二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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SAO×東方 -春雪異変-【色々あった】
日時: 2016/09/17 20:37
名前: ルーミャ (ID: E1s7fLzP)

この世界は現実と幻想を結び付ける境界線ではない。

所詮は現実を模した偽物に過ぎないのだ。



全てを受け入れる。その言葉の形容はあまりにも食い違い、そして残酷であった。





※注意
原作『SAO』とは設定などが多々ズレている、または全く違う部分があります。



今回の異変も遂に終盤です。

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Re: SAO×東方 -春雪異変-【SAO劇場版制作決定オメ!】 ( No.17 )
日時: 2015/10/12 10:46
名前: ルーミャ (ID: rzNp2zLh)

魔理沙と咲夜は、更に上空へと上り詰める。
魔理沙「おお、下が凄いな、こんなにも小さいのか」
咲夜「そうね……ねぇ、魔理沙。貴女は何で箒に乗って飛んでいるのかしら?」
魔理沙は咲夜をしばらく見詰めると、尖り帽子を深く被った。
魔理沙「それじゃあ、私の質問を答えてくれたら教えてやるよ」
咲夜「……構わないわ」
魔理沙「初対面だから知らないが、あんたの能力は何だ? 何で飛べる?」
その質問を聞いて、咲夜は即答した。
咲夜「私は時と空間を操れる。そして、空間を利用して飛んでいるの……種を明かすのはあんまり好きじゃないわ、あんたも種を明かしなさいな」
しかし、しばらく魔理沙は黙っていた。咲夜が声を掛けようとした時、魔理沙は動くのを止めた。どうしたのかと咲夜は魔理沙の目線を追う。
目線の先の上空には、金髪の少女が見下していた。



「久しぶりね、魔理沙」



俺は、空を見上げていた。空は灰色と言うより、銀色であり、いつの間にか雪が降っていた。レティとの戦いで気づいていなかっただけなのか。
レティは俺の様子に気付いたのか、俺の視線を追った。
レティ(あれは……リリーホワイト? 今はまだ冬のはず……)
レティ「あの、キリトさん……今は、何が起きているのでしょうか?」
キリト「ああ、実はまだ春が来てないんだ。本来ならもう春が来てもおかしくないんだけど、何かの異常気象が起きてるらしい」
その言葉を聞くとレティは、何かを知っているらしく、レティは話し始めた。
レティ「……冥界。あそこなら、絶対に何かあります」
それは俺も聞いている。しかし、次に俺は吉報を聞くこととなった。
レティ「確か、冥界の誰かが、何でしたっけ……よくわからないですが、その人を見かけたのを情報にしたことがあります」
冥界から……? そもそも冥界はどんなものがいるのか。全く想像出来ない。
キリト「ああ、俺もそれについてはある程度耳にしているよ。でも、どうしたらその冥界にいけるかが分からないんだ」
するとレティとチルノは、眉を潜めた。
レティ「えっと……空、飛べないのですか?」
キリト「え」
俺は思わず聞き返してしまった。
まるで飛んで当たり前かのように聞かれて混乱した。
キリト(あれ……? ここはSAOのバグ世界ではないのか?)
もしやすると茅場晶彦は空を飛ぶシステムをもつけようとしていたのか? 
いや、それ以前に今までの経緯を見て混乱している自分が恥ずかしい。
キリト「あ、ああ……俺はそういうシステムがついてないから……」
レティ「しすてむ……? まぁ、よくわかりませんが、飛べないのは確かですね」
それにしても、この世界のNPCはなにかとリアルである。ユイなどと同じAIなのだろうか。普通のNPCとは思えない程表情や言葉選びが繊細である。
レティは、首の袖口に手を突っ込んだ。よく見ると首に紐が掛かっている。そして取り出したのが、笛である。
俺は不思議に思うと、それを力強く吹いた。
ピイィィィィーーーーーー!!
それは空を、いや、この世界を轟かせるように響いた。
そして次に、俺の目には想像を越えるものが見えた。



魔理沙は、金髪の少女を睨んだ。
魔理沙「……アリス」
咲夜「貴方達知り合い?」
魔理沙は咲夜の質問を無視して、ただ二人の睨み合いを続けた。
魔理沙「すまん咲夜。私は後からついていく。種明かしはその時だ」
少々迷っていたが、意を決したのか、そのまま上空へ行った。
咲夜「また会いましょう、魔理沙」



魔理沙「何の用だ? どうして分かった?」
睨み付けたまま魔理沙は言葉を放った。
アリス「いえ、ただ……」
魔導書を広げると、呟くように詠唱を始めた。そして詠唱を終えた時には……



大量の人形が魔理沙を覆った。



アリス「今日、貴方を殺そうと思って、ね」

Re: SAO×東方 -春雪異変-【SAO劇場版制作決定オメ!】 ( No.18 )
日時: 2015/12/01 18:23
名前: ルーミャ (ID: rzNp2zLh)

咲夜「……貴方達、そこを退きなさい」
三人衆を目の前に、いきなり咲夜は警告を告げた。
リリカ「えー? そんなー」
メルラン「私達最近ライブが出来てないのよー」
ルナサ「……消化不良」
三人は、言っている事がバラバラであれど、伝えたい事は同じのようだ。
咲夜(……どうでもいいから退きなさいよ)
咲夜「どうでもいいから退きなさいよ。ライブなら他でやればいいじゃない」
全く本音が隠れていない言葉に、今度は三人衆が文句を言った。
リリカ「えー!? 今じゃ誰も外にいやしないんだもん!」
メルラン「そうよ! だからこうやって上空で騒いでいるのに!」
ルナサ「ソウダソウダー」
ブチン。
咲夜の中から、何かが切れる音がしたのは気のせいだろうか。
咲夜「……いいですわ。そこまで駄々をこねるのなら……強行突破と行かせましょうか!」
咲夜が数本ナイフを持った瞬間、そのナイフは一瞬で消えた。

そして、三人衆の後頭部にナイフが突き刺さった。

咲夜「ライブなんかより、手品を見る方が面白いでしょ? 最も、私の芸は種なし手品だけれども」



俺の眼が捉えていたのは、大きな鷲のような上半身と翼、獅子を上回る巨大な下半身。間違い無くこれはグリフォンである。しばし呆然としていると、
レティ「この子に乗れば、冥界まで行けるはずです」
キリト「……君はビーストテイマーなのか? だとしたらかなり腕があるぞ」
その言葉にレティは、複雑な顔をした。
レティ「いえ、これは……」
レティは躊躇っていた。少し間が空き、そこから紡がれた言葉が俺に伝わった。
レティ「……私が小さい頃、かなり前に私は、独りだったんです。あの極寒の中に閉ざされていました。ですがそんな時、ある一人の方が来てくださったんです。体が凍り付きかけてはいましたが、とても、とても優しいお方でした。その人は独りで寂しかった私に、一つプレゼントを渡してくれました。それが、この翼獣です。はっきり言えば、私はビーストテイマーではなく、ただこの子と親友の様な関係を持っているだけです」
俺は、知らない間に彼女が涙を流していた事に気付いた。
キリト「またその人には、会えたのか?」
レティ「いいえ……あの時以来です。でも、またいつかは会えたら……すみません。話が長くなっちゃいましたね。これで私は別れますが、また会える機会があったら、会いましょう」
キリト「……ああ」
俺はグリフォンの上に乗ると、グリフォンは翼を大きく広げ、上空へと向かって一直線に飛んだ。

徐々に彼女達から遠ざかり、ついには見えなくなってしまった。



チルノ「レティ、涙出てるよ?」
レティ「……ええ、そうね。ご免なさい」
しばし灰色の空を眺めていた彼女は目元を拭うと、
レティ「さて、そろそろ冬が終わるから一気に稽古、終わらせましょう」
彼女は、また冬に彼がここに来ることを願った。



霊夢「さて、すっきりしたしさっさと異変を解決しに……」
そんな時に霊夢が眼に捉えたのは、箒を片手に落ちてくる魔理沙であった。
霊夢「ちょ!?」
両手で彼女を受け止めると、魔理沙の右腕がが大きく擦れて、血が溢れているのが確認出来た。
霊夢「あんた、何をやってるのよ!」
呪術を詠唱する。どんどん魔理沙の傷が塞がっていく。
魔理沙「るせぇ……私はだな……」
霊夢「あんた、ろくに魔法も使えないのに……ほら、治ったわよ」
魔理沙は起き上がると、霊夢に告げた。
魔理沙「私の心配はいらない。とっとと次に行ってくれ」
霊夢「あんな様子じゃぁ、説得力は皆無に等しいわ」
魔理沙「私は地上戦が得意なんだよ」
そこで少し間を開ける。魔理沙の顔は一層険しくなった。
魔理沙「アリスが……ここに来た……」
霊夢「……!?」
霊夢は目を見開いた。彼女にとってもこれは驚くべきことなのであろう。
霊夢「まさか……まだ魔理沙の事を……」
魔理沙「……じゃあ、私はそろそろアイツと決着をつける。危ないから先に行ってくれよ」
そういうと、魔理沙は地上に降りた。



霊夢「わざわざこっちに来るなんて……本当に執着心が強い奴ね」

霊夢は、亜空穴を使うと、その中へと潜った。



アリス「……遅い」
追撃をしにと降りようとすると、巨大なレーザーがアリスに迫った。
アリス「……!!」
アリスは障壁を急いで作るが、周りにいた人形達までは守れず、人形は一瞬で灰に帰した。
アリス「……」
アリスは一気に急降下して、地面の上に立った。
魔理沙「さっさと帰れ。ここはお前のような獣が来る場所じゃねぇ」
アリス「知らないわよ」
即答すると、魔法陣が浮かび、そこからまた人形が沸いた。
アリス「私は貴方を食い殺す、それが目的」
人形が一気に迫ってきた。魔理沙は八卦炉から、薙刀へと姿を変えさせた。
一瞬で人形は八つ裂きにされ、動かなくなる。それにも関わらずアリスは嬉しそうであった。
アリス「アハッそれよ、それ! 私が欲しかった物! 私がこの数年間、ずっと求めていたもの!」
魔理沙「……これはお前なんかが使っていいものじゃない!」
アリス「煩い! 人間ごときが固有魔法を使っていい物じゃないわ!」
人形を召喚すると、再び魔理沙に迫った。
何度も魔理沙は人形を斬る。微かに頭上に人形がいるのを魔理沙は感じた。
魔理沙「……!!」
魔理沙は地面を強く踏むと、陣が浮かび、そこから魔理沙を守るように剣のように鋭い刺が生まれた。
人形はブレーキがかからず、そのまま刺に刺さる。
アリス「ふふ、いいわ。もっと見せなさい! 貴方の『錬成魔法』を!」



狂喜の眼に浮かんだのは、魔法使いだった。

Re: SAO×東方 -春雪異変-【SAO劇場版制作決定オメ!】 ( No.19 )
日時: 2016/01/13 02:16
名前: ルーミャ (ID: rzNp2zLh)

~紅魔館~
レミリア「久しぶりじゃないかパチェ? 魔法使いの人間を見るなんて。しかもあの魔法、見たことが無い魔法となると、固有魔法の使い手だな」
パチュリー「……人間なんてそんなもんよ。気にするまでもないわ」
レミリア「冷たいわね。もしかして、要らない?」
パチュリー「……考えてはおくけど、その人間には少し興味があるわ。ゆっくりとお話がしたいわね」
静かに、紅茶をすする音と、ページが捲られる音が重なった。



咲夜「……ここが冥界」
禍々しい気を放っている空間は、立っているだけで気を失いそうである。
霊夢「ここに来るのは初めてね」
空間の裂け目からひょこっと現れた彼女を咲夜は見据える。
咲夜「……面白い物をお持ちね」
霊夢「それはどうも。しっかし、嫌気がさすところねぇ、さっさと帰りたいわ」
体を擦る霊夢を見て、思わず咲夜は霊夢に聞いた。
咲夜「霊夢。魔理沙の事だけど……」
霊夢「んぁ? 魔理沙がどうしたのよ」
咲夜「……彼女は、もしかして【魔法使い】かしら?」
その言葉に反応し、ピクッとわずかに眉が動いた。
霊夢「……それはどういうつもりで聞いてる?」
咲夜「いえ、ただ格好がそれっぽいと」
霊夢「嘘、ね」
まるで心臓が跳ねたようだった。霊夢は咲夜を見据える。
霊夢「やめなさい。彼女だから許しているものを、別の奴だったら速攻で首が跳ぶことになるわよ」
咲夜「……」
しばらく、二人の足音だけが響く。
霊夢「代わりに、少しだけ話してあげましょう。彼女について」



魔理沙「……クソッ!!」
懸命に魔理沙はアリスの攻撃魔法をかいくぐる。
アリス「……」
魔導書を開き、詠唱を開始する。詠唱が終わると、火炎の槍が彼女を包み、放射される。
再び魔理沙は壁を作り、槍を弾く。明らかに魔理沙の防戦一方だ。
魔理沙は懐から魔法薬を抜き取る。それをアリスに向かってぶん投げる。
アリス「……!!」
人形を操り、その魔法薬を串刺しにする。その瞬間、ボンッ!! と煙が一斉に広がった。
煙によってお互いの姿はよく見えない。しばらくして煙は晴れるが、見当たらない魔理沙に対しアリスは全く動いていなかった。
アリスは何かに気付くと、後ろを振り向いた。そこには右手に薙刀を構えこちらに走る魔理沙の姿が捉えられた。
アリス「……!!」
急いで人形で身を固めようとするが、間に合う筈が無い。
魔理沙「終わりだ。アリス」
そのまま、薙刀はアリスの胸部を捉え、突き刺された。
しかし、突き刺されたのにも関わらず、彼女は全く動じない。まるで死んでいるかのように。次の瞬間、アリスは霧になるように消えていった。
魔理沙「……!?」
そこにあるのはアリスの姿ではなく、1つの人形であった。次に、ギャリッと言う、とても不愉快な音が魔理沙のすぐ横側で聞こえた。
魔理沙「なーーーー」
後ろを振り向く。いたのはアリスと、大剣を持つ巨大な人形。しかし巨大な人形の持つ刃には血が滴っていた。恐る恐る魔理沙は自分の左腕を覗く。
そこにはさっきまであったはずの自分の左手が無くなっていた。肘からズッパリと奪われていた。
魔理沙「……あ……あ……?」
余りにも理解出来ない状況に、言葉となっていない声が漏れる。しかし、血は止まる事を知らずにとめどなく溢れる。
アリス「あんな小細工、私に効くわけないでしょ? ……安心なさい。貴方を殺すというのは言い過ぎたけど、貴方の魔法を食べたあと、綺麗に私の人形として飾ってあげるわ。少し腕が無いのは癪だけれど」
魔理沙「あぁ……が……」
段々と気が薄れていく。このまま、魔理沙は深い眠りへと誘われた。



「……あら、そろそろお客様が来るわね、きっと貴方が待っていた方たちよ」
「……」
食べ終えたお団子の串を皿に乗せると、庭に踏み入る。
「さて、どのくらいの実力者かしら?」
ひらりひらりと、桜吹雪が舞い散り続ける。



アリス「……さて、どう食べようかしら」
獰猛な笑みを浮かばせながら、魔理沙を運ぼうとする。その時であった。


「やっと見付けたよ。アリスちゃん」


その声に、アリスは数秒間目を見開いた。瞳が強く揺れる。いないはずの人物がいることに驚いていた。
アリス「何故ここに……貴方様は今……魔界の管理をしているのでは……」



アリス「……神綺様……」

Re: SAO×東方 -春雪異変-【SAO劇場版制作決定オメ!】 ( No.20 )
日時: 2016/03/18 19:37
名前: ルーミャ (ID: E1s7fLzP)

白玉楼までの長い道のりを、二人はゆっくりした足取りで歩いた。
霊夢「魔法使いはどうなってなるのか、知っているかしら?」
咲夜「……いいえ、そんな事は一度も聞いたことがないわ」
霊夢「それはね、魔法が使える者を喰らう事によって成り立つの」
咲夜「それって一体……」
霊夢「約束。長いけれど、黙って話を聞いてられるかしら?」
その問いに、コクリと頷く。
霊夢「宜しい、じゃあ話すわよ」



元々この世界には生まれ付きの魔法使いは存在しなかった。極少人数だけが微量ではあるが魔力の源を持っていた。
その源はどれも組織状に出来ており、最初は規則が正しく、皆同じ魔法が使えていて、この事を『基本魔法』と言われていた。
しかし、成長していく毎に組織は崩壊し、それを復元しようと力が働いて、新たに歪な形のした組織が生まれる。それにより今までは使えなかった魔法、『固有魔法』と呼ばれる新たな魔法が発見される事となった。しかし、固有魔法が使えるようになったと同時に、今までの組織がボロボロになることで基本魔法はかなり限られる範囲でしか使えなくなる。それは魔理沙も同じで、彼女は固有魔法を除いて今は物を操る操作魔法のみしか使えない。
しかし、この状況を改善する方法が発見される。それは数十年前、とある教授が行った実験から発見された。
魔法を使える者に魔力の組織がある部分、心臓を喰わせる実験であった。最初は失敗であった。その理由は既に機能していない心臓の場合、魔力の組織がすぐに崩れてしまうとの事であった。理由が解ったと同時にその改善を行い、改めて実験を再開させる。
その実験内容は、魔法を使える者に、生きている、魔法を使える者の心臓を喰らう事であった。あまりにも常識離れの光景に瞼を閉じ、耳を塞ぐ者までいたらしい。そしてその結果は、成功。喰らった者は基本魔法を再び使えるようになった。更には、喰らった者の固有魔法まで。それが教授の出した結果であった。
このような事が続けばいずれかはその力で強大な権力を持つものまでもが現れる。その内、この世界すら脅威に脅かす兵器にもなる、と。改めて魔法を使う者の恐ろしさを知らされた。
それ以前に、魔法が使える子供を捨てる者は多かった。良く分からぬ力を持つ子供を恐れ、しかし自ら殺そうと出来なかった者も沢山いた。それとは正反対に、子供を肉片と散らす者もいた。それは人間ではない、殺戮兵器だと。
捨てられた者は当然生きていく為に食料を求めなければいけない。そして、捨てられた者同士、醜い争いをして、どちらかが喰い、どちらかが喰われる。すると喰った者は魔力の組織が増強され、全体に魔法が満たされる。その者は魔力のみで生きていける、言わば不老人となる。それが魔法使いの始まりであった。
当然、それだけで終われば良かった者の、魔法で復讐をしようと考える輩まで現れた。そして、魔法を使える者を喰い続けた。喰って喰って喰って喰いまくった。喰う事により新たな組織が増え、大量の固有魔法を覚えた者がーーーー。



霊夢「それが七色の魔法使い、アリス・マーガトロイド。彼女は大分前、大犯罪人として、指名手配されていたけど姿を見失い、それ以来彼女の事を口にする者は消えたわ」
咲夜「そんな……そんな非道な事が……では、パチュリー様は……? パチュリー様はもう100年も前まで生きていられるのよ……?」
霊夢「あくまで結果が解った事は、ね。でも、よく分からぬ力を持つ者は捨てられる。何をするか分からないから。それは結果が出る前でも同じ事。そして喰らい合い、何百年前から魔法使いとなった者も珍しくないわ」
霊夢は少し目を伏せて、話を続ける。
霊夢「さて、ここからが本題ね。彼女の親はとても優しかったんだけど、彼女が魔法の存在を知るなり、最強の魔法使いになると言って、出掛けてしまったの」



今も彼女はその心境を変えなかった。ただ強くなる、その信念だけを貫いた。そんな彼女にある者と会うこととなる。彼女は師匠と敬い、ただ魔法の稽古に励んでいた。しかし霊夢に退治され、しばらくは稽古を休む事となった。
そんなある日、霊夢達4人で魔界に行った時に会ったのがアリス。アリスはあの日から彼女の魔法を妬み、そして彼女に負けた事に憤りを覚えていた。それが彼女を憎む原因となったのだろう。
そしてあれから、彼女の師匠は何の前触れも無く消えた。そして彼女も、いつの間にか幻想郷に居座る事となった。



霊夢「ま、これで終わり。アイツは基本何も考えないから、親も何も気にしてなんかしてないでしょうね……咲夜?」
顔を覗くと、咲夜は目を虚ろにしていていた。
霊夢「……」
ただ黙って前を向く。

霊夢「もう目の前よ。準備、さっさとしなさい」



一方、俺は冥界に辿り着くことが出来た。
キリト「悪いな、ここまで運んでもらって」
グリフォンの大きい腹をガシガシ撫でる。
キリト「レティに、ありがとうって伝えてくれ」
言葉を受け、グリフォンは甲高い声を張ると翼を広げ、地上に向かって飛んで行った。
キリト「さて、ここからは俺がやらなくちゃな」
二本の刀剣を背中に携え、走ろうとした、その時であった。


「待て。ここから先は関係者以外歓迎していない」


横から飛んで来た言葉の方を振り向くと、白髪の、霊魂を身に纏う、二本の刀を携える少女がいた。

Re: SAO×東方 -春雪異変-【色々あった】 ( No.21 )
日時: 2016/04/23 19:18
名前: ルーミャ (ID: E1s7fLzP)

アリス「何故、貴方が此処に……!」
神綺「……私は何処でも来るよ」
敵意剥き出しのアリスに対してさらりととんでもない言葉を放つ。
神綺「ユキちゃんとマイちゃん。それに夢子ちゃんに魔界の皆、アリスちゃんを心配してたよ?」
アリス「……私は元々魔界の住民でもありませんし、私を心配する必要なんてありません」
アリスは止めようとせず、神綺を追い返すように言葉を返す。
神綺「……駄目だよアリスちゃん、魔界と幻想郷は友好的な関係を持ってるの。幻想郷に敵対するなら、また戦争が起きちゃうから……」
アリス「知った事じゃないわよ、そんな関係!」
遂に耐えかねたのか、神綺に怒鳴り散らす。
アリス「悔しくないのですか!? 此処の奴らに好き放題荒らされて!!」
神綺「……別に大丈夫だよ。彼女達だってわざとそんな事をしたわけじゃ……」
アリス「そうやって……いつも引いてばかりで、だから魔界を愚弄されるのではないのですか!」
人形が大量召喚された。アリスの目には殺意が沸いて、とても穏便に済みそうには無かった。
アリス「それなら私は貴方を殺して、この幻想郷を支配する!」
『ドールズウォー』
その眺めは、まるで蜂の大群という大群が迫っているのかと言う程、辺り一面を埋めていた。魔理沙との戦いで使用した人形の数とは比べ物にならない。
神綺「……」
神綺から、紫色の羽が生えてくる。それは蝶のように薄く、それでいて大きい。禍々しくは見えるが、美しく感じられてしまう。
神綺「……消えろ」
たった一言。それだけで幾千にも及ぶ人形は、スッパリ斬れてバラバラになり、地面に積まれた。
『操糸魔法』
異次元と異次元に繋がれた見えない程細い糸は、とても頑丈で鉄すらも容易く斬ってしまう。
アリス「……!!」
神綺「貴方じゃ私に勝てないよ。諦めて」
アリス「まだ……まだ!!」
アリスは異空間から人形を引っ張り出し、突撃させる。真正面から走っていく人形は、またもバラバラにされてしまった。
しかし何かに感付いたのか、旋回をして周りを確認する。すると、裏には数体の人形が神綺に向かっていた。
神綺「……!!」
瞬時、人形は神綺の前で爆発を起こす。大きい破裂音を立てて爆煙は神綺を呑み込んだ。
『リターンイナニメトネス』
煙はやがて薄くなり視界が良くなる。そこには服が破れ、灰被っている神綺が立っていた。
アリス「……あれでも平然としているなんて、本当に恐れいります」
神綺「……じゃあ、諦めてくれる?」
アリス「……無理です」
『ゴリアテ人形』
巨大な人形が、アリスの裏に置かれる。勇敢な目付きに、大剣を地面に突き刺している。その人形は魔理沙の腕を斬り跳ばした人形であった。
アリス「この子なら、貴方には斬れない」
ゴリアテは神綺に近づく。キンキン、と人形の装甲が虚しく音を散らす。
アリス「無理ですよ。堅いですから」
神綺「……確かに、堅い。でもね、私は糸を操るだけが全てじゃない」
瞬時、ゴリアテ人形の首がゴトリと落ちる。
アリス「え……?」
それだけではない。腕も、足も、指も、目玉も。部品が1つずつになっていく。その様な光景にアリスは数秒間固まった。
神綺「……私は貴方に『人形』という存在を教えた先生。貴方の戦いなら、必ず負けない」
敵対する姿はいつの間にか消えて、熱が冷めて、我に戻った。アリスは神綺に頭を下げる。
アリス「……はい、身を持って分かりました。でも……」
アリスの声が震える。次第に涙が溢れていく。
アリス「……でも! 私は悔しいんです! この幻想郷が……憎い! ……私は、魔界にも、刃向かいました。お好きに処罰をして下さい」
神綺「大丈夫だよ、そんなに謝らなくて。アリスちゃんは私の家族みたいなものだから。その憎しみは私が治してあげるから」
アリスに近付き、そっと抱き締める。すると、アリスの右腕に烙印がジワジワと浮かんできた。
アリス「……これは?」
神綺「アリスちゃんが言った、罰。もしこれが出来たら私に会いに来てね。……これからアリスちゃんは、そこの魔理沙ちゃんの護衛をしっかりこなす事。人を殺さない事。そしてーーーー」





神綺「ーーーー幻想郷を、愛する事」





霊夢と咲夜は花吹雪が穏やかに吹く庭、白玉楼にいた。
霊夢「……貴方が今回の黒幕ね」
「ええ、そうよ。綺麗な桜でしょう?」
答えを返したのは、ピンク色の髪をした、空色の和服を着た少女であった。彼女は桜の樹の前に立っていた。
霊夢「心を奪われそうになるほど、本当に禍々しいわね」
「……皮肉がお得意事で」
霊夢「今のはストレートよ」
「あら、ごめんなさい。てっきり誉められたかと」
彼女は庭の縁側にちょこんと座る。交代するかのように縁側に座っていたもう一人の、黒服の少女が庭へと踏み入り、霊夢と咲夜と対面する形になる。
「……」
クスクスと面白そうに縁側にいる少女が笑う。やがて口を開くと、黒服の少女に問う。





幽々子「少しは期待しても良いのかしらね? ルーミアさん」


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