複雑・ファジー小説

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〝想い〟のかたち。
日時: 2012/12/22 08:06
名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: TjeLpCGb)

こんにちは!あるいは初めまして!甘夏と申します。

さて、この小説はファンタジー小説です、これからそうなる予定です。
読みにくく伝わりづらい駄文ですが、楽しんで頂けると幸いです

これからよろしくお願いします!
ここでちゃんと小説書くの初めてなんですよね…誤字・脱字・矛盾点などありましたら、ご一報ください!


では、どうぞ!


〜ちょっとした登場人物紹介〜

尾花白月おばなしらつき 2年A組
面倒臭がりで、嫌な人とはなるべく関わらずに生きたいタイプ。他人はどうでもいいとよく言う。
一人称たまーに俺になるけど普段は私。かなり口悪い子。
容姿は誠に「まるで日本人形のよう」と言われるような綺麗な長い黒髪で色白。
沙夜華とは一応姉妹。

月成沙夜華つきなりさやか 2年A組
好奇心旺盛、お祭り好き、冒険心があって怖いもの知らず、そしてお人好し。
その性格ゆえ(白月も自身が巻き込み)色々と面倒な事に巻き込まれることがある。
一人称は私、5人組のみんなでいる時は自分でつけたあだ名で呼ぶ。
一応白月とは姉妹。

阿守結奈あもりゆな 2年A組
にっこり笑顔で掴み所のないというか、考えが読めないような子。
白月とは対照的で、「西洋人形のよう」と言われる茶色くふんわりな髪型、やわらかそうな雰囲気の少女。
本当の名前はルナ。ニケ…勝美という歳の離れた姉(…と言う設定で実の姉じゃない)がいる。
ニケやダンデなどからは姫と呼ばれる。

Re: 〝想い〟のかたち。 ( No.8 )
日時: 2012/04/06 17:58
名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: jJJiLEQB)

「あ…れ?あの人、何してるんだろう」




沙夜華と白月が住む家から待ち合わせ場所の公園までは、白月が全力で走って5分、沙夜華が歩いて12分かかる所にある。
そこにいくまでの最短ルートは、2人が通っている学校の目の前を通る。
いつものように、沙夜華は歩いていた。…が、中に入らずにじっと中の様子を眺めている少女を見つけ、少し不審に思い立ち止まる。
何となくで近くの電柱に身を隠して。

何をしているのだろう、あの子は。
部活に来た?ならさっさと入るだろうし。
それとも補習?いや、それだって上と同じく。
では、誰か部活などをしている友達だか、人を待っている?
それなら中で見学でもして待てばいいのに。

グラウンドでは、今日はソフト部が練習をしている。
あそこに友達がいる…?沙夜華から見て、あの少女はそんな風に見えなかった。
では、…何故?


ごちゃごちゃ考えながら、沙夜華は少女を見ていた。




『…ここが、これからあたしが通うことになる中学かぁ…』



ポツリ、と少女はつぶやいた。
沙夜華と少女の距離、およそ10mほど。やっと聞き取れるかどうかの距離で、何とか沙夜華は理解する。
そうか、この子は春からここに入学だか転校だかするんだ。
ずっと中を眺めていたのは、自分が通う学校のことを知っておきたいから。とかそんな事だろうと推測した。



『おっと……そろそろ戻んなくちゃ…に叱られ…』



良く聞こえないけれど、少女は何か言いながらくるりと後ろを振り返り、体の向きを変える。これで沙夜華には少女の表情が見えない。
そこには……あれは、何だ?
白、いや銀か?そんな感じの髪をした少年が一人、少女の少し先に立っていた。
染めているのだろうか?そんな人、沙夜華は初めて見た。



「(綺麗な髪だなぁ…)」



沙夜華は、ぼんやりとそう考えた。

ほとんど聞き取れないが、面倒臭そうな雰囲気で、少女が何かを言う。
そしてそれに対し少年も口を開く。声は全く聞こえなかったので、口が動くのを見ただけ。
少女に何かを言われ、驚き、そして慌てる少年。
何を言われたのだろう、大方あの髪色についてだろうか。



「(…いくら休みといったって2週間しかないし、それなのにあれはやり過ぎ。みたいな?)」



休み明けにあんな頭で学校に行ったら、即職員室行きだろう。少女が注意するのも分かる。
…と、いうことは2人は知り合い、もしくは友達ということか。

また何かをつぶやいてから、白銀の少年はその場を去って行った。
その少年の背中に、少女は手を振る。きっと笑顔で。

ポツリ、また何か少女はつぶやいてから、はっきりと沙夜華にも聞こえる声で言う。



『まあ何でもいいわ。早く帰んなくちゃね』



そして、少女は歩き出し…あ、やばい。
少女は真っ直ぐ沙夜華の隠れている方へとやってくる。
ほとんど聞こえなかったとはいえ、会話を盗み聞きしてしまった。後ろめたい気持ちがある。


逃げよう!沙夜華はそう思い、なるべく音を立てないように走り出した。

Re: 〝想い〟のかたち。 ( No.9 )
日時: 2012/04/07 06:13
名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: 5q2LsCvc)


ぽん、と右肩に手を置かれる。


『どうして逃げるの?』
「……」


沙夜華はぎぎぎと音がしそうなくらい、不自然に引き攣った顔でゆっくり後ろを振り返る。
あっさりと追いつかれてしまった。


「ど…ちらさま?」


そこにはあの少女。…バレていたんだ。
笑顔なのに、少し怖く感じる、そんな顔をしている少女。


『それはこっちの台詞だよね。…見てたの?聞こえてた?』


見た所同い年くらいなのに、何故こんなにも威圧感を感じるのだろう。


「…遠かったからほとんど何も聞こえなかった。」


少女の雰囲気に押されて沙夜華は事実を言う。信じてもらえればいいのだが。


『へぇ。…その様子じゃ本当みたい、疑ってごめんなさい。聞かれたくない話だったの』


少女はじっと沙夜華の顔を眺めてから言った。


「あぁ…そうなんだ…」


どうでもいいので手を放して下さい。…沙夜華は言えなかった。
だが、その思いが通じたかのように肩に置かれた手ははなれた。


『あなたここの生徒なの?』


どうやらまだ沙夜華を開放する気はないらしい。沙夜華は頷いた。


『そっかぁ…何年生?あたし、ここに転校するんだけど…よかったら中を案内して欲しいな』
「え……いや、でも」


すっかり忘れていたが、今日もみんなと約束をしていたんだった。
誠も弥鈴も友香も、あっちの道の先の公園で沙夜華と白月を待っている筈だ。


「ご、ごめんなさい友達と約束があるから…!」


沙夜華は今度こそと、返事を聞かずに全力で走りだした。
…今まで歩いてきた方向、公園とは逆、自分の家の方向へ。




『あ、ちょっと待……もう、逃げなくても良いと思うんだけどなぁ。別に変な事頼んでもいないだろうし』



残された少女はおかしく思いながら、今度こそ家に帰るかと歩き出した。

Re: 〝想い〟のかたち。 ( No.10 )
日時: 2012/04/07 17:49
名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: hE7ouio3)

ガチャ、少女は玄関のドアを開け、中へ入る。


『ニケーただいまー!』


奥の台所にいるらしい、お世話役で〝姉という役〟の女、ニケに声をかける。


「ひめっ!遅かったじゃないですか、何かありました?」


フキンと拭きかけのお皿を持って、ニケがすっ飛んで来る。


『んー、ダンデライオンにあったよ。上手く引き取ってもらえたけどさ』


靴を脱ぎ、取りあえず落としたら危ないから、とニケと一緒に台所へ行く。



「ダンデくんに!?…他に誰か人は?」
『ダンデは一人だったけど、これからあたしが通う学校の女の子が一人見てた。
会話は遠くて聞こえてなかったけどね』
「それで…その人は?」



恐る恐るという感じで、ニケは尋ねる。


『ちょうど良いから、中案内して欲しいな〜ってお願いしたら、なぜか逃げられちゃった』
「あぁ…そうですか」


ニケはほっと一息つく。
下手な事になったら、私がディアさまに怒られてしまうもの…。


『ねぇ、ディアから連絡来た?』
「いいえ、でももうすぐ…」


言いかけたその時、ピリリリリリと電話のベルが鳴った。
出ようとしたニケを止め、少女が受話器を取る。


『もしもし、ディア?ルナだけどー』
「あら、ちゃんと帰って来ていたのね、良かったわ。奴らは追ってきてないでしょうね?」


大人の女の声がする。彼女がディア、ディア呼ばれている人物。ディアナという。
そして、今更ながらに少女の名はルナ。



『平気平気、キルシェやウィロウはそっちが見張ってるんだよね?どうよ』
「今の所動きはないわね。…でもそういえば、ダンデライオンの率いる部隊が独断で動いているらしいわ。
これは多分あの子もキルシェも知らないと思う。ルナを追って行ったのかもしれないし、注意してね」
『分かってるわよ。じゃあね』



ダンデライオン、と出てきて一瞬ビクッとしたルナだが、何とか悟られず電話を切る。


「いいのですか?ディアさまにダンデくんのこと報告しなくて」
『んー…別に良いんじゃない?その方が面白くなりそう。
それに、ダンデやエイルなら間違ってもあたしを殺すことはないと思うしね』



どちらがより〝安全〟とか〝楽〟とかを基準に生きる人はいるかもしれないけど、
面白ければ、自分の命が危険にさらされることになってもカラッとしている人は少ないだろうな。
ルナがああいう風に言う度に、ニケはそう考え込む。



『どうしたの?ニケ。そういえば、今日のお昼何かな?あたし何だかお腹すいちゃったな』
「え、えぇ、はい。今準備いたしますね」





面白いこと、起こるといいなぁ。

Re: 〝想い〟のかたち。 ( No.11 )
日時: 2012/04/08 18:43
名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: nJ9riueE)

「おーい、そっちどうだった?」


沙夜華を探すために、水城兄妹と白月&弥鈴で別れてから10分ほどたって、一同はまたあの公園にいる。


「何にも手掛かりありませんでしたー」
「沙夜華さん、一体どこに行っちゃったんだろう…?」


真剣な顔で首をかしげる弥鈴と友香。


「家に戻ったってことも考えて、母さんに聞いたら妙に詮索してくるし…」



白月&弥鈴組は、具合が悪くなって帰ったのかもしれないとも考えて、一度家に行ったがそこにも沙夜華はいなかった。
水城兄妹も手掛かりなし。



「こりゃ、ちょっとヤバいんじゃねェの?あいつの性格からして、変な事に巻き込まれてるかもしれねェし…」
「う、それ言えてる」



苦い顔で言う白月。
沙夜華は好奇心旺盛でお祭り好きで、冒険心があって怖いもの知らずで、そしてお人好しだ。
そんな性格から、面倒な事に巻き込まれることがよくある。



「は、犯罪とか…?」
「ちょっと、ネガティヴなこと言わないでよ友香」
「え、でも弥鈴ちゃんそんな事言ったって、十分あり得るし…」
「だからこそ言って欲しくないんです!」

「どうするよ?白月」
「どうするって言われたってなぁ…なんにせよ早く沙夜華を見つけなきゃ__」



真剣に相談を始めた誠と白月。と、その時。
どたどた!


「しぃちゃーん!まこっちゃーん!ゆかりー!みーちゃんー!遅れてごめんー!!!」
「さやかっ!?」



白月と沙夜華の家の方向から…言いかえると学校の方向から、どたどた沙夜華が駆けてくる。
しぃちゃんは白月、まこっちゃんは誠、ゆかりは友香、みーちゃんは弥鈴の仲間内でのあだ名だ。
ちなみに、何故友香がゆかりになったのかというと、最初沙夜華は〝ゆかりん〟と呼ぶつもりでいたが、
本人が恥ずかしがったため〝ん〟を抜いてゆかりとなった。



「ちょっと、今までどこにいたのさ?!4人で心配して探したんだよ?!
と、いうか非常時以外あまり走るなって言われてるでしょうが!」


白月、ぜぇぜぇいいながら駆けてきた沙夜華に続けざまにこう言う。


「ご、ごめんみんな…色々あって時間経っちゃった」


しょんぼり、すいませんと頭を下げた沙夜華。



「まあ、大したことはなさそうで良かったですよ」
「うん、そうだよ!沙夜華さんが消えなくて良かったぁ〜」
「ったく、心配かけんじゃねェよいつもお前は」
「もう、ほんっとうに心配したんだからな!」
「ごめんね…」


とても申し訳なさそうな顔をする沙夜華。


「ほら、いいってもう。じゃあ、何があったか話して」
「うん、実はね…」




沙夜華は、自身が学校の前で見た奇妙な転校生のことを話した。

Re: 〝想い〟のかたち。 ( No.12 )
日時: 2012/04/09 15:24
名前: 甘夏 ◆/jSdQ8DCuQ (ID: iJBt.s8k)

「…んで?逃げた月成はどうした訳?」


沙夜華の話を半信半疑で聞いていた誠、そう尋ねる。
ちなみに月成は沙夜華の名字。


「…何か怖かったから、もう会わないように遠回りしてここ来たの」
「それだけか?」
「うん」


何か拍子抜けした一同。


「何をしていたと思えば…心配して損しましたね」
「そうだね〜でも良かったじゃんこんなことで」


ほっとしている一年2人。



「ふぅん、転校生か。学年は?名前は?どこから来たの?」
「いや、ちょっと話しただけだし…でも、私達と同い年だと思うよ、多分」
「んじゃ、どんな子なんだ?容姿とか」
「容姿…髪は茶色くってふんわりしてて、肩より少し長い位かな?やわらかそうで…まるで西洋人形見たいで綺麗だった」



転校生の少女、つまりルナについてわいわい話している二年3人。
ここはどちらかというと田舎、山がすぐ近くにあり、ビルなどはほとんどない。
中学といっても、小学校の敷地から数十メートルでもう中学校の敷地で、しかも白月達の学年は
少し遠くの中学などに進学した人が一人もいなく、また他の小学校からの生徒もいないため
学年の仲間内では全く目新しさのない、一年の生活であった。
だが、二年になって転校生が来る!わくわくするのも無理はない。



「西洋人形…ぷぷっ」
「笑うんじゃねえ!」


誠はつぶやき、そして白月の方を見て笑う。
それに気が付き、誠を睨みつける白月。


「西洋人形ねェ…日本人形のお前と並んだら、面白いんじゃねェの?」
「日本人形って言うな!面白くもなんともない!」



白月は、髪は艶のあるどこまでも真っ黒な長髪ストレート、そして色白。良く言えば現代のカグヤ姫のような容姿。
昔は市松人形とよく男子達に言われたものだ。そのせいか白月は人形のようだといわれるのを嫌う。



「ちょっとまこっちゃん、やめてよねそういうの!…んでね、とっても足が速くて、笑ってるのに何だか怖くって…」
「で、逃げてきたんだな?」
「そうなの!」


やっと分かってくれたのね!といわんばかりに、嬉しそうに笑う沙夜華。



「ふぅん…どんな子にしろ、始業式が楽しみじゃん」
「そうだな。お前ら、同じクラスになれるといいな?」
「私としぃちゃんだけじゃなくて、まこっちゃんも一緒だよ!きっと!」
「もう私と同じクラスになるって事は確定なのな…」
「もちろん!だって私と白月の仲でしょ、分かれる筈ないもんねー」
「そうか?姉妹って普通離されんじゃねェの?知らねェけど」
「去年も一緒だったし、離されるんじゃない〜?」
「んなっ2人して嫌な事言わないでよ!もうっ」



こんな楽しい日常が崩れさるまで、
 あともう少し。


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