BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

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この気持ちに気づいてる?【BL/オリジナル】
日時: 2016/09/02 13:34
名前: 我 (ID: DVcR0E4k)

朝倉の兄弟です。
長く続けるようにがんばろうと思います。


主な登場人物

カイジ
寂れた廃ビル街にひっそり暮らしている住人の1人。家をなくした者、身寄りのない者、名前が無い者が集まる。情報屋集団の幹部。金髪右分けの髪。童顔。悪戯好き。スリが上手い。背は平均より少し低い。

赤澤 健人
服の上からでもわかる筋肉。柔道黒帯で体格が良い。サングラスをかけていて、元ヤン。黒髪短髪に青いキャップを被っている。身長は高い方。

Re: この気持ちに気づいてる?【BL/オリジナル】 ( No.8 )
日時: 2016/09/05 21:41
名前: 我 (ID: DVcR0E4k)

「はい?誰も人にやられたなんて言ってないんですけど?」

「そういう発言の仕方だった」

「…ちょっと揉めただけです〜。ま、アンタにゃ関係ないんで、これ以上聞くのはナシの方向で〜」

ふざけた口調で男を挑発するような青年に、男は青年の口から真実を聞き出そうと立ち上がっては、その場から動こうとしない青年へ一歩ずつゆっくりとした動作で近づく。怒っている様子の男を見て青年は嘘を言ってもまた面倒だと正直に話すと、話を強制的に終わらせた。

「何かされたのか?」

「ところで、ここに来たのは何か情報目当てで?依頼ならってことで連絡、してくれたんだよね?」

それでも、青年の身に怪我が無いか見て確かめることは勿論出来ないので最低限のことは知ろうと追求した男だったが、あっさり話を変えた青年は、きっと男が追求したとしても無駄で、質問に追い込まれるのは自分の番に変わるのは早い話だと勘づいた男はそれ以上その話に追求するのは諦め、立ち止まると舌打ちをする。

「あんたって珍しい人だよねぇ〜、他の奴じゃなくて俺に聞いてくるんだから」

「……情報が欲しくて来たわけじゃねぇ」

「?え、じゃあなに?人探し?」

「…財布、返してもらいに来た」

男が先ほどの話題について諦めたことを見て受け取ると、両手を後頭部へ持っていった青年は話しながら男の周囲を男を軸として円を描くように歩き出す。青年の初めの言葉に男は脳裏で青年に純粋に想いを寄せているからと思うも、それより本題に、と低い声でいつもの様に間を取って青年を見据えたまま話すと、考える仕草をした青年はまたニヤリを笑みを浮かべる。

Re: この気持ちに気づいてる?【BL/オリジナル】 ( No.9 )
日時: 2016/09/06 18:42
名前: 我 (ID: DVcR0E4k)

「いやだなぁ〜、それじゃあ、まるで俺がアンタの財布持ってるみたいな言い方じゃーん」

「持ってるだろ。俺から盗んだ。返せ」

悪戯心たっぷりの笑みを浮かべる青年はとても幼く見える。男は財布を返してもらうため右手を掌を上にして青年へ伸ばす。青年はそれを見て男へ背を向けると、先程男が座っていた場所へ歩き出す。

「ん〜、持ってないと言ったら嘘になる」

「さっさと返せ。泥棒」

「泥棒だなんて人聞き悪いなぁ〜。拾ったんだよ?」

箱の上へ乗った青年は男の方を向いて、男の探していた財布を後ろからマジックのように出した左手に持っていた。見せつけるように財布を動かす青年にその場から動かず男は言う。

「俺は気が長い方じゃない。さっさと返せ」

「気が短いですってハッキリ言ったら?そんなに返してほしかったら返すよ、ほら」

青年が財布を返さなければ左手の上着のポケットに隠れている銃で脅すのもありかと考えていた男はもう一度返してほしい旨を伝えると、挑発的口調は変えずにつまらなそうな表情に変わった青年は財布を捨てるように男へ軽く投げた。男は少し惜しい気持ちがあったが返ってきた財布の中身を確認する。

「……おい、中身はどうした」

「あ、中身なら有り難く受け取っといたよー?落とし主は拾い主へ幾らかその中身を渡さないといけないからね」

「勝手にとるんじゃねぇ」

「だからぁ、お礼を貰っといてあげたの!手間を省いてあげたんだから感謝してほしいぐらいだな〜」

大体、タバコ以外に使う余地ないでしょ、と嘲笑い流石に苛立ってしまう男は、いっそのこと青年に告白してしまおうかとも思うのだが、心のどこかでは今ではない気がして葛藤しながら、後者を選ぶ。

「はぁ…もういい。カイジ、今度いつ空いてる」

さり気なくデートのお誘いでもしようかと考えた男は青年に聞いた。

Re: この気持ちに気づいてる?【BL/オリジナル】 ( No.10 )
日時: 2016/09/07 05:35
名前: 我 (ID: DVcR0E4k)

男は携帯のスケジュールにメモを忘れないように書いておこうと、携帯の電源をつけていると、青年は青年で、男が決められた日時までに情報を欲しい、と言っているのかと思い、青年も肩掛けしていた鞄から手帳を取り出して見ながら話す。

「え?あ…ちょっと待って、次は6日後…かな。あ、知りたい情報の内容によっちゃあ変わるかも」

それだけ言うと青年は出した手帳を閉じて元の鞄の中へ戻す。男は青年に話の意図が伝わっていないことを理解して、訂正する。

「違う。情報提供してもらいたいんじゃねぇ」

「はー?じゃあなにー?」

男の本日2度目の台詞に男の思考が読み取れずわけがわからないといった様子で問う青年。

「………少しぐらい休め。お前が倒れたら他の奴らだって心配するだろ」

「あぁ、なに俺の体調を気遣ってのこと?余計なお世話」

「最近、寝てないだろ。ここじゃお前らはマトモに食事も取れない」

「…お前に関係なくね?」

本当は2人きりでの時間を過ごしたいと思っていた男だが、青年とのそれを実現するには気持ちを隠す為に少し言葉を捻る必要があった。ただでさえ青年は華奢な体つきにも関わらず最近は更に痩せてきたのかと思われる。もしかしたら寝てないのか、と思った男は確信があるように青年に追求すると、図星だったようで、青年は箱の上に座ると男を睨みつけて言った。
だが、男も折角のこの機会を逃すわけにはいかない。青年にゆっくり近づいて青年の断れない最大の理由を突きつけてやった。

「お前の事を心配してるんじゃない。他の奴らのことを心配してるんだ。一つの縺れが原因で、他のものに広がることも考えられないのか」

青年は男とのある一定の距離になると、聞こえるような態とらしいため息をついて、渋々了承した。

Re: この気持ちに気づいてる?【BL/オリジナル】 ( No.11 )
日時: 2016/09/09 00:00
名前: 我 (ID: Zn9JBKpx)

企業も発展し、流通の上手くいっているこの時代の日本には誰にも知られていない島が存在する。本島からそんなに離れているわけではなく、海底から繋がっている水中を通る電車のような乗り物に乗ったり、水上バイクを使えば本島まではあっという間の距離である。
しかし、何故その島が誰にも知られていないのか。その島は時として本島からは見えない様に姿を消すからである。
昨日まで、いや、朝見た時は有ったものが時を過ごせば無くなっていることなんて、日常には幾つもある。その規模が“島”という大きなものになっているだけ、それだけなのである。
その島には幾つものギャングや、チーム、組織が存在している。
その島は島というには考えられないほどの大きさを持っている。
そこを外部から狙うものは多く、島の中でも争いは絶えないと言われている。

だが、その中でも一つに集結に、纏まっているギャング達がいる。そのギャング達の住処としている領土は、外部から特に目をつけられているため、それぞれが自分達の領土を守ること、纏まった領土への攻撃はしないこと、を約束し、結成した。

その中の一つの街に住んでいるのが情報屋集団の住処としている所だ。彼等は島の情報収集に長けている。だが、何人いるのかは分かっていない。それほどまでに一人一人の身体能力が高く、車やバイクといった自動車は一切使わない為に音を立てず行動しているからである。

自分に情報が欲しいと思っている時に情報屋を見つけるのは難しくはない。だが、彼等も暇ではないのか、住処としている街以外では滅多に会うことは出来ないらしく、顔を忘れてしまったり、彼等自体に名前が無いことから、彼等を詳しく記憶している人数は少ない。

このことから、情報以外の目的で、その街以外で男は青年と会ったことは一度もなかった。
情報屋と聞けば“あの街”しかないと思った男は死を覚悟で向かい、会うことが出来たのであった。
それからはそこへ通う日々。
勿論、その街へ入って行った時は身体能力の高い情報屋集団に四方八方から容赦なくボコボコにされた。金具を使った攻撃は無かった為、怪我が骨折等の大きなものではなかったのは良かった。
その時は、その街で、そこの情報屋集団を纏めている長がたまたま現れ、攻撃するつもりはないという旨を話せば、攻撃してきたら容赦はしない、とだけ告げられ了承された。

だから、こうして男は青年と会うことが出来るのだ。男は時期に一緒に住むことが可能になることを次の目標へとしている。

Re: この気持ちに気づいてる?【BL/オリジナル】 ( No.12 )
日時: 2016/09/09 00:21
名前: 我 (ID: Zn9JBKpx)

一つに纏まった領土にはそれぞれ勿論トップがいる。トップはそれぞれ、自分達の領土を守りたいという意志が強い。

その一角である情報屋集団を纏めている街のトップはその街の住人を家族だと豪語する。血の繋がりはない。名前も覚えていない頃にその街へ捨てられた者ばかり。また、行き場をなくしたものはそこへ訪れ経歴、名前、それまであったもの全てを捨てる。そんな者達を尊い命だと考え、家族だと言い、守っているのがその街の長だ。

何よりも家族と言われる住人を大切に想う心から、それを囮に言葉を濁らせることは簡単なのである。

男は青年にそれを利用したのである。家族だと言い、それを受け止め、強く思っている情報屋集団はある意味疑う事をあまり知らず、学ぶ事をしてきていないために、とても純粋で単純なのである。
男はそれも含めて青年が誰かに利用され、遠くへ行くことを避けたいのだ。

情報屋集団の長と、幹部の一人が冷静に物事を判断出来る脳を持っているのが安心の出来るところではあるが、人には欠点も存在することを忘れてはいけない。
男は、そう考え、少しでも青年の身を安全にしようと、青年を追うのである。

だが、ついに2人きりのデートを実行できると男はその街を出た後に、思わず、よっしゃー!と男の雄叫びのような声を上げて笑顔で帰っていった。


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