複雑・ファジー小説
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- 恋から、愛へ<こめんと募集〜っ♪>v<ノシ>
- 日時: 2012/05/31 16:39
- 名前: 春野花 (ID: 5ROqhRB3)
第1章 独りぼっち。
「大きらい!!」
ううん。ほんとは違うの。そうじゃなくて。
でも、私は
「お父さんもお母さんもキライ!」
そう言い捨てて部屋を飛び出した。
部屋に駆け込んで声を出さないように泣いて。目が赤くならないように泣くのをやめて。
泣いたらまた、ケンカするでしょ?「あなたが・・・」「いや、お前が・・・」
もう、聞きたくない。怒鳴り声とともに何かが割れた。
幸せって何だっけ??分からなくなってしまった自分が悲しい。ベットにもぐりこんで、耳をふさいでぬいぐるみを抱きしめる。
私、中野恋<ナカノレン>高校1年生は両親の離婚が決まってから親に素直になれない。
転校も決まってしまった。
友達ともぎこちない。お互いどう接したらいいのか、分からない。
好きな人は・・・、私の存在自体きっと知らないはず。
だって、話した事もないから。
これで終わりなの?こんな風に終わるの?
それとももう、終わってしまった?そんなの、ひどい。
どうして・・・?私、何かした?私のせいなの・・・?
もっと、一緒に居たかった。見てるだけでいいの。お願い、時間を止めて・・・
私、 私の心、独りぼっち。
さみしい。さびしいよ。誰も、いない私の心。
氷りついた心。誰か。ねぇ、誰か・・・。
私を助けて・・・・
- Re: 恋から、愛へ ( No.148 )
- 日時: 2011/10/21 16:50
- 名前: 春野花 ◆tZ.06F0pSY (ID: 7BFkVMAM)
ねぇねぇ大好き。今なら優斗、崩れるかなって思ったの。でも優しいアナタは尚更あのコを想うんだね。私はもう、恋人どころか遊び相手にもなれないみたい。
「・・・・・・恋、どうしてる?」
じっと私の顔を見て答えを待っている優斗。やめてよその顔ぉっ!仮にも私、アナタに恋しちゃってるんだからさぁ・・・。諦めようってところでまたときめいちゃうの。仕方ないから目を逸らしてモゴモゴと答える。
「え、どうって・・・。普通に学校行って勉強して・・・。あ、休み時間の落ち様はひどいけど誰かさんの代わりみたいな信君がおんなじクラスだしぃ・・・、大丈夫だと思うよ??」
あ、またいじわるしちゃった。泣きそうな顔、可愛いんだもん!!だけどまさか瞳に溜まった涙が零れるなんて・・・・。次から次へと流れる涙を優斗はこしこしとグーにした手でこするけど全然止まってくれない。あぁ、その顔写真とってケータイの待ち受けにしたいっ・・・!! 何か私、変態みたいじゃん。。。そんないじゃないもん!純粋に好きだもん!!
優斗はひっくひっく言いながらあの子の名前を呼んでいる。過去を見ながら現在に笑顔を求めてる。どうすればいいか分からなくなってオロオロしながらひたすら謝る。
そっとその頭を撫でると少しずつ落ち着いていって安心する。いつも恋は優斗の髪の毛を撫でるから、其れの真似。落ち着いていったのも、私を見ながら恋を見てるからだよね??
優斗はそのまま私の手を涙にぬれた自分の手で握った。小さくあったかい、と呟いて私の手にぽとり、しずくを落とす。歪んだメイプルシロップ色の瞳で私を見ながらコロコロ涙を零して優斗は言う。
「恋に逢いたいぃ・・・っ!れんんっ・・・! ちせぇ、恋に逢いたいよ・・・・・。」
きっと久しぶりに『温もり』を感じたんだろうね。ぎゅっと私の手を握っている手は、生きてることを疑うほどに冷たかった。
冷えきった手とは裏腹に真っ赤なほっぺは熱い。ぺたりとほっぺを触ると優斗はくたりと目を閉じた。今ならいいかな?そんな気がして、優斗を抱きしめる。ぎゅうぅ〜っと抱きしめても優斗は抵抗すらしなかった。
それどころか私の腕をきゅっと握り返してきたの。
- Re: 恋から、愛へ ( No.149 )
- 日時: 2011/10/25 17:02
- 名前: 春野花 ◆tZ.06F0pSY (ID: 7BFkVMAM)
「・・・・優斗?」
力の無い手は、一応私の手を拒んでいた。もっとも感じるか感じないかギリギリ、ってトコだけど。
「ぅ、ぅ〜・・・。ちせぇ・・離してぇ・・・。」
小さく言ったはいいケドすでに起きてる気力は無いらしい。その体重は私に頼りきっていて、その軽さにちょっぴり引く。呆れつつまじまじと優斗を見る。
「そーいえば、痩せたね・・・。」
唯でさえ痩せてたのに・・・。いつか骸骨になってしまいそうだ。
私の言葉を聞いたか聞いてないかで優斗は小さい寝息を立てていた。くー、くー、と眠りに落ちていった優斗は私の肩に頭を乗せている。
自分が熱くなるのを感じながらも自分を抑えて優斗をベットに寝かせる。ちょっとだけ、ちょっとだけなら・・・・。恋も居ないし、さ。
赤みの無いその口に自分の口を重ねる。 このまますぐ、離さなきゃいけない??お姫様のキスで目覚める王子様っていうのはやっぱりおかしい??
・・・・喰い違ったお姫様では何れにせよダメ??つい、感情に任せてキスし続けてしまう。
「ん・・・っ。」
優斗が声を漏らした。起きてしまうだろうか。そしたら気付いてしまうだろうか。
私の想いは、ばれてしまうだろうか・・・・・?
- Re: 恋から、愛へ ( No.150 )
- 日時: 2011/10/28 16:23
- 名前: 春野花 ◆tZ.06F0pSY (ID: 7BFkVMAM)
のろのろと目を開いた優斗は少しだけ瞳を大きくした。でもまたすぐに目を閉じて、顔に掛かった私の髪をはらうだけだった。
「・・・・! 、いいの?」
優斗が詰まった息を吐き出して答えた。その優斗は何時もの『偽り』の顔はしていない顔をした。何時ものポーカーフェイスをついにはがすことが出来たかもしれない。
「別に。誰かに見られてるわけじゃないしそれで気が済むんなら。 ・・・・気付いてるよ、とっくに。フツー1人で来ないだろ。 あ、言っとくけど好きだったら入院してるような時にキスさせたりしな」
分かってはいたけどそれでもまだ腹が立ったから無理矢理にキスして口を塞いでやった。あの時の杏樹の気持ちが分かった気がする。 どうして優斗はもてるんだろ?? かわいいからかな?それだけじゃない気がするんだけど・・・。なーんか、惹かれるんだよねぇ・・・。
「んんー・・・っ。」
膝の上に乗った私の肩を弱々しく押して抵抗する優斗。苦しそうに顔を歪めたから私が慌てて口を離すと。
「 へぇ・・・。あっさり引っかかった。」
こんなコトを不敵な笑みで言った。 ・・・・・
結局は優斗が悪いんだぁっ!!!!
- Re: 恋から、愛へ ( No.151 )
- 日時: 2011/10/29 09:37
- 名前: 春野花 ◆tZ.06F0pSY (ID: 7BFkVMAM)
少しの間沈黙が続く。焦りまくる私とは違ってボーッと外を見つめる優斗。さみしそうに瞳を揺らがせて迷子になった小さい子みたいに見える。手を放されて、歩く事が出来ないみたい。
おずおずと誰かがドアを開けた。慌てて優斗の膝から飛び降りると優斗はべっと舌を出してきて、私がイーッと口を横に開く。ドアに目を向けるとやっぱり、恋が立っていた。
優斗が目を伏せて泣きたいのを、叫びたいのを我慢してる。聞きたくない、怖いって。
「・・・・・っ。」
恋はそっと歩いてきて優斗の髪に指を触れた。ピクンと動く優斗の頬に指をすべらせていった。
「ごめんね・・・? ごめんなさいっ・・・。 ごめんね、ごめんね・・・っ!」
そう謝りながら優斗を抱きしめる。優斗の肩を、包み込むみたいにきゅっと。優斗は俯いた。このごめんなさいがサヨナラを表してるんじゃないかと手を震わせている。どうすればいいか、分かんないよね・・・?
「ゆぅとごめんね・・・。 ほんとにごめっ・・・、ゆぅとぉ〜っ!!ごめんねぇ〜っ!!」
恋も泣き出した。優斗はとっくに泣いてる。何で私まで泣いちゃってるんだろ・・・。 優斗の震える声が病室に響く。
「ほんとだよ・・・、どうしてくれんの?もうだめって・・なって・・・どうすればいいか、わか、なくって・・・!! 恋ん・・っだいすきィ・・・。 な、んでこんなに泣かなきゃいけないんだ、よぉぉっ!」
恋の服を掴んで泣く優斗。恋はそんな幼い優斗をしっかり抱きしめた。あぁ、もう離れる事はないんだなぁって思うしかなくて。涙は止まらなかった。私は優斗より素敵な人に出逢えるかな??
2人とも、大好きだからね・・・・?
- Re: 恋から、愛へ ( No.152 )
- 日時: 2011/11/01 20:03
- 名前: 春野花 ◆tZ.06F0pSY (ID: 7BFkVMAM)
————あれからすぐ、優斗は退院した。あいかわらずバカップルな訳だけど、高校3年生の秋の始まりの事。
2人に、いや・・・・
私達5人の関係に危機が再び訪れた。
「ねぇ優斗?今まで聞いてなかったけどさぁ、志望校どこ??優斗みたいに学年トップが大学行かない訳無いよねぇ?」
屋上で2人、お菓子を食べてのんびりしてる昼休み。
恋の質問は、僕の悩みの種其のものだった。
空を見上げる僕を見て、恋はそっと微笑んだ。
恋が思ってるほど、今回の事態は簡単じゃない。
どうしたらいいのか、さっぱり分からない。
決断を下せばいい。
其れは分かるけど。
だけどだけど。
辛い。 怖いんだもん。 何処にも行きたくない。
それじゃあ、だめ??
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