二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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【完結】スマイルプリキュア〜この足で、未来まで〜
日時: 2016/12/31 23:26
名前: ひのり (ID: uLF5snsy)

さぁさぁ懲りないひのりんは今日もプリキュアのスレ建てちゃったよ!
はじめましてか何度目まして!
ホントに……何度目だ?w
プリキュアの二次創作上げるの何度目だよw
今回はスマイルプリキュアですね。フレッシュも完結してないのにね!
まぁ完結せずに放置した作品は数多くありますけどwww
これはそうならないと良いなぁ……(遠い目)
まぁ、楽しんで読んでもらえるように頑張ります。
それではよろしくお願いします。

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Re: スマイルプリキュア〜この足で、未来まで〜 ( No.1 )
日時: 2016/12/08 22:34
名前: ひのり (ID: uLF5snsy)

「ハァ……ハァ……」

 荒く息を切らしながら、一人の少年が、病院にてリハビリに励む。
 バランスを取るために両側に設置された棒を握り直し、また一歩、踏み出そうとする。
 しかし、その時、汗で棒を握る手が滑り、彼は床に体を打ち付けた。

「大丈夫か!?」
「ケホッ……大丈夫、です……」

 心配する医師の手を振り払い、彼は立ち上がろうとする。
 しかし、足が動かないせいで、上手く立つことが出来ず、何度も床に倒れる。
 結局、看護師が運んできた車椅子に抱き上げるような形で、椅子に座らせられることになった。

「今日は充分にやっただろう。もう、今日は休も……」
「まだ、やれます……ッ!まだッ……」

 そう言って、強引に立ち上がろうとする少年を、医師は慌てて肩を押さえつける形で止めた。
 結局、車椅子に座り直すだけになり、少年は悔しそうに唇を噛みしめた。
 そんな彼の体からは、僅かに、黒い靄のような何かが、あふれ出していた。

Re: スマイルプリキュア〜この足で、未来まで〜 ( No.2 )
日時: 2016/12/09 22:25
名前: ひのり (ID: uLF5snsy)

<なお視点>

「てりゃぁ!」「待て待て〜!」

 幼い弟たちが元気に走り回るのを見つめながら、あたしは笑みを零した。
 三年生になって、受験勉強で忙しくなりつつも、やはり、弟たちの遊びの同伴はほとんど日課になっていた。

「あら?誰かと思ったら……なお?」

 その時、背後から声がした。
 見ると、それは幼馴染であり親友の青木れいかだった。
 手には、何やらレジ袋を持っている。

「れいか。買い物?」
「えぇ。半紙と墨を切らしたから。ついでに、筆記用具も買い足ししておきたかったし」
「ははっ……相変わらずれいかは真面目だなぁ」

 あたしが笑いながら言うと、れいかは隣まで来た。
 そして、ビシッとあたしの顔を人差し指で指さしてきた。

「なおはもっと勉強を頑張らなければいけません!」
「うっ……」

 痛いところを突かれ、あたしは言葉を詰まらせた。
 それを見たれいかが、さらにクドクドと説教を始める。

「大体なおは、昔から運動ばかりというか、勉強が疎かすぎるわ。この間の歴史のテストだってギリギリ50点行ったから良いものの、なおが行きたいと言っている東七色ヶ丘高校には、今の学力では……」
「分かったから!耳にタコができるよ!」

 あたしが耳を押さえながら叫ぶと、れいかは呆れたようにため息をついた。
 その時、けいたが「あっ!」と、あたしたちの方を見て声を発した。

「れいか姉だ〜!」

 その言葉に、他の、はる、ひな、ゆうた、こうたも、駆け寄ってくる。
 ちなみに、まだ一歳のゆいは、家でお留守番中だ。いずれは一緒に遊べるのかと思うと、ワクワクする。
 おっと。話が逸れてしまった。

「れいか姉!なんで?」
「ちょっと用事で通りかかりました。お久しぶりですね。皆さん」
「紙と何か黒いのがたくさんある〜」
「ちょっと、ひな。ダメでしょ!」

 れいかが買ったものが入っているレジ袋を覗くひなを、慌てて抱き上げる。
 それを見たれいかは、クスッと笑いつつも、特に咎める様子はない。
 相変わらず暢気なことで。
 しばらくれいかに甘えていた兄弟たちは、やがて飽きてしまった様子で、すぐに遊びに戻った。

「子供は、相変わらず熱しやすく冷めやすいねぇ……」
「そうね。それにしても、ここに来ると、昔を思い出すわ」
「昔って、小さい頃?」

 あたしが聞くと、れいかは、「えぇ」と頷く。

「昔から、なおはよくここで男子に混じって、サッカーをしていましたね」
「あー。してたかも」
「かもではなくて、していたわよ。昔はなおの圧勝で、ほとんどの男子はなおに敗北していましたね」
「あははは……なんか、武勇伝みたいだね」

 苦笑しながら言うと、れいかも優しく笑った。
 その時、あたしの頭は、無意識に昔の記憶を思い出していた。
 あぁ、確か、昔公園でれいかと遊んでいて、その時男子が邪魔してきたから、サッカーで勝負して圧倒したのが始まりだったっけ。
 それから、悔しがった男子が再戦を申し込んできて、それを適当にあしらった。
 すると、私に勝利しようとして、様々な男子が挑んできたっけ。

「あぁ、思い出した。あの頃からサッカー馬鹿だったからねぇ。あたし」
「なおらしいと思うわよ。百戦百勝。流石ね」
「今じゃそうはいかないけどねぇ……それに、百戦百勝じゃないよ」

 あたしの言葉を聞いたれいかは、「え?」と、キョトンと首を傾げた。
 しばらく考えた後で、「あぁ」と何か納得した様子で手を打った。

「なお。百戦百勝っていうのは例えであって、なおは全ての戦いに勝って来たねという意味で」
「違うそうじゃない」

 れいかはあたしがどれくらい馬鹿だと思ってるわけ!?

「え?それじゃあ一体……」
「れいかの例えを利用するなら、あたしの戦いは、百戦、九十九勝、一引き分けだよ」

 少し偉そうに言うと、れいかは「引き分け?」と、聞き返す。
 今思い出すと、かなり悔しい。
 泥だらけになった、あたしと、彼。
 彼は、ニカッと笑って、口を開く。

『おれがおおきくなったときには……———ッ!』

「うん。今はまだ……引き分け。そして、これからも……」

 あたしは独り言のつもりで言ったのだが、れいかはそれを聞き、首を傾げた。

Re: スマイルプリキュア〜この足で、未来まで〜 ( No.3 )
日時: 2016/12/13 21:26
名前: ひのり (ID: uLF5snsy)

 翌日。いつもの学校の帰り。あたしはれいかに歴史の勉強をさせられていた。

「では、6代目の江戸幕府将軍は?」
「えーっと……徳川……家宣!」
「正解!大分覚えてきましたね」

 笑顔で言うれいかに、あたしは少し照れた。
 そんなあたしたちの前では、みゆきちゃんの勉強にあかねとやよいちゃんが奮闘しているところだった。

「だから!なんで猫に長靴やねん!猫に小判やろ!」
「えー。猫と言えば長靴だよ〜。長靴をはいた猫!」
「それは絵本の中の話だよぉ。猫には、小判」
「はっぷっぷ〜」

 不満げに言うみゆきちゃんに、二人はガックリと肩を落とした。
 そんな時、前から自転車を全力で漕いでくる、あかねの弟のげんき君の姿が見えた。

「ん?げんき、どうした?」
「どうしたじゃあらへん!大変や!親父がぎっくり腰で入院してもうた!」
「何やて!?」
「俺は今から病院行くから、姉ちゃんも早く来いよ!」
「ちょっ!じゃあそのチャリ貸してくれや!」
「嫌だね〜」

 そう言って舌を出して笑うと、自転車を漕いで去って行ってしまう。
 あかねはしばらく走って追いかけたが、50メートルほど進んだところで止まった。
 あたしたちは、そこに駆け寄った。

「あかね!」

 あたしが呼ぶと、彼女はこちらに振り返った。

「お父さんぎっくり腰だって?」
「せや。まぁいつものことやけどなぁ。じゃあ、ウチ行くから、先帰っててや」
「えぇ!?心配だよぉ……」

 みゆきちゃんの言葉に、あたしたちも頷いた。
 すると、あかねはしばらく考えた後で、「しゃーない。じゃあ、一緒来いや」と言った

−−−

 数ヶ月ぶりに来た総合病院は相変わらず巨大だった。
 病室に直接行くあたしたちは、裏口から入り、細い廊下を歩いてエレベーターに乗った。

「ねぇ、あかねちゃん」
「ん?どした?みゆき」
「いやぁ、てっきりちゃんとした入口から行くかと思ってたんだけど」
「あぁ、ええねん。身内やし、ウチもよー分からんけど、前に来たときに母ちゃんがここ通っとったからな」
「へぇー」

 みゆきちゃんとあかねの会話をなんとなく聞いていると、病室がある階についた。
 すると、エレベーターの前の方は、リハビリができる広間になっていた。
 そこでは、何人かの患者さんが、一生懸命リハビリを行っていた。

「ん?なお。興味あるんか?」
「え?」

 あかねの言葉に、自分がそのリハビリの様子をジッと見ていたことに気付く。
 そういえば、総合病院に来るのは、基本的に母ちゃんの出産がほとんどだから、これを落ち着いて見るのは意外と初めてかもしれない。

「あー……いや、ただ見てただけ」
「ほーん。まぁええわ。はよ行こ」

 あかねの言葉にあたしは頷き、歩き出そうとした。
 その時だった。

「……なお?」

 名前を、呼ばれた。
 聞き覚えのあるような、ないような。変な感覚。
 あたしは立ち止まり、振り返った。リハビリをしていた一人の少年と、目が合った。
 その顔を見た瞬間、あたしは息を呑む。

「……修斗?」


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