二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【完結】スマイルプリキュア〜この足で、未来まで〜
- 日時: 2016/12/31 23:26
- 名前: ひのり (ID: uLF5snsy)
さぁさぁ懲りないひのりんは今日もプリキュアのスレ建てちゃったよ!
はじめましてか何度目まして!
ホントに……何度目だ?w
プリキュアの二次創作上げるの何度目だよw
今回はスマイルプリキュアですね。フレッシュも完結してないのにね!
まぁ完結せずに放置した作品は数多くありますけどwww
これはそうならないと良いなぁ……(遠い目)
まぁ、楽しんで読んでもらえるように頑張ります。
それではよろしくお願いします。
- Re: スマイルプリキュア〜この足で、未来まで〜 ( No.19 )
- 日時: 2016/12/27 22:13
- 名前: ひのり (ID: uLF5snsy)
<ジョーカー視点>
視界に広がっていた白い煙のようなものを払うと、すでに、キュアマーチどころか、私と修斗以外誰もいなかった。
私はそれに歯ぎしりをしつつ、俯いた。
「恐らくメルヘン王国の新王女の力、か……。すっかり忘れていましたねぇ。これでは作戦が……」
そう思いながら近くにいる修斗とかいう少年の顔を見て、私は微かに息を呑む。
彼の顔は怒気に染まり、憎しみの炎を目の奥に燃やしていた。
キュアマーチに逃げられたことがそんなに悔しいってことか……?いや、命令ではプリキュア全員だから、プリキュアそのものへの怒りか……?
……どちらにせよ、この事態はまずい。
彼の感情も全て抑え込んでいるハズだ。それなのに、こんな風に感情を露わにするなんて……。
私は、彼の頭に手を置き、ゆっくり回す。
「落ち着いてください。貴方はただ、何も考えず、何も感じず、私に従っていればいいのです……」
それを繰り返し言ってから手を離すと、濁った目でぼんやりと虚空を眺めていた。
しかし、キュアマーチが、まさかあそこまで逃げ腰だとは思わなかった。
私の作戦では、キュアマーチに修斗を倒させて、彼女からバッドエナジーを奪い取ってやろうと思っていたのに。
殺れと言っても、どうせ彼女のことだ。できないと言うだろうから、多少の力は与えておいて、最終的にキュアマーチに倒させる。そんな予定だった。
しかし、彼女からは、修斗を倒すという気配は感じなかった。ただ攻撃をかわすだけだった。
「それなら、作戦変更ですねぇ……」
呟きながら、私は、頭から一つのボールを取った。
この玉は、普通に使えばアカンベェを出すだけで終わるが、人間に使うと、その人間をバッドエナジーでパワーアップさせることができる。
私は、それを片手で持ち、修斗に視線を向ける。
「……ぃゃ」
その時、虚ろな目をした少年が、微かに何かを言った。
「いや……なお、を……きず、つけたく、ない……」
濁った目から、一筋の涙を流した。
それは彼の頬を伝って、ゆっくりと落下していく。
「……へぇ。中々、意志が強いようですねぇ」
とはいえ、今更私には関係が無い。
私は彼の胸に球を押し当て、一気に、彼の体に突き入れた。
「グッ……ガァッ……ぁぁあああッッッッ!」
直後、彼は胸を押さえながら、数歩後ずさる。
彼の体は黒い光に包まれていき、やがて、彼の姿が見えなくなった。
あのバッドエナジーに支配されてしまえば、もう、彼は彼じゃなくなる。
しばらくして、黒い光は晴れ、中から一人の少年が立ちあがる。
「さぁ、次は私たちから、彼女等に出向きましょうか」
- Re: スマイルプリキュア〜この足で、未来まで〜 ( No.20 )
- 日時: 2016/12/29 21:53
- 名前: ひのり (ID: uLF5snsy)
<なお視点>
「それじゃあ、怠け玉の中に、あたしを連れて行って。一刻も早く、修斗を元に戻さないと」
あたしが言うと、キャンディは「分かったクル」と言って、人間の姿になる。
そして、胸元に光が宿った時だった。
「それには及びません」
聴こえた声に、あたしたちは視線を上げた。
すると、こちらを見てニヤニヤと笑うジョーカーと、その後ろで俯いて立っている修斗の姿があった。
「ジョーカー……ッ!」
「なおの言ったことは本当だったんですね……」
れいかは、そう言って少しだけ顔を歪めた。
し、信用されていない……?
「お久しぶりです、れいかさん。そして、その他、スマイルプリキュアの皆さん?」
「その他って何やー!」
ジョーカーの言葉に、あかねが怒る。
どうでもいいけど、ジョーカーってれいか以外には興味ないのかな?
まさか、れいかの事が、好きなんじゃ……。
「緑川なおさん?何か不謹慎なこと考えてません?」
なぜ分かった!まぁ、確かに不謹慎かもしれないけれど……。
あたしは、チラッとその後ろにいる修斗に視線を向ける。
彼の体は、どこかフラフラとおぼつかない様子で、俯いているせいで顔色はうかがえない。
この現実から目を背けたいから、無意識に変なことを考えたんだろうなぁ……。
「フフッ、気になりますか?」
その視線に気づいたのか、ジョーカーは面白げな言い方で聞いてくる。
彼の言葉に返事をするより前に、さらに続けられた。
「アカンベェを出すための鼻。まぁ、玉のようなものですが。あれはバッドエナジーで出来ていますが、もし、これを人間に付けたらどうなるでしょうか」
ジョーカーのクイズでも出すような言い方に、あたしの心を嫌な予感が掠めた。
その時、修斗の動きが止まり、ふと顔を上げた。その顔を見た瞬間、あたしの心が、ズシンと重くなった気がした。
濁った目、黒い衣装は相変わらず。
だが、目の端の方には、微かにメイクのようなものが施され、そのメイクは、以前ジョーカーが出したバッドエンドプリキュアに似ていた。
それに、よく見ると、衣装もどこか変わっている気がする。
胸元では、赤黒い色をした球形のものが輝いている。
「人間に付ける、と……バッドエナジーにより、その人間の心に、ピエーロ様への忠誠心を植え付け、さらにパワーアップさせることができます。とはいえ、何も施していない人間にやると、失敗する場合もありますので、彼のように、元から操っておくと、確実ですが」
淡々と説明するジョーカー。
コイツは……こいつはここまでして、あたしと修斗を戦わせたいのか!?
いや、違う。彼は、あたしたち、プリキュアの関係者に、プリキュアを倒させるのが目的なんだろう。
そりゃそうだ。大切な人に攻撃されれば、精神的にもかなりキツイ。
すでに、先ほどの戦いでもかなりショックがあったのに、そこに、さらにパワーアップさせて来るなんて……コイツ、性格が悪すぎる……。
「修斗ッ!」
咄嗟に、あたしは彼の名前を呼んだ。
自分の名前を呼ばれたことに気付いた彼は、ゆらりと、あたしの顔を見た。
あたしはスマイルパクトを取り出し、続けた。
「まずはあたしと戦おうよ!小さい頃、一回ここでやったみたいにさぁ!」
「ちょっと、なおちゃん!」
慌てた様子で咎めるみゆきちゃんを無視して、あたしは変身する。
それを見て、ジョーカーは「やれやれ」と呆れた様子で首を振った。
「それじゃあ、修斗さん。キュアマーチは貴方に任せます。私は、その間に他の四人と戦いますから」
ジョーカーの言葉に、修斗は小さく頷き、スッと両手に拳を作って自分の胸の前まで持って来て、構える。
そして、すぐに物凄い勢いで走ってくるので、あたしは身構え、一気に駆けだした。
- Re: スマイルプリキュア〜この足で、未来まで〜 ( No.21 )
- 日時: 2016/12/30 21:35
- 名前: ひのり (ID: uLF5snsy)
「はぁ!」
あたしと修斗の拳が、同時にぶつかり合う。
ビリビリと空気が震え、周りの土がほんの僅かにではあるが、削れる。
「修斗ぉぉぉぉッッッッ!!!!!」
あたしは咆哮し、数歩後ずさって右足で力強く踏ん張る。
そのまま体を捻り、左足で回し蹴りを放った。
しかし、修斗はそれを両腕でしっかり受け止めると、あたしの足を掴んだ。
「うおらぁ!」
そして、腰から体を捻り、思い切りあたしを地面に叩き付ける。
背中を地面に打ち付け、口からは吐息が零れた。
「カハッ……」
しかし、どうにか呼吸を整え、あたしはまっすぐ修斗を見た。
彼は、すでにあたしに追撃を喰らわせようと、拳を振るおうとしていた。
あたしは立ち上がり、彼の体に抱きつくような形で、押し倒した。
そしてすぐに彼から離れると距離を取り、スマイルパクトに力を込める。
「プリキュア!マーチシュー……」
『今日から俺たちは、友達であり、ライバルだ』
「……ッ!」
修斗の笑顔が頭に過り、気付けば、あたしが蹴ったマーチシュートは見当外れな方向へとすっ飛んでいく。
あたしは、それをしばらく見つめたあとで、その場に膝をついた。
「……できるわけない……できるわけないじゃん!」
あたしは叫んだ。
目の前では、修斗が、無表情でゆっくりと立ち上がっているところだった。
できるわけがなかったんだ……。修斗を、攻撃するなんて……。
だって、あたしは……あたしは……ッ!
「なおちゃあああああああああああああああああああああんッッッッ!!!」
その時、どこからか怒号が聴こえた。
見ると、ジョーカーと戦っているハッピーだった。
彼女は、ジョーカーの攻撃をかわしてから両足のドロップキックで彼を突き放すと、その場にその両足を着けると、ゆっくりと息を吸い込んだ。
「気合いだ!気合いだ!気合いだあああああああああああああッッッッ!!!!」
世界中の空気を震わせるような、巨大な咆哮。
周囲の空気はビリビリと震動し、あたしは目を見開いた。
「そうやって!諦めるなんて!なおちゃんらしくないじゃん!!!筋が通ってないよ!筋が!」
ハッピーの言葉に、あたしは息を呑んだ。
彼女は続ける。
「なおちゃんは!諦めずに、自分の筋を通して直球勝負する子でしょう!?諦めたら、筋が通せないよ!」
……そうだ。
あたしは、修斗の真っ直ぐな姿勢に憧れて、好きになって……修斗の分まで、直球勝負するって決めたんだ。
それなのに、修斗が好きで、攻撃できないからって諦める?ふざけるな!甘えるな!
パンッ!と、大きな音を立てて自分の頬を叩き、あたしは立ち上がった。目の前では、修斗が様子を伺うように、ジッとこちらを観察していた。
「修斗……今、助けるからね!」
あたしは、そう言うと、もう一度スマイルパクトに力を込める。
すると、周辺にマーチシュートの風の球が大量に現れた。
「正々堂々!直球勝負!プリキュア!マーチシュートおおおおおおおおおおおおおおおッッッッッッ!!!!!」
大量に出現したボールを、一気に、修斗に向かって蹴る。
もはや、直撃したか否か、弾かれたか否か。そんなものはどうでもよかった。
あたしは地面に着地し、土煙が巻き上がる中に突進する。その中では、修斗が立っているのが見えた。
「修斗ッ!」
名前を呼ぶと、一瞬、彼が顔を上げた。
あたしはそれに微笑み、彼の胸元の球形のものを掴んだ。
すると、少し手応えがあったように感じつつも、ほとんど力を込めずに、それは取れた。
- Re: スマイルプリキュア〜この足で、未来まで〜 ( No.22 )
- 日時: 2016/12/30 22:40
- 名前: ひのり (ID: uLF5snsy)
呼吸が荒くなり、あたしは、その場に崩れ落ちるように、蹲った。
プリキュアの状態で、修斗の戦いでここまで体力が削られるわけないだろう。
恐らく、精神的な疲れ。
「ハァ……しゅ……ッ!」
修斗の名前を呼ぼうとした瞬間、目の前に、何かが現れた。
数瞬後、あたしの体は何かに弾かれ、数メートルほど吹っ飛んだ。
ズザザザザッ!と音を立てて、土を削りながらあたしは後退し、しばらく呆然と地面を見つめた。
「えっと……?」
顔を上げると、こちらに向かって手を出す、修斗の姿があった。
手の中にある、赤い玉。もう、これは外したのに……なんで……?
そう思っていた時、あたしの横に、他の四人も吹っ飛んできた。
「ハッピー……みんな……ッ!」
「ふっははははははッ!馬鹿ですねぇ。誰が、赤ッパナを外せば戻ると?」
ジョーカーの言葉に、あたしは歯ぎしりをした。
手に持った赤ッパナを握り締めた時、中から、黒い霧が、プシューと音を立てて漏れ出してきた。
やがて、それはあたしの体の周りを囲い始める。
「マーチ!」
「その中には、修斗さんの、今まで味わった悲しみや、絶望などが詰まっています。折角だから、少し、体験してみますか?」
ジョーカーのそんな一言が聴こえた時、突然、足の感覚が消えた。
その場に崩れ落ちるかと思ったら、椅子のようなものに座っていた。
顔を上げると、そこには窓があり、その向こう側には街の風景があった。
「ここは……?」
そう不思議に思いつつ、あたしの目は、外の風景に釘付けになった。
直後、見覚えのある顔を見て、あたしは身を乗り出しそうになった。
「れいか!」
咄嗟に出てきたのは、幼馴染の名前だ。
彼女だけじゃない。あかねに、やよいちゃんに、みゆきちゃんまで。
一緒にプリキュアとして戦った4人が、仲良く話しながら歩いて行く。そして……その横には、見覚えのない女の子も何人かいた。
誰……?
———あたしのお見舞いには来ないのに、他に友達作ったんだ……。あたしが、病院に入院したから……。
そんな声が、脳の奥から聴こえた。
直後、視界は全て真っ暗闇になり、あたしは宙を漂っているような感覚になった。
『友達だったのに。信じてたのに。なんで皆、離れたんだ……』
『修斗の足は……もう……』
『この足で、歩きたい……皆と一緒に、学校に行きたい……』
切望。願望。欲望。絶望。
様々な感情が綯い交ぜになって、あたしの中で鉛のように重くなっていく。
これが、修斗が、今まで感じていたこと……。あたしを、庇ったせいで……。
『なおは今頃、どうしてるかな……』
その時、一言、そんな言葉が聴こえた。
直後、視界は晴れ、気付けば、先ほどの河川敷に立っていた。
「今のは……」
「……」
ジョーカーにとっても、先ほどの修斗の言葉は予想外だったのか、何も言わずに俯いていた。
あたしは、ゆっくりと修斗に顔を向けた。
彼はあくまで無表情で、それでもどこか……悲しそうで。
「修斗……」
あたしはスマイルパクトを取り出し、力を込めた。
風の球を作り出すと、それをドリブルするように、少しずつ蹴りながら、真っ直ぐ修斗を見やる。
「あたしのせいで、事故に遭わせて、ごめんなさい……。あんなに悲しそうな目に遭わせてごめんなさい……」
少しだけ強く踏み込み、走って一気に、彼の元に駆ける。
「でも、そんな中でも、あたしのことを考えてくれてありがとう。優しくて、真っ直ぐな修斗があたしは……———ッ!」
風の球を蹴り上げ、あたしの高く飛び上がる。
そのまま空中で体を捻り、頭が下で、足が上の、逆立ち状態になる。
足の近くには、風の球。あたしは、それを思い切り……———「大好きッ!」———蹴り落とした。
その風の球は、修斗の体を巻き込み、一気に、竜巻のように包む。
- Re: スマイルプリキュア〜この足で、未来まで〜 ( No.23 )
- 日時: 2016/12/31 16:05
- 名前: ひのり (ID: uLF5snsy)
「ハァ……ハァ……」
あたしは肩で息をして、土煙に目を向けた。
やがて、その煙は晴れ、そこには……地面に座り、項垂れる修斗の姿があった。
「修斗……ッ!」
すぐに彼の元に駆け寄り、肩を掴んで軽く揺する。
しばらくして、彼がゆっくりと目を開いた。
「……なお……?」
掠れた声で言う修斗に、あたしは、感極まって抱きしめた。
すると、彼は「いだだだだだだだだだッッッ!離せ離せ!」と言ったので、慌てて離れる。
プリキュアに変身していると力が強くなることを忘れていた……。
「ご、ごめん……」
「いや、俺こそ……その……」
「……くっはははは……」
その時、どこからか笑い声が聴こえた。
見ると、ジョーカーが口に拳を当てながら、笑いを堪えるような素振りをしていた。
「修斗は戻した。あとは、アンタを倒すだけだよ!」
「確かにそうですねぇ……いやはや、まさかこうなるとは……私も、本気を出すしかないか」
ジョーカーの言葉を聞いた時、視界の隅に、黒い靄が見えた。
見ると、修斗の体から、大量にバッドエナジーが溢れ始めた。
「修斗……」
「なお……これ、何……俺……」
混乱した様子で言う修斗。
その時、空中に分散されるだけだったバッドエナジーが、一つの方角に向かい始めるのが分かった。
目でそれを追うと、それは、ジョーカーだった。
「あっはははは!力が溢れてきます!力が……ぁぁあああッ!」
彼は、恐らく自棄になっていたのだろう。
バッドエナジーを吸った体は徐々に膨張し、少しずつ異形になっていく。
「修斗ッ!そのバッドエナジー止めてよ!」
「はッ!?無理だって!これ、自分で止めれる系じゃないって!絶対!」
「気合だよ気合!あたしの兄妹でもできたんだからさ!」
「ええ、マジかよ……」
困った様子で、云々と、なんとか止めようとする修斗。
でも、仮に止めれても、これじゃあ流石に間に合わない。
しかも、ジョーカーの与えた力が無い今、恐らく彼は立てない……ッ!
「マーチ!」
その時、他の四人がこちらに走ってきた。
「皆、どうしよう……」
「マーチはとにかく、修斗君を避難させて。その後は、5人でプリキュア・ミラクルレインボーバーストを使うから」
「……分かったっ」
ハッピーの言葉に、あたしは大きく頷き、修斗の体を抱きかかえて、安全な場所まで走った。
「……迷惑、掛けたな」
走っている最中、修斗がそう言ってきた。
立ち止まるわけにいかないので、走りながら、「何の話?」と聞いた。
「今のこの状況だよ。こうやって運ばれるのもアレだし、さっきなんて、何度お前を殺そうとしたことか」
「別に気にしてないよ。悪いのはジョーカーだし、アンタに心の隙を作らせたのは、あたしだし」
「そんなことっ……」
その時、突如、肩に感じていた重みが消えた。
見ると、修斗があたしから離れて、地面に転がっているところだった。
「修斗っ!何を……」
あたしが聞こうとした直後、黒い光が飛んできているのが見えた。
体が強張り、その場で硬直する。
咄嗟に修斗は庇おうとした、その直後だった。
肩に手を置かれ、彼が立ち上がったのが分かった。
そして、彼はあたしを突き飛ばし、そのまま後ろの光に視線を向けた。
立ち上がったのは、恐らく腕力だけで、すぐに倒れそうな状態。
しかし、黒い光が届いたのが、その数瞬後だったので、そこまで変わらな……———。
「修斗ッ!」
黒い光が、彼の体を包み込んだ。
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