複雑・ファジー小説

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ひっそりと生きている。
日時: 2011/09/24 08:05
名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=10755

 ( 世界の隅っこで小さく脆く息をして )

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どうも初めまして。またはお元気ですか。知ってる方は知ってる蟻と申します。
まずこの小説は気まぐれと無計画の二つしかありません。つまり話の筋を全く決めていないわけです。ファジー板に立てたのはどのジャンルに転がるか分からないので立てさせていただきました。
ゆっくり見ていってくれるとありがたいと思っています。
ついでに宣伝ですが参照から短編集に飛べちゃいます。

※ この小説はおそらくシリアス成分が含まれています。

@お客様
京助さん 水瀬うららさん 赤時計さん
 
@目次
#00 - 僕は生きていた >>1
#01 - 過去の絆 >>2 >>3 >>8 >>9 >>10 >>11 >>12 >>13 >>18 >>19 >>20
#02 - 結びなおす糸 >>21 >>22 >>23 >>24 >>25

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@ 2011/7/31 スレッド生成 

#00 - 僕は生きていた ( No.1 )
日時: 2011/09/30 21:42
名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode

 「生きてごめんなさい」と思った事はあるけれど「死にたい」と思った事はない。「こんな自分死ねばいいのに」と思ったけれど、その感情はただ客観的に見て抱いただけであって、僕はそんな事思ってなかった。いつも生きたいと思ってた。
 生きたくて逝きたくて。何百年と生きてる、しかし若い彼女の元に行った僕は雑用係を押し付けられた。いやいやそういう事は望んでないですよと僕が愛想笑いで言うと、強気に笑って彼女は言い放った。

「何言ってるの、あなたはここに居ないといけないのよ」
 
……だって。
 魔道士は昔の僕を、今僕が生きているこの場所に惑わせて引き寄せて惹いて連れてきた。哀れな昔の、ただふらふらと歩いていた僕を救う為に。 
 彼女は屋敷の中で生きていた。この世から隠れる様にして。僕はここでひっそりと生きていた。誰にも気付かれない様に。
 ——誰にも、見られない様に。

#01 - 過去の絆 ( No.2 )
日時: 2011/09/23 09:40
名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode

#01 - 過去の絆


 僕と彼女は屋敷の中に居た。広くて説明できない位の屋敷の一部分、彼女の寝室に僕と彼女は居た。ちなみにベッドとクローゼットしかないこの至ってシンプル部屋に僕は敷布団、掛け布団、枕、抱き枕の四セットをセットした状態で彼女のベッドに寝転んでいた。
 僕は所謂バイト——まあ正しく言うとただの雑用なのだが、彼女はこの屋敷の持ち主だった。
 しかし彼女はこの屋敷の持ち主なだけだった。まあ結構広い屋敷なのだが、けれど彼女は世界を持っていなかった。彼女が手にできているのは僕とこの屋敷だけ。それだけ。
 ちなみに僕が持っているのはいっぱいあった。あったってだけで、もう既に無くした。あと残っているのは僕と彼女だけ。それだけ。
 
「いい加減、暇だわ。ちょっとれい、買い物行ってきなさい」
「無理だよりゅう。だってお前も僕も外出れねえじゃねえか。買いたいなら通販で買えよ」

 大きい桜色の、可愛らしい天蓋付きのベッドで僕と一緒にだらけているこの僕より年下っぽく見える少女こそが、僕の言う彼女。僕と屋敷しか持っていない彼女。世界を持っていない彼女。名前は、流。美少女な美老女だ。
 光る銀の髪は背中まである。冬以外は常に髪をあげていて、今日はポニーテールだった。スタイルは良さげ。と言うか滅茶苦茶良い。モデル並みだ。胸も巨乳でもなく貧乳でもなく、丁度いい位ににあるし、足も長いしくびれも素敵だし。顔は整っていて、ぷっくりと膨らんだ綺麗なピンク色の唇。妖艶な紫の瞳は相変わらずジト目で僕を見ていた。

「何で僕を見てるんだよ流」
「いや、何だか変態的な事を考えていそうな目をしていたから」
「心の中を読まれている!」

二百年も生きていたらそういう事も出来るんだなあ……流石だぜ、人生の先輩だ。先輩と言うにはとても歳が離れている気がするけれど。
 僕は零。苗字は別に名乗らなくてもいいと思うし、と言うか忘れたのでスルーしておこう。思い出せる。だが僕は外に出れないのだった。
  
「じゃあ早く朝ごはん作って来なさいよ」
「お前には手伝うとかいう良心は無いのか?」 
「食べて褒めたらそれだけで良いでしょ?」
「ああ十分だ!」
「じゃ、私ゲームしてるわ」
「ハッ、騙された……!」

何て単純で純粋なんだ僕は……。流に褒められるって言うのは中々ないから嬉しいんだけどな。 

 


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