複雑・ファジー小説

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鎖解時 −第二章開幕−
日時: 2012/01/07 19:18
名前: 柚子 ◆Q0umhKZMOQ (ID: JbVqO821)

初めまして、柚子(ゆず)とかいう者です。
前々から居たのですが、名前変えてやろうって思いました←

‡お客様
*栗鼠隊長様
*凛様(鑑定を受けてくれた方)
*檜原武甲様
*宙燐丸w様

†めにう
プロローグ
【 壊していく 】「>>001

第一章
【 壊しにいく 】
第一話『創めます』
>>002」「>>007
第二話『壊す過程で』
>>008
第三話『泣いても……いいですか?』
>>011」「>>013
第四話『全力で泣かせてもらいます』
>>014」「>>015
第五話『涙なんかもう捨てた』
>>25
第六話『涙の代わりに雨を』
>>26
第七話『初めての——』
>>27」「>>28
第八話『抑えきれない悲しみと哀しみと』
>>31」「>>34」「>>39
第九話『   』
>>41

第二章『プロローグという名の詩に近いもの』
>>52



参照100突破記念レス「>>022



キャラクタプロフィール「>>006
重要語句意味     「>>003
キャラクタ募集    「>>40

——注意事項——
1:環境があまり良いとはいえないので、更新は蝸牛並です。
2:作者の書き方が苦手。荒らしにきた。小説への文句を言いに。
  該当する方は、すぐさまプラウザバックをお願いします。
3:微量にグロ表現が見え隠れしますが、苦手な方はプラウザバックお願いします。
4:アドバイスや、ご指摘有りましたらお願いします。

*お知らせ*
□参照100突破 (2011年12月05日)
□参照200突破 (2012年1月1日)
□キャラ募集について「>>34

Re: タイトル一時無題とします 第一章【 壊しにいく 】更新開始 ( No.13 )
日時: 2011/12/01 14:12
名前: 柚子 ◆Q0umhKZMOQ (ID: FQzo10Uq)

第三話 続

 ポーン。

 一言でたとえるならばこんな音。その音がエレベーター内のスピーカーから聞こえ、目的の階に着いた事を知らせてくれる。
 普通一般的なエレベーターであれば、音が鳴ると直ぐに扉が開くようになっている。勿論、この会社のエレベーターも一般的なものと同じである。ただ、今回一つ違う点が存在した。それは、音が鳴ったのに一行に扉が開かないということである。

「尊、助けて扉開かない……」

 アレックスが他力本願で尊に扉を開けることを要請する。尊はそんなアレックスを一瞥し、深いため息を吐くとエレベーターの角のほうへ行き、徐にパソコンを開き始めた。アレックスは尊がパソコンを開いたのを確認して、自分はエレベーター内を隈なく探し始めた。いつも目に入るような場所から、目に見えにくい細部など注意を払いながら探していく。

「なーなー。尊、なにやってんだよー」

 退屈そうな驟雨が面白いことを求めて尊に話しかける。ただ、尊は驟雨を一瞥だけすると直ぐにまたパソコンのディスプレイ画面に視線を向けた。驟雨は文句を言おうと口を開こうとしたが、尊が見ているディスプレイ画面に映し出されている蛍光緑に近い色の文字を見て、文句を言う気力すらなくなり、尊の背中に自分の背中を合わせる様に座った。

「あ、アレックス。俺になんか……できることとか、あるか?」

 驟雨が尊に無視された様子を見た後にパートナーであるアレックスに話しかけるのは少し気まずいのか、小声でボソッと言った。

「お? 鈴手伝ってもらってもいいか?」

 鈴からの申し出に少し喜びながら鈴を見る。鈴は自分も、驟雨に向けた尊の様にアレックスも無視するものだと思っていたため、とても嬉しそうに微笑み、勿論! と言った。

「んじゃ、とりあえずこっちきて。頼みごというからさ……。
 あと、驟雨も尊の方じゃなくて俺のところ来て。鈴だけじゃなく、驟雨にもお願い」
 
 鈴と驟雨を手招きするアレックスに、鈴は少し膨れっ面をしているのに気づかずに、アレックスはエレベーターの階を表示するボタンの辺りを細かく見始めた。

「アレックスっ! なになに? 面白いことだったら、何でも手貸すよっ」

「とりあえず……俺にくっ付かないで貰っていいかな?」

「お前は、お前の相棒がいるんだからソイツにくっ付けばいいだろう!」

 驟雨がアレックスの元へ来ると同時に、アレックスの腕にぴったりとくっついた。それを見た鈴が、怒鳴りだした。アレックスは、遠回しにではあるがやめて欲しいとは言ったのだが、驟雨が一向に離れる素振りを見せず、なにをするのかと問い質した為驟雨に離れてもらうのは、諦めることにした。
 
 そして、アレックスが息を吐いて一つ。

「とりあえず、この扉壊して」

 満面の笑みで言ったアレックスとは対照的に、尊と驟雨、そして鈴も声を合わせて「はぁ?」と言った。
 そんなことを言われてもなお、アレックスが口角を上げた状態だったためエレベーター内は不思議な空気に包まれた。

Re: タイトル一時無題とします 第一章【 壊しにいく 】更新開始 ( No.14 )
日時: 2011/12/01 16:11
名前: 柚子 ◆Q0umhKZMOQ (ID: FQzo10Uq)

第四話 『全力で泣かせてもらいます』

 ——ヴゥゥン。
コンピューターの起動音が暗闇に包まれた部屋の中で反響する。

『全システム正常ニ作動中。タダイマヨリ監視プログラムヲ実行イタシマス』

 人間に良く似た機械音が、起動音と同じように室内を反響する。プツっと音が鳴ると、暗かった室内に一斉に光が灯された。灯された、というよりは灯ったという表現のほうが正しいかもしれない。暗から明へ移り変わった部屋には二名、“人間”と一言で表していいのかどうか思い悩むような生物が存在していた。

「ナァ。この抜け殻ども、どうする?」

「あ? オレ等の着てた抜け殻なんか食っちまえばいいだろ? どうせコイツ等もこの男と同じ運命になるんだからよ」

 そういい、生物たちは後方を見やる。そこには、此の世のものとは思えないほど気持の悪い“物体”が存在していた。元々は骨が有ったのであろうが、今はそのような面影などは一切存在せず、床に無造作に捨てられていた。その近くには誰の物ともいえない骨が散らばっていた。
 
 再度、ヴゥゥント音が鳴ると生物たちの前方に位置している巨大なパソコンのディスプレイ画面に各班のリアルタイムの映像が流れ始めた。班以外にも、各廊下やエレベーター内。フロントなど、この会社の細部までもが一目瞭然といったところであろう。そのため、例外なく閉じ込められたアレックス、驟雨、尊、鈴も映し出されていた。生物たちは、この四人の映像を好奇の眼差しでじっくりと見ていた。中でもパソコンを使いなにかを行っている尊を重点的に。

「オイオイ……。あの男なんか使ってやがるけど、どうする? 危ないんじゃないのか?」

 生物の一人が隣にいる生物へ、少し焦りが混じった声色で問いかける。すると、隣の生物は声を押し殺して笑い始めた。生物が笑うたびに、その肩は上下に小刻みに揺れる。

「“危ない”のは、俺たちじゃない。アイツ等の間違いだろう? なんで俺たちが危ないのか意味がわからんわ」

 そう言うや否や、今度は声を出して笑い始めた。聞こえるはずのないその声が聞こえたとでも言うように、ジロッと尊がカメラを睨む。勿論、カメラの場所なんてものは四人はわからない。わかっているのは、この二つの生物だけである。
 
 尊の視線がまるで自分に刺ったかのような錯覚にとらわれた生物は、一瞬にして凍りついた。大きく開けていた口を閉じ、皮膚からは冷や汗といえる様なものまでもがあふれ出てきていた。

「オマエ、大丈夫か……? カメラの場所なんかしられてないんだし、大丈夫だって」

 生物が生物を励ます。ただ、カメラの場所が知られていない、それは生物もわかっていた。
 ただ、それでも画面越しに自分を見られたと思ってしまえば最後。トラウマと成り得た恐怖が頭に刻み込まれてしまっていた。

Re: タイトル一時無題とします 第一章【 壊しにいく 】更新開始 ( No.15 )
日時: 2011/12/12 21:28
名前: 柚子 ◆Q0umhKZMOQ (ID: FQzo10Uq)

 生物たちが、監視プログラムを使用し会社内の別区間を覗いている間中、四人は箱の扉をどうにかして開けようと試行錯誤していた。エレベーター自体は目的の最上階に着いていると、尊から言われたため先程からアレックスが驟雨と鈴に扉を開けてもらおうとしている。だが、それが中々上手くいかない。扉に指を引っ掛けようにも、そんな僅かな隙間さえも存在しない。そのため、扉を開けるという作業は無謀に近いものだった。
 扉を開けるのなら、壊せばいいと驟雨からの意見もあったがアレックスはそれを却下した。エレベーターも扉は如何なる衝撃が加わっても壊れないよう工夫されているらしいのである。ただ、何が使われているのかなど、一会社員が知っているはずがないため、拒否を選択したアレックスは詳しい内容を伝えることが出来ないでいた。

「アレックス。扉なんか放って置いて良い」

 不意に、尊がパソコンを折りたたみ立ち上がる。
 顔には疲れが見え、少し汗がにじんでいた。

「……なんか、終わったのか?」

「システムを書き直して遊んでみた。てへぺろー」

 真顔で、しかも言葉に特に大きな抑揚すら持たせずに言ったため微塵も可愛げが存在しなかった。尊の「てへぺろ」に存在していたのは、気持ち悪さと呆れだけだった。

「ま、とりあえず塗り替えたデータが認証されるまで少し時間あるから俺は寝るから。んじゃ」

「あ、あぁ。おやすみ」

 尊は、おうっ、と言うと力尽きたゲームキャラのようにぐったりとした様子で横になった。アレックスは疲れてもう寝てしまったのだろうと考え、鈴と驟雨に静かにするよう促し静かな環境を作った。
 横になり壁を見つめている尊は、アレックスの気遣いに苦笑を漏らした。そして音を立てずに瞼を閉じると静寂の夢の世界へと連れて行かれてしまった。

Re: 鎖解時 第四話更新中 ( No.16 )
日時: 2011/12/04 20:30
名前: 旬 ◆Q6yanCao8s (ID: aza868x/)

栗毛隊長ではない。
栗鼠隊長だ。
訂正くれないかw


それと,小説大会のやつ,一票入れておきますね ノ

Re: 鎖解時 第四話更新中 ( No.17 )
日時: 2011/12/04 20:59
名前: 檜原武甲 ◆gmZ2kt9BDc (ID: S20ikyRd)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=11691

初めまして、檜原武甲です。
 
 生物の正体とは、アレックスがどうやって扉をあけるか、そして呼ばれた理由は? 僕の心で疑問がたくさん湧いています。続きが早く読みたいです。
 がんばってください!
小説初心者『檜原武甲』


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