言った。
 その前も、その前も。あんたは、「また今度」って。
「今度」って……。
 その「今度」って、いったいいつ?

(…………面倒だな、あたし……)

ふたりでいること 【Episode 4】 ( No.6 )
日時: 2016/08/22 17:45
名前: はるたに (ID: DSoXLpvQ)

     【Episode 4】





(今日もいない、か……)

 オーブンのなかに放り込まれたような暑さに、汗を流しながら、なつきは肩を落とした。微かな期待を抱いてやって来た彼女を、周囲のセミが嘲る。真夏の2時に、外に出歩くもんじゃない……。
 帰りはいつも6時過ぎだって、知ってるのに。
 唯が家にいないと分かったとたん、ぎゅるる……とお腹が鳴った。

(うううう……お腹、すいた……)

 くにゃん、と猫背になり、なつきの足は自然と、近くのファミレスに向かった。
 そのとき。

 ピロロン♪

 軽快な音が、スマホから鳴った。ぱっと見てみると、久しぶりに見る名前からのメッセージだった。

[パイゼリアいるから、来いよ(*ゝω・*)ノ]
(相変わらず可愛いメッセージ……)

 ふっと笑みをこぼし、道の端に寄ってから返信を打つ。

[OK。ちょうど入ろうと思ってたところ]

 そうとだけ打って、なつきはさっさとファミレスに入った。
 店内を見渡すと、窓際の窓際でメッセージの送り主が、幸せそうにパスタを頬張っていた。
 ばちっと目が合うと、向こうはにっこりと笑顔を浮かべた。愛想が溢れている、まるで子犬みたいな笑顔だ。
 店員をやや雑にあしらってから、にこにこと笑顔を浮かべる少年——向井隼むかいはやとの正面に座る。
 口のなかのパスタを飲み込んで。

「よっ、平井」
「どーも。お久しぶり」

 そうとだけあいさつすると、向井はまたパスタを頬張り始めた。呼び出しておきながら、食べるのを止める気は一切ないようだ。まあ、昔からこういう奴だし、いまさらとやかくは言わない。
 店員からお冷やを受け取り、なつきは隼に向き直る。

「んで? なんか用?」
「いやー、用ってほどの用はない」
「は?」

 なつきの低い声に、隼はようやく食べるのを中断し、フォークを置いた。

「話したかっただけ。あとは、近況報告とかさー」
「近況報告、って……あんた、大会でも会えるんだから……」

 思わず肩を落とす。なにか用事があるから、呼んだのかと思ったのに。
 隼は悪びれた感じはなく、屈託のない笑みで。

「えー、いいじゃん。大会だと、ゆっくり話せねえしさー」

 なつきと隼は、中高ともに合唱部に所属している。どちらの学校も、大会に出場する高校なので、会場内ではよく出くわしていた。

「んん……まあ、それもそうなんだけどね……。それにしても平日だよ、あんたは暇なわけ?」

 呆れたような声で言われた隼は、心のなかでこっそりツッコミを入れる。

(それ、特大ブーメランだぞ……)
「暇なもんか。毎週水曜日はオフなだけ」
「あー……なるへそー」

 メニューを開きながら、適当に返事する。注文するものを考えていると、「ペペロンチーノ美味いぞ」と、隼がいらぬ助言をくれる。

「へー、そうなの。すいませーん、パルマ風スパゲティひとつー!」
「無視!?」
「無視はしてないでしょ、返事したし。で、なんだっけ? 近況報告?」
「おう。部活とか、勉強とか、あとは恋愛とか」
「…………あんたが聞きたいのは、恋愛の部分だけでしょ」

 ジト目で聞き返すと、隼は苦笑い。

「悪い、悪い。でも、面白がってるわけじゃないんだ」
「……まあ、知ってるけどさ……」
「で? で? あいつとは最近、どうなんだよ?」

ふたりでいること 【Episode 5】 ( No.7 )
日時: 2016/08/24 22:47
名前: はるたに (ID: DSoXLpvQ)

     【Episode 5】




「一切進展なし。むしろ、後退してる気すらしてる」
「そんなに!?」

 大袈裟なくらいに、隼は仰け反る。なつきが呆れ返った目で見やると、隼はしゅん、とちいさくなってしまう。

「わ、悪い……。でも、後退はないだろ。あんなに仲いいんだし」
「……仲はいいかもしれないけど、それだけだよ」
「……?」

 よく分からない、という顔をする隼に、なつきは額をおさえた。

「あんた……天然なの? すっとぼけなの?」
「いや、ほんとに分かんねえ」
「…………」

 あたしも、なんでこんな奴に、わざわざ恋愛相談してるんだっけ。
 そう思わずにはいられない。
 ……信頼できるから、という理由なのだが。

「すごく、すっごく仲のいい《友だち》。ただ、それだけの存在なんだよ、きっと。唯にとっては」

 そう、さらっと答える。
 ちょうどそこに、なつきの注文したパスタが運ばれてきた。軽く会釈をして、そのパスタに躊躇いなくフォークをぶっ刺す。
 パスタをフォークに巻き付けていると、黙っていた隼が、神妙な面持ちで口を開く。

「……そんな、へいきなふりして喋らなくても、いいぞ」
「…………は?」

 予想していなかったことばに、なつきは眉をひそめて、隼を見上げる。なつきの怪訝なっ表情にも、隼は顔色ひとつ変えずに。

「自分は恋愛対象としてみてるのに、相手には友だちとしか思われてないってのは、きついじゃん」
「……分かったような口きくね」

 さっきまでは、天然かましてたくせに。
 ふっと表情を崩し、悪戯っぽく隼は笑う。

「平井のことだしな。だてに中2んときから相談されてないぜ」
「ハイハイ。スゴイネー」
「なんでそんなカタコトなんだよ」

 むすっとした顔になる隼を見て、思わずなつきは吹き出してしまった。
 ころころ表情が変わって、いそがしそう。

「あんた、ちょっと唯に似てるね」
「へ? どのへんが?」

 あほみたいな顔できょとんとして、隼は聞き返す。
 ほら、そういうとこ。
 そんなふうに表情がくるくる変わるところが、まるで唯なの。

ふたりでいること 【Episode 6】 ( No.8 )
日時: 2016/08/24 23:09
名前: はるたに (ID: DSoXLpvQ)

     【Episode 6】




「あ、あの……」

 ベンチに座り、もぐもぐと食事をしていたとき。
 恐る恐るといった感じで、お下げの少女が、声をかけてきた。眼鏡の奥で、ゆらゆら不安げに瞳が揺れている。

「ひ、ひとつ……もらっても、いいですか?」
「へっ?」

 このサーターアンダギーのこと、だろうか……?
 袋のなかにある、まだ手をつけていないサーターアンダギーを取り出し、彼女の前にに差し出す。

「はい、どうぞ」
「あっ、ありがとうっ」

 頬をほんのり赤く染め、お下げ髪をぴょこぴょこ跳ねさせながら、彼女はそれを受け取った。そして、すぐさまそれにかじりつき、ぱくぱくと食べはじめる。

 ——これが、吹屋唯との出会いだった。

 すこしおおきめのサーターアンダギーを、半分くらい食べたところで、彼女の頬はぱんぱんに膨れた。まるで、頬袋いっぱいに食べ物を詰め込むハムスターみたい。

「そ、そんなにあわてて食べなくても……」

 肩を震わせながらそう言うと、唯ははっとしたように、からだをびくっとさせる。

「へっ!? いえっ、えっと、あの……っ」

 声は徐々にちいさくなり、消え入りそうな声になるとうつむいてしまう。表情はよく分からないが、おそらく照れているのだろう。耳がまっ赤だ。
 可愛いなあ……。

「ふふ、いいよいいよ。まだ3つもあるから」

 にっこり笑って、彼女の肩をぽんぽんと軽くたたく。
 すると、ちいさく縮こまっていた唯はぱっと顔を上げ、袋のなかのサーターアンダギーに釘付けになった。素直で、単純な子。
 口のなかのものを飲み込むと、手元にある残りのサーターアンダギーを、すべて口のなかに放り込む。そして、必死にもぐもぐ。
 お行儀はすこし悪いけど、可愛いから許せちゃうなあ……。
 じぃっと、なにかを期待するようにこちらを見つめてくる視線に、笑ってしまった。

「はいはい。ほら、どうぞ」

 袋のなかからもうひとつ、取り出して渡すと、ふにゃぁんと目尻を下げ、サーターアンダギーを受け取った。
 それもあっという間に口に詰め込んで食べてしまうと、背負っていたリュックから水筒を取り出して口をつける。飲み終えると、「ふう……」とちいさく一息つく。
 縁側でお茶を飲んでいるおばあさんみたい。
 面白い子。

(制服一緒だし、たぶん遠足で班の子とはぐれたんだろうな……)

 なつきと同じ、ダサくも可愛くもないセーラーの制服。霧ッ乃中指定のリュック。このへんで、似たような制服の学校はあまりいないし、今日ここに遠足に来ているのは、霧ッ乃中だけと聞いている。
 たぶん、1年……なのだろう。やや童顔だから、年下かと思ったが。
 ——この日は、霧ッ乃中学校1年生の、校外学習(という名の遠足)の日。クラス内で班をつくり、その班ごとに色々なところを、見て回るのだが。
 なつきはちょうど数分前、同じエリアにいたはずの班の子を見失ったばかりだ。
 見た感じだと、彼女もひとりだったし……はぐれたんだろうな。


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