複雑・ファジー小説

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俺の妹はサイコキラー(最終話)
日時: 2013/02/17 15:10
名前: 阿厳 (ID: imuS2CMi)

俺の妹はサイコキラーだ。
比喩でもなんでもなく、正真正銘の。
俺、佐上武人(さがみたけひと)の妹、佐上愛理(さがみあいり)
はごく日常的に人を殺している。
最初の殺人は幼稚園の年少から、それから小学校五年の現在に至る
まで、かなりの人数を殺してきた。

・・・・・・数えるのをやめたのは、いつだっただろうか

「おにーちゃん!早くコレ、袋につめてっ」
そして今もわが妹の手にかかった哀れな人間が、俺の目の前で
解体されている。
「ああ・・・・・」
俺は充満する血の臭いにむせ返りそうになりながら。妹の差し出す
人間の腕を受け取る。
今回妹が殺したのは、名も知らぬ老人。
妹が何を、どうして、何を思ってこの老人を殺したのか
俺は知らない。
俺は何時もどおりに。ケータイで呼び出され、妹の死体処理を
手伝っているに過ぎないのだから。

「人間は唯一、考えることを許された動物だ、そして考え、さらに
行動に移すこともできる。それは、人間のもちうるオリジナリティ
だ。そして殺人もまた人間の持ちうるオリジナリティの一つである」

これは、バットエンドにしかつながらない物語だ。
俺、佐上武人が妹に翻弄され、弄ばれ、「最悪の選択」
をするまでに追い込まれる・・・・・・。
おそらくこの文章を読んでいる方々には決して後味のいい文
にはならない。


それでもいいというのなら、この先に進むといい。

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Re: 俺の妹はサイコキラー ( No.1 )
日時: 2013/01/06 16:54
名前: 阿厳 (ID: 0tMdy3Jm)

朝はけだるい。
妹の死体処理を手伝った翌日ならなおさらだ。
カーテンを引けば、何時も通りの青空が広がっている。
そして俺のベットでは妹が静かな寝息を立てている。
・・・・・・・・・・・・これもまた「何時も通り」だ。

うちの妹、愛理は可愛い
いきなり何を言ってんだこのロリコン×シスコン×ペドフェリア今すぐ
警察に出頭しやがれとか思われるかもしれないが、身内びいきでも
なんでもなく本当に可愛い。
今現在、俺のベットに広がっている黒髪は思わず神棚に飾っておきたく
なるような艶やかさだし・・・・・。
すうすう寝息を立てている顔は見事に可愛さと艶めかしさが同衾してるし
小さな桜色の唇はむしゃぶりつきたくなるようなエロさだし
・・・・・・・・だんだん表現が稚拙になってるな。
ていうかこれ以上は本当にパトカーのサイレンが聞こえそうなので
やめておくか。そろそろ起こさんと
「おーい愛理、朝だぞー」
軽く体をゆすって覚醒をうながす
「・・・・・・んゅう、おにいちゃん・・・・・?」
「そーだ、お兄ちゃんだ」
「あさ・・・・・・?」
「イエスそのとおり朝、英語でいうとモーニング」

「愛理ー、武人ーご飯さっさと食べちゃってー」
不意に階下からお袋の声が聞こえてきた。
「ほら愛理、メシだってよ。着替えてささっといこうぜ」
「んぅ・・・・、じゃあおにいちゃん、着替えさせて・・・・・?」
・・・・・・・・・なんですと?



いろいろとドキドキだったお着替えも無事終わり、俺と愛理は
リビングルーム兼食卓のある階下に下りていた。
椅子に座り込みながら、俺は思った。
(愛理育ってたなあ・・・・・)
(胸も去年より膨らんでたし、腰もくびれてきたし)
(あれなら彼氏の一つや二つーーーーーー)
「・・・・・・武人、あんた変なこと考えてない?」
すると、わが母親からドスの聞いた声と視線とともに、そんな言葉を
頂戴した。
もちろん真実をそのまま伝えるわけにもいかないので
「んなことねーよ」
と返しておく。
「本当でしょうね、あんたまさか愛理が兄離れできてないのをいいことに
変なことしてないでしょうね?」
といわれたので。
「んなことねーよ!」
と今度は強めに返しておく。
「心配ねぇ・・・・・。あんたにはロリコンの血が流れてるから」
「またその話かよ・・・・・。親父が天国で泣いてるぞ」
「だってそうでしょ、38歳のいい男が、当時16のあたしに
手ぇだしたんだよ。これをロリコンといわずして何という」
・・・・・・・・・・まずい否定できる材料がない

我が佐上家は母・兄・妹の三人構成だ
父・佐上高利(さがみたかとし)は二年前に交通事故で他界し、
それからは母・佐上辰巳(さがみたつみ)が翻訳やゴーストライター
などをやって生計をたてている


「・・・・・・っと、ごちそうさん」
「おそまつさま」
妹とともに手早く朝食をすませ、テーブルの横に置いてあった鞄を
たすきがけに背負う
「いってきまーす」
「いってくるわ」
妹とともに玄関をあけ、外に出る。
まったく、嫌になるほどに晴れわたってやがる。
何時もどうりの通学路をあるきながらそう思った。
「おにーちゃん、手、手」
「ん、ああ悪い」
妹の小さな手をぎゅっと握ってやる
「ん〜やっぱり安心するなー」
「・・・・・・・・まったく、可愛いやつめ」
「んひひ〜〜〜」
しばらく歩いて。

「おっと、愛理。ここでお別れだ」
交差点に差し掛かった
俺の高校と愛理の小学校は逆方向なので
ココでお互い別の方向に行かないと学校にたどり着けない
「あう〜〜〜、手ぇはなしたくない〜〜」
「我儘いわない。帰りも一緒に帰ってやるから」
「う〜〜〜〜〜・・・・・、わかった・・・・・」
妹は未練たらたらながらも手を離した
「それじゃおにいちゃん、行ってくるね」
手を振りながらそういってくれたので
「おう、いってらっしゃい」
こっちも手を振り返してやる
そしてそのまま妹は学校の方向に歩いて行った


ったく、可愛いやつだよなあ・・・・・・。



その日、学校での昼休み、妹からメールが届いた


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Re: 俺の妹はサイコキラー ( No.2 )
日時: 2013/01/20 16:16
名前: 阿厳 (ID: kHKhLZQC)

愛理>Re「今日も事後処理よろ☆」
「二日連続かよ・・・・・」
これは非常に珍しいことだ。
もともと不定期な愛理の「趣味」だが、二日連続というのは
めったにない。
武人>Re「わかったよ。待ち合わせ場所は?」
昼飯のカレーパンをくわえながら返信する
愛理>Re「今日は私がお兄ちゃんの学校に迎えにいくよ」
へ?俺はポカンとしてしまった。
愛理>Re「今日はお兄ちゃんにも見てほしいから」
「は?」
間の抜けた声を出した拍子にカレーパンが床に落ちる。
なぜなら俺が愛理が趣味を行っている現場を見るなんて
めったに無いどころか、初めてだったからだ。

放課後

俺は気だるい気分で午後の授業を片付けたあと、手早く荷物をまとめ
教室を出る。
下駄箱で履き古しのスニーカーをつっかけ、校門に向かっていると
校門のまえに人だかりができているのを目視した。
と、いうか人だかりと言うレベルではない。
目の前の情景をみると「人ごみ」と形容するのが正しいように思えた
この学校こんなに人数いたっけ。
まあ俺はこの学校の正確な生徒数も認識していないんだけども。
・・・・・・まあ、アイツが来る時点で大体予想はしていたけど
「愛理〜」
名前を呼んでみる。
すると人ごみの渦中から「おにいちゃん!?」と切羽詰りぎみの
声が聞こえてきた。
刹那、人ごみが二つにわれ、妹が飛び出してきた。
モーゼか。
「おにいちゃんおにいちゃんおにいちゃあん!さがしたよ〜!」
「校門の前で待ってりゃいいのに」
「やだ、早くおにいちゃんに会いたいもん」
「はっはっは、可愛いやつだなァ」
頭をなでなでしてやる。
・・・・・・・・・・・あれ?なんか周りの空気が冷たくなって
ませんか?
なんかまわりの皆さんが愛理と俺の二人(主に俺)を凝視してるような
・・・・・・・・・・。
「・・・・・・・・・・ロリコン」
「・・・・・・・・・・・ありえない、死ねばいいのに」
「・・・・・・・・・・・キモッ」
うん泣くな!?泣いて良いよな!?ひどすぎんだろ!
おもむろに一人の女子生徒がケータイを取り出す(ワンアウト)
なんらかの番号にダイヤルする(ツーアウト)
そして、「あ、もしもし警察ですか」とーーーーー(佐上武人アウト)
「ちょっとまてやこらァ!!」
夕方の空に俺の声が虚しく響いた。


どうにかこうにか事情を説明し、逃げるように学校を出てきた俺と愛理
は、いつも家に帰る道筋とは大きく外れた場所を通っていた。
俺の数少ないポキャブラリーからあえて語彙を検索すれば
町外れという部類に入るのではなかろうか。
「で、ここが今回の現場か」
そして俺は目の前にある廃工場を一瞥した。
・・・・・・・・・・町外れにある廃工場、ベタだなあ。
中からは下卑た笑いが聞こえてくる。
事後処理が面倒なのであまり数が多くないほうが好都合なんだけど・・
・・・・・・・・・。
・・・・・・三人か、ま 何とかなるだろ。
「・・・・・・・で?殺すんだろ?」
「あ、うんちょっとまってて」
愛理はランドセルを下ろし、中からバタフライナイフを取り出した。
「じゃ、いくよー」
「うん、いくよー・・・・・、って俺も!?」
「当たり前じゃーん」

そしてーーーーーーー。

うん、どうしようね。
廃工場に出入りしている人物という時点で気づけば良かったのだが
中にいたのはみなさま三者三様の柄の悪いお人たちであり。
隠れる気もなくノコノコ(某ゲームの雑魚キャラではない)そのテリトリーに入った俺たちはすぐに見つかり。
三人のうちの一人に俺は胸倉を捕まれている状況である。
ていうかさっきからこっち見てる黒人が怖い。目からビームでも
出てんじゃなかろうか。
ぜってー軍隊とか出てるよね。あれ
だがまあ俺には引ける理由もないので、とりあえず俺が伝えられる
精一杯の情報を先方に伝えてみた。
「あの・・・・・それ以上俺の胸倉つかんでると、死にますよ?」
さあ、伝えられることは伝えた。後は俺の横にいる「お姫様」
の独壇場だ。
いつ気づくのかね自分が「狩る側」じゃなくてーーーーーーー

「狩られる側」だってことに。

「あ!?手前何言って・・・・・・・あ?」
俺にチンピラ特有の罵詈雑言を浴びせようとした瞬間、俺とほぼ同じ
目線だったチンピラの顔が、俺の鳩尾辺りまで下がった。
そして。

ブシュリ

音が、響く。
「・・・・・・・・・あ・・・・・?」
チンピラは首元をおさえる。
一泊おくれて。

プシュウウウウウウウ

血が吹き出す。

「っれ?・・・・え?・・これ、何。え?何だよ、何だよコレ!
なんなんだよこれぇええええええええ」

命が、今目の前にいる「人だったもの」になりつつあるものの命が
抜けてゆく。

「え?・・・・・俺、死ぬの?」
男は、聞く。
誰ともなく、何ともなく。
何故?と言う顔で。
無様にひざまづいたまま。聞く。
「そうみたいだねぇ、おやすみなさい」
そして、愛理は人ごとのようにそういって、にっこりと笑った。
返り血は一切ついていない。
まるで、男の血そのものが愛理を汚さんと避けていったように。
男が倒れ、ぴくりとも動かなくなる。

そして、愛理はバタフライナイフの刃についている血をピンク色の
舌で舐める。
その姿はとても妖艶で、美しかった。

「monster・・・・・・・」
不意に黒人が何かを呟いた。
「cute monster・・・・・・」

キューティモンスター・・・・・可憐な化け物、か。


・・・・・・・はは、言いえて妙


佐上家自宅のお風呂にて

「ふい〜〜〜」
残る二人の始末も無事におわり、俺は疲れた体を癒していた
自分自身の緩みきった声が風呂場に残響して響いていく。
昔はよく妹と入ったもんだし、今も一緒に入ろうとかは言われるんだが
年も年なのでさすがに自重している。
の、だが。

「おにいちゃん!一緒にお風呂はいろっ!」
「ちょっとまてええええええええええええええええええええええ」

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作者追記
次回は武人と愛理のお風呂シーンで始まると思います

Re: 俺の妹はサイコキラー ( No.3 )
日時: 2013/01/19 15:39
名前: 阿厳 (ID: kHKhLZQC)

いいのだろうか。
妹とはいえ年頃の女の子と一緒に風呂にはいるなんて。
「いや、もう入っちゃってんだけどさぁ・・・・・」
そうなのだ。現在進行形で俺の胸には愛理の髪の毛と肌の感触が
シルクのごとく上質な感触をもって接触中。
はっきりいってうれしくて涙が出そうだ。
「おやぁ?おにいちゃん理性のたががはずれそう?」
「そんな訳ないだろう。そしてそんな言葉どこで覚えてきた」
「ぬふふー。昨今の氾濫するメディアをもってすればこれぐらいお茶の子さいさいだよー」
「氾濫するメディアどうたら以前に実の妹に理性のたがを外す奴いたら
連れてきて欲しいわ」
「・・・・・・・・・(ぴしっ)」
「なぜ俺を自然に指差す?」
どうやらわが妹と認識的な差異がある模様、あとで教育のしなおしが必要なようだ。もちろん二人きりで。(ここ重要)
「むぅ〜・・・・そんなに魅力ないかなぁ。胸とかは去年より大きくなってるような気もするんだけど」
そういいつつ自分の胸をふにふに触っていらっしゃる。こらこら
「ほっといても大丈夫だろう。成長しないようにできてる人間なんかいないんだから。」
そういうと愛理は俺の体に寄りかかったままの体をぐいっとそりあげてきた。やめれ前が見える。
「・・・・・・・・・・じゃあお兄ちゃんにも確認してもらおうかな」
がっしりと後ろ手で俺の手首をつかんでいる。
ちょ、まwwwwwww
ふにん
・・・・・・・・・・ある。
確実に、去年より、ある!ってそうじゃなくて!!!!
「まて愛理!お前は今何をやっている?」
「ん?おにいちゃんに私の胸を確認してもらってる」
「よしわかった。とりあえず放してもらおうか」
というかほんとそろそろ男の危険さというものを教え込まねば。
とりあえずはさしあたって手首を解放してもらう。
「そろそろ上がれ。湯冷めすんぞ」
「ほーい」

妹がいなくなった浴室で手をわきわきさせてみる。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


・・・・・・・大丈夫俺はロリコンじゃない、そのはずだ。

・・・・・・・・・だからさっさと鎮まれ俺のエクスカリバー

前かがみになりながらそう念じ続けた。


警視庁捜査一課

「暇だねえ、なんか事件ないの」
所狭しと机が並べられ、見ようによっては会社のオフィスにも見える
一室に間の抜けた男の声が響いた。
無精ひげが生えている顎以外には大した印象もない男だ。
年は四十の半ばぐらいだろうか。
よれよれのYシャツに身を包み、男の座っている椅子にはこれまた
よれよれのコートが置いてある。

「特にはありません。行方不明の捜索届けぐらいですかね。それと」
男が不謹慎な発言をすると、男が座っている椅子の向かい側にいる女性が律儀に答えた。
「その発言は人としても警察官としてもどうかと思います。多橋春臣(たばしはるおみ)警部」
もちろん小言もセットだが。
「茜ちゃんを見てると警察学校時代の教官をおもいだすねえ。口うるさいところとかそっくり」
茜鈴(あかね りん)は帳簿を閉じながら冷たく言い放った。
「むしろ、多橋警部のような人のほうがめずらしいかと」
「あはは、手厳しいね。こりゃ・・・・・・・しかし、ここらへんは行方不明だけはよく起こるよねぇ。どうも」
「そうですね、ここ5・6年あたりじゃ結構起きてます、まあ詳細は知らないですけど。」

ぷるるるるるっ ぷるるるるるっ

不意に、据え置きの電話がコール音を発した。

「はい、こちら捜査一課・・・・・・」
茜が電話を取る。どうせ大した用件ではないのだろうが。
「はい、はい。・・・・・・えっ?」
茜の顔が一瞬にして引き締まる。電話が終わった後。多橋にいった
「よかったですね警部。事件ですよ」
「・・・・・・・・・空き巣とかでしょー」
多橋は耳くそをほじりながらいかにもめんどくさそうに言った。
だが自体は多橋の360逆を行っていたようだ。

「違います。−−−−−−−−−殺人です」

多橋は心底めんどくさそうにため息をついた。


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Re: 俺の妹はサイコキラー ( No.4 )
日時: 2013/01/27 18:50
名前: 阿権 (ID: oWbfUqQX)

事件現場は混乱の一途をたどっていた。

無線の音、サイレンの音、怒号が入り混じっている。

そして、事件現場にまたひとつパトカーが到着した。
「うわ、凄いですね、警官の数・・・・何人くらいいるんですかコレ」
「それだけ大きい事件ってことでしょ」
言わずと知れた、警視庁捜査一課の茜鈴と多橋春臣である。
「とりあえず現場を見てみないとなんともいえないけど・・・・・・・・。やだなあ、めんどくさい臭いがぷんぷんするよ」
「仮にも刑事がそうゆうこと言わないでください。」
「ちょっとまって仮にもなの?」
「はい」
いやそこは自信満々にうなずくところではないだろうに・・・・・。と
思いつつ多橋は茜とともに車から降りる。
「おう、おせえぞ多橋」
多橋たちが車から降りたとたんに野太い男の声が響いた。おなじ捜査一課の浅田龍之介である
「ああ、悪いね龍さん。」
「当たり前だ。人が晩飯食っていざ寝ようって時に電話かけてきやがって」
「まあ仕方ないよ、それが職務なんだし」
「年中職務怠慢状態の多橋警部がそれを言っても説得力がないです」
茜が冷静に突っ込んだ。
「まったくだな」
浅田も同調する。
「・・・・・・・・・・・い、遺体の状況は?」
二人から冷静に突っ込まれた浅田はちょっと涙目になりながら問うた。
「俺もわからん、今来たばっかだからな」


「・・・・・・・・・・・う。」
廃工場の片隅にぽつりと置かれた三つのポリ袋をみたとたん、茜が小さくうめいた。
「・・・・・・・・あれが、ホトケってわけだ」
多橋・浅田も少し青ざめている。
「バラバラ死体って言えば聞こえは良いんですがね・・・・・ひどいもんですよ。内臓以外のすべての体のパーツが切り離されてます。目、鼻唇、耳、足の指、手の指、その他諸々、ね」
工場内で作業していた鑑識から聞いた話だ。
「茜ちゃん、中見る勇気、ある・・・・・・?」
茜は真っ青な顔で首を横にぶんぶん振った。
「た、多橋・・・・・とりあえず一回外に出よう。これ以上ここにいたら本気ではきそうだ。」
「そ、そうしようか・・・・」


廃工場から出た瞬間、多橋、浅田、茜は激しい脱力感に襲われた。
「凄まじかったね・・・・・・」と多橋
「なんだありゃ・・・・・」と浅田
「しばらくお肉たべらんないです・・・・・・・・」と茜

ツーーーーーーー。ツーーーーーーーー。
多橋の無線機がコール音を発する。

「こちら警視庁、こちら警視庁、今回起きた殺人事件について緊急会議
がひらかれる、捜査一課はただちに帰投せよ・・・・・・・」
「了解、すぐ帰投する」
「ああクソ、また睡眠時間が・・・・・・」
「しょうがないですよ、仕事なんですし」
「じゃあ茜ちゃん、帰るよ」
「はい」と返事が帰ってくる。
「じゃあ龍さん。あっちでまた」
「おう」

パトカーに戻る途中、多橋の頭にここに来る前の茜との会話が思い出された。


「(しかし、ここらへんは行方不明だけはーーーーーーーー)」
「(そうですね。ここ5・6年じゃーーーーーーーー)」

「まさか・・・・・・・・・ね。」

自分の中で湧き上がった考えを封殺し、多橋はパトカーへ向かった。

パトカーのサイレン音が支配する中、廃工場はただそこに佇んでいた。

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Re: 俺の妹はサイコキラー ( No.5 )
日時: 2013/01/28 18:09
名前: 阿厳 (ID: kHKhLZQC)

どうも、阿厳です。
とりあえず一回自分の書いた小説をざっと呼んでみました
うむやはり俺天才だったのか((ひいごめんなさいもう調子にのりません。

未熟な文章ながら目を通しいただけてることにものすごく救われております。

参照が増えているのを目にするたびに嬉し泣きしているぐらいです
(マジで!)

まことにまことに感謝のかぎりであります。
これからもお暇がありましたらこの「俺の妹はサイコキラー」
に目を通していただければ幸いです


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