複雑・ファジー小説

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Re:童話姫たちの殺し合いゲーム<群像劇/子ブタと子ヤギ>
日時: 2017/09/03 08:47
名前: 雪姫 (ID: hmF5PELO)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2a/index.cgi?mode=view&no=5004

ある使命の為 ツギハギの物語を旅する少年


ある目的の為 姉妹を殺す赤い頭巾を被った少女


己の願いの為 姉妹を殺す五人の姉妹と使徒




個々に存在する物語はクロスする——



◇ご挨拶◇
おはこんばんわんこ(。´・ω・)
知っている人は知っているかもしれない雪姫(ユキヒメ)でございます。
最近とあるゲームにはまりまして…で、思い付きで書き始めたのがコレ。
ネットで童話の原作色々探すんですが…どれも怖いですねー( ;∀;)
そんな怖い童話をサクサクスナック菓子感覚で楽しめるようにしたのがこの作品デッス?

コメント・お友達なろう大歓迎です♪←とゆうか言われたらヒャッハー♪って大喜びです(*ノωノ)


◆attention◆
※タイトル通り、童話の登場人物の名前をした人物達が殺し合いをしています。
※グロ・残酷描写あります。スレ主がそうゆうの苦手なので軽めになってる…とは思う……ちとせとら。
※童話の原作は噂通りの内容です。苦手な方はスルーをお勧めします。
※貴方様の好きな人物のイメージが崩壊するかもしれません。
 基本全員 狂気に狂っています。ご了承くださいませ。
※荒らし、チェンメ、中傷はお帰りください。
※誤字、脱字、多々見受けられると思います。お知らせいただけると幸いです。
※スレ主の心はガラス製です。皆さま大切に扱いましょう笑
※スレ主は社会人なので亀さんと蝸牛さんが競争しているようなものです(つまり亀更)
※この作品は本編とは別物です(一応。でもまとめようか悩み中)
※群像劇ですので、好きなお話から/だけ読んで頂いても大丈夫なようになっています。
 でも両方/全部 読んで頂けると物語がより一層楽しめるようになっています。


†登場人物・用語紹介†
+序章>>01+一節>>17+二節>>35

◇story◇

序章<ツギハギ>&没<序章>>>16
一節<末の妹と双子>
(原作)ラプンツェル(アレンジ少々アリ)>>04
お菓子な国の物語>>05 >>08-12…END
Яお菓子な塔の物語>>23-26…END
(原作)ヘンゼルとグレーテル(アレンジ少々アリ)>>13-15
お菓子な双子の物語>>18-22END
二節<四女と七番の山羊>
(現代語訳)竹取物語(口語訳)>>27-34
竹林の国の物語>>36-39…END
К竹林の賭博の物語
三匹の子ブタ>>40
オオカミと七匹の子ヤギ…執筆中
竹林の七の物語


◆information◆
スレ設立日2017/7/26(水)


【宣伝】
Re:童話姫たちの殺し合い<鮮血に染まった赤き頭巾の少女編>*ダークファ板*
本編/本軸。記憶の無い少年と"暴力”赤い頭巾の少女と"依存”木の人形達がある目的のため姉妹を殺す物語。
こちらと本編両方を読むことで物語がより一層楽しめるようになっております。

<俺のペットはアホガール>*新コメライ板*
空前絶後のアホな女の子とその友達が巻き起こすハチャメチャな事件を飼い主的存在の男の子がズバァァと解決? する日常風景を切り取った物語。
オリキャラ&リクエスト絶賛募集中でございます!


□comment□
・sol様

竹林の国の物語 ( No.38 )
日時: 2017/09/01 08:08
名前: 雪姫 (ID: KACJfN4D)

お金、宝石、金塊。


桃源郷、現世のことなんて忘れてしまうような極上の娯楽地。


それはどのようなものなのでしょう—。









今までどのお姉さま方も現世の誰も行ったことのない娯楽地を造りたい、ですが…中々いい案が浮かばず頭を悩ませ続ける毎日を送っていました、ある日のことです。


『かぐやお姉チャン、あーそーぼーなの♪』

「あら。いらっしゃい、ラプンツェル」

世界にたった一人。目に入れても痛くない、むしろ食べてしまいたいくらいに、可愛い私の妹、ラプンツェルが遊びに来てくれました。
姉妹で一番長い髪を持つラプンツェル。今日は野山でも駆け回ったのでしょう、髪の毛に木の葉がついてます。
『あそぼーなの! はやくーなの!』と遊びたくてたまらない、ラプンツェルを「はいはい」と言いながらおさえ髪をクシで梳かし、木の葉をとってあげます。ラプンツェルにとってはいい迷惑なのかもしれませんけど。
悪戯、お遊びが大好き、育ち盛りのラプンツェル。


「…そうです! その手がありましたっ」

『なーにーなの? いきなり大きな声出さないでなの』

「あ。ごめんなさい。ラプンツェル、ちょっといいかしら」

「……?」




そして千年後…出来ました、ついに出来たのです。




「私の城、千年魔京…嗚呼 なんて美しいのでしょう」




竹で出来た城



千本はくだらない 桜の木。枯れる事のない 桜の木。



舞い散る 桜吹雪は本当に幻想的で素敵です。



ゲヘナ中から集めた美男美女が美味しい酒を注ぎ、美味しい料理を一緒に食べ、最後は自らをデザートに捧げる遊郭。


最後まで悩んだ娯楽施設は、ラプンツェルの協力で賭博場になりました。
私の持てる権力・財力、全てを駆使して用意した、遊戯場。
ええ、そうです。問題は中身、箱や名前なんてステーキを引き立てるためのポテトでしかありません。

メインのステーキ。それは

『メエエエエェェ!!』

『キャハハッ♪ ほらモット鳴いてなの♪』

ラプンツェルのたっての希望で、拷問・処刑場を兼ね備えた遊戯にしました。
"敗者には清く死を—”だなんて、なんて美しい言葉なのでしょう。敗者に贈られるは死、勝者に贈られる物は生? いいえ違います。欲望の沼に沈んでいくだけです。底なしの沼にズルズルと、ゆっくりと、引きずり込まれ、沈んでいく、ただそれだけ、なのです。


「さあ— 私の、私の達の桃源郷、千年魔京の開店です—」

『おぉぉぉおおお!!』と十匹の獣が鳴き声をあげました。
これは始めの第一歩。ここから、決まるのです。私は必ず、千年魔京をゲヘナで一番の娯楽地にしてみせ—


—ようと思っていましたのに…どうしてでしょう。



『………』


千年魔京に来るのお客様はほとんどいないのです。唯一来る客といっても、うわふわ浮いている人魂だけ。
人魂は食事をしません。酒は飲みません。男も女もめでることはありません。お金を欲しません。遊戯なんてしません。
彼ら(人魂)が私の千年魔京へやって来るのは、生前の記憶故に。現世で行っていた行動の再現をしようとしているだけです。

「嗚呼 なんてつまらないのでしょう」

これでは商売あがったりというものです。せっかく、ラプンツェルが遊びに来てくれたのに『つまらないの』と言われ帰ってしまいました。
どうしてくれるのでしょう。十匹の獣たちの毛を一本、一本抜いていくだけでは怒りが収まりません。

「どうすれば、この怒りは収まるのでしょうか。

 どうすれば、まともなお客様が来てくださるのでしょうか」


千年魔京が開店して早々、私はまた新たな悩みが種が出来てしまい、頭を悩ませる日々に逆戻りなのでした。







竹林の国の物語 ( No.39 )
日時: 2017/09/03 08:24
名前: 雪姫 (ID: hmF5PELO)

せっかくゲヘナで一番の娯楽施設、千年魔京を作り上げたというのに、肝心のお客様が来ないのです。

どうしてなのでしょう。

お酒も 美男美女も 美味しいお料理も 楽しい遊戯も 全て揃っているというのに…。

私は何かいい案はないかと、東の領地を出てふらふらとお散歩です。今のところ何も思い浮かんではいませんが、きっと何かいい案が浮かぶはずですわ!

「あら? あれは…」

川沿いに沿って歩いていると、海をぼんやり眺めている???お姉さまと出会いました。
夕暮れ時、夕日が沈む海を見ながら黄昏がれている???お姉さま。う〜ん、絵になります。羨ましい限りです。

「ごきげんよう。???お姉さま。海を見てなにをしていますの」

『………』

答えは帰ってきません。ええ、分かっていましたとも。???お姉さまはとてもマイペースなお方、まともにお話をしようとする方が無理なのです。

だから私も勝手に話しかけます。

「この間、ゲヘナで一番の娯楽地を作りましたの。名前は千年魔京。千本の桜の木がありますのよ?」

『………』

「なのに、なぜかお客が来ないのです。来ると言っても魂ばかり、それではつまらないのです」

『……魂以外に誰がくるの?』

あら。食いつきましたわ。まさか話にのってくるとは思っておりませんでした。
でもこれはある意味チャンスです。このまま、相談してみましょう。

「魂では私を苛んだり、虐めてくれたりしません。それでは駄目なのです、私よりも強くて私を虐めてくださるご主人様も探したいのです」

『……』

そしてまた無言になる???お姉さま。やはり難しいお方…

『これ』

「はい?」

お姉さまがわきから取り出したものは

「黒い…羊の着ぐるみ…?」

『あげる』

あげると、言われましても…それをどうしろと…? 困ったいるのが伝わったのでしょうか、???は

『これに魂込めて』

とおっしゃり私はたまたま、お弁当に持ってきていた魂を黒い羊の着ぐるみの中へ入れてみました。

すると、どうでしょう!

『べ…ベェー』

ただの黒い羊の着ぐるみだった物が鳴き声をあげ、動き出したのです。まだ魂が上手く定着していないせいか、動きはぎこちないないですがこれは、上手く使えば……いけます! いけますわ!!

「なんて素晴らしいのでしょう! とても素晴らしいですわ、???お姉さま♪」

『ん』

???お姉さまにお礼を申し上げた後、早速千年魔京へと帰り、貰った黒い羊の着ぐるみ達に食糧庫にため込んでいた罪人の魂を放り込みますわ!!

『ベェー』『ベェー』と次々に生まれゆく新しい生命体。私のお客様♪


—それからの毎日はとても楽しいものでした


千年魔京は瞬く間に大繫盛し、毎日ひっきりなしにお客様が、来られて常に長蛇の列がうまれます。


—そして賭博場では


『や、やめ、ぁぁ…ああああああっ!!!』

『マタ…一人…お亡くなりになりましたね…竹美姫サマ』


千年魔京の随一の賭博場。そこで賭ける対象はもちろん自分の命(魂)負けた者には清く死をもって代金を支払ってもらいますわ。

己の命を賭けたスリル満点の勝負! 負けた敗者たちが見せる恐怖と絶望の表情!

死の間際に見せる美しい光景 そして断末魔!

—嗚呼 なんて素晴らしくて 素敵なのでしょう

あれを毎日、毎日聞かされていたら…私は…私はもう…



                    —絶望の虜ですわ









誰かに己を支配され 虐められることが 至極の快楽だった かぐや姫







自分を倒し蹂躪してくれるご主人様を長年探し求めていた かぐや姫






だがしかし 彼女が辿り辿り着き 出した答えは





『ベェェェェェェ』





「うふふふっ。さあもっと! もっとです! 私に貴方の美しいデスパレットをみせてくださいまし♪」





毎日 毎日 参六五日行われる 惨い 拷問 惨い 処刑






<被虐>のお姫様は今日も 誰かを殺す 陰惨(いんさん)な笑みで











                        <被虐END>









(原作)三匹のこぶた。(アレンジ少々アリ) ( No.40 )
日時: 2017/09/03 08:52
名前: 雪姫 (ID: hmF5PELO)

【三匹のこぶた。】はイギリスの昔話で、日本でもよく知られているお話ですよね。
NHKの子供劇【ブー・フー・ウー。】のもとになったお話らしいのですが、日本で紹介されているものは、本編の後半がばっさり切られているそうなのです。
では本当どんな、お話だったのでしょう—?
***





むかし、むかし、豚のおばあさんが三匹のこぶたと暮らしていました。


『お前達、世の中へ出て、自分たちの幸せを探しておいで』


おばあさんはこぶた達に言いました。


こぶた達は「おそとに怖いものはないの?」と聞きました。


『怖いものには気をつけるんだよ』


おばあさんがそう言うと、こぶた達は「は〜い」と元気に家から出ていきました。


一番年上のこぶたは、「さぁ、ボクの幸せを会いに行こう」と、ズンズン歩いていきました。


こぶたは途中で、ワラをたくさん持った農夫に出会いました。
「農夫さん、お願いです。 家をつくるのにそのワラをください」
こぶたはワラをもらうと、それで家をつくりました。
「どんなもんだい、ボクの家」
一番年上のこぶたは胸を張りました。

そこへ狼が通りかかりました。


こぶたは驚いてワラの家に入り、中から鍵をかけました。


『こぶたくん、俺を中に入れてくれないか?』


狼は戸口に立ってこぶたに言いました。


「イヤだよ。 そんな事したら食べられちゃうじゃないか」


こぶたはちっちゃなヒゲをピンとのばして答えました。


『じゃあ、こんな家は、俺の息で吹き飛ばしちゃうぞ』


狼はそう言うと、息をすぅぅぅぅぅぅぅぅっと吸い込みました。


『フーのプーのブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!』


狼は凄い勢いで息を吹き出すとワラの家は吹き飛び、こぶたはコロコロ転がりました。
狼はこぶたをつかまえると、ぺろりと食べてしまいました。



二番目のこぶたも、「さぁ、ボクの幸せは探しに行こう。」と、ズンズンズンズン歩いていきました。



こぶたは途中で、トゲがたくさんついたハリエニシダを荷車一杯につんだ男にあいました。
「農夫さん、お願いです。 家をつくるのにそのワラをください。」
こぶたはハリエニシダをもらうと、それで家をつくりました。
「どんなもんだい、ボクの家。」
二番目のこぶたは胸を張りました。


そこへ狼が通りかかりました。


こぶたは驚いてハリエニシダの家に入り、中から鍵をかけました。


『こぶたくん、俺を中に入れてくれないか?』


狼は戸口に立ってこぶたに言いました。


「イヤだよ。 そんな事したら食べられちゃうじゃないか」


こぶたはちっちゃなヒゲをピピーンとのばして答えました。


『じゃあ、この家も、俺の息で吹き飛ばしちゃうぞ』


狼はそう言うと、息をすぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっと吸い込みました。


『フーのプーのブブブブブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!』


狼は凄い勢いで息を吹き出すとハリエニシダの家は吹き飛ばされ、こぶたはコロコロコロコロ転がりました。
狼はこぶたをつかまえると、ぺろりと食べてしまいました。



一番年下のこぶたは、「さぁボクの幸せをつくりに行こう」と、ズンズン歩いていきました。



こぶたは途中でレンガをたくさん運んでいる男に会いました。
「農夫さん、お願いです。 家をつくるのにそのワラをください。」
こぶたはレンガをもらうと、それで家をつくりました。
「どんなもんだい、ボクの家。」
一番年下のこぶたは胸を張りました。



そこへ狼が通りかかりました。


こぶたは驚いてレンガの家に入り、中から鍵をかけました。


『こぶたくん、俺を中に入れてくれないか?』

狼は戸口に立ってこぶたに言いました。

「イヤだよ。 そんな事したら食べられちゃうじゃないか」

こぶたはちっちゃなヒゲをピピピピピーンとのばして答えました。

『じゃあ、この家も、俺の息で吹き飛ばしちゃうぞ』

狼はそう言うと、息をすぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっと吸い込みました。

『フーのプーのブボボボボォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!』

狼は凄い勢いで息を吹き出しましたが、レンガの家はびくともしません。
狼はもう一度、息を思いっきり吸い込みました。

『ブーのブブブーのブゴゴゴゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!』

狼は凄い勢いで息を吹き出しましたが、反対に狼の体は空高く飛んで、そして地面に落ちてしまいました。いくら息を吹いてもレンガの家は壊れません。

狼は家を吹き飛ばすのをあきらめて、腰をさすりながら戸口に立って言いました。

『こぶたくん、俺はうまいカブのあるところを知ってるんだ』

「それは、どこ?」こぶたは狼に聞きました。

『西の畑だよ。 明日の朝、俺が連れてってやるよ』

「いいよ、何時ごろがいい?」

『じゃぁ、六時にしよう』

狼はそう言って帰って行きました。

こぶたは翌朝五時に起きると、西の畑に行ってカブを取ると、狼がやって来る前に家に帰って鍵をかけました。

狼は六時ごろやって来ると、愛想よく聞きました。

『こぶたくん、カブを取りにいこう。 したくは出来たかい?」

「出来たよ。さっき畑で取ってきたカブのスープが出来たよ」

狼はこぶたが先に一人でカブを取ってきたと知り腹が立って仕方ありませんでした。
何とかして仕返ししてやろうと考えました。

『こぶたくん、俺はうまいリンゴのある所を知ってるんだ』

「それは、どこ?」こぶたは狼に聞きました。

『南の畑だよ。 明日の朝、俺が連れてってやるよ』

「いいよ、何時ごろがいい?」

『じゃぁ、今日と同じ六時にしよう』


狼はそう言って帰って行きました。

翌朝、こぶたは五時に起きると、南の畑に行ってリンゴを取りに行きました。
しかしリンゴを取るには木に登らなければならず、西の畑より遠く、昨日より時間がかかってしまいました。

こぶたはリンゴを取ると大急ぎでレンガの家に走りました。
しかしこぶたが家の前まで来ると、そこには狼が待っていたのです。
こぶたは怖くて恐ろしくて体がガタガタ震えました。


『こぶたくん、また俺より先に行ったんだな。良いリンゴが取れたかい?』


狼はこぶたをいたぶるように言いました。
こぶたはぐっと歯を食いしばりました


「うん、おいしいリンゴが取れたよ。 一つ投げてあげるね」


こぶたはポーンとリンゴを投げました。
狼は手をのばしましたがリンゴはその向こうへ飛んでいきました。
狼はついそのリンゴを追いかけていき、帰った時にはこぶたは家の中に入って鍵をかけていました。
狼は、こぶたを捕まえそこねて腹が立って腹が立って、持っていたリンゴを握りつぶしてしまいました。

それから、こんどこそこぶたを捕まえてやろうと、またこぶたを誘いました。


『こぶたくん、明日東の町で市があるんだ。 一緒にいかないかい?」

「うん、いいよ。 いつ行くの?」

『じゃあ、今日と同じ六時にしよう』


狼はそう言うと帰って行きました。

翌朝、こぶたはまた早く起きると一人で市に行き、バターをかきまわして作る桶を買いました。
そして、桶をもって帰るとちょうど丘の上にきた時、狼が向こうからやって来るのが見えました。
こぶたは今度は怖がりませんでした。
買ってきた桶の中に入ると、狼めがけて丘を転がって行きました。

狼は丘の上から桶が自分めがけて転がってくるのを見てびっくりしました。
そして慌てて逃げ出しましたが、桶は勢い良く狼にぶつかって、はね飛ばしてしまいました。
こぶたは、そのまま自分の家まで転がって行き、レンガの家に入るとまた鍵をかけてしまいました。

それを見た狼は、かんかんに怒り、煙突から入ってこぶたを捕まえてやると走り出しました。
こぶたは、暖炉に大きな鍋をかけ、がんがん火を焚いて熱く煮立ったお湯を沸かしました。
そして煙突から飛び込んだ狼が鍋に落ちると、ぱっとふたをして、ぐらぐら煮てしまいました。

こぶたは狼のスープを飲み、夕食にしました。
もう怖いものも、ひと呑みにして、恐れる事も平気になりました。
そして、こぶたはまた、幸せを作りに外へ飛び出しました。




                                【三匹のこぶた。】














***

【三匹のこぶた】の本編中、日本で一般的に語られている部分は、最初から家を吹き飛ばすまでの部分と、狼が煙突から鍋に落ちるラストの部分で、後半の部分がカットされています。
切られてる部分にそれほど問題もありませんし、カットしなければならないほど、お話の分量も長いわけでもありません。
なぜ後半が切られたのか、理由がはっきりしていないのです。

***

こぶたのヒゲ。
ぶたにヒゲはありませんが、もとの昔話には『ボクのちっちゃなヒゲにかけて』という一文があります。
そのため【三匹のこぶた。】は、もともとはヤギだったのではないか?という説もあるそうです。

***

К竹林の賭博の物語 ( No.41 )
日時: 2017/09/05 19:04
名前: 雪姫 ◆x7fHh6PldI (ID: 4rycECWu)

私(わたくし)の名はかぐや姫





竹に住まう 美しいお姫様





竹美姫(ちくびひめ)と呼ばれみんなから愛されていました




—ですが、愛されるだけのおお人形では駄目なのです




私は苛なまれ 蔑み 罵られ 苛めて欲しいのです







沢山の殿方が私に求婚してきました






—ですが皆さま私よりも弱いのです






私は私よりも強い殿方が好きなのです








私を支配してくれるご主人さまが欲しいのです









—だから皆 死んでもらいました












この世にある全ての欲が満たされた 世界ゲヘナ







現世で罪を犯した罪人が堕ち行く果てる世界







—なら死んだ後にくらい いい思いをしてもいいではないですか







私が造ったのは 娯楽施設 千年魔京 またの名を桃源郷






—さあ 皆さま ようこそいっらしゃいませ。




























私の城。千年魔京が完成してからいくつ程太陽が昇りましたでしょう。



いくつの月が輝きましたのでしょう。




数百? 数千? 数億?



もう数えるのを止めてしまうくらいの月日が経ったある日のことでした。




私はついに見つけたのです! 理想のご主人様を!


『………』


全身ツギハギだらけの殿方。刺々しい髪型も素敵ですが、なにより素敵なのはあの目! 鋭くつりあがった眼尻がとても素敵ですわ。
あの眼で見られているだけで、絶頂を迎えてしまいそうですわっ。

—嗚呼、苛めて欲しい。あのツギハギの殿方に 縛られ 罵倒され 殴られたい ですわ…。


『………♪』

『………ッ』

ツギハギの殿方の傍にいる二匹。

赤い頭巾を被った金色の瞳の娘。

杖を握りしめブルブル子犬のように震える童。


—嗚呼、なるほど。そうだったのですね。


ツギハギの殿方との出会いにとても運命的なものを感じていましたが、それは私の勘違いでした。


—だってあの方達は 私を殺しに来たのですもの。


世界でたった一人しかいない、目に入れても痛くなかった、最愛の妹 ラプンツェルを殺した、犯人なのですから。
あの方達はラプンツェルを殺したその手で私を殺そうと、ここまで来たのです。


『あなたが竹美姫? アハハハッ、殺してあげる♪』


—嗚呼。なんで残酷で無慈悲なお方なのでしょう


赤い頭巾の娘はうぬを言わさず、私に襲い掛かってきました。なんて乱暴なお人。その暴力的なところ、嫌いではありませんわ。



『アハハハッ、あなたって強いですね♪』


「ええ。それなりには」


娘が私に放った拳はとても重く強力な物でした。見たところ私よりも幼い見た目をしているのに、あの小さな体の何処にような力が。
不思議で可愛らしい、赤い頭巾の娘。とても美味しそうな匂い。このまま…食べてしまおうかしら?


—と、思いましたがそれではつまらないですわ。


やはり料理は楽しくするべき。食事は楽ししくとるべきですわ。


—だから私は案内をしました。城の調理室へと。


さあ。かぐや姫のお料理教室の始まりです。



Re: Re:童話姫たちの殺し合いゲーム<群像劇/子ブタと子ヤギ> ( No.42 )
日時: 2017/11/21 13:16
名前: 姫凛 ◆x7fHh6PldI (ID: ru6kJfJs)



あげておこう。


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