複雑・ファジー小説
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- 三千世界の軌跡-Hope of glow-
- 日時: 2014/09/07 17:39
- 名前: キコリ ◆yy6Pd8RHXs (ID: lY3yMPJo)
舞台は、広大なこの世界だけ。
1つしかないのなら、精々ここで幸せを噛み締めようではないか。
時を越え、歴史さえも塗り替えて。
全てを忘れ去って。
もう何も怖くなんかないさ。
ちゃんと前を向いて歩んでいくよ。
————君を守るため。
◇ ◇ ◇
〜ご挨拶〜
はい、毎度お馴染み、性懲りもなくキコリでございます(黙
ちょっと今回は、今までやってきたことは全て捨て去り、この小説に専念します。
僕の作品で一番人気だった、世界樹シリーズに携わってくださった皆様にはお詫び申し上げます。
皆様の期待を裏切るような形になってしまったこと、本当に申し訳なく思っております。
僕はまだ未熟者でした。そもそも練度不足のまま掛け持ちに走ること自体間違っていたのですよねわかります(黙take2
まあ、コツコツとやっていきまするw
長文挨拶失礼致しました。
では、全く新しい僕の小説をどうぞご堪能下さい(黙take3
〜ルール、注意事項(必ず一度は目を通してください!)〜
・まずは考えなくても良いような常識から。荒らしは禁止ですよ! 見かけてもスルーを4649です。
・幾ら僕が情けなくて皆様の期待を裏切ったからって、中傷的なコメントや悪意のある批判は止してください。
僕の豆腐メンタルが終わりますんで(黙take4
・毎度の事ながら、更新は休日が基本ですので悪しからず。
・お客様コメント返信欄ですが、今回もいつもと同じように作成します。
お客様への僕の対応は、そこで一括で行いますのでよろしくお願いします。
尚、僕のお客様への質問などもそこで名指しで行います。
・今回はグロ、人物死亡あるいは大怪我、エロなどの描写が多々あります。苦手な方はご注意下さい。
・お客様コメント返信欄とお知らせコーナーの更新は臨時的ですので、定期的に目を通していただけるとありがたいです。
〜加筆、修正履歴〜
7/21(月)題名を一部変更しました。
8/2(土)解説不足が発覚。>>32に不足していた解説を加筆しました。
〜お知らせコーナー〜
・オリキャラの募集を締め切りました。
・エクストラチャプターが始まりました。主に季節ごとに異なるイベントがあります。
※本編の物語の流れとは一切関係ありません。
〜お客様コメント返信欄ページ〜
第1ページ>>8 第2ページ>>70
〜キャラ関連ページ〜
キャラ紹介ページ
その1>>16 その2>>43
〜目次〜
Extra Chapter-Daily life-
EpisodeⅠ-Let's swimming!-
PrologueⅠ-The thought->>1
PrologueⅡ-Farewell->>2
ChapterⅠ-New Days-
EpisodeⅠ-Remember- >>3 >>9 >>11
EpisodeⅡ-Promise- >>13 >>15 >>18
EpisodeⅢ-Enemy- >>20 >>21
ChapterⅡ-Alchemy and mix feelings-
EpisodeⅠ-Impossible- >>22 >>28 >>29
Extra EpsodeⅠ-With me->>30
EpisodeⅡ-Image's MATERIAL- >>32 >>36 >>37 >>45
ChapterⅢ-Myself fate-
EpisodeⅠ-All knew- >>47 >>49 >>50
EpisodeⅡ-Break time- >>53 >>57 >>59
- Re: 三千世界の軌跡-Flash of wisdom- ( No.1 )
- 日時: 2014/07/20 21:12
- 名前: キコリ ◆yy6Pd8RHXs (ID: gOBbXtG8)
時間軸を遡るという行為は、繰り返せばそれだけ、世界の因果が増える。
それも、たった1つだけの意思と行動によって。過去に戻ってみようかなという、非常に浅はかな考えだけで。
そしてその行為が起きるたび、今まで営まれてきた世界は、1つの存在が消失したことにより別の道を歩み始める。
僅かでも時間軸のずれが生じた出来損ないの世界というのは、基本的にそういうものである。
しかしそれを知りながら、時間軸を何度も遡る者がいた。
ただ1つの存在を守りたいが故に、いくつもの世界の因果を生み出す者がいた。
ただ1つの存在の未来を平穏へと導きたいが故に、何度も何度も出来損ないの世界を作り出す者がいた。
生まれるいくつもの因果の中には、必ずハッピーエンドがある。
ならそれでいいんじゃないか。
例え、生み出した因果で出来上がる三千世界が無駄になろうとも。
そんな考えを持つ者がいた————
- Re: 三千世界の軌跡-Flash of wisdom- ( No.2 )
- 日時: 2014/07/21 09:09
- 名前: キコリ ◆yy6Pd8RHXs (ID: gOBbXtG8)
人という生き物は皆、認めたくない現実を目の当たりにしたり、越えられない壁に遭遇すると楽をしたくなる。
目の前にある、今認めなければならない現実を認め、乗り越えるべき壁を乗り越えて、そこで初めて人は強くなれる。
だというのに人は、そういった境遇になると遠回りになってでも楽をしたがる。つまるところ、現実逃避だ。
後ろを振り返って、ありもしない分かれ道を歩むのと同じで。
『俺は……また……』
時には現実逃避をしない、意志の強い人だって存在する。
それでも、現実逃避をしたいとは思わない。否、思わない人なんていない。
現にこの、何もない真っ白な世界にいる青年がそう思っている。
「ねぇ、雄介君……お願いがあるの。私には出来なくて、貴方にしかできないこと、お願いしたいの」
雄介と呼ばれたその青年は、壁も天井も、空も景色も無いこの空間で倒れている少女の手を握る。
小さくて白い手であり、同時に非常に冷たく傷だらけ。少女は手だけでなく、全身に重傷を負っている。
雄介の目からは涙が零れていた。一滴ずつ、ゆっくりと。
「雄介君、過去に戻れるんだよね……?」
「——あの話、真に受けていたのか?」
「ふふっ、当然だよ……私、雄介君のこと疑ってないもん」
健気に笑みを浮かべる少女だが、活力は目に見えて落ちている。
その明らかな衰弱は声色にも表れている。
何故なら、静寂の中でその2人の声だけがするこの空間においても、耳を澄まさねば少女の声は聞き取れないのだから。
少女は、自分の手を握る雄介の逞しい手を弱々しく握り返す。
「じゃあ、お願い……過去に戻ってさ、あいつに騙された馬鹿な私を、助けてくれないかな……」
何時しか、少女も涙を流していた。
「——分かった。必ず救ってやる。過去にいる浅はかなお前を、絶対に助けてやる!」
雄介の涙ぐんだ言葉を聞くと、少女は安心したかのような表情を浮かべ、やがて瞳から光を消失した。
雄介はその様子を見ていられなかったが、それでも少女の目蓋が永久に開かなくなるまで、彼女の蒼い瞳を見ていた。
————少女の瞳は、光を失っても輝いていた。
やがて雄介は、息をしなくなった少女の目蓋をそっと閉じさせる。
光を失っても尚、彼女の目蓋は開いていた。彼をこよなく愛していた証なのだろうか。
『何度でも繰り返す。この世界をハッピーエンドに導くため。こんな俺を愛してくれた少女に、明るい未来を見せたいから』
雄介は、右腕に嵌っている腕輪に手を伸ばす。
『願わくは、希望を見失って絶望に支配される前に……』
- Re: 三千世界の軌跡-Hope of glow- ( No.3 )
- 日時: 2014/07/22 18:25
- 名前: キコリ ◆yy6Pd8RHXs (ID: gOBbXtG8)
2097年11月20日。
その日付が指し示すこの世界は、新しく生まれた因果の地球である。
この時間軸は、出来損ないの世界が出来た時間軸より、丁度2年遡っている。
だからといって何もしなければ、この因果は前回の因果と何も変わらない道を辿る。
変えたい過去がある。その意思が1つ生まれたのだから、こうしてこの因果があるのだ。
『————』
雄介は"時の腕輪"で、この時間軸へとやってきた。
毎度の事なので慣れたものだが、今回は何かが前回の転移より違っていた。
————転移前の記憶が、酷く曖昧なのだ。
『転移前に何かあったっけか?』
だが、考えていても仕方ない。
彼がこの時間軸にいる理由は、前の因果で変えたかった過去が変わらなかったからだけのこと。
考えたところでどうせ、やることは変わらないのだ。
『つくづく便利だな、この腕輪は……』
時の腕輪。
それは雄介の持ち物であり、気付いたら持っていたという謎の代物である。
腕輪の存在に気付いたタイミングでそれを弄った際、彼は初めて、誤ってという展開ではあるが過去に飛んだ事がある。
以来、彼はこの腕輪を恐れて封印していた。
だが"彼女"と出会ってからは、この封印した時の腕輪に頼りっぱなしなのである。
皮肉にも、いくつもの世界の因果が生まれているとも知らずに。
この時の彼は、まだそれを知らなかった。
『さて……』
現在の時刻は8時。
とりあえず学校——曽我宮高等学校——に向かわなくてはならない。
雄介は着々と準備を進め、数分もしないうちに身支度を終えて家を出た。
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