複雑・ファジー小説

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俺の妹はサイコキラー(最終話)
日時: 2013/02/17 15:10
名前: 阿厳 (ID: imuS2CMi)

俺の妹はサイコキラーだ。
比喩でもなんでもなく、正真正銘の。
俺、佐上武人(さがみたけひと)の妹、佐上愛理(さがみあいり)
はごく日常的に人を殺している。
最初の殺人は幼稚園の年少から、それから小学校五年の現在に至る
まで、かなりの人数を殺してきた。

・・・・・・数えるのをやめたのは、いつだっただろうか

「おにーちゃん!早くコレ、袋につめてっ」
そして今もわが妹の手にかかった哀れな人間が、俺の目の前で
解体されている。
「ああ・・・・・」
俺は充満する血の臭いにむせ返りそうになりながら。妹の差し出す
人間の腕を受け取る。
今回妹が殺したのは、名も知らぬ老人。
妹が何を、どうして、何を思ってこの老人を殺したのか
俺は知らない。
俺は何時もどおりに。ケータイで呼び出され、妹の死体処理を
手伝っているに過ぎないのだから。

「人間は唯一、考えることを許された動物だ、そして考え、さらに
行動に移すこともできる。それは、人間のもちうるオリジナリティ
だ。そして殺人もまた人間の持ちうるオリジナリティの一つである」

これは、バットエンドにしかつながらない物語だ。
俺、佐上武人が妹に翻弄され、弄ばれ、「最悪の選択」
をするまでに追い込まれる・・・・・・。
おそらくこの文章を読んでいる方々には決して後味のいい文
にはならない。


それでもいいというのなら、この先に進むといい。

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Re: 俺の妹はサイコキラー ( No.21 )
日時: 2013/02/13 18:59
名前: 阿厳 (ID: oWbfUqQX)

ドスっという鈍い音、それと同時に浅田の肩に熱さにも似た痛みが襲い掛かる。
「ぐっっ!」
さらに一撃、肩甲骨の辺りを立て続けに刺突が襲い掛かり、浅田は命の危険を感じた。
振り向きざま拳を突き出したが、浅田が拳を振りぬいた時には既に相手はバックステップして距離を取っていた。
そして、浅田は自分の眼前にいる少女に語りかける。
「・・・・・・・嬢ちゃん、こりゃあなんの冗談だ」
戸惑っていると同時に妙にこれから起きようとしている出来事を理解している頭のまま問い掛ける。
「それとも、本気か?」
一抹の希望を信じて放たれたその言葉は、あっさりと裏切られた。
答えは無言での突進、それと同時に刺突。
そのねらいは寸分違わず浅田の胸の中心部を狙っていた。
そう、心臓を。
「・・・・・・・っく!!」
畜生いつから日本はこんな国になっちまったんだーーーーーーーーーーーーーーー。
そう思いながらも少女の手首をつかみ、ナイフの勢いを押しとどめる。
だが突進の勢いを利用し足を引っ掛けられ、ちょうど柔道の大外刈りのような形で地面にたたきつけられる。
たたきつけられた衝撃で強制的に肺の空気がはきだされ、声も出せなくなるが
このまま倒れているわけにはいかない。
上から少女がナイフをつき降ろしてくるが、またも浅田は手首をつかんで押しとどめた。
しばしの、膠着

「なんなんだ・・・・・・・てめえっ・・・・・・・」
上からの圧力に必死に抗っている浅田はようやっとその一言を搾り出した。
「ん〜?わかってるんじゃない?大体は」
そう、浅田は本当は理解している、いや、しかけている。この少女が何者なのか。
「私が『I』だよ。」
「・・・・・・・・・ああ、そうかい」
そう言うと浅田は抗っている力をふっと緩めた。
「・・・・・・!?」
急に膠着を抜かれた少女は大きくバランスを崩し、その隙を見逃さず浅田は少女の腹に膝蹴りを叩き込む。
膝蹴りの衝撃で少女は跳ね上がり、地面を無様に転がり、やがて立ち上がった
浅田はすばやく立ち上がり、腰のホルスターに納めてある拳銃ーーーーーーーーーーニューナンブを引き抜き、言った。
「じゃあ、こいつを使ってもいいってことだよな?」
その言葉が終わると同時にほぼノータイムで浅田は引き金を絞った。
シリンダーが回転し、吐き出される鉛弾
狙ったのは意趣返しの意味もあってか、肩。
吐き出された鉛弾はそのまま少女の肩に吸い込まれていった。
いくはず、だった。

パキィン

そんな音とともに、カチャンと何かが転がる音がした。
見れば、鉛弾は少女の足元に転がっている。
真っ二つになって。

「なん・・・・だと・・・・・?」
なんだ。
なんなんだこいつは。
銃弾を、切った?
馬鹿な、どこの漫画だよーーーーーーー。

さまざまな思考が浅田の頭を駆け巡り、恐怖とわけのわからなさから無意識に
引き金を引いたそのときーーーーーーーーー。

少女が足元にある真っ二つになった銃弾のかたわらを蹴り上げた。
蹴り上げられたそれは恐ろしい速度で今まさに銃弾が発射されようとしていた
銃口に飛び込んだ。

爆発
浅田の手に走る痛みと熱。
爆発の衝撃で欠損した人差し指が中を舞う。

そして少女は浅田との距離を一瞬で詰め、少女のそれとは思えない回し蹴りを浅田の腹に叩き込む。
こちらも、まるで意趣返しだとでも言うように。
その衝撃で浅田は後ろに吹き飛び、そのまま倒れこんだ。

その機を逃さんとばかりに少女は飛び上がり、浅田の胸を上から突き刺さんと
強襲する。

・・・・・・・・・・・・ああ。

上から飛来する少女の可憐な顔が近づいてくるのが妙にゆっくりに見える中、
浅田は思った。

・・・・・・・・・こいつ、本当に人間かよ?

衝撃
浅田の胸に走る刺突の痛み。
吹き上がる血が少女の顔を赤く染めた。

「愛理、終わったか?」
廃工場の扉が開き、高校生ぐらいとおぼしき少年の声が聞こえてきた。
開いたドアからは水音が響いてくる。どうやら知らないうちに雨が降っていたようだ。
「うん、まだちょこっと生きてるけどほっとけば死んじゃうと思う」
ああ、そうか。自分は死ぬのか。
「顔についている血、どうすんだ」
「雨だから勝手に流れるでしょ」
そんな少女たちの会話は遠ざかっていき、やがてドアが閉まる音が響き、何も聞こえなくなった。

浅田は携帯を取り出し、ディスプレイに表示されている名前を見つめた。
「多橋春臣」

やがて、震える指で通話ボタンをダイヤルし、コール音をしばし聞いた後。

「竜さん?何か有益な情報は手に入ったのかい?」

何時もとまったく変わらない同僚の声。
それを聞いただけで浅田にこの世に残す未練はないように思えた。
でも、せめて。
「・・・・・・・・・・ぁ・・・・・ぃ・・・・・なぁ」
せめて、一言だけは。

「わ・・・・・・・りぃ・・・・・な」

そのまま浅田は携帯を取り落とし、腕を地面に投げ出した。

そしてそのまま、動かなかった。

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Re: 俺の妹はサイコキラー ( No.22 )
日時: 2013/02/13 19:12
名前: 阿厳 (ID: oWbfUqQX)

なんだかやっと書きたいものがかけた気がします。

さて、突然ですが。

この「俺の妹はサイコキラー」を呼んでもらっている方々にぜひ!この作品の
批評をしてもらいたいんです!!

あ、強制じゃないので安心していいですよ!!

では、注意点を・・・・・・・

・ズバッっと言ってください!!!いいところも悪いところも全部!!
・あまり誉めないで下さい!!わたくしめ阿厳(中三・男子)はすぐ調子に乗ってしまうので!!
・批判コメしたら往復びんた!!

こんなところでしょうか


では!!みなさんの小説道がうまくいくことを祈って!!

(^−^)バイナラ〜

Re: 俺の妹はサイコキラー ( No.23 )
日時: 2013/02/13 19:13
名前: ゆぅ (ID: hAtlip/J)

こんばんゎ#


浅田さァァァァん!!?
まさかこんなに早く・・・

必死の抵抗の膝蹴りをしたときは助かるのかなーって思いましたが・・・
何が起こるかわかりませんね@
ドキドキハラハラです!!笑


更新!!!!楽しみにしています#
何度もごめんなさい;;

でゎでゎ、失礼致します。

Re: 俺の妹はサイコキラー ( No.24 )
日時: 2013/02/14 17:40
名前: 阿厳 (ID: oWbfUqQX)

死んでいた同僚の手は、この気温程度には冷たかっただろうか。と多橋春臣は
思った。
線香の匂いとあちこちから聞こえてくる啜り泣き。
それのみが支配している気が滅入るような葬式の会場。
その空気に耐えられず、多橋は気が付くと外に飛び出してきてしまっていた。

浅田龍之介は、死んでしまった。

「・・・・・・・・・・警察官としての名誉を守り抜き、殉職したものと思います」
しんとしたホールの中、警視総監によるお悔やみの言葉を聞きながら多橋は歯軋りした。

警察官の名誉?何だそれ。
ふざけるなよ。
ただ、サイコ野郎に殺されただけじゃないか。
自分があの時止めていれば。

行き場のない怒りがはちきれそうになり、気が付くと多橋は自分が今まで生きてきた中でほとんど流したことの無いものが頬を伝っているのを感じた。

葬式が終わると、茜が何か話したそうに近づいてきたが多橋の顔を見た途端に。
「・・・・・いえ、何でもありません」

といって帰っていった。

駐車場にある自分の車に向かいながら、多橋は自分が空っぽになったような
錯覚に陥っていた。

同僚であり、また友でもあった浅田は灰になってしまった。
火葬場から上がる煙を見ているとまた涙が流れてきた。

ーーーーーーーーもう、警察官も辞めてしまおうか。
そう思った矢先、多橋の車が見えてきた。

「・・・・・・・・・・ん?」
見慣れた車のボンネットの上、何か長方形の白いものが乗っかっている。
多橋はそれを手にとって改める。
「・・・・・・・・・」
プリペイド携帯、という奴だろうか。
デザインなどには一切気を使わず、ただ通信機能のみを搭載している携帯電話
だが、なぜそれが多橋の車のボンネットに乗っている?


ブーーーーーーッ ブーーーーーーーッ

バイブレーターの振動。
携帯を開くと表示には「非通知着信」。
多橋は無意識のうちに通話ボタンを押していた。

途端。

「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっはははっはっははははっははははははっははははははははははははっははははははははははっははははははははっは」

嘲笑
のどに絡みつくような。
聞いているだけで気が滅入りそうな。
全てを馬鹿にしたような、嘲笑ーーーーーーーーーー。

『こいつだ・・・・・・・!』
多橋は確信した。
こいつが。
こいつが浅田竜之介を殺したーーーーーーーーー。

「お前は、何だ・・・・・・・・。」
恐怖から無意識のうちに発した言葉
それは、曇り気味の空に吸い込まれていく。

「お前は一体・・・・・・・・何なんだ」

『「やーれやれ、皆同じ事聞くんだねえ」』

通信機から聞こえてくる音と、現実の音とのクロスオーバー。

「まあいいや、「I」としての最初の犯行、感想いかがですかぁ?−−−−−−−−−−−−−多橋春臣さん?

そんな台詞が自分の真後ろから聞こえてきた。
冷や汗が吹き出る。
今ココに起きてる現実を許容したくない。

だが、確かにーーーーーーーーーーーー。

サイコキラー「I」は多橋春臣の後ろにいた。




Re: 俺の妹はサイコキラー ( No.25 )
日時: 2013/02/14 22:06
名前: かいと (ID: imuS2CMi)

浅田さんがあんなに早く死ぬとはΣ(゜Д゜)

もしかして次は多橋さん!?



愛理ちゃん強すぎ!

まだまだ俺の妹はサイコキラー目が離せません
( ☆∀☆)


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