複雑・ファジー小説

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青恋物語【キャラ募集一時停止、題名変更】
日時: 2015/12/13 19:26
名前: キコリ (ID: JD5DDSYn)

—目次—

※必ず目を通してください※
【この小説におけるルールと方針>>1
※キャラ応募用のテンプレートも含まれています。


—お知らせ—

キャラの募集を一時的に停止させていただきます。
再開の目処については、現在応募されているヒロインのストーリーが全て完了した折に再開する予定です。

題名を変更しました。(蒼雨→青恋物語)


—キャラ紹介—

※主人公の年齢はストーリーによって変化します。
【立花哲也】(たちばなてつや) 男 基本17歳
今作の主人公。顔だけ良くて、あとは全てが普通な男子高生。喧嘩が空前絶後に強いという噂があるが真偽は不明。
来る者拒まず去る者追わずの一匹狼であり、基本的に暇つぶしの為に毎日を生きている主義。一方で情に厚い一面も。

オリキャラ一覧
>>2 >>4 >>6 >>10 >>14 >>15 >>19


—本編—

【柊静香編〜悠久の悲哀を断って〜】
>>9 >>11 >>13 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28

【撫川哀編〜単純なりの想い〜】
>>29 >>30 >>31 >>32 >>33 >>34 >>35 >>36 >>37

【星波紫乃編〜空想と現実〜】
>>38 >>40 >>42

Re: 蒼雨【早くもキャラ募集】 ( No.9 )
日時: 2015/11/27 19:03
名前: キコリ (ID: JD5DDSYn)

 屋上とは、俺こと立花哲也にとってこれ以上ないほど居心地の良い場所だ。高校に入学して2年目の秋——ここ最近、ずっと入り浸っている気がする。
 自殺者が増えるなどの理由で普段の屋上は閉鎖されているが、俺はボランティア委員会の仕事で頻繁に屋上に来る。そのため放課後であれば容易に屋上へ来る事が出来、いつも独りの時間を満喫することが出来る。
 その性質上、屋上には誰もいないはずなのだが——今日は違った。
 いつものように鉄製の扉を開錠しようとした折、鍵が既に開いていたのである。
「……」
 扉を開ければ、夕日と木枯らしが俺を出迎える。
 今日はそれと同時に、一人の女子生徒の声も俺を出迎えたらしい。
 歓迎されたかというと、そうでもないようだが。
「——見たの?」
「?」
 誰かと思えば、見覚えのある人物だ。
 コースも違えばクラスも違うが、確かこの子は柊静香。
 歩く芸術品——とかいう珍しい二つ名で知ったのだが、確かにその通りだなと、俺はこの女子——柊と初めて目線を合わせて思い知るのだった。
「私がここに来るところ。ダメだよ、本来ここは生徒が来ちゃいけない場所なんだから」
 どうやらお忍びで屋上にやってきたようだ。まあそうだろう。確かにここは進入禁止の場所であり、許可を得ていない生徒が出入りすると校則違反となり指導の対象となる。
 だが俺には列記とした目的があり、先生の許可も取っている。お叱りを受けるのは俺ではなく柊の方に違いない。だったら俺が叱ってやろうと思い、そっちこそどうなんだと問うたのだが、共犯者だねという気の抜ける返事が帰ってきた。
「おいおい、俺はちゃんと許可を取ってここに来てるんだよ」
「そうなの?」
「ボランティア委員だから、貯水槽とか点検するんだ」
「ふーん……」
 さぞ「興味ない」と言った風に鼻を鳴らしたかと思えば。
「いいなぁ。私もボランティア委員やればよかったかなー」
 純粋に羨ましがられた。
 柊も、屋上という空間を気に入った人なのだろう。
「——何故ここに?」
「前までは第二校舎の屋上にいたんだけど、先生に見つかって怒られちゃったからここまで来たんだ。君は私を怒ったりする?」
「いや——」
 俺は真面目ではないが、風紀に関してはしっかり守るほうだ。
 よって柊を叱ってやろうかと思ったが、そんな気も削がれてしまった。
 何故なのかは、分からない。ただ強いて言うならば、柊に悪意が欠片も見当たらない所為だろう。
「別に怒らないよ」
「そっか。じゃあまだここにいてもいいよね?」
「俺がいる限りはな。また先生に見つかったら、今度こそ厳しい指導が待ってるぞ」
「あははっ、優しいね君」
 自然と浮かべた笑みは間違いなく愛想笑いだろうが、何というか綺麗だった。
 流石は歩く芸術品か。顔立ちは愚か、失礼ながらそれとなく観察してみればスタイルもまるでモデルのようだ。
 各方面で噂されている辺り、かなりの人気者なんだろうなと思う。
「それ、私だけに向けてくれたりしない?」
「別に優しくしたつもりねぇし、仮にも人気者が名前も知らない男にそれ求めていいのか?」
「あぁ、君の名前なら知ってるよ。立花君でしょ?」
「!?」
 鳥肌が立ち、戦慄を覚えた。
 何故この女は俺の事を知っているのか——同時に激しい疑問が胸に渦巻く。
「——どうして俺の名前が分かった?」
「ふふっ、それは秘密っ」
 悪戯っぽく笑いながら、柊は俺に顔を近づけてくる。
 ふわりと女子独特の匂いが鼻を擽り、何とも言えない気分になった。
 とりあえず、顔が近い。
「なーに赤くなっちゃってんの?」
「顔が近いんだよ」
「あははっ、可愛い奴〜」
 何をそんな、幼児をあやすような歯の浮く言葉を——想像以上に隙のない人物だ。
 からかってくる割にはかなりミステリアスな雰囲気を醸し出しているし、どこかしら雲みたいな人にも思える。
「じゃ、私そろそろ帰るね。バイバイ」
「おい……」
 そういうと柊は、鞄を持って屋上を後にしてしまった。
 呆気にとられた所為で呼び止める事も叶わなくなってしまったが、まあいい。明日もここへ来れば、きっといることだろうし。

Re: 蒼雨【早くもキャラ募集】 ( No.10 )
日時: 2015/11/28 20:07
名前: バラバラ ◆wD3p6RHHU6 (ID: GDWSGe53)

ヒロイン専用テンプレート

名前/読み:星波 紫乃(ほしなみ しの)
年齢:15(早生まれ。誕生日は2月18日)
容姿:茶髪の短めなボブ。真ん丸な黒目が特徴。童顔で身長も平均以下なので小学生に間違われる。
性格:感情を表に出す事が苦手。謙虚で、頼まれても断る。でも「どうしても」と言われると断れなくなる。誰にでも敬語を使う。
職業:高校生
生い立ち:家は紅茶店。両親が忙しく、ろくな会話をしたことがない。人との関わり方が分からない。
特技/趣味:趣味*一人カラオケ、図書館通い
住処:遠い。登校時に主人公の家の前を通る。
その他備考:休み時間は図書館に来る。いつも一人なので、「図書館ボッチ」と一部の人に言われる。そのあだ名で彼女を知っている人が多数いる。
要望:何らかの手段で主人公と絡ませて貰えればw
SV:
「あ、あの……あたしの名前は星波 紫乃と言います……」
「あたしには……そんなことできません……無理ですっ」
「『どうしても』?それなら、やりますけど……」

こんばんは。
良いですよね、青春ものって。頑張って下さい!

Re: 蒼雨【早くもキャラ募集】 ( No.11 )
日時: 2015/11/28 10:04
名前: キコリ (ID: JD5DDSYn)

 翌日。同じ時間に再び屋上まで来ると、やはり柊がいた。
 昨日出会ったときにも何となく思ったのだが、単独でいる彼女は何処かしら悲壮感を漂わせているように見える。
 遠くを見るような目で夕日を眺め、痛みを抑えるかのように右手を胸に当てている彼女は何を思っているのか。
 しかしこの時の俺は知る由もなく。
「柊」
「あぁ、立花君」
 呼びかければ、先程までの雰囲気は一気に崩れ去り、またポーカーフェイスへと戻るのだった。
「今日も貯水槽の点検?」
「あぁ。通年で毎日な」
「お疲れだね」
「いや、そんな面倒でもねぇよ? 何ならチェックノートに丸をつけるだけでもいいし、何より屋上が気に入ってる」
「あはは、そっか」
 貯水槽に限った話ではないが、点検せずチェックノートに丸をつけても何も怪しまれないのが現実だ。
 そもそも毎日点検させる意味もないだろう。学校側の考えていることは相変わらず謎である。もし毎日点検が必要なほど古いなら、そんなものは早々に取り替えてもらいたいところだ。
「……」
「……」
 故にチェックノートには、例によって点検せず丸をつけた。
 その後は何となく柊の隣に並び、一緒に夕日を眺め始めたのだが——沈黙が流れるばかりである。
 たまに柊のほうを見るも、先程のような悲壮感を漂わせる様子など全く見られない。
 ここは思い切って聞いてみるか——と思ったところで、俺は思考を振り払った。
 出会って2日目の相手に込み入ってそうな事情を聞くなど、考えてみれば失礼極まりない行動だ。
「どうしたの?」
「?」
 しまった、察されたか——と思っていたら。
「さっきから私のほうを見たり、かと思えばモヤモヤしたり。何、告白でもするつもり?」
 ただの冗談だった。
「いや……ちと気になってることがあるだけだ」
「?」
「何でもねぇよ」
 切欠が出来たからといえど、ここで追求しても後味が悪そうだ。
 ならば聞かずに、そっと頭の片隅に留めておくのが吉というものだろう。
 天邪鬼だのチキン野郎だの、妙なことを言われてはそれまでだが。
「……」
「……」
 再び沈黙が流れる。俺は今度こそ何の素振りも見せないまま、素直に景色を眺めることとする。
 グラウンドで汗を流す運動部。遥か上空を飛ぶ飛行機。街を行く人と車。田舎でも都会でもない町を照らす夕日。
 どれも見慣れた光景だが、どこか新鮮味を感じる。屋上だからか、或いは————

Re: 蒼雨【早くもキャラ募集】 ( No.12 )
日時: 2015/11/28 10:10
名前: キコリ (ID: JD5DDSYn)

バラバラ様>>
青春物を書くのは初めての試みなのですが、上手くいけたら嬉しいなと思っています。
オリキャラもありがとうございます。特に問題ないのでそのまま採用させていただきます。

Re: 蒼雨【早くもキャラ募集】 ( No.13 )
日時: 2015/11/28 12:06
名前: キコリ (ID: JD5DDSYn)

 やがて何日か経過し、学校は冬休みを迎えようとしていた。
 終業式まであと4日。周りの生徒達は冬休みやクリスマスの予定だの、追試がどうのこうのと話題に尽きない様子。
 そんな中で俺はというと、生憎何の予定も無いために唯一人黙っている。
 今日も無事に授業が終わり、さっさと何時ものように屋上へ向かおうとすると。
「おーい、立花ー」
 聞き覚えがあり、尚且つあまり聞きたくない奴の声が俺を呼びとめた。
「寺田か」
 シンガーソングライターを夢みて、日々ギターの練習に励む俺の腐れ縁——寺田慎太郎だ。
「何だ?」
「冬休みなんだけどさ、お前どうせ予定ないだろ?」
「どうせとか失礼な奴だな。確かに何の予定もないが」
「じゃあさ、合コン行かね?」
「は?」
 思わぬ誘いだった。
「合コン?」
「そうそう! 知り合いに誘われて当日来る面子聞いたんだけど、例の歩く芸術品こと柊さんが来るらしいんだ。お前は引き立て役ってことで、俺ちょっと告白してみようかなって思ってたりするわけよ!」
「……」
 突っ込みどころが万歳過ぎて何処から突っ込めば良いのか分からなくなってしまったが、とりあえず俺は寺田の脳味噌を心配して、こう言うのだった。
「お前、変なモンでも食ったか?」
「し、失礼な! 俺はキノコが嫌いだって言ってんだろ!」
 失礼なのはお前なんだがな——という言葉を寸でのところで飲み込む。
「っつーか、狙ってんの柊だろ? お前に向ける愛想が社交辞令じゃないといいな」
「え……何、そんな強敵?」
「まあ、強敵には違いないだろうな」
 まずアイツが合コンに来るという話自体がありえないのだが、そうでなくてもアイツは人気者だ。いくらギターが弾けるという同じ理由で有名な寺田とはいえ、普段ポーカーフェイスであるアイツがコイツに向ける愛想など高が知れている。
 ここ数十日の間で得たアイツの情報から、俺はそう看破できる。
「でもさ、お前がいるから大丈夫だろ」
「あ? どういうことだよ?」
「引き立て役!」
「お前そろそろ縛くぞ」
「ごめんなさい」
 とはいえ、どうせ暇だ。酒ならお断りだが、合コンがどういうものなのかを知るという理由では、こんなしょうもない切欠でも行ってみる価値があるかもしれない。
 とりあえず行くと寺田に伝えた上で、俺は改めて屋上へ向かうこととする。

 職員室で鍵をもらい、屋上まで来てチェックノートに丸をつけ、景色を眺めて待つこと数分。
「やっほ」
 いつもの如く、やはり来た。
「ねぇ」
「ん?」
「冬休みなんだけどさ、君どうせ暇でしょ?」
「……」
 どいつもコイツも失礼な言い方しやがって——俺は聞き覚えのある問われ方に苦笑いしつつ、言葉の続きを待った。
「暇だけど、何か?」
「じゃあさ、一緒に合コン行こうよ」
「……」
 まあ、知ってた。寺田と全く同じ誘いが来ることなんて。
「いいよ」
「あ、ホント? ありがと!」
「何でお礼なんだ……」
「実はさ、ちょっと不安だったんだよね」
「?」
 少し目を伏せた柊は、いつか見た悲壮感を漂わせる雰囲気を纏った——ように思えた。
「熱烈な誘いに思わずオッケーしちゃったのはいいけど、やっぱり合コンってさ、何も知らない私からすると危なそうなんだよね。だから、誰か信頼できる人がいてくれたらなって思って。そしたらやっぱり、ちょっとだけ安心できると思うの」
 ——なんとなく、賛同できる。
 合コンについて無知なのは俺も同じだ。俺には他に寺田がいるが、きっとアイツも合コンに関しては無知だ。今までアイツが色恋沙汰に身を突っ込むことなど無かったのだから。
 故に、きっと俺も柊と同じなのだろう。
 それにしても——寺田がコイツに惚れたのか。意外というか何というか、いろんな意味で底の知れないコイツに惚れるアイツの頭が理解できない。否、ミステリアスだからこそ惚れたのかもしれないが。
「君は、私を裏切ったりしない?」
「当たり前だ。俺も合コンとかあまりよく知らないから、お互いにフォローし合えるといいと思う」
「ふふっ、そっか」

 ——すると柊は、いきなり俺の胸に寄りかかってきた。


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