複雑・ファジー小説

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レリアルドールの夢
日時: 2011/09/30 18:32
名前: グラハム (ID: SSatGfsz)

初めてまして!!
クリックしていただきありがとうございます。
初めて書く小説なので誤字や脱字が多かったりするかもしれませんが努力して直していきます。
もし、間違えがあれば指摘してもらえれば嬉しいです。
よろしくお願いいたします。

Re: レリアルドールの夢 ( No.5 )
日時: 2011/10/03 20:39
名前: グラハム (ID: 1r4AbMV5)

少女の開けた棺桶の中に入っていたのは・…十代前後の若い少年であった。

その手には、長身で細身な刀が握られていた。

来ている服は、極々一般的な物である。

「もしかして…宝ってこの日本刀のこと? 刀なんか使ったことないのにまあ・…護身用に持っといたらいいわよね」

少女は、少年が握り締めている刀を取るために少年の手をどかそうと手に触れた途端!!

今までピクリとも動かなかった少年がはっと起き上がったのだ!!

少女は、それに驚き悲鳴をあげることも無く意識を失った。

それから、しばらくして男の声が聞こえた。

「大丈夫・…ですか?」

少女は、目が覚めるとすぐさま起き上がり。

「貴方生きてたの! なら始めから返事の一つでも私にしにしなさいよ!」

もちろん少年は、生きているただ寝ていただけだしかも寝てたのだから返事のしょうがない。

これは、立派な八つ当たりだ

「はい・…すみません。」

少年は、そんな理不尽な少女に頭を下げる。

少女は、少年に謝ってもらい怒りがさめたのか少し表情が和らいだ。

「何であんたはこんなところで寝てるの?」

「主人が、ここに帰って来るはずだからです」

そう少年は力強く言う。

「主人・…?」


Re: レリアルドールの夢 ( No.6 )
日時: 2011/10/03 21:44
名前: グラハム (ID: 1r4AbMV5)

「そうです。私はあの人がここに帰ってくるの待たなければならない。」

「でも…貴方の主人はここになかなか帰って来ない」

少年は頷く。

「はいその通りです。ここ10年は、主人の声を聞いていませんし姿も見ていません。 けれど…主人は必ず帰って来ます。」

少年は、最後の「帰って来ます」と言う言葉を強調した。

「貴方は、なぜ主人にそこまで執着するの?」

「私に命を与えてくれた人だからです。」

「それは、親と言うこと?」

少年は首を横に振った。

「いいえ。親は他にいます」

少し、少年の言うを理解できなくなってきた。

しかし、少年の話には何故だか興味が持てた。

「貴方と主人に何が、あったかは知らないし知ったところでどうにかなる問題でもなさそうだけど、少し話してみてくれない。」

少年は、自分と主人との間に何があったかを包み隠さず全て話した。

「私は、主人の使用人でした。主人の名前は中山 浩司と言います。」

「昔、日本の翼と言う宇宙探査機を作った第1人者ね」

「その通りです。 主人は、探査機翼を作った功績を認められアメリカのNASAの科学員になりました。 そのときに、同じく科学員のグライさんと仲良くなられました」

少女は、今の少年の言葉を疑った。

少年は、確かにグライと言った・…。

「そして、主人はNASAの科学員を5年足らずで退職しました。退職と同時にグライさんとの研究に打ち込み。その研究で出来たのが・…」

「レリアルドール・…」

少年の言葉を遮るように少女は、口にしていけない兵器の名を口にした。

「知っていたのですね。 なら話が早いです。私は、レリアルドールの第1被験者です。」


Re: レリアルドールの夢 ( No.7 )
日時: 2011/10/24 17:34
名前: グラハム (ID: bStwRqTd)

少女は、喉が異常な程に渇き手が痺れその痺れが身体を侵していくのを感じた。

「貴方は、本当にあのレリアルドールなの?」

「はい。」

「私は貴方が、兵器には見えない」

「・…」

レリアルドールは何も答えない…いや、答えられないでいた。

少女は少し質問をしてみる。

「貴方は、後悔している? レリアルドールにされて?」

「いえいえ。私に第2の生をくださった人を恨めません。 主人が、いなければ私はこの世にこうしていることも出来ませんから。」

「第2の生? それは・…どういう意味?」

「私は、一度死にました。 でも、私に主人はツールを埋め込んでくれました。そのおかげで、私は今もここにいることができます」

その言葉の意味は少女には理解できた。

レリアルドールは、ツールと言う機械を心臓に埋め込んで完成する。

埋め込むにも二つ条件がある。

まず、人間であることそして、死後10時間以内の間にしか埋め込むことが出来ない。

「貴方は、それで主人に仕えるのね」

「はい。恩返しの為です。」

この答えには驚いた。

なぜなら…少女の想像のレリアルドールとこのレリアルドールは、あまりにも別物であった。

レリアルドールは、人間に似ているけれど…人間ではない。

それは、ツールにより感情が支配されるからだ。

だが…目の前のレリアルドールは恩返しと言った。

レリアルドールは、感情が支配されているから恩など感じる訳がない。

しかし、一概にそうとも言い切れない。

もしかすると本当は感情が支配されて無いかもしれない。

少女は試しにこんなことを聞いた。

「貴方は、主人が心配?」

「わかりません。ただ主人にまた会いたいです。」

「それは、貴方自身としてそれともレリアルドールとして?」

「私自身としてです。」

目の前のレリアルドールからは、人間独特の強さに似たような物が感じられた。

それは、レリアルドールには決して無いものだ。

少女は、なぜ自分が少年の話には興味が持てたのかがわかった。

「主人に会いたいのよね? なら逢いに行けばいいのよ!!」

Re: レリアルドールの夢 ( No.8 )
日時: 2011/10/05 22:16
名前: グラハム (ID: 1r4AbMV5)

なぜ、自分がこんなことを言ったのか分からない。

少年のことがほっとけ置けなかったのかもしれない。

「しかし…」

少年は、すぐに応えることが出来なかった。

何故なら、少年はどうしたら良いのかわからなかったからだ。

少女は、少年の手を力強く引っ張った。

「どうしたら良いのか迷ったときはまず行動に移す。 まあ、父親からの受けよりだけど。」

少女は、苦笑いをする。

そして、そのまま少年を棺桶があった部屋から引っ張り出す。

「主人の居場所は私にはわかりません。」

少女は、得意気にこう言った。

「私についてくれば大丈夫必ず会わせてあげる。」

「本当ですか?」

「もちろん!!」

少女は、大きな声でそう少年に言った。

「なら・…貴方に着いていきます」

少年はそう返事を返す。

「貴方の準備が出来次第出発する」

少女が、こう言うと少年はすぐに身支度を始めた。

Re: レリアルドールの夢 ( No.9 )
日時: 2011/10/23 17:37
名前: グラハム (ID: E.ykc75A)

Act.2

微かに霧のかかる早朝まだ時刻にして4時を過ぎた頃。

街並みから少しだけ離れた海岸沿いを西へと一台の車が走っていた。

早朝であった為か、その海岸には車のエンジン音と波の音しかしない。

しばらくして車は、「CoCo」と言う喫茶店の前に停まった。

まだ、店内には人の姿がなく閑散としているのがわかる。

「おい! 本当にここでいいんだなあ?」

運転をしていた中年の男が、窓から顔を出してそう聞いてみると…「はい。ここでけっこうです」と女の声がした。

それと同時に、荷台から2つ人影が突然現れた。

一人は少し小柄な女。

髪は明らかに日本人のものとは違っていた。

背中には、その小柄な体格とは不釣り合いなリュックサックを背負っている。

そして、もう一人は女とは対照的な長身の男だ。

この男は、長い黒髪だったためはっきりと日本人だとわかる。

手には、その男の身長と同じかそれよりも少し長い刀が握られていた。

「じゃあな、気いつけていきな!」

中年の男は、そう言ってまた海岸沿いを西に向かって走っていった。

「ここが、工藤さんのいる店ですか?」

男は女に尋ねた。

「そうよ」

女はその問に一言だけそう応えるとすぐに店の扉の前に向かう。

中にはやはり人の姿がなく閑散としている。

「店にはまだ来てないみたいね」

女は店内に誰もいないことを、確認するとその場から少し離れた民家に向かう。

その民間の表札には「工藤」と書いてあった。

この民家は、工藤さんの物のようだ。

「やはり時間をずらすべきでは?」

「いいのよ別に」

女は男の言葉に耳をかさずにインターホンを押した。

「・…」

やはり時間が早すぎた為かまだ起きていないようだ。

「仕方ないわね。少しだけ時間をずらしましょう。」

女はそう言うと民家の近くにあったベンチに腰を、おろし背中に背負っていたリュックサックスに手を入れ、中から一冊の本を取りだした。

「世界航海記ですか?」

「悠時はこの本のこと知ってるの?」

女は悠時がこの本のことを知っているのに驚いた。

「この本は・…」

「第三次世界対戦後に出版された本だからですか?」

女が応えるより前にそう応えた。

「・…そうよ」

女は驚きを隠せないでいた。

「私は、第三次世界対戦後すぐに停止したのではなく、それから約35年間あの邸でくらしました。その後、私は停止しました。」

「確かにそれなら・…知ってるわよね…?」

女は少し納得のいかないのか、その応えは少し曇っていた。

何故なら悠時には、いくつものナゾがあったからだ。

彼は、自分では30年間しか活動を停止していないといっているが・…たった30年やそこらであそこまで建物が風化するだろうか。

そして、何故彼だけがレリアルドールの回収の手から逃れられたのかだ。

第三次世界対戦後に全レリアルドールの回収・及び破棄が遂行された。

そのときには、「世界上会統合連合」(今で言う国際連合のこと)がレリアルドール全てを回収したとテレビ放送で発表していた筈だ。

しかし…悠時は日本の群馬の廃墟に眠っていた。

悠時だけが回収されなかった。

すなわち…彼はレリアルドールの正規の個体ではないと言うことだ。

もし彼が正規のレリアルドールなら世界上会統合連合が見逃す訳がない。

彼は、やはり第一被験者と言うこともあって一筋縄ではいかないようだ。



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