二次創作小説(映像)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

SAO×東方 -春雪異変-【色々あった】
日時: 2016/09/17 20:37
名前: ルーミャ (ID: E1s7fLzP)

この世界は現実と幻想を結び付ける境界線ではない。

所詮は現実を模した偽物に過ぎないのだ。



全てを受け入れる。その言葉の形容はあまりにも食い違い、そして残酷であった。





※注意
原作『SAO』とは設定などが多々ズレている、または全く違う部分があります。



今回の異変も遂に終盤です。

Page:1 2 3 4 5 6



Re: SAO×東方 -剣の世界- ( No.2 )
日時: 2015/01/25 17:47
名前: ルーミャ (ID: YaNMSBwn)

キリト「……!」
意識が戻った俺は、勢い良く跳び跳ねて起きた。
霊夢「こらっ! 動かない!」
横からお祓い棒で叩かれ、俺は頭を押さえてジロッと叩いた奴を睨んだ。
頭には赤く、大きいリボンで結ばれており、赤と白の色しか無い巫女服を着ている。しかし顔は何の感情を持たないような、そんな顔をしていた。
霊夢「下手に動くと体を痛ますわよ」
そう言うといきなり俺の体をお祓い棒でなぞり始めた。
キリト「!?」
霊夢「うん、もう大丈夫ね。しかし驚いたわ、何で急に空から落ちてきたのかしらね」
そう巫女は呟いた。その呟きを聞き、何か大事な事があったのを思い出す。
キリト(……? 空から落ちた? そう言えば俺、今まで何をしていたのだろう)
俺の服を見てみると、どう見てもイタい服装をしている。
キリト(……!? いや、これはおかしいだろ!?)
思わず苦笑いまでしてしまった。
霊夢「ところであんた、さっきまで何をしてたの?」
巫女は、横から棒に質問してきた。
キリト「何って……そんなん……!?」
その時、違和感にようやく気付いた。何をしていたのかが思い出せないのだ。覚えていることは基本的な情報と、俺がキリトという名前であることだけ。
戸惑っている俺を見て巫女は、
霊夢「あーやっぱりね。あんなに高い所から落とされれば記憶だって吹っ飛ぶはずだわ」
面倒臭そうに巫女は説明をしてくれた。
霊夢「どうせ行き場所は無いんでしょ? 仕方ないから泊めてあげるわ」
何だか良くわからないがここに泊めてくれるらしい。俺的にはとても嬉しいことである。
最後に巫女は、
霊夢「自己紹介が遅れたわ。私の名前は博麗霊夢。ここ、博麗神社の主よ。そして……」


「ようこそ、幻想郷へ」
何故だか、俺の勘が波乱の予感を感じさせた。

Re: SAO×東方 -剣の世界- ( No.3 )
日時: 2015/01/27 19:41
名前: ルーミャ (ID: dY/cpaOc)

俺と霊夢は、間を取りぼーっとしていた。
しばらくして、お茶を飲んでいた霊夢は思い出したかのように、ある物を指差して口を開く。
霊夢「あれ、あんたのでしょ? 持ってなさいよ」
俺は指を差された方に釣られ、見てみたら、黒い鞘に入れられた一本の剣が立たされていた。
その時、俺は物凄い頭痛と、ある光景……いや、幻覚を目にする。
その光景は、紅い鎧を着込んだ男と俺が、剣と剣を交えた姿が目に見えた。
キリト「……!」
俺はいつの間にか息を荒くしていたのに気付いた。
霊夢「ちょ……あんた、大丈夫?」
その様子は霊夢も見ていたのか、声をかけられる。
キリト「い、いや……大丈夫だ。あと、サンキューな」
なんとか口に出して、剣を手にとる。そして俺は、慣れているかのように肩に背負った。実際は知らないが、何となくこう背負うと、勘が言っている気がする。
また、しばらく俺らはボーッとしていた。その時、ある少女が駆け寄ってきた。
魔理沙「大変だ霊夢! ……てあんたは誰だ?」
まあ、いきなり知らない人が来たら誰もがそう思うだろう。俺もそうだ。
霊夢「この人はキリト、て言うらしいわ。あ、キリト。この子は魔理沙。魔法が使えるの」
見た感じ、確かに魔法を使いそうなイメージがある。尖り帽子を被り、基調が黒という、いかにも地味と言う感じを出している。意外と俺と気が合うのかもしれない。
魔理沙「あ、そーなのか。てそんなんじゃなくて! 異変だ霊夢!」
霊夢「……気のせいじゃなくて?」
すっとぼけていた。しかし魔理沙は本気の目で訴えてくる。
魔理沙「空が紅い霧で覆われたんだ! これは間違いなく異変だ!」
霊夢「……分かったわ。行けばいいんでしょ行けば」
面倒くさそうに準備運動を始める。本職を面倒くさがるのは、分からない気もしない。準備運動を終えた霊夢は、
霊夢「さて、そろそろ行きましょうか。さっさととっちめてお金を貰うわよ」
魔理沙「そんな褒美はないぜ」
そして、二人は空を飛び始める……え? 空?
キリト「あの……俺は?」
霊夢「あ、そか。あんた飛べないのか。じゃあじっとしてなさい。それとも歩いてついてく?」
そんなこと聞いてない! と思いながらも俺はとぼとぼ霊夢達が飛ぶ先へ向かった。

「……」
たった一人の彼女は木の影から霊夢達を眺めていた。そして彼女は通信機を取りだし、
「チルノ、聞こえるか? 紅白の巫女、白黒の魔法使い、黒い剣士がこれから紅魔館へ向かう。全力で阻止しろ。 いいな?」
たったそれだけ言って通信を切った。


霊夢「……なんであんたついてきたの?」
うざったらしいらしく、俺に睨みつけた。
キリト「こういうのは、何かが起きそうで面白そうじゃないか」
実際には、帰るあてを探しに行くだけなのだが。
霊夢「あー、そう。じゃあ帰りは一人で帰って。理由は私が疲れるから」
キリト「何であんたはそう何でもだるそうに言うんだよ……」
流石に少しは傷つく。
魔理沙「まあいいじゃないか……おっと、もう湖か」
魔理沙は、湖を見渡しながらひとり呟いた。
キリト「あの微かに見える奥の館から出てる気がするんだが……」
館の色は、霧以上に濃い紅い色であった。
霊夢「うわぁ……遠回りは面倒だからあんた一人で歩いて行きなさい」
そう言うと、霊夢はさっさと飛んでいった。
魔理沙「やれやれ。これだからアイツは。私が教えてやんよ」
そう言って湖の端を歩き始めた時、俺の横に斧が飛んできた。
キリト「……!」
飛んで来た方向を反射的にみたら、湖の上、いや、正確には凍った湖の上に二人の少女が立っていた。



チルノ「……あんたらがルーミアの言ってた子ネズミか。残念だがここで運のつきだ。あたいが完璧に凍らせて保存してやるよ」
そう言うと、氷の上に刺されている水色の剣を引き抜くと構えた。



俺は、無意識に肩にある黒い剣を引き抜いた。

Re: SAO×東方 -紅霧異変突入-[キャラ募集] ( No.4 )
日時: 2015/01/30 17:14
名前: ルーミャ (ID: dY/cpaOc)

さっきまでの和んでいた雰囲気が消えたように、ぴりついた雰囲気が沈黙を作る。
4人はその場を動かなかった。そんななか、この空気を壊したのが魔理沙であった。
魔理沙「おい何で通してくれないんだ? 私らはこの先に用があるのに」
チルノ「それはね、ルー……コホン、そんなこと言えるわけないだろう、先に行きたいのならあたい達を倒すんだな」
咳払いをしながら少女は水色の剣を構え直した。
大妖精「チルノちゃん、無理しなくてもいいよ〜」
緑色の少女は、心配をしているらしく、止めようとした。
キリト「……ん?」
よくよく見ると、この二人には羽が生えていた。まさかというまさかだ。この世界は一体何なのか。
チルノ「……とにかく! お前らをここで始末する! はぁ!」
青色の少女は剣を水平に構えると、俺に向かって突進をして来た。
どうしたらよいのか分からず、柄を強く握る。瞬時、俺の目から強い刺激と共に、何かのスイッチが入ったような気がした。
キリト「……」
脇腹めがけて振りだされる剣に、バックステップで避ける。
チルノ「避けられた!?」
少女の言葉に構わず俺はカウンターに入った。
左肩を狙い上段で放った剣に対し妖精は、振り終えた剣を勢いよく振り上げる。しかしその行動を狙っていた俺は体を捻り一回転し、空いている右腹に向かって水平に剣を切り払う。が……
大妖精「チルノちゃん!」
いきなり横から入り込んで来た緑色の妖精の腹にクリティカルヒットした。その時俺は違和感を感じた。
チルノ「大ちゃん!? どうして!?」
大妖精「……チルノちゃん、私、チルノちゃんを守れたよ。チルノちゃん……」
どうやら会話をしているらしいが、構わず俺の左手を剣で突く。しかし、俺の左手には傷ができた。さらに目に見えていなかったがバーがいきなり減少した……ん? バー?
その時俺の脳に閃光が走る。
そうだ。俺はゲームの中で生きていたのだ。確か……
しかしゲーム名までは分からなかった。


チルノ「いやー、ありがとう。大ちゃんを助けてくれて」
満足げに妖精は礼を言う。
魔理沙「……いいんだが、何かつまらない展開だな」
キリト「どういう意味だ」
手を後ろに組む魔理沙をじっと睨んでやる。
チルノ「あ、あたいはチルノ。で、こっちが大ちゃん」
大妖精「ありがとうございます……」
再び礼を言われる魔理沙は、
魔理沙「いいっていいって。と言うかお前、さっきまでの雰囲気はどうしたよ? 今じゃバカみたいに見えるぞ」
チルノを指しながら魔理沙は質問をした。
チルノ「へへん、ルーミアの真似してたんだよ!」
キリト「ルーミア……? そいつが首謀者なのか? それともその仲間?」
そう言えばだが、さっきもチルノはルーミアと言っていた気がする。
チルノ「いや、違うよ? ルーミア紅い霧なんか出せないし、あの館だってルーミアが来て大分後、つまり最近たてられた物だし。そしたら何かいきなりあの館にはいかせるなー、て」
ますます分からない。どうして関係の無い物を必死で守ろうとしたのか。いや、本人が来ないのなら、そこまで大切では無いのか?
謎が謎を呼ぶ。が魔理沙は、
魔理沙「おいチルノ。その機械は何だ?」
どうやらチルノの腰に何かあるのに気がついたらしい。
チルノ「これ? ルーミアに繋がる通信機」
魔理沙「でかした!」
それを奪うと早速使用した。そして、繋がった瞬間、
魔理沙「おい! お前がルーミアか!」
ブチッと切られていた。いや、無理も無いかもしれない。
魔理沙「……まぁいいか。おいキリト。乗れ」
いきなり過ぎる言葉に俺はドキッとしてしまった。こんなにも狭い箒に乗っていくのわ……イケナイ気がします。そして、渋々座るが、女の子らしい匂いがする。やっぱいかんだろ……
そんな俺の考えを覆すように、
魔理沙「乗ったな? ちゃんと掴めよ! 『ブレイジングスター』!」
帽子をぐっと掴んで魔理沙は叫んだ。すると、有り得ない速さで一気に湖を駆け抜けた。その時俺は始めて『酔う』という言葉を実感した。

Re: SAO×東方 -紅霧異変突入-[キャラ募集] ( No.5 )
日時: 2015/02/05 22:02
名前: ルーミャ (ID: dY/cpaOc)

しばらくすると例の館に着いた。
魔理沙「よ、と。到着したぜ。そんなげんなりするなよ」
いや、あんな速さで走っていたのだから疲れるのも無理はない気がする。
キリト「とりあえず霊夢を探さなくちゃ……お、いた」
しかし、お茶を飲んで気楽に待っているなどでは無かった。むしろ真逆、門前で誰かと戦っていた。
キリト「おい魔理沙! 援護するぞ!」
魔理沙「おうよ! キリトよろしく」
これ以上魔理沙に付き合うと疲れるのでそのまま霊夢の方へ走った。
霊夢「あ、あんた! 来るの遅すぎるでしょ!」
キリト「仕方ないだろ! 敵とあっててこずったんだから!」
俺はそのまま抜剣をし、門番に切りかかる。
しかし、その攻撃は相手の武器、ヌンチャクによって阻まれた。
美鈴「……二人でかかれば私を突破出来ると思ったの? 残念、簡単には行かせないわ」
ヌンチャクを自在に操りながら門番は立ち塞がる。
霊夢「行くわよ」
キリト「ああ、そのつもりだ」
俺はそのまま門番に突進した。なるべく重心を落とし、低い姿勢を保つ。
その時、またあの感情が混じった。不思議と剣が馴染む。その瞬間、俺の剣がライトグリーンの色を帯びた。
キリト「ウ……オオオォォ!!」
片手剣突進技『ソニックリープ』
門番は目を見開きながらヌンチャクを構えた。
ガキィ!!
剣の刃と、ヌンチャクの鎖が激しくぶつかりあう。
残念ながら破壊することは出来なかった。
直後、俺の体は動かなくなった。きっとさっきの技の影響であろう。必死に足掻こうとするがびくともしない。そこを見計らい、門番はお返しとばかりに蹴りを入れてきた。
美鈴「ハァ!」
俺の体は勢い良く宙に浮く。それと共にバーがぐぅっと下がる。あと95%と言ったところか。次に、
ドゴォ! と衝撃が伝わった。
門番の死角にいた霊夢が横腹に蹴りを入れたのだ。
美鈴「ぐ……はぁ!?」
とは言え流石に門番であるゆえにしっかりと受け身を取り、バックステップで距離をとる。
俺はすぐに立ち上がりダッシュして門番と距離を詰める。そしてもう一度『ソニックリープ』を発動する。もちろん門番を狙って。しかし、既に読まれている技を使われれば相手も対策に入る。だから門番は少し右に動いた。そうすれば俺の攻撃を避けられると同時に俺に攻撃を加えられるからだ。だから俺はあえて突進し、そしてブレーキをかけている。
見事に門番の横を通り抜け、少し進んだぐらいのところで止まった。本来ならここで体が硬直する。だが、
美鈴「ハァ!」
門番は回し蹴りを繰り出したが、そこには俺はいなく、空を切った。
美鈴「!?」
その時俺は空中にいた。
体術スキル『弦月』。
門番を力強く蹴る。しかし威力自体は高くなく、すぐに態勢を立て直される。だがこれでいいのだ。
霊夢「あら、言ってくれた割に余所見が多いわね」
突如現れた霊夢に門番は上手く対応出来なかった。
霊夢「『夢想封印』!!」
お祓い棒に強力な魔力が込められ、その棒を思いきり美鈴に叩きつける。
一見ただの力業だが、ついさっきまでとは程遠い威力が感じられる。
美鈴「クゥ……すみません」
一言を残し、門番はがっくりと倒れた。
霊夢「さてと、中に入りましょう」
その時、俺と霊夢は魔理沙がいないことに気づいた。
霊夢「……まぁいいか」
そしてそのまま中へと侵入した。

Re: SAO×東方 -紅霧異変突入-[キャラ募集] ( No.6 )
日時: 2016/04/13 18:03
名前: ルーミャ (ID: E1s7fLzP)

霊夢達が堂々と紅魔館に侵入している時魔理沙は、紅魔館の窓から忍び込んでいた。
魔理沙「うーん、ここは何処だ? 辺り一面真っ暗だな」
キョロキョロと魔理沙は、僅かに差されている日の光を頼りにふらついていた。しかし辺りには何もなく、仕方ないとばかりにしばらく歩いた時、
魔理沙「ん? あれ、ドアじゃないか?」
一本のドアを見つけた魔理沙は、早速中へと入る。その中には無数に及ぶ本が納められている本棚が大量に置かれていた。そう、まるで図書館である。
魔理沙「広いな」
棚にある一冊の本を適当に取り、読み始める。その内容は独特の言語で書かれていた錬金術であった。
魔理沙「一体誰がこんなもん……」
しばらくページを捲っていると、赤髪の女性の目が魔理沙を捉えた。
小悪魔「あー! パチュリー様の部屋に侵入者が! ネズミは駆除しないと!」
手に持っている槍を魔理沙に突きつけて突進する。しかし魔理沙は慌てない。むしろ興奮しているようにも見えた。
魔理沙「やっと私の幕が開いたか」



その頃霊夢と俺は……
霊夢「うわ、暗くて何も見えやしないわ」
霊夢は壁を伝い、館を慎重に進む。何故だか俺の目先は謎の光により、一部だけはっきりと目視する事が出来た。
キリト「あんたの力で光を起こすことは?」
霊夢「無理ね。私は魔法使いじゃないんだから。魔理沙は頼りになりないし、困ったったらありやしないわ」
どうやら不可能らしい。別に俺は困っているわけではないが。その時、
シュボボボ! と松明が辺り全体を照らし始めた。照らされた松明の先に立っていたのは、全体が薄紫と紫色の縞が入った服を着ている少女であった。きちんと上着まで着込んでいる。
パチュリー「あんたたち……邪魔しに来たの? 門番を倒したとなるとただ者じゃないわね」
全くの図星だ。しかしここで引き下がる訳には行かない。俺は負けじと言い返す。
キリト「ああ、あんたらが余計な事をして幻想郷の住民が困っていると聞いた。こちらだって無駄な事はしたくない。この霧を戻してくれないか?」
パチュリー「……それは聞けない話ね。とは言えあんたも引き下がる訳ではなさそうだし、いっその事ここでもう……」
彼女の周りに、七色に輝く石が大量に浮かんだ。


パチュリー「始末してあげるわ」



霊夢「ちっ、遠距離攻撃なんて汚いわね」
正直俺もそう思う。今までの敵は近距離に特化した武器を使っていたが今回は違う。彼女は遠距離から相手を狙うレーザーの攻撃であるため、下手には近付けない。
霊夢「……『封魔針』」
札で作られた細い針を少女に投げる。しかし、
ガアァン! と不可視の障壁に阻まれてしまい、傷を付けることすら出来なかった。
その時俺はどこか既視感に襲われた。
またしても赤い鎧の騎士が思い浮かぶ。
それだけでない。俺はもうひとつ、その光景を見ている。
しかし、思い出す事は出来なかった。
パチュリー「どの攻撃でも私を破ることは出来ない。『賢者の石』の餌食になりたくなければ、尻尾を巻いて帰る事ね」
たったの短時間しか戦っていないのにも関わらず勝てる気すらしなかった。チラッと霊夢を見てみる。しかし霊夢の顔には諦めの言葉が無いかのようにパチュリーを見詰める。
霊夢「……私が囮になるからあんたはタイミングを見計らって攻撃して」
どういう事だ。もしかして霊夢はあの障壁を壊せるとでも言うのか? それなら霊夢の『夢想封印』の方が数倍は強いはず。
反論しようとしたが、既に霊夢は行動に移していた。
いきなりパチュリーの前に阻み、もう一度封魔針を投げる。しかしその針は障壁にまたもぶつかり、呆気なく反射された。
もう既に行動に起こしているなら仕方がない。俺は周り込み少女を狙う。
パチュリー「……ッ」
レーザーの標的が霊夢に集中する。それに対し霊夢は、結界を張ってレーザーを受け止める。が、しばらくして
バリィン! と結界は派手な音を出して四散した。威力は弱まっているものの、霊夢は吹っ飛ばされてしまう。
頭が喚くがお構いなしにダッシュをする。完全に裏を取っているはずだ。
しかし気づかれたのか、後ろを振り向くやレーザーを俺に向かって容赦無く撃ってきた。
怯んでいる暇は無い。俺は反射神経とある程度の勘を使い全力で避ける事に集中する。
あと5メートル、4、3、2。
そしてついに至近距離にまで辿りついた。ここまで来れば流石にレーザーは避けきれない。俺は抜剣し床を力強く踏むと、上へと飛んだ。
レーザーも俺を追うように上へ撃ち込む。
半分ぐらい当たらずに隙間を抜けていったが、もう半分は俺の肩や腿に当たった。
キリト「……!!」
不愉快なショックが俺を襲う。バーはグイッと削られ、5割を下回ろうとしていた。
しかし、こんな時でも俺は一点に集中する。
片手剣単発重攻撃『ヴォーパル・ストライク』
ガガァン!
深紅色に染まった俺の剣は、少女の障壁に阻まれ、火花を散らす。
パチュリー「……ッ」
驚いた事に、浮いている石がだんだんと落ちていく。それに加わり障壁も弱まり、やがて消える。
キリト「……!?」
思わず目を凝らす俺に対し、いつの間にかいた霊夢が説明をしてくれた。
霊夢「やっぱりね。障壁を作って魔法のレーザーを操る程だもの。そんな事をやってのけて疲れないはずがない。あんた見るからにもやしそうだし、無理に魔法を使うのはよしなさい」
そう言うとさっさと先にある階段を登り始める。
キリト「え? いいのか?」
霊夢は、いつも通りのように無愛想な顔で俺を見た。
霊夢「面倒だし、彼女はしばらく動けないわ」



再び前を向き、霊夢は階段を登り続けた。


Page:1 2 3 4 5 6



この掲示板は過去ログ化されています。