二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- EVIDENCEーmonster hunter:
- 日時: 2016/08/16 10:47
- 名前: 年中漢 (ID: OypUyKao)
モンハン2次小説、「エビデンス」
年中漢はモンハン2次小説を結構飽きずにかけています!
これからもどうぞよろしくお願いします!
さて、プロローグからどうぞ!
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狩人は世界と世界を行き来する者。
死と生
人と自然
愛しさと憎しみ
辛さと楽しさ。
何でこんなことするの?僕にも分からない。
でも命を奪っている。でも命を還している。
ぼくはどこに行けばいいの?
___________分かったのは、血の海にいたのを知った時。
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目次
#1始マリ
>>1-9
#2疾風迅雷
>>10-15
#3目覚メ
>>16-21
#4轟カレントスル運命
>>23-28
#5侵食
>>29-32
#( ^ω^ )世界観解説、キャラ紹介
>>22
- Re: EVIDENCEーmonster hunter: ( No.30 )
- 日時: 2016/08/11 08:39
- 名前: 年中漢 (ID: FpNTyiBw)
『グルゥゥゥゥ……』
怒った。
ソウゴは飛びのいた。その横をティガレックスが突進する。途轍もなく速い。まるでトラックのようだ。
ズザザザザザァァッ!
ティガレックスが土煙を上げながら豪快にカーブする。そして壁の横を走り、ソウゴに飛びかかる。
ソウゴは避ける。
ドン!プチュッッ!
ティガレックスは地面に着地する。周りにいて今まで警戒して離れて見ていたイーオスと言う小さい恐竜型の小型モンスターがいとも容易く潰れる。
イーオスは同胞が潰されたことに怒る。
『ギャァギャァァッ!』
イーオスが小さく吠える。
ティガレックスは決まりが悪くなったのか、両腕に付いている翼を広げて逃げる。
ソウゴはそれを見る。どうやら今後ティガレックスがどこに逃げるのか見るつもりだ。
今まで少し大きな岩の裏に隠れて見学していたヘレンが、同じく見学していたスルガに話す。
「……ねぇ、スルガ、」
「ン……?」
「何でソウゴさんは疲れないんだろう?」
「……そういえば……何でだろ。」
走ったり、盾でガードしたりすれば必然的に疲れるはずだ。
「その理由はこれだ。」
「うわァッ!!」
スルガは驚いた。いつの間にか隣にソウゴがいる。その手には一本の小瓶を持っている。表面には強走薬グレートと書いている。
「ああ、なるほど……納得です。」
強走薬グレートは、人間のスタミナ、持久力を最大に近い状態まで引き上げる薬だ。
「……次は2番エリアだ。行こう。」
そう言って2番エリアに向かう。1番エリアを経由して行けるはずだ。
___________2番エリア。上にツタが全面に生えて広がっており、床のようになっている。地面が下にあって、ツタの床が上にある。要は二階建てのフィールドなのだ。
「……いた。君たちは2階に登れ。僕も登る。」
下階……地面のエリアにティガレックスはいた。
しかし、ソウゴは2階のツタの床で戦うつもりだ。
登る。ガサガサッ。ツタで音がする。
ピクリ。
下にいるティガレックスがその音に反応する。
そしてティガレックスはジャンプをするのか腰を低く構える。
_________今度こそ逃げなきゃ
スルガは思う。でないと、幾らソウゴでも強大な爪や、鋭利な牙でミンチになってしまう。
だが、ソウゴはティガレックスの構えに合わせるようにチャージアックスを逆手に持ち、剣が盾に刺さった状態で構える。
その構えは、まるで居合切りのようだ。
ガション プシュウウウウゥゥ
盾の変形機構が開き、蒸気が出る。
刹那、ティガレックスが跳ぶ。
『ギャァルゥゥアァァアアアァァッ!』
ツタを力任せに破り、勢いよくソウゴに飛びかかる。爪や牙を総重量をかけて突きたてようと空中でソウゴに向ける。
「……見えた。」
ソウゴはその一瞬を見逃さなかった。チャージアックスは一瞬で属性解放し、まばゆく輝き、ソウゴは居合切りの要領でそれを叩きつける。
チュイイイイン!
バシュンンッ
青紫色の紫電が迸る。ティガレックスは20メートル彼方まで飛ばされた。
何て力なんだ。
スルガは思う。
- Re: EVIDENCEーmonster hunter: ( No.31 )
- 日時: 2016/08/11 09:02
- 名前: 年中漢 (ID: FpNTyiBw)
ティガレックスが起き上がろうとする。怒りで浮かび上がった血管も今は収まってしまっている。
頭から胸にかけて深い傷があり、流血もひどい。所々、雷エネルギーの所為か、焦げ目も出来ている。
『グルゥ……グ……』
バタン
ティガレックスが力尽きる。ツタの床の上で、静かに。
ソウゴは腰の脇に提げている剥ぎ取り用ナイフを持つ。
ハンターはモンスターから、鱗や甲殻などの「素材」を剥ぎ取る。それは今後の武具に使われるのだが、素材を剥ぎ取ることはモンスターに対する慰霊にも繋がると言う。ハンターは自然に感謝し、素材を貰うのだ。
ソウゴはティガレックスの鱗に手を伸ばす。しかし、ふと、その手を止めた。
ドクン
ティガレックスの生命の鼓動が蘇った気がする。危険だ。
ソウゴは飛び退く。
プス、プスプス…
黒い煙がティガレックスの身体から出る。
「何だあれ」
今まで見ていたスルガは驚く。モンスターの死体から黒い煙が出るなんて見たこともないからだ。
ソウゴも再び剣を構える。
『ゴボエェッ、ギャッ、ヴァッ』
ティガレックスの身体がビクビク震え、体色が血管に沿って黒くなって行く。
『グベッ、ギャッ……ガルウウウウゥゥ』
ブリッチをする様に手をついてから、グワンと不自然に起き上がった。
ティガレックスの眼は白目を向いていた。そして赤く充血していた。
『ギャァァルァァァァ!!』
ティガレックスが吠える。その声は生物が出す声ではなかった。
- Re: EVIDENCEーmonster hunter: ( No.32 )
- 日時: 2016/10/08 11:09
- 名前: 年中漢 (ID: KZRMSYLd)
「ほう、こいつは凄いな。」
ソウゴは、黒みがかった体色のティガレックスを見る。
『グギャァゥゥアアアアア!!』
ティガレックスが走ってくる。以前よりも早いスピードだ。
ソウゴは横に避ける。
しかし、
「何ッ?!」
ティガレックスはソウゴの手前で急に首を伸ばし、噛み付く。
さらにソウゴはティガレックスの頭に手をついて上に避ける。すぐ近くでガチッと歯が噛み合う音がする。その瞬間、ティガレックスの口から黒い唾液が出る。
あの黒い唾液は体内に入ってしまうとどうなるか。
ソウゴはこれが人智を超えた病のようなものだと確信した。
それでも、ソウゴは尚も攻撃の手を止めない。
回って、尻尾、後ろ脚、背中、前脚、頭__________
だが、ソウゴの思った通りにティガレックスは動かなかった。ソウゴの予想では、一番攻撃を加えている自分に頭を振り向かせるはずだった。だが、ティガレックスは勢いよく、ソウゴを無視して、岩かげでじっと見ているスルガ達の方に前進したのだ。
ソウゴは不意を突かれた。
そしてスルガが驚く。
「やばッ……!」
スルガは噛み付くティガレックスの口を太刀で受け止める。本当ならば見学者はモンスターに手を加えてはいけないのだが、今回ばかりは仕方ない。
「スルガ……」
後ろでヘレンが震える。無理もない。いきなりティガレックスがやって来たのだから。
糞ッ、何て力だ!
スルガは思う。しかも、太刀を伝って黒い唾液が流れてくる。気持ち悪くて触る気がしない。しかし、ここで耐えなければ殺される。
「スルガ君、よくやった。」
後ろで声が聞こえる。ソウゴだ。
ソウゴは大きくチャージアックスを振り上げ、ティガレックスの背中を踏みつけ、ジャンプし、そのまま勢いよく振り下げた。
巨大な斧と化したチャージアックスはティガレックスの首の頸椎に食い込み、そこから身体を切り裂いていく。
ズザザザザザジャジャブチュルグチュア
一気に真っ二つになる。
「……どうやら筋組織も脆くなっているようだ。何かの病気だろうか。」
ソウゴは地面に着地し、チャージアックスの血糊を拭きながら呟く。グチャグチャに分かれたティガレックスの死体を見ている。
「ソウゴさん……ぁありがとうございます……」
なさけなくスルガは例をする。
「君らはよく頑張った。ヘレン君、君もさっきスルガ君の後ろで閃光玉を投げようとしていたね。」
「えっ……」
ヘレンはピンを引っ張って投げると閃光を撒き散らして破裂する、目眩し用のアイテム、【閃光玉】を手に持っていた。ソウゴがあの戦闘の中、それに気づくとは、思ってもいなかった。
「いい判断だ。閃光玉でティガレックスの目を眩ますことができれば、僕らにも逃げるチャンスが生まれる。スルガ君も太刀で攻撃を受け止める覚悟は素晴らしいと思うよ。」
ヘレンはソウゴに褒められ、顔を赤くする。
「さて、剥ぎ取りはやらないのか?」
ソウゴが言う。
「えっ……剥ぎ取りはしても良いんですか……」
スルガは驚く。
モンスターから鱗や甲殻などの素材を剥ぎ取る行為、剥ぎ取り。
本来は見学者はやってはいけないことになっている。
「特別だ。」
スルガは期待してナイフをティガレックスの肉に滑らせる。剥ぎ取り回数は規定で3回までなので、3つの素材が取れる。
スルガの入手した素材は、
轟竜の堅殻
轟竜の尖爪
轟竜の堅殻
「やったー♪」
ヘレンも何かとったらしい。
ソウゴは慎重に鱗を選び、何か黒紫色の結晶がこびり付いた鱗を取る。スルガはどこかでそれを見たような気がした。
- Re: EVIDENCEーmonster hunter: ( No.33 )
- 日時: 2016/10/08 11:30
- 名前: 年中漢 (ID: KZRMSYLd)
____大きな円卓。そこに12人の人間が座っている。
その中にソウゴ・イルナルクがいた。
「__________イルナルク、時は来たようだな。」
12人の中の一人……老人の男がソウゴの問いかける。
「ええ、この鱗が何よりの証拠となります。」
ソウゴが鱗を円卓に置く。ティガレックスの鱗だ。鱗には黒紫色の結晶が付いている。
「……これは!」
円卓の周りがどよめく。
「この鱗は世界の侵蝕と輪廻を司る神、『シャガルマガラ』の出現の予兆を示している。」
老人が目を見開く。
「十年前の惨劇を二度と、繰り返させないようにしなければならん。なんとかして討伐しなければ……!!」
ソウゴはそっと囁くように言う。
「その必要はありません。」
そう言うと、ソウゴは背に背負った「太刀」を素早く振る。
血が飛び散る。12人を切り裂く切れ味。細切れになった肉片に向かって言う。
「力はもう見つけた……」
- Re: EVIDENCEーmonster hunter: ( No.34 )
- 日時: 2016/10/10 10:28
- 名前: 年中漢 (ID: MgJEupO.)
「まだ〜スルガーー!!」
「いや、まだだけど……」
ヘレンが大きく呼びかける。
スルガは野菜炒めを作っている。
「ごめん……遅くなったね。」
スルガが野菜炒め、白米、味噌汁をお盆に乗せて持ってくる。
「……」
ヘレンは何かと不満そうだ。
自分の料理に何か落ち度があったか。
スルガは身構える。
小言どころじゃない。かかと落としが降ってくるかもしれない。
「……スルガ」
「…!!」
スルガはビクッと震える。
「何か堅苦しいわ。」
「……はあ」
「それよそれ!!……子供の頃、まだ引きずってるの?」
「……」
スルガは黙りながらも頷く。ヘレン顔をスルガに近づける。
「誰もあんたをいじりはしない。それに…」
「……それに?」
「私より、スルガ、あんたの方が強くなってるわ。」
何とも言えない複雑な気持ち。未だに自分より彼女の方が強い気がしたのに。
「コレで私とスルガは対等になった訳ね。」
ヘレンはそう言うと、口をスルガの唇に近づけようとする。
「わっ?!」
咄嗟に反応してスルガは首を横に曲げ、ヘレンの額に手を当てて止める。
「……スルガ?」
分からない……スルガは何を言えば良いか分からなかった。
「…ごめん……分からないんだ。」
スルガが口を開く。
「……でも、本当に対等になれるまで……少し待って。」
「またそうやって逃げるつもり……?」
ヘレンが聞く。
「もう逃げないよ。」
「じゃあ、まず、普通に呼び捨てで良いよ。他の人に私のことを話す時も。」
「!?それは……」
「やっぱり逃げんの?」
「……分かった。……えっと…早く食べよう?冷めるから…」
「まず一歩」
ヘレンがそんな感じに笑った気がした。
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