複雑・ファジー小説

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【短編】 目玉ちゃん目玉ちゃん目玉ちゃん 【物語】
日時: 2012/04/16 20:53
名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: hTgX0rwQ)

( くるしい、よ。ねえ。 )


.

勢いで作ってしまいました。どうもありです。
えーと短編集なんかを載せていきたいと思います。ジャンルはシリアスからギャグまでまあ色々と置いていく予定であります。
ではゆっくり見てってくれると嬉しい限りでございます。

@ 目次
[ それは蒸し暑い雨の日 ] >>1
[ Dreamer ] >>2 >>3 (佐々木夢芽・鈴木有芽/ささきゆめ・すずきゆめ) 
[ イレギュラー ] >>7
[ 残酷な天の彼女 ] >>9
[ 馬鹿ですよ、どうしようもなく ] >>10 (池田嬉季/いけだきき)
[ 最高に熱い夢を ] >>11
[ すーぱーろりーた ] >>12 >>13 (崎本要・倉本燐・西垣鈴・西垣/さきもとかなめ・くらもとりん・にしがきりん・にしがき)
[ 光る星と光る花冠 ] >>15 (秋原遊生・星夜/あきはらゆうき・せいや)
[ 混ざり合う絵の具 ] >>18
[ ぎょろぎょろして叫んでます ] >>20 (目玉ちゃん/めだまちゃん)
[ 一緒に笑って、 ] >>21
[ ひらひらと、へらへらと、 ] >>22 >>23 (愛咲爽・愛咲陽・風日/あいさきそう・あいさきよう・ふうか) 
[ ぎすぎす、な ] >>24 (透・蜜柑/とおる・みかん)
[ あなたの事しか見ていないのです ] >>25
[ 告白 ]  >>28

@ お客様 
ひゅるりさん wOkkAさん 友桃さん るき♂さん
 


.



2011/6/19  スレッド生成 

#01 - 最高に熱い夢を ( No.11 )
日時: 2011/07/20 22:21
名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)

[ 最高に熱い夢を ]


 「あっつーい……」

アイスキャンディを食べながら、扇風機の前で声を出してガラガラになった自分の声を聞くお馴染みの遊びをする彼女は、只今夏休みの宿題真っ最中だった。
 七月末。彼女の部屋にはクーラーが付いているが、眠りにつく時以外は使うことを禁じられている。そんな家もあるんじゃないだろうか。
 扇風機の風と窓から来る微かな風の中で彼女は宿題をしていた……がそれは当たり前の様に長続きしなかった。
 せめてクーラーでもありさえすれば、一時間半は持てたのに——と彼女は頭の中で考えていた。 

 「ぐうう、宿題なんて無くなればいいのにーっ! 何であるんだよこんちくしょー!」

 彼女は食べ終わったアイスキャンディの棒をごみ箱に捨ててそう叫んだ。近所迷惑にならない程度の大声で。
 彼女は回転イスからベッドへと横たわり、数分間。瞼が完全に閉じ、その部屋は静かになった。音と言えば、たまに外から来る風が入ってくる音くらい。


 ——そこは夢の国。御伽噺。強く、熱く願うと行く事ができる。ただし、意識がそこにある限り。意識が、夢の中にしかない限り。

 「ん、あれ。私、宿題してたはずだけど」

花の中で眠っていた彼女は起き上がり、辺りを見渡して言った。どこを見ても花の中。花畑と言うには広すぎて、どちらかと言えば花世界で合っている気がする。

 「あちら側は、暑いかい?」

しゃがれた声の主。は、ウサギだった。白ウサギ。可愛らしい、赤い目の白ウサギ。外見だけで声は微妙だが。
 喋るウサギを見ても彼女は驚く事もしなかった。まあそれは夢だから有り得ない事も起こり得るのだが。

 「どこに行っても熱いけれどね」

彼女の返事を聞かずに勝手に語りだした。

 「キミの視線が熱くて熱くて、ぼくもとろけそうだよ」

笑いながら、しゃがれた声で。そして燃える様な赤い瞳で、熱い視線で、こちらを向いて。

 「最高に熱い夢を、キミに見せてあげる。キミもずっと、熱くぼくらを見てよ」

彼女の顔を両手で押さえて、妖しい笑みを浮かべてみせるウサギ。その手は毛むくじゃらで暑かった。


 ————現実に戻ると、そこはとても暑くて、彼女の体は汗だくになっていた。
 窓から聞こえる風の音だけが、その部屋に鳴った。



最高に熱い夢を / end

#01 - すーぱーろりーた ( No.12 )
日時: 2011/07/30 18:05
名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)

[ すーぱーろりーた ]


 「おにいちゃんっ」

おお……何だこの可愛い奴。これがいつもの幼馴染か? これがあの暴力女か? ツンデレプレイナイスプレイ。
 この同じ歳にして俺の事を兄呼ばわりしているロリ系女子は紛れもなく俺の幼馴染の崎本要だ。只今ツンデレのデレの部分を見せてくれている。ちなみに俺はロリなんかじゃない。断じて違う。だがロリ系女子も悪くない。ロリじゃないぞ!

 「言葉にできない」
 「言えよ」
 「小田和正を馬鹿にすんじゃねえ! 元のロリに戻れ!」
 「小田さん馬鹿にしてねーよロリコン」

さっきまでの可愛らしい姿は何処へ行ったのか、元の生意気で暴力を振るうキングコングに戻ってしまった。全く。
 車があまり通らない通学路で何をしているのかと言うと、デパートに向かっている。

 家の中だった。今日は母さんも父さんも働いて——と言うか常に働いてる両親なのでたまにこのキングコング要の家に行ってご飯食べたりだらだらするのであった。
 そんなだらだらしている時間、要が立ち上がり口を開いた。

 「私買う物あるからデパート行ってくるー」
 「ああじゃあ俺も行くー」
 「来るなら離れて歩けよ」
 「じゃあお前がロリになったら離れて歩いてやる」

 
 回想終了。
 とにかくそんな感じの会話を経て今こうして二メートル程の距離をとってデパートに二人で向かっているのであった。
 
 「ロリって。性癖が理解できないわ。アンタ将来幼稚園の先生なって捕まるんじゃないの?」
 「そこまでしてロリの体に触りたいとは思わない!」
 「言い方生々しい」

それはそうだと要の言葉に一人で納得していると、天国であるデパートに着いた。
 あ、別に休日だからロリが一杯居るって意味で天国とか言ったんじゃないぞ。単に涼しいから天国って言ったんだぞ。
 
 「お前、何買うんだ?」
 「えーと、ワンピースかな。百十ぐらいだったと思うけど」
 「お前そこまでロリになるつもりなのか!?」
 「妹だよ馬鹿じゃない?」

ああ、何だ。そこまでやってくれるのかと心配になったじゃねえか。そこまでやられると流石に俺が変態に思われる。まあそれはそれで嬉しいからやってもらっても構わないけれど。興奮しちまったよ。


すーぱーろりーた / next

#02 - すーぱーろりーた ( No.13 )
日時: 2011/07/30 18:06
名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)

 「おにいちゃん!」

何、デジャヴだと!?
 ロリボイスがする方向へ目を向けると、美少女だった。美幼女だった。美幼女が、俺の友達に声をかけていた。嘘だ、アイツにあんな可愛い子が隣に居るはずがない……! 

 「俺の隣にはこんな暴れ猿だってのに……!」
 「何か失礼な事言ってるけどどうしたの」
 
冷めた様な目で要に見つめられた。と、同時に怒ってる様にも見えた。

 「いやな、今西垣にスーパーロリータが引っ付いてたんだよ」
 「ふうん、西垣もアンタと同じ悪趣味だったってわけね」
 「いやいや、何であんなブサイクの横に何であんな美幼女が居るんだって所だろ。幼女でも泣いて喚きだすぞ、アイツの顔」

 正直な所西垣はあまりイケメンじゃない。俺の友達だが言おう、アイツはブサメンだ。少し太り気味のぽっちゃりした感じの男子。顔はニキビ野郎である。性格はいい奴だがな。
 
 「まあ……西垣の顔は見てるとイライラするしね」
 「そこまで言ってないよ俺」
 「あんなブツブツ存在しててもあんま意味ないしね」
 「やめろ要! 西垣が可哀想だ!」

西垣への暴言なのに俺が泣きたくなるって本当どういう事だよ。しかも無表情で言うもんだから余計こえーよ。西垣の顔見るよりもコイツが口を開いた時の方が恐怖を覚えるわ。幼女が尋常じゃない程泣いてしまうわ。

 「お、崎山と倉本じゃねえか、何してんだ?」
 「ああ、アナタいても意味ないわねって話を」
 「俺は何も言ってねえよ!?」

何だコイツ……本人の前で文句言うとか罪悪感はないのか。俺が焦ってしまうわ。
 西垣は何とも言えない様な怪訝そうな首をかしげた。やめろ、お前がやっても可愛くない! 一方隣の幼女も不思議そうに顔をかしげている。こっちは可愛いなおい。

 「ああ、その可愛い幼女さんの事可愛いねって言ってたんだっけ、アンタ」
 「ああその通りだ」
 「何でこんなブサイクにこんな可愛い子が傍に居るんだって事も言ってたわね」
 「しかし否定できない!」

ちっくしょう、まあちょっとの罪悪感はあるからいいとしよう。俺はまだ優しい人間だ、うむ。

 「ああ、コイツは妹だよ」
 「似ても似つかない程の可愛さね」
 「お前本当に兄妹なのか」

流石西垣、優しすぎるからブサイクって言っても怒らない! 何ていい奴なんだ、全く……西垣って奴は……!
 それよりなんでこんなブサイクからこんな可愛い子まで西垣家は揃ってるんだ。イケメンとか家に居るんじゃなかろうな。

 「お前ら何か失礼になってないか? まあ似てないのは認めるけど。コイツは誰に似てるのか正直な所分からない」
 「分からないのか」
 「そりゃアンタが生まれるくらいの親の顔だからね」

西垣はともかく親まで貶してきやがった。勇気あるというか怖い物知らずというか。幼女は紹介されつつも余所見している。目を向けてる方向はどうやらゲームらしい。そんなにゲームに夢中か。

 「顔の話は俺が傷つきそうなんだけど」
 「しょうがない、コイツはそんな奴なんだ」

ネガティブだった。マイナス思考でしかなかった。
 
 「おにいちゃん、あれ買おうよ」
 「んあ? ゲームは駄目だ、安い物をねだれ」

西垣の服の裾を引っ張って西垣の服の袖を引っ張って西垣の服の袖を引っ張って——! 引っ張ってる相手がもう少しイケメンだったならば。相手がとても残念すぎる。く、俺はここでそれを見てるしかないなんて! 俺は手を強く握る。頭の中には、悔しさしかなかった。

 「キモイぞ倉本燐」
 「それを言うな要」
 「ああ、そういや紹介し忘れてたけど、コイツの名前は鈴って言うんだ」

 同じ名前……だと!? なんて幸せだこんな鈴ちゃんと同じ名前とか幸せ者だ俺は。感激で手が震えるぜ。
 何だか西垣と要に冷たい目で見られている気がした。

 「西垣鈴ですっ。よろしくおねがいします」

何この天使……。生きてて幸せって初めて思ったわ。幸せすぎて悶えそうだぜ。これがスーパーロリータなんだな。
 
 「やっぱ変態ね」
 「俺より可哀想だ正直」


すーぱーろりーた / end


 
 

Re: 【短編】 Dreamer 【物語】 ( No.14 )
日時: 2011/07/30 18:03
名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)

会話が多くて長い話…しかもぐだぐだで変態すぎる。
ぶちまけた話になってしまいました。変態は書いてて楽しいけど話の方向が分からなくなってしまうんだよな

Re: 【短編】 Dreamer 【物語】 ( No.15 )
日時: 2011/08/08 21:36
名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode

[ 光る星と光る花冠 ]


 今日は特に変わった日ではない。平凡すぎる夏休みの一日の夜に、ただ外に出て星を眺めている。それだけの話。俺が外に出るなんてバイトか学校か友達からの強制的なお誘いのどれかだ。そして今は後者で、俺は海辺に来ている。
 一人で、ではなく。ちゃんと皆居る。俺がただ手伝っていないだけで、皆は打ち上げ花火の準備をちゃんとしている。
 俺が皆を見ていると、横から声がした。

 「おーい、お前も手伝えよ」
 「あいよー。……それにしてもよくやるな、こんなの」

俺が楽しそうに手伝う皆を見てそう言うと、隣に居る秋原遊生はへらへらと笑って言った。

 「何言ってんだよー、楽しいじゃねえか、花火」
 「お前はホント、名前負けしない奴だよな」
 
遊んで生きる。それが遊生だった。何だかいつもへらへらしててはっちゃけてて、俺とは真逆の雰囲気を持った奴。そんな奴がなぜ俺と友達ならぬ、親友なのかよく分からん。
 
 「お前は名前負けしてるよな、陰気な奴。な、星夜クン」
 「うっせえ」

また笑って茶化す。イライラしないのはコイツ特有の何かだ。
 確かに俺は名前負けしてる。星夜なんて綺麗すぎて光りすぎて何だか微妙だ。平仮名で名乗るならともかく、漢字で名乗ってしまうと名前負けといつも言われる。

 「いつでも気楽に居とけばいいんだよ。こんな日に悩むなんて空気読めない奴だぞ、お前」
 「そんな事言われたってなあ」

正直悩んでいるとも思わないし、遊ぶのも面倒とか思うだけだ。いや、別に遊ぶのは良いんだけど。やったら楽しいし。でもまあ、自分の気持ちが何であろうが、参加したからにはやっぱ楽しそうにした方がいいかもしれない。一応。

 「こう言う日はよー、花火でも見て綺麗とか思ってれば良いんだよ。いつも考えてばっかりだと、疲れちまうぞ?」

 頭を掻いて、俺を気遣う遊生。——そうか。俺は悩んでなんかいなかった。でも、何か色々考えてばっかだったなあ。そりゃ、疲れもするわな。下向きと言うか、陰気にもなるわ。
 こんな日ぐらい、気休めしたって良いよな。 
 近所にある海で、ショボい打ち上げ花火を放って楽しんでれば、良いよな。


 「たまやー」 

無表情で、そう言ってみる。
 輝けたら、いいなあ。


光る星と光る花冠 / end


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