二次創作小説(新・総合)
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- 逃走中 ~月に定められた世界~【完結】
- 日時: 2021/12/15 20:25
- 名前: ウィオ (ID: J69v0mbP)
ウィオ版逃走中第29弾!
今回の舞台はゼルダの伝説・ムジュラの仮面の世界「タルミナ」!
そのタルミナの中心にある大きな都市「クロックタウン」では
三日後に行われるカーニバルの準備が行われていた。
町の人たちはその祭りを楽しみにしている。しかしそれを良く思わない人もいた。
――何故ならその三日後には空の月が落ちてきて、タルミナの世界が滅んでしまうから。
逃走者はその3日間をハンターから逃げ惑う。果たして、逃げ切る者は現れるのか?
{逃走者紹介}
カンナ(男)(ファイアーエムブレムif){29}
ソレイユ(ファイアーエムブレムif){8}
翠星石(ローゼンメイデン){28}
金糸雀(ローゼンメイデン){9}
保登 心愛(ご注文はうさぎですか?){8}
奈津 恵(ご注文はうさぎですか?){6}
スラリン(ドラゴンクエスト5){4}
ジュエル(ドラゴンクエスト5){4}
小泉 花陽(ラブライブ){7}
絢瀬 絵里(ラブライブ){6}
桜坂 しずく(虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会){3}
朝香 果林(虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会){1}
金田 イチエン(超ガッコウ伝 ガット!){23}
カイル・ブロフロフスキー(Southpark){2}
ケニー・マコーミック(Southpark){3}
片瀬 真宵(あっちこっち){5}
春野 姫(あっちこっち){1}
戌井 みいこ(あっちこっち){1}
小倉 ひかり(ライフル・イズ・ビューティフル){2}
バレッタ(ヴァンパイアシリーズ){2}
辻 翔平(ゆうやみ特攻隊){8}
鉄 萌(ゆうやみ特攻隊){6}
チエル(プリンセスコネクトRe:Dive){2}
甘谷 茶々子(尊き夢の世界){5}
ルイス・キャロル(文豪とアルケミスト){1}
三木 露風(文豪とアルケミスト){1}
堀 辰雄(文豪とアルケミスト){1}
星空 みゆき(スマイルプリキュア){1}
佐藤 和真(この素晴らしい世界に祝福を!){1}
ワタル(ポケットモンスター){1}
浅倉 透(アイドルマスターシャイニーカラーズ){1}
樋口 円香(アイドルマスターシャイニーカラーズ){1}
藤沢 柚子 (オンゲキ){1}
キン肉マンビックボディ(キン肉マン){1}
紅 閻魔(Fate/Grand Order){1}
星宮 いちご(アイカツ!){1}
桜木 霊歌(作者組){25}
天竜(作者組){3}
エイジア(作者組){11}
92(作者組){1}
エレキング(作者組){3}
konakun.(作者組){24}
モンブラン博士(作者組){21}
クロノスエボル(作者組){7}
柊(作者組){3}
ゼット(作者組){19}
トッティー(作者組){3}
▽今回の舞台はタルミナ!
▽相変わらず自首狙いの金糸雀!
▽百合っ娘傭兵・ソレイユ
▽バレッタちゃんはやはり恐ろしい!
▽チエルちゃんの破天荒っぷり!
▽果たして、逃げ切る者は現れるのか?
- Re: 逃走中 ~月に定められた世界~ ( No.57 )
- 日時: 2021/12/14 17:07
- 名前: ウィオ (ID: J69v0mbP)
「ギュッと」
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{夕方・ロマニー牧場にあるロマニーとクリミアの家にて}
クリミア「さて、そろそろ支度しなくちゃね……」
ロマニー「お姉様、配達?」
クリミア「ええ。もうそろそろその時間だしね。ロマニーはお留守番してるのよ」
ロマニー「はーい」
(クリミアが玄関のドアノブに手をかけようとした瞬間、コンコンとノック音が聞こえた)
クリミア「? はい」
ガチャッ
カンナ(男)「あっ、失礼します! カンナです、お姉さん!」
クリミア「あら、昨日の坊や! ミルク買いに来たのかしら? でも今はちょっと――」
カンナ(男)「すみません、僕はちょっとこの牧場の事が気になって来たんです。ミルクを買いに来たわけでは;」
カンナ(男)(ホントはクリミアさんとロマニーの事が気になってるんだけどね///)
(クリミアとロマニーに気がある、10代の少年――)
カンナ(男)「その……しばらく牧場にいさせて貰えませんか?」
クリミア「? 別にいいけど……牧場を荒らす真似だけはダメよー?」
カンナ(男)「勿論ですっ!」
(クリミアは牛小屋の近くにある馬車に近寄り、大量のミルク入りの瓶を荷台に詰め込む)
カンナ(男)「何してるんですか?」
クリミア「私これからクロックタウンにミルク瓶を配達しに行くの。その準備」
カンナ(男)「なるほど……あ、僕もついていきましょうか?」
クリミア「何故かしら?」
カンナ(男)「もうそろそろ夜になっちゃいますよ。夜道を貴方みたいな美人さんが一人で行くのは危険です
クリミア「あらあら、そんなに心配しなくても大丈夫なのに~。でもありがとう」
クリミア「ああ、乗るなら弓矢を持って行ってね」
カンナ(男)「? はい」
(カンナは背中に弓をしょったまま、荷台の空いてるスペースに乗り込む。その弓はオバケ退治の後、ロマニーから貰ったものだ――)
カンナ(男)「貰った描写が無かったやん、というツッコミは無しでお願いします」
(荷台に乗り込んだカンナを見たクリミアは、運転席に乗った――)
クリミア「良かった。今夜はなんか心細くって……歓迎するわ」
(クリミアは馬を走らせ、出発した)
クリミア「最近……ううん、結構前からかな。お父様が亡くなってから物騒になったんだ。牛にイタズラされたり、ミルクビンを壊されたり……犯人は分からないけど」
(クリミアとロマニーの両親は既に亡くなっている。悪戯や破壊などの酷い目に遭いながらも、自分と妹だけで牧場を切り盛りしているのだ)
カンナ(男)「酷いですね……この牧場に何か恨みがあるんでしょうかね……」
クリミア「妹のロマニーも気にしてて、弓矢の練習をしてる……。オバケの仕業だってね」
カンナ(男)「でも信じてないんでしょ?」
クリミア「まあ、うん……オバケなんているわけないもの。見たこと無いわよ」
カンナ(男)(僕昨日ロマニーと一緒にオバケ退治したんだけどなー)
クリミア「ねえ、町の人はあの月のことなんて言ってるの? 前より……大きくなってるよね」
カンナ(男)「え? 月……」
(カンナは空を見上げる。するとあの不気味な表情の月が目に映った。1日目に見た時より大きくなっている)
カンナ(男)「町の人の意見は聞いたこと無いですが……でっかくなってるって事は確かですね。月って、こう……輝いてて神秘的な感じのものでしょ? 何であんな不気味なの?」
クリミア「私には分からないわ……何であんな月があるのか、何であんな不気味なのか……」
クリミア「話変わるけど……町にね……友達がいるんだ。アンジュって言うんだけど」
カンナ(男)「アンジュさんって、ナベかま亭の人?」
クリミア「うん。アンジュ……明後日、結婚式なんだよね」
クリミア「……」
カンナ(男)「……」
クリミア「落っこちるかな……あの月……」
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{ミルクロード}
(すっかり辺りが暗くなった道を、クリミア達は進み続ける。その途中で――)
クリミア「あれ? 道が……」
(なんと道が大きな鉄の柵で塞がっていた)
クリミア「……」
クリミア「……坊や、弓矢の用意をしといてね……」
(道が塞がれていたため、遠回りすることに決めたクリミア。そして自分たちが乗っている馬車を、別の道へ進ませた)
(静かな夜道に響く、馬車の走行音――)
カンナ(男)(……静かだな……怖いくらいに。これは何か起きそうな予感が……;)
クリミア「ミルクロードが岩で塞がれてた事といい……見え見えのこの遠回りといい……」
クリミア「いい? 坊や。全速力でここを抜けるわ! もし後ろから追っ手が来たらあんたの弓矢で追い払ってね。相手の狙いは恐らく荷台のミルクビンよ。分かった?」
カンナ(男)「はい」
クリミア「ありがとう! 頼りにしてるわ。無事ここを抜けたらビッグなお礼するからね!」
(その瞬間――)
追っ手A、B「オオオオオオーーー!!」パカラッパカラッ
(覆面をした二人の追っ手が、馬に乗って襲い掛かって来た。その二人はモリを構えている――)
クリミア「来たわ!」
(クリミアは馬を全速力で走らせる)
追っ手A、B「オオオー!!」パカラッパカラッ
カンナ(男)「オオオオやかましいんだよ! 狼かお前ら!」バシュバシュッ
追っ手A、B「ギエッ!!;」ブスブスッ
(カンナは弓矢を素早く撃って攻撃していく)
追っ手A、B「オオオー!!」パカラッパカラッ
カンナ(男)「倒れないっ!;」
クリミア「頑張って!」
カンナ(男)「は、はい!」バシュバシュッ
(追っ手に攻撃をし続ける彼。何度も矢を撃っていく内に――)
カンナ(男)「しまった、矢が……!;」
(矢が全部無くなってしまった――)
カンナ(男)「ど、どうしよう!;」
追っ手A、B「オオオオオー!!」パカラッパカラッ
カンナ(男)「ええい、こうなったら!」ガチャッ ←何処からともなくバズーカを取り出して、構えた
追っ手A、B、クリミア「えっ!?;」
バシュン ズゴオオオオオオオオン!!
追っ手A、B「パパアアアアアアア!!;」
(バズーカの弾は追っ手A、Bに命中した。弾に当たった追っ手二人は黒焦げになって気絶した)
クリミア「あんた……そのバズーカどっから……;」
カンナ(男)「うちの友達(翠星石)の見様見真似です」
(とりあえず、追っ手は撃退できた)
(無事にミルクロードを切り抜けられたクリミアとカンナ――。ミルクビンはカンナのお陰で一つも壊れなかった)
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{タルミナ平原:クロックタウン付近にて}
クリミア「バーテンさん、久しぶりのミルクだから喜んでいたわ!」
(クリミアはバー「ラッテ」のバーテンさんに全てのミルクビンを届けたのであった)
クリミア「ありがとう……あんた、格好良かったよ。これ、ビッグじゃないけれどお礼に受け取って!」
カンナ(男)「?」
(クリミアは牛の頭の形をしたお面をカンナには渡した)
クリミア「それ、ロマーニのお面って言ってね。被るとクロックタウンのバー「ラッテ」の会員証になるの。結構ビッグでしょ?」フフ
カンナ(男)「ありがとうございます!」
クリミア「いえいえ。こちらこそ有難うね」フフ
クリミア「坊や。いいことを一つする毎に子供は大人になっていくわ。そのお面は限られた大人のお客様にお渡しする会員証なの。私は貴方を大人と認めます!」クスッ
カンナ(男)「ぼ、僕が大人……僕は大人みたいに立派ってことですか?」
クリミア「そういう事♪」
カンナ(男)「なるほど……ありがとうございます!///」
クリミア「いえいえ♪」
クリミア「あ、そうそう! 実はもう一つお礼があるんだけど……」
カンナ(男)「もう一つ?」
クリミア「ええ? お面とは違ってあまりビッグじゃないものだけど……お礼に受け取って!」
(クリミアはカンナの肩に手をそえて、そのまま胸に引き寄せた)
カンナ(男)「!!?///」プシューッ
(カンナの顔は巨乳に包まれている)
カンナ(男)(やった! クリミアさんにギュッとしてもらった! とってもあったかい……クセになりそう……///)
(クリミアはしばらく引き寄せた後、カンナをゆっくりと自分から離した)
クリミア「こんなお礼でゴメンね」
カンナ(男)「最高だったです(いえいえ、謝らなくてもいいですよ)」←本音と建前が逆
クリミア「じゃあ……私そろそろ牧場に戻るわね。今日は本当にありがとう!」
カンナ(男)「はいっ! お気をつけて!」
(クリミアは馬車に乗って、離れて行った――)
カンナ(男)「……」
カンナ(男)「大人かあ……年上のお姉さんに褒められたの、初めてだぁ……」
カンナ(男)「あと……この世に生を受けてホントに良かった……///」←大袈裟
----------------------------------------------------------------------------------
{その頃、クロックタウンにあるナベかま亭にて――}
翠星石「アンジュ!」
アンジュ「? あら、お客様。何でしょうか?」
翠星石「カーフェイからのペンダント、今持ってますか?」
アンジュ「ペンダント……あ、はい! 他の従業員から渡されました。ありがとうございます!」
(翠星石とバレッタとジュエルが、アンジュと話していた)
バレッタ「ていうか翠星石とジュエル。いつまであたしについてきてんの?」
ジュエル、翠星石「貴方のボディーガードです!」
(勝手にバレッタから離れたら殺されるかもしれないと思い込んでるジュエルと翠星石であった。バレッタは何をするか分からない――)
アンジュ「あ……ペンダントを持ってきたということは、カーフェイに会えたんですよね?」
翠星石「会えましたよー」
アンジュ「やっぱり……! 彼は元気にしていましたか?」
翠星石「チビっ子になってたけど元気でしたよ」
アンジュ「え? チビっ子」
翠星石「あー、実はですね……」
(翠星石はアンジュにカーフェイが子供の姿になっているということを話した。そしてその理由も話した――)
アンジュ「小鬼……スタルキッドがやったんですね……」
翠星石「スタルキッド?」
アンジュ「悪戯好きの小鬼ですよ。昔私のおばあちゃんが教えてくれました。でも、大人を子供の姿にするなんて強いパワーは持ってないはずですが……」
バレッタ「ふーん……」
アンジュ「とにかく、色々とありがとうございます。では……」ポロッ
(アンジュは何かを落とした)
翠星石「? 何か落としましたよ?」
アンジュ「あ、これは……月のお面です」
ジュエル「何、月のお面って?」
アンジュ「私が作ったお面です。結婚式で使う婚礼の面です」
アンジュ「カーフェイは太陽のお面を持っているはず。刻のカーニバルは毎年太陽と月が同じカサに入る和の季節に、その年の豊穣を四界の神に祈る祭りなんです」
翠星石「刻のカーニバル?」
アンジュ「クロックタウンで行われます。大工がその準備していると思いますが……」
アンジュ「――それで、その結婚式に結ばれた男女は、その証をお面で奉納する。これは最良の吉とされているんですよ」
翠星石「……カーフェイ、ねえ……そのカーフェイが、実は……太陽のお面を盗まれてしまいまして」
アンジュ「えっ!? そんな……!!; 恐らく、サコンが盗んだのかもしれませんね」
バレッタ「サコン?」
アンジュ「クロックタウンで有名な、白い服を着た盗人ですよ。町の人が持っている貴重な物を盗んでは、マニ屋という質屋に売ってお金にしているんです」
翠星石(白い服を着た……カーフェイが言ってた「白い服を着たヒョコヒョコ歩く男」ってサコンの事?)
バレッタ「酷いやつねぇ」
ジュエル「バレッタも酷いやつd――ムグッ!!?;」モガモガ ←翠星石に口を塞がれた
翠星石「ジュエル!? てめえ死にてえのか!? ですぅ!;」
アンジュ「サコンは神出鬼没で……町の兵士さんたちは中々捕まえられないんです」
アンジュ「太陽のお面が無いと、私、カーフェイと結ばれない……」
バレッタ「任せて、そのサコンって奴を見つけ出してぶっ殺してお面取り返してくるわ」
翠星石(ぶっ殺す必要は無いでしょ;)
アンジュ「いえ、見つけて取り返すだけで大丈夫です; でも……サコンの行方は誰にも分かりません。見つけられるかどうか……」
バレッタ「とりあえず怪しそうな人間を見つけたら捕まえるわ」
アンジュ「……えっと、まあ、よろしくお願いします; では、私はこれで……」
(アンジュは自室に戻って行った)
翠星石(サコン、大丈夫かなー)
バレッタ「――ってか、あたし夜風に当たりたいから外出るわね」
ジュエル「あ、じゃあ僕もついていきます、バレッタ様! 貴方のボディーガードなので」
翠星石「翠星石も!」
バレッタ「別にいいよ、ついてこなくても。ていうかボディーガードする必要も無いわ」
ジュエル「そ、そうですか」
バレッタ「んじゃ」ガチャッ バタン
(バレッタは宿屋から出て行った)
翠星石「ふう、やっと離れてくれたですぅ……;」
ジュエル「僕も、今すっげー安心してるよ……;」
(ずっとバレッタから離れたかった二人――)
翠星石「ジュエル、お前はどうするですか?」
ジュエル「僕もこの宿に泊まるよ。外出たらバレッタに会うかもしれないし……;」
翠星石「なるほどですぅね。んじゃ、翠星石は眠たいんで部屋に戻るですぅ。おやすみー」
ジュエル「うん、お休みー」
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{翠星石の宿泊室}
翠星石「あー、眠てえ眠てえですぅ……さっさと寝よっと――」
(その時、隣の部屋から話し声が聞こえて来た)
翠星石「? 話し声……?」
(寝ようと思ったが、話し声が気になったのでもう少し起きていることにした。ドアの付近にある壁が少し剝がれており、そこから声が聞こえてくる――)
-------------------------------------------------------------------------
(翠星石の宿泊室の隣は、アンジュの部屋であった)
アンジュの母親「いいね、アンジュ。あたしたちも夕方には牧場へ出発するからね。クリミアも受け入れてくれるさ。アンタの大親友じゃないか」
アンジュ「……カーフェイは本当にクリミアのところにいるのかしら……」
アンジュの母親「そこにカーフェイがいたら、母さんがぶん殴ってやるよ。でもね……クリミアのことは分かっておあげ。彼女には支えが必要なんだ。カーフェイや町長夫人がね」
アンジュの母親「それに結婚前に逃げるような男と一緒になったって、苦労するだけさ。……母さんみたいにね」
アンジュ「……手紙には必ず戻るって書いてあったわ」
アンジュの母親「戻るって何処にだい? 明後日の朝にはこの町は月の下じゃないか。そんな手紙は忘れておしまい。とにかく生き残ろう。それからだよ……」
アンジュ「……うん」
翠星石「……」
-------------------------------------------------------------------------
{クロックタウン西:マニ屋付近にて}
バレッタ「……」
(彼女はマニ屋の近くでサコンが来るのを待っていた)
バレッタ(アンジュは「サコンは神出鬼没」とか言ってたけど、マニ屋に来るんなら……ここで待ってたら来るんじゃね……?)
(その時――)
怪しげな男→サコン(出典:ゼルダの伝説ムジュラの仮面)「~~~~~♪」ヒョコヒョコ
(怪しげな男・サコンが上機嫌で盗品を持ちながら、マニ屋にヒョコヒョコと歩いて来ている姿が彼女の目に映った。カンナが会った怪しげな男とは、サコンであった)
サコン「ふんふんふん~♪ このお面、たっかく売れるだろ~な~~~~~♪」ヒョコヒョコ
(サコンが手に持っている盗品は、カーフェイが持っていた「太陽のお面」だ――)
バレッタ「人間の臓器の方が高く売れると思うぞ、コラ」ジャキッ
(バレッタは素早くサコンの背後に回り、銃口を彼の側頭部に押し当てた)
サコン「ひいっ!?;」
バレッタ「脳に銃弾を埋め込められたくなかったら、そのお面をカーフェイに返せ……」ゴゴゴゴゴ
サコン「な、何なんだアンタは!?; カーフェイを知ってるのか!?;」ジタバタ
バレッタ「何暴れてんの? 死にたいの?」
サコン「ひ、ひええあああ!!;」ドンッ
(サコンはバレッタの腹に肘打ちを食らわせ、高速で逃げて行った。結局、お面は取り返せなかった――)
バレッタ「あっ、テメエ!!」
バレッタ「……」
バレッタ「……殺す」ボソッ
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{タルミナ平原}
サコン「ひえええ~!! あの女、おっかねええ~!;」タタタタタ
サコン「――もうここまで来れば、大丈夫だろ……;」
(その時――)
ドンッ
サコン「おわっ!;」ドサッ
(誰かとぶつかってしまった――)
???「痛ってーな、コラ」
サコン「だ、黙れ! あんたが邪魔なんだよ――」
(その瞬間、サコンは黙った。???の異様な雰囲気を感じ取って恐怖し、黙ったのだ――)
???「他人に「邪魔」だなんてひでーなぁ。ったく……」
(???の正体は――)
???→ケニー・アッカーマン(出典:進撃の巨人)「まあ、別にいいけどよ。怪我はねーし」
(自身のボスであるキャプテン・カイゾーの部下である、銃撃が得意な男性のケニー・アッカーマンであった――)
※名前はケニーですが、表記する時にサウスパークのケニーと被るので「ケニー(進)」という表記にします。
サコン「あ、あんた……妙な機械を身に着けてるんだな。この辺じゃ見たことないぞ」
ケニー(進)「ん? ああ、俺はとおーい、とおーい町から来たからなぁ」
(嘘である。カイゾーの艦船からだ)
サコン「その町からここまで、一体何の用なんだよ?」
ケニー(進)「そんなことはどうでもいいじゃねえか。それよりお前……変わった物を持ってんじゃねーか」
サコン「え? ああ、これは盗品の宝物だよ」
ケニー(進)「盗品? お前、盗人か何かか?」
サコン「まあね……ボクは色んな盗品をアジトに持って行ってはコレクションしてるんだ。珍しいお酒や、宝玉とかもコレクションしてるんだ~」
ケニー「宝玉!?」
(ケニーは宝玉を手に入れる為にムジュラの世界にやってきた。カイゾーはカイゾーの大事の彼女を生き返らせたいが為に、部下と共に色んな世界へ行って宝玉を探し回っている。宝玉は全部で10個存在する。その宝玉を全て集めると、願いを叶えることが出来るのだ――)
ケニー(宝玉って……キャプテンの求めている、宝玉か?)
ケニー「おいお前! アジトに連れて行ってくれねえか。お前のコレクションを見たいんだ」
サコン「お、ボクの盗品に興味あるんだね。いいよ、ついて来てくれ~」ヒョコヒョコ
ケニー「おう」
ケニー(もしかしたら……キャプテンが欲しがっている宝玉かもしれねえ)
---------------------------------------------------------------------------------------
(その頃、スタルキッドは森の中を歩いていた――)
スタルキッド「ケヒャヒャヒャヒャヒャヒャ! やっぱ悪戯は楽しいなー! なあ、お前?」
(スタルキッドはカンナから盗んだブローチを持ちながら、自分が被っている仮面に話しかけた。この仮面は意思を持つ、不思議なお面なのだ――)
お面「……」
――このお面の名は、ムジュラの仮面。太古のとある民族で呪いの儀式で使っていたとされる、伝説の呪物である。
――その仮面を被った者には、邪悪で凄まじい力が宿ると言い伝えられている。伝説ではムジュラの仮面が齎す災いのあまりの大きさに、それを恐れた先人達が、仮面を悪用されないように、永遠の闇に封じ込めたのだ。
(スタルキッドが大人の人間を子供の姿に変化させる力を持っているのは、その仮面を被っているからなのだ)
スタルキッド「次はどんな悪戯をしよーかなー!」ケヒャヒャ
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{イカーナ渓谷}
(サコンのアジトはイカーナ渓谷にある。彼はケニーをそのアジトへ案内した)
{サコンのアジト:最深部にあるコレクション部屋}
サコン「どーだい! これらがボクのコレクションだぁ!」
(この部屋には、大量の光物がある。全部サコンが盗んできたものだ――)
ケニー(進)「おーおー、どれも高そうなもんばっかじゃねーか。んで、宝玉はどれだ?」
サコン「これだよ」
(サコンは宝玉を見せる)
ケニー(進)「……この宝玉は……違う、俺の求めていたもんじゃない」
サコン「求めていた?」
ケニー(進)「気にすんな、こっちの話だ。それより……宝玉はこれだけか?」
サコン「これだけだよ」
ケニー(進)「そうかい……なら、ここには無いってことか。別の場所を探してみるか」
サコン「別の場所って?」
ケニー(進)「平原にでっけー町があんだろ。そこだ」
サコン「ああ、クロックタウンのことね~。ボク、明日そこへ行く予定なんだよ。窃盗でね」
ケニー(進)「俺も明日行くわ。俺ちょっと眠てえからよ……なあ悪いが、寝床貸してくんねーか?」
サコン「いいよ。あそこに寝袋あるから、それ使ってね」
ケニー(進)「助かるぜぃ」
(ケニーはその寝袋に入り、眠りについた――)
ガチャッ、バタン
(サコンはコレクション部屋から出る)
サコン「ふー、僕も寝ようと……」
(アジトにある自室に行こうとした時――)
子分A「兄貴ぃ! ちょっといいですか?」
(サコンの子分二人がやってきた)
サコン「ん?」
子分B「明日、クロックタウンへ盗みに行くんでしょ? 俺たちもついていっていいッスか?」
サコン「勿論だよ」
子分A「あざっす! 明日もいっぱい宝物盗りましょうね!」
サコン「うん」
月「……」
(不気味な顔がついた月は、徐々に町に近づいて行く――)
------------------------------------------------------------------------------------
――しばらくして、夜が明けた――
-----------------------------------------------------------------------------------
残り逃走者……カンナ(男)、翠星石、スラリン、ジュエル、姫、ひかり、バレッタ、チエル、
露風、辰雄、ビックボディ、閻魔、霊歌、エイジア、92、モンブラン博士、
ゼット、トッティーの18人。
続く
- Re: 逃走中 ~月に定められた世界~ ( No.58 )
- 日時: 2021/12/15 17:05
- 名前: ウィオ (ID: J69v0mbP)
「三日目」
-------------------------------------------------------------------------------------
最期の朝
――残り24時間――
--------------------------------------------------------------------------------------
コケコッコー
クマ「よーし、そろそろ三日目の逃走中を開始しようクマー! ――ん?」
(クマがタブレットでクロックタウンの様子を見たら、ケニー・アッカーマンがクロックタウンに入ってきているのが見えた)
クマ「なんか、銃持ってる……?」
(タブレットを見続けていると、ケニーが銃を発砲し始めた――)
クマ「!?;」
----------------------------------------------------------------------------------------
(クロックタウンでは大きな騒ぎになっていた――)
住民A「うわーーー!?」タッタッタ
住民B「銃だ!? 逃げろー!!」タッタッタ
ワーワー!! タスケテクレー!!
町の兵士「み、皆さん!! 建物の中に避難してください!!」
ケニー(進)「町の皆さーん!! 探索の邪魔だからどっか行ってもらいまーす!! 死にたくなければ逃げて下さーい!!」
(ケニーはヘラヘラしながら発砲しまくっている)
ビックボディ「そろそろ三日目の逃走中が始まる頃だな……」
ピリリリリ♪
ビックボディ「ん? メール? ……『クマからのメール』?」
92「『クロックタウンで銃を持った危険人物が発砲しているクマ! 逃走者は今すぐ町の外へ避難するクマー!』」
露風「危険人物ですって……?」
(このメールは、逃走者全員に行き渡っている――)
ひかり「銃を持った危険人物!? えっ、もしかして私の事!?;」←天然
ジュエル「バレッタか!?」
翠星石「バレッタの奴、とうとう町の中で発砲しやがったですか! ――あ、続きがあった。『見た目は黒いシルクハットを被った髭面のおっさん』ですか。バレッタじゃなかった」
(三日目の逃走中のスタートは、ケニーによって遮られた――)
-------------------------------------------------------------------------------------------
ケニー(進)「おうおう、この町に宝玉あったりしないよなぁ~!?」パンパン
(銃を空に向けて撃ちながら、宝玉を探す彼)
ケニー(進)「てか、もう町の人間は全員逃げたか? ――おう、全員逃げたみてえだな……ん?」
(前方から誰かが走ってくるのが見えた。その人物とは――)
露風「貴方ですね! 銃を発砲している危険人物というのは!」
(三木露風だ――)
ケニー(進)「ああん? 何だテメーは?」
露風「人に多大な迷惑をかけるなんて酷い人です。少しお灸を据えてあげましょう」
ケニー(進)「そーかいそーかい、じゃあ俺はお前に銃弾をくれてやるよ。バキュウウン!!」ドンッ!!
(ケニーの銃弾が、露風の腹に命中した)
露風「えっ――」ドサッ
《三木 露風 撃破》
残り 17人
(撃破された逃走者は、自動的に牢獄へ転送される)
ケニー(進)「へっ! 俺の邪魔をするからこうなるんだ。――ああ?」
ひかり「じゅ、銃の音だ……! ――うわっ!!;」タッタッタ
(今度はひかりと、ゼットと、チエルと、霊歌と、そしてエイジアの5人がやってきたのであった――)
霊歌「さっきの銃声って……もしかしてあんた!?」
ケニー(進)「ああ、そうだが? 俺の邪魔をしてきた奴がいたから撃ってやった。それだけだ」
霊歌「そんな……;」
チエル「むむむー!! 町で騒ぎを起こしているのは貴方だね!? やっつけてやる~ん!!☆」
ケニー(進)「る~ん?;」
エイジア「逃走中を妨害しやがって! ボコボコにしてやんよ!」
ゼット「僕もこいつは許せません!」
霊歌「あたしも、こいつをやっつけたい!」
(戦闘態勢に入る、ひかり、ゼット、チエル、霊歌、そしてエイジア)
ケニー(進)「そーかいそーかい、邪魔だから消えてくれやぁ、テメーらぁ!!」
(ケニーは銃を5人に向けて乱射した。その弾がゼット、霊歌、エイジアの腹に命中した――)
ゼット、霊歌、エイジア「っ――」ドサッ
《ゼット 撃破》
残り 16人
《桜木 霊歌 撃破》
残り 15人
《エイジア 撃破》
残り 14人
ひかり「み、皆ぁ!!; ――許さない!!」ジャキッ
(ひかりは自前のライフルを構え、ケニーを撃つ――)
カスッ
ケニー(進)「……」タラァ
(しかし頬を掠めただけであった)
ひかり「外した――」
ケニー(進)「おいおい嬢ちゃんよぉ、命中率悪ぃなぁ。こうやって当てるんだよ。バキュウウン!!」ズドンッ
ひかり「あぐっ!!」ドサッ
(ケニーは銃弾をひかりの胸に当てた――)
《小倉 ひかり 撃破》
残り 13人
チエル「ひかりぃ!! チエルは更に激怒したよ!! チエルの超必殺技を食らわせてやるー!!」
(チエルは超必殺技を出すために、溜めを行う――)
チエル「はあああああああ~~~~!!」ゴゴゴゴゴ
ケニー(進)「!? すげえのが来そうだ……」
チエル「はあああああああ~~~~~~~~~~」ゴゴゴゴゴ
ケニー(進)「!!」
チエル「あああああああああああああ~~~~」ゴゴゴゴゴ
ケニー(進)(長くね?)
チエル「ああああああ~~~~~~~~~」ゴゴゴゴゴ
ケニー(進)「……」ズドンッ ←呆れた顔でチエルを撃った
チエル「ぐはっ」ドサッ
《チエル 撃破》
残り 12人
ケニー(進)「さて、邪魔者共は消したし……宝玉探しを再開すっか……」
ビックボディ「とりあえず、町の外に避難すりゃいーんだよな?」
(ビックボディはタルミナ平原に出た)
ビックボディ「逃走中が始まると思ったのに、どーなってんだ、マジで!」
カンナ(男)「と、とりあえず、町の外に出ればいいんだよね?」
(カンナもタルミナ平原に出る――)
翠星石「ひなーん、ひなーん!」タッタッタ
(翠星石も――)
ジュエル「怖いよ~~! 銃を持ってる人~!」
(ジュエルも――)
ケニー(進)「宝玉ちゃんは何処かしら~~~~~~?」キョロキョロ
(宝玉探しをしているケニーの近くに――)
スラリン「避難、避難――!!」
(スラリンが通りかかった――)
ケニー(進)「スライム?」
スラリン「――って、あああ!? そのシルクハットに髭面! もしかして町で発砲してるやつか!?」
ケニー(進)「ああそうだよ。てか邪魔だから退け。でないと撃つぜぇ?」
スラリン「ふん、僕はこんなヤバい奴を野放しにしたくないんだ。倒す!!」
ケニー(進)「へい」
(スラリンは必殺技を放つ体勢を取った)
スラリン「スラ・ストラ――」
ケニー(進)「はい」ズドオオン!!
スラリン「ぎゃうっ!!」ドサッ
《スラリン 撃破》
残り 11人
(必殺技を放とうとした瞬間に、撃たれてしまった――)
ケニー(進)「よし……」
モンブラン博士「とにかく、私も避難しないとな……」
(モンブラン博士は町の外へ続く道を探している――)
ケニー(進)「宝玉! 宝玉は何処だ――!! ――お?」
閻魔「こっちに行けば、町の外へ出られるでち!」タッタッタ
トッティー「ホントか!」タッタッタ
辰雄「閻魔さん、ありがとうございます!」タッタッタ
姫「ようやく出られますね……!」タッタッタ
92「やったぁ!」タッタッタ
(町の外へ避難しようとしている閻魔、トッティー、92、辰雄、姫の5人を発見したケニー)
ケニー(進)「避難しようとしてんのか。ま、俺の邪魔をしたりしなきゃ襲わね――」
閻魔「ああーっ!! 町の騒ぎを起こしてる張本人がいるでち!!」
ケニー(進)「!」
トッティー「マジで!?」
閻魔「あんな危険人物を放っておくわけにはいかないでち! 今ここで倒すでち!」
姫「た、戦うつもりですか!? 危険ですよ!」
閻魔「あちきは居合の達人でち! あんな奴、すぐ倒してみせるでち」シュバッ ←剣を抜く
ケニー(進)「……」
辰雄「ぼ、僕も戦います! トッティーさんは逃げて下さい!」
トッティー「でも――」
ケニー(進)「おうおう、俺を倒すだって? 倒せるわけねーだろ」ジャキッ
ズドドドドドドドド!!
(ケニーは目にも止まらぬ速さで銃を撃った――)
ケニー(進)「バキュンバキュンバキュンバキュウウウウウン!!」
(閻魔、辰雄を撃つ。そして流れ弾がトッティーと姫と92に命中した――)
《紅 閻魔 撃破》
残り 10人
《堀 辰雄 撃破》
残り 9人
《トッティー 撃破》
残り 8人
《春野 姫 撃破》
残り 7人
《92 撃破》
残り 6人
ケニー(進)「ヒャッヒャッヒャ!! 俺様を倒そうだなんて甘いんだよ! イチゴのショートケーキくらい甘いぜぇ!?」
バレッタ「おい」
ケニー(進)「あ?」
(バレッタに話しかけられたケニー。実は流弾はバレッタにも当たっていたのだ。バレッタは弾が埋め込まれている肩から血を流しながら、殺意の籠った目でケニーを睨みつけている――)
ケニー(進)「ひっ!!」
バレッタ「おいクソヒゲ……ちょっと位置がずれてたら心臓に到達してたぞ。慰謝料払ってもらうよ。お前の命でなぁ!!! 亡き者にしたるぞゴミガァァ゛ァ゛ァアア゛ァ゛ァァ゛!!!」
(バレッタの怒号が町中に響く。彼女はマシンガンを構え、ケニーに向かって銃弾を放った――)
ズドドドドドドド!!
ケニー(進)「な、何だあの女ぁ!?! に、逃げよ、逃げよ!!」
(バレッタにビビったケニーは立体起動で空を飛び、逃げて行った――)
バレッタ「テメエ!!! 逃げんじゃねえよ!!! 次会った時はテメエの腸抉り出して、脳みそも露出させてやるからなぁあ゛あ゛あ゛!!!」
(この世のものとは思えないくらいに怖い表情をしているバレッタ――)
ケニー(進)「なんだよあの女……マジで怖えよ!!;」
(ケニーが逃走した為、町の騒ぎは収まった。だが、町の住民たちは今も建物の中に避難したままである――)
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{タルミナ平原}
カンナ(男)、翠星石、バレッタ、ジュエル、ビックボディ、モンブラン博士「……」
(避難に成功したのは、この7人のみであった。彼らの目の前には、クマが立っている――)
クマ「避難できたのは……君たちだけクマか」
ジュエル「あちこちから銃声が聞こえてきて……めっちゃくちゃ怖かったよぉおおお!」
バレッタ「殺ス殺ス殺ス殺ス………………」ブツブツ
クマ(バレッタちゃんの殺気がヤバすぎるクマ)
クマ「皆、聞いてほしいクマ。例の危険人物は逃げたけど、この辺にいるクマ」
カンナ(男)「何でこの辺にいるって分かるの?」
クマ「タブレットを見たクマ。このタブレット、町だけでなくこの世界全体を映すことが出来るクマよ」
クマ「例の危険人物がこの世界にいる限り、逃走中は出来ないクマ。あの男がいつ再び町に現れて来るか分からんからね……。でも、逃走中はやりたいクマ!」
カンナ(男)「どうするつもりなの?」
クマ「クマがあの男を追っ払うクマ! 多くの逃走者を酷い目に遭わせおって! 許せんクマ! それに逃走中を滅茶苦茶にしてくれたツケを払わせたいクマよー!!」
(その時、バレッタがクマを見る)
バレッタ「おうゲームマスター、そいつはあたしに殺らせてよ」
クマ「え、でも」
バレッタ「あいつだけはあたしが殺したいんだよ……」ゴゴゴゴゴ
クマ「ひっ!! わ、分かったクマ……」
バレッタ「ゲームマスター、ちょっとタブレット見せて。髭面のおっさんの位置を探りたいの」
クマ「はい!」
(クマはバレッタにタブレットを渡す)
バレッタ「……イカーナ渓谷のサコンのアジト……サコン? 太陽のお面盗んだ奴じゃん……」
バレッタ「よし、髭面のおっさんぶっ殺すついでにお面取り返してくるわ……」タッ
(バレッタは高速でイカーナ渓谷へ向かっていった)
モンブラン博士「バレッタ!」
翠星石「翠星石もアジトに向かうですぅ! お面を取り返したいんで!」タッ
ジュエル「ぼ、僕も!」
(翠星石とジュエルは、バレッタを追いかけた――)
モンブラン博士「クマよ、これから私たちはどうすればいい?」
クマ「ええと……とりあえず、危険人物に見つからないように、何処かに身を隠してくれクマ」
ビックボディ「おうよ」
モンブラン博士「ビックボディよ、私と一緒に身を潜められそうな安全な場所を探しに行こう」
ビックボディ「ああ」
(モンブラン博士はビックボディと共に、カンナたちから離れて行った――)
カンナ(男)「……」
クマ「……」
(今ここに残ったのは、カンナのみ――)
クマ「カンナはどうするクマか?」
カンナ(男)「僕は牧場の様子を見て来るよ……牧場にあの例の危険人物が来てないか不安なんだ」
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残り逃走者……カンナ(男)、翠星石、ジュエル、バレッタ、ビックボディ、モンブラン博士の7人。
続く
- Re: 逃走中 ~月に定められた世界~ ( No.59 )
- 日時: 2021/12/14 20:06
- 名前: ウィオ (ID: J69v0mbP)
「殺戮」
{サコンのアジト}
サコン「なああんた、凄い汗だね……」
ケニー(進)「赤ずきんに殺されそうになってな……あー、マジで怖かった……。悪ぃサコン、ここに匿わせてくれ」
サコン「いいよ……」
ケニー(進)「てか、お前その袋……何が入ってんだ?」
サコン「今日盗んできた宝物だよ~。いっぱい盗めてきた!」
ケニー(進)「いつの間に盗みに行ってたんだ?」
サコン「朝6時くらいかな。盗んで即行で帰って来たよ」
ケニー(進)「朝6時……」
(サコンはケニーが町で騒ぎを起こす前にさっさと宝物を盗んで、アジトに帰ってきていたのであった)
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{夕方:イカーナ渓谷}
(イカーナ渓谷にあるサコンのアジトへの道のりは険しい。バレッタがそこへ向かっている間に、夕方になった――)
バレッタ「……」タッタッタ
(サコンのアジトに向かって走って行っている彼女に――)
翠星石「バレッタ様ー!!」
(追いついた、翠星石とジュエル――)
バレッタ「翠星石にジュエル! 何でここにいんのよ」
ジュエル「僕たちは太陽のお面を取り返しに来たんですよ」
バレッタ「そーなの。じゃああたしに協力してくれるってことね?」
ジュエル「はいっ!」
バレッタ「ありがとね。ここがアジトよ、早速乗り込みましょう」
ジュエル「――アジトの扉、塞がってますけど」
翠星石「開放してやるですぅ」
ドゴオオオオオン!!
(翠星石はアジトの入り口の扉をパンチで粉々にした)
ジュエル「(;゚Д゚)」
バレッタ「わお」
翠星石「さあ、行くですよ!」
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{サコンのアジト}
ジュエル「道が二つに分かれているねー」
翠星石「どっちに行きましょうか」
バレッタ「……あたしは右の道に行くわ。あんたたちは左に行って」
ジュエル「一人で大丈夫?」
バレッタ「あたしを誰だと思ってんの。そこの超人をねじ伏せた女よ? 大丈夫よ」
(バレッタはそう言うと、右の道へと向かって行った)
翠星石「行っちゃいましたね……じゃあ、翠星石たちは左に行きましょう」
ジュエル「うん!」
(翠星石とジュエルは左の道へと向かって行った――)
(その頃、サコンの子分二人は――)
子分A「さっきの「ズゴオオオオオオオオン」って、何の音だったんだ?」タッタッタ
子分B「なんか壊された時の音みたいだったが……」タッタッタ
(アジトの入り口へと向かっていた。その途中で――)
バレッタ「……」テクテク
(バレッタと遭ってしまった――)
子分A「あ? 誰だテメエは。ここは盗人以外が入っちゃいけねえんだぞ。さっさと帰れ」
バレッタ「あ? 誰に命令してんだ?」
子分B「さっさと帰れって言ってんだろ。でないと殺すぞ」
バレッタ「お前らみたいな社会のクズに命取られてたまるか、クソが。蜂の巣にしてやろうか?」
子分B「そうかそうか。――あ、おい赤ずきん、後ろ見てみろ!!」
(バレッタは後ろを振り向く)
子分A「俺たちに舐めた口きいてんじゃねーぞ!!」ブンッ
ザシュッ!!
バレッタ「……」ブシャッ
(子分Aはナイフでバレッタの背中を切った。彼女の背中から多くの血が出た――)
バレッタ「………………」
子分A「……あれ!? こいつ、全然怯んでない……!?」
(バレッタはゆっくりと子分たちの方に振り向く。今の彼女の顔は、鬼の形相であった。それを見た子分二人は戦慄を覚える)
子分A、B「ひっ!!」
バレッタ「お前らの将来の姿を予言してやるわ。将来は無残な死体です!!」ジャキッ
(バレッタはマシンガンを構える)
バレッタ「初めてのジュウ~~君とジュウ~~!! I will give you all the bullets!!」ズドドドドドド
(キテレツのED「はじめてのチュウ」の替え歌を歌いながら足を攻撃していくバレッタ)
子分A、B「いぎゃああああ!!」ドサッ
バレッタ「あんたたちに聞きたいことがあんの。太陽のお面って何処にあんの?」
子分A「へっ、誰が教えるかよ……」
バレッタ「ん? 答えなかったら命は無いけどいいかな? まあ答えても命は無いけどねっ♪」
子分A、B「ひっ」
バレッタ「死ぬ前にあたしの役に立ってよ」
子分A「ど、どうせ死ぬなら教えてたまるか! このクソ赤ずきんが!」
バレッタ「……」
子分B「そうだ! 俺たちゃ絶対に口を割らねえぞ! このクソアマ!!」
バレッタ「」ピキッ
バレッタ「そっかそっか……あたしにそんな口きくんだ……」ズドドドドド
(バレッタはマシンガンで子分A、Bを蜂の巣にした――)
子分A、B「いぎゃあああああっ!!!」
(子分二人は絶命した――)
バレッタ「さーて、闇雲に探すとしますか……」
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――翠星石、ジュエル、バレッタは30分ほど、アジトの中でお面を探し続けたが、お面は見つからなかった――。
――しかし。
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(アジトの最深部であるサコンのコレクション部屋の前にいる翠星石とジュエル)
翠星石「あと探してない場所はここだけですね……」
ジュエル「ここにケニーとサコンがいるかもしれない……気を引き締めていこう!」
翠星石「へっ! 気を引き締めなくても、この超人で最高に可愛い翠星石がいますから、その必要はねえですぅ!」
ジュエル「自分で可愛いって言うのかよ~」
(その時――)
バレッタ「あ、あんた達」
(バレッタも、この部屋の前にやってきた)
ジュエル「バレッタ様! ――って顔とお洋服が血だらけですよ!?;」
(返り血で顔と服が赤く染まっているバレッタ)
バレッタ「あ、これ? 害虫を駆除しただけだから! 気にしないで!」
翠星石「気にしないでと言われても――」
バレッタ「ほらそんなことより、この部屋に突撃するわよ!」
翠星石「へ、へい!」
{コレクション部屋:内部}
バレッタ「お前らの墓場はここでーす!!」バゴンッ!!
(バレッタは足で勢い良く扉を蹴って開けた)
サコン「っ!? ひっ!! 昨日の赤ずきん!!」
ケニー(進)「めっちゃ怖え嬢ちゃんじゃねーか!!」
翠星石「サコン! 太陽のお面を返せですぅ! カーフェイとアンジュが困ってるんですぅ!」
サコン「だ、誰が返すか! これは僕の宝物なんだ!」
バレッタ「じゃあ、殺して取るわ……」ジャキッ
(バレッタは真顔で銃を構える)
ケニー(進)「く、クソお!! 俺には目的があるんだ!! 死んでたまるか!!」ジャキッ
(ケニーはバレッタに怯えながらも、銃を構える)
ケニー(進)「くたばれえ!!」ズドンッ!!
バレッタ「」サッ
(ケニーが撃った銃弾をバレッタは真顔で回避する)
ケニー(進)「避けた!?;」
バレッタ「お前らの胸に穴をいっぱい開けたるわ」
(そしてバレッタは、マシンガンを撃ってケニーとサコンの胸に無数の穴を開けた――)
ケニー、サコン「……」ドサッ
(ケニーとサコンは息絶えた――)
バレッタ「……」
(バレッタは部屋の奥に飾られている太陽のお面を手に取った。お面を取り返すことに成功した――)
バレッタ「さあ、さっさと町に行って、カーフェイに渡しましょ」
ジュエル「は、はい……」
翠星石(やっぱバレッタって怖えええ……一切の躊躇をせずに殺すとは……)
(翠星石たちはアジトから出て行った――)
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{夜9時}
{その頃、ロマニー牧場にて――}
ロマニー「」テッテッテ
(ロマニーが元気に牧場を走り回っていた。それを見ながら、ミルク採取をしているクリミア)
カンナ(男)「ロマニー! クリミアさん! 大丈夫だった?」タッタッタ
ロマニー「サシガメ君? 何が?」
カンナ(男)「えーっと……怖い人に襲われなかった?」
ロマニー「? そんな人、知らないよ?」
クリミア「私も見てないわよ」
カンナ(男)(ホッ)
(ロマニー牧場にケニー・アッカーマンは来ていない)
クリミア「それより……今朝、ここに逃げてきた人から聞いたんだけど。大変みたいね、あの大きな月。今夜くらいに町に落ちるんだって」
カンナ(男)「……月が落ちるのか……」
(カンナは空を見上げる。月が二日目よりだいぶ大きくなっていた)
クリミア「うん……。落ちたら町が滅ぶらしいの……ううん、町だけでなく、この世界が滅ぶかもしれない……町の人から聞いたわ」
カンナ(男)「……!!」
クリミア「本当は分かってるんだ……ここも危ない事……。難しい事分かんないけど、そんな気がするの。けど……。私達がアタフタしてもどうにもならないコトもあるんだよね……」
ロマニー「ねえーお姉様! 今夜飲むミルク絞ってるの?」
クリミア「ええ。……今日は「シャトー・ロマーニ」を飲ませてあげる」
ロマニー「えっ、シャトー・ロマーニ!? 飲むの初めて! お姉様! 今までは「あんたはオトナになってから」って言ってたのにどうして?」
クリミア「…………あんたはオトナになったのよ、ロマニー……お姉様が認めるわ」
ロマニー「じゃあロマニーにもお面くれるの?」
クリミア「そうね。作ってあげる……今夜は私のベッドで一緒に寝ようね、ロマニー」
ロマニー「はい、お姉様!」ニコニコ
カンナ(男)「……」
クリミア「うん、もう充分ミルクは取れたわ。さあロマニー、うちに入りましょう……」
ロマニー「はーい! 楽しみにー!」
(クリミアとロマニーはミルク「シャトー・ロマーニ」を持って、家に入ろうとする)
ロマニー「サシガメ君! また明日ね!」
(ロマニーは元気な笑顔でそう言った。ロマニーは明日世界が滅ぶことを知らない――)
クリミア「おやすみ……また…明日…ね」
(クリミアは辛そうな顔で、そう言った――。クリミアは、もうじき世界が滅ぶ事を知っているのだ――)
カンナ(男)「……」
カンナ(男)「滅ぶ……」
(彼は、昔の出来事を思い出した――)
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(第13回「逃走中 ~もしもそちらを選ぶなら~」のゲーム後半で――)
隕石「」ゴオオオオオオオオオオオオオオ!!
(巨大な隕石が、カンナ(男)の故郷である暗夜王国に落ち――)
ズゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!
(その隕石が地面に衝突した瞬間、隕石が光り出し、全ての建物と人間を粉々にしていった――)
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カンナ(男)「許せねえ……お前、本当に人間かよ」
カンナ(男)「お前やお前の仲間はゲームマスターなんかじゃない」
カンナ(男)「何の罪もない人間の命を大量に奪った、イカれた大罪人だ!!」
(第13回逃走中を運営していたゲームマスターに怒りをぶつけたことがある、カンナ――)
--------------------------------------------------------------------------------------
{現在}
カンナ(男)「……」
(クリミアが言っていた「町だけでなく世界が滅ぶ」という言葉で、暗夜王国が滅んだことを連想したカンナは、真剣な表情になる――)
カンナ(男)「――滅ぼさせるかよ」
(暗夜王国と同じような目に遭わせるわけには行かないと、誓った彼であった――)
---------------------------------------------------------------------------------------
残り逃走者……カンナ(男)、翠星石、ジュエル、バレッタ、ビックボディ、モンブラン博士の7人。
続く
- Re: 逃走中 ~月に定められた世界~ ( No.60 )
- 日時: 2021/12/14 22:19
- 名前: 92 (ID: JDkUYYgc)
やべぇやつが来た...ところで私が撃破された場面が見つからないのですが...(殴
存在感薄くてすみませんでしたぁぁぁぁ!
- Re: 逃走中 ~月に定められた世界~ ( No.61 )
- 日時: 2021/12/15 17:06
- 名前: ウィオ (ID: J69v0mbP)
>92さん
私が悪いので謝らないで下さい;
92さんが撃破された描写を追加しました!; すみません;
では!
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