二次創作小説(新・総合)

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あなたを 第2章 絶賛連載中! ハリーポッター 親世代
日時: 2022/06/06 19:56
名前: やまら (ID: HSijQ0Up)

イギリスのとある駅の柱に向かってたくさんの荷物を乗せたカートを押して飛び込む、一人の少女の姿があった。
名をレイニウム・アンジョーナという。
茶髪に丸い眼鏡をかけて、いつも下を向いている、それが彼女の特徴だった。要するに内気な少女だった。
柱に飛び込んだ彼女は、ぶつかることもなく柱をすり抜けた。後ろにいた母親もそれに続く。するとそこには赤い列車が線路にとまり、黒いローブを着た子供と大人でごった返していた。
列車の一番前の入り口に向かい、荷物をカートから降ろす。若干引きずる形ではあるが、人混みにまぎれこめばそれは異様な光景には見えなかった。それにこれが普通なのだ。この世界では。一人の少女がたくさんの荷物を引きずりながら歩く姿なんて。
列車の中に頑張って荷物を入れた彼女は、心配そうに見つめる母の姿をその瞳で捉える。優しいアメジストのような輝きを持つ母の瞳と同じ色の眼を、少女は持っていた。

すると、列車が出発する合図の汽笛を鳴らした。慌てて他の子供が乗り込んでくる。少女は邪魔にならないように、と傍に避けた。
母の手を握り、心配するな、と諭す。厳かな顔を母は一瞬見せたが、すぐに柔らかい笑顔へと変わり、娘を送る。


「大丈夫よ、だってあなたは私の子供なのだから。」


母のその言葉を聞いた娘は、緊張して硬かった表情が緩んだ。心なしか、とても心に響いた。
そしてゆっくりと列車は走り出す。

名残惜しい中、母娘は手を振りながら別れを惜しんだ。

あなたを 第2章 2話 ハリーポッター 親世代 ( No.18 )
日時: 2022/08/24 22:17
名前: やまら(綾織) (ID: HSijQ0Up)





無事ノアがいたコンパートメントを見つけることができ、雑談をしていると、スラーとエルもやって来た。
「久しぶり〜!元気だった?」
「元気元気!!この夏休みずっと遊んだからストレスゼロさ!」
「そうね!宿題も早めに終わらせてしまったから、後半は遊んでたものね!」
「僕の家を気に入ってくれて嬉しいよ!またいつでも来てよ!」
「え、いいの?じゃ、今度機会があればお願いするね。あと、エルのお母様の手料理がとーっても美味しかった!!感動しちゃったわ。」
「あ、ありがとう、照れちゃうな、最高の母さんだよ。」
「僕も思った!エルのお母さんの料理美味しかった。」
「うちは両親とも共働きだからインスタントラーメンとレンジでチンして食べることが多かったからあの味は感動しちゃったわ!!!」
「いんすたんと?れんじでちん?」
スラスラペラペラ会話していると、聞き慣れない単語が出てきた。
「あ、レイニーは知らないか、インスタントって言うのはね、カップの中にお湯を入れて3分蒸すと簡単に作れるラーメンのことだよ。」
「す、すごい!3分で作れちゃうの?!?!えっと、らーめん?」
「あー、ラーメンはチャイナの料理のことよ。分かりやすく言うと、パスタみたいなものかしら。」
スラーとノアが説明してくれる。
「チャイナの料理?今度食べてみたい!」
「勿論!たっくさんあるから一つくらいなくなっても気づかないわよ。」
「それを考えたマグルは偉大ね……。」
「噂ではジャパンの人らしいけど。」
「ジャパンってすごいわ!」

なんて話をしているうちに、あっという間に時は過ぎ、到着の時間が差し迫っていた。
「え?!もう、こんな時間?早く着替えなくちゃ!だから騒がしかったのね。」
「う、うん!」
「先に着替えていいわよ、ほら、去年は私たちが先だったから。」
「いいの?ありがとう、じゃあノア、早く着替えよ?」
「うん、わかった!」
そう言って私たちはコンパートメントを出た。
すると、どこからともなく声が聞こえてきた。鈴が転がるような可愛い音色。
紅い髪を靡かせやってきたのはリリーだった。
「あら、アンジョーナ!ルドヴァン!久しぶり!」
「久しぶり!リリー!あ、セブルスも。」
「僕はついでか!」
セブルスの的確なツッコミに慄いたが、肩を竦めて苦笑いした。
リリーとセブルスが談笑を始めた時、スラーが私を手招きして耳に口を寄せた。
「レイニーはあのスリザリンの人と仲良いの?」
「うん、セブルス・スネイプって言うの。彼、とっても頭がいいのよ。」
「へー、そうなのね。」
スラーは感心したように呟いた。
「ねぇ、私、スライネ!スライネ・ルドヴァンよ。レイニーとは同じ寮なの。よろしくね。」
「あ、ああ、よろしく頼む。」
セブルスは少し驚いた表情で言った。


「リリー!友達できた。一人!」
「良かったわ、セブ!」





あの時、そう、1年前と同じ風景が並ぶ。

鬱蒼と生い茂る禁じられた森。

辺りに広がる澄み渡った水で広がる湖。

その中に聳え立つ一つの城。

中からの光源が深い黒の空へと広がる。


ああ、なんで久しぶりなんだろう。


「久しぶりのホグワーツだあ!!」
興奮で語彙が子供になってしまった。
しかし、久しぶり、それも1ヶ月の間国外にいたのだ。(最後の一週間は国内だが。)
「あはは、興奮しすぎだよ、レイニーは!」
笑いながらエルが話す。
「そういえば、去年はボートに乗って行ったけど、今年はどうなるのかしら。」
と、スラーが素朴な疑問を零す。
「ああ、セストラルの馬車に乗って行くんだよ。」
「おお、マージーンさん情報!」
「正解。」
「「せすとらる?」」
スラーとノアが聞き返した。
「特定の人にしか見えない魔法動物のこと。馬に近い形をしている、と考えればわかりやすいかな?」
「ふーん。」
「よく分からなかったら『幻の動物とその生息地』を読んでみて。」
「ありがとー。」
そう言って、私はスラーに本を手渡した。
(お腹いっぱいになった時に暇になる時間を潰す用に持ってきていた。)




「えええ?!?」
「おお、びっくりしたぁ、」
スラーがセストラルのページを開いた瞬間彼女は大声をあげた。
「う、うううう馬?!これが?!何処が?!」
「え?いやいや、この形、馬でしょう?」
「それはそうだけど、不気味っ!!」
「まあまあ、見えないから大丈夫!」
「え、見えない?」
「普通の人は見えないから。そう、普通の人はね。」
「なんか含みのある言い方ね。」
「さあね、見てみなきゃわかんないだろう?」




「本当に見えないなんて!ビックリ!」
「そっか、スラーは平和なところで育てられたんだね。」
「僕も見えないや。ノアは?」
「うん、僕も。レイニーは?」
「薄らと。」
「え?!?!」
「ほら、去年の。」
「あ、ごめん、」
「いいよ、私もムキになってたし。」
「?」
話が見えないスラーとノアは首を傾げる。
「えーとね、せ、セストラルは死にかけた、とか目の前で人が死んだ、とかしないと見ることができないんだ。レイニーは、ほら、去年のことがあったから、」
「「あ、そうだった、………ごめん。」」
「良いって!!終わったことだし!ね!乗ろう?馬車。」
「「「うん、」」」
そのあと三人は白に着くまで終始暗い雰囲気を纏っていた。






「スリザリン!!!」
彼の名前を聞いて、ドキドキしながら組み分けを待ったけど。
組み分け帽子の口から出てきた言葉は頭脳明晰で狡猾なるあの寮だった。
「そっか。弟くんはスリザリンか。正反対のところに行ったなあ。」
しみじみとそう思う。
レギュラス・アークタルス・ブラック。
彼の名前だ。直感でそう感じた。
名は体を表すという。あの子にぴったりな名前だと思った。両親がちゃんと考えて考えてつけてくれた名前なんだ。

段に上がったのはあの子だった。
帽子をかぶると目を閉じてずっと話していた。途中涙が零れそうになっているところもあった。彼は何を考え、どのような結論を出したのだろうか。
そして放たれた言葉。スリザリン。
彼がそこが良いと思ったのだろう。
ぴったりの寮だと思ったし、彼の思いを尊重して遵守したかった。
だから盛大な拍手を送った。あなたが7年間良い刻を過ごせますように、と。

けど。
「…そうだろうな。」

そう呟いたあいつの声が心から離れなかった。




授業も二年生のものへと変わり、多少の注目を受けつつ。私の新しい毎日が始まった。
夏休みからコンタクトを取り続けていたマージーンさんももう7年生。めちゃくちゃ疲れるテストことN.E.W.Tが待っているため勉強三昧の日々を送っているそうだ。週2で行われるクィディッチの練習が心のオアシスらしい。
レイブンクローは秀才が多く、上位をキープするのは難しいらしい。それでも首席を取ろうとしているマージーンさんはすごい。
実際も順位は上位5位の中に入っているというからますます尊敬する。
去年こそ食事の時間を犠牲にしてまで勉強して4位だったけど、今年はどうなるかわからない。
今年の最後には選択科目の選択も待っているから迂闊に勉強しないままではいけない。
授業の予習をしっかりしておかないと!
そう思いながら一人私は湖に来ていた。
理由はなんとなく。
暇だし三人は今日返却日の本を返していなかったり、先生にズルズルと引かれて補習に行ったり(ちなみに補習内容は飛行術だ。この時点で誰かわかるかもしれない。)、エレンとスタイアンにちょっかいかけられたりと見事に予定がかみ合わなくなったためだ。
セブルスとリリーに会うときや、エレンとスタイアンと一緒にピクニックしたり、何かとここにはお世話になっている。
一息つこうかな、と思い座っているのだ。
「ふぅ、ふふっ、ここも久しぶりだな。」
この森の澄み渡る空気とゆらゆらと揺れる輝く湖面を見るのが私は好きだった。
たまにこの湖には水中人とか大きなイカがいる、なんて噂を聞いたりしたが、それを感じさせないくらいここは美しい。
風に葉が揺られる音を聴くと心が安らぐ。
だからーー

「あなたですよね、レイニウム・アンジョーナさん?」

「え?」

あなたを 第2章 3話 ハリーポッター 親世代 ( No.19 )
日時: 2022/10/26 23:08
名前: やまら(綾織) (ID: HSijQ0Up)




「あなたですよね、レイニウム・アンジョーナさん?」

「え?」
そこに立っていたのは
「ブラックくん?」
シリウス・ブラックの弟、レギュラス・ブラックだった。
「レギュラスで良いですよ。」
「え、あ、じゃあレギュラスくん。」
「レギュラス!」
「え、レギュラ、え、ええ…。」
あいつと似ている顔でせがまれているので少し気後れしてしまう。
「分かりました。でもいつか呼んでくださいね。」
「あ、う、うん。」
やってしまった。肯定してしまった。
みるみる雲が晴れたように明るくなっていく表情を見ていたらそんなことどうでもよくなった。
てかレギュラスくん可愛いな。
「いつもこんなところにいるんですか?」
「いつもじゃないけどね。たまにふらーっときたりするかな。」
「そうなんですね。」
「レギュラスくんはなんでここに?」
「たまにふらーっと来るんですよ。」
くすくす笑いながらレギュラスくんは言った。
「もう!揶揄わないでよ!」
「失礼しました。でも本当ですよ?たまにここに無性に来たくなってしまって。」
「わかるかもー!」
「っていうのは建前でして。」
心の中で私はずっこけた。
「ええ…ジョ、ジョーク好きだったりするの?」
「ほどほどです。」
なんだか遊ばれている気がして私は下を向いて頬を赤くした。年下に遊ばれてるなんて…。なんか恥ずかしい。
流石あいつの弟。

「あなたに聞きたいことがあって。」
「私に聞きたいこと?」
「はい。」
あまり会話をしたこともないのに聞きたいことなんてあったかな?
そう思いながら彼の言葉を待つ。
彼の顔はさっきの笑みを浮かべる顔とは違い、真剣だった。
「なんで『好きに生きろ』なんて言ったんですか?」
「え?」
そんな事いつーーー


《まあ、あなたの人生じゃない。好きに生きてよ。親にあーだこーだ言われても気にしない!気にした方が負け!どっしりかまえてろっ!》


あ。
「え、あの、ダイアゴン横丁のこと?」
レギュラスくんは無言で頷いた。
少し間が経ち彼は静かに口を開いた。
「僕はブラック家なのはご存知のはずなのに。ただその言葉を飲み込むのに精一杯で。
そうだな、って肯定したくて。
けどあの時は衝撃で声が出なくて。
そんな考え方をしている人なんて見た事なくて。
只々、頑張れと言ってくるような人間しか、僕は知らなかった。」
赤裸々に思いを吐露する彼は俯いていた。
「そんな事言ってくれる人、兄さんくらいしかいなかったから。」



「ぇ、」


そんなことを言える人間だったのか。
初めて知った。
シリウス・ブラックについて私は何も知らない。
それより、

知ろうとしなかった。

そんな一面があるなんて。
人を思える心があるなんて。
優しく言葉をかけれるなんて。

知ろうともしなかった。

「そっ、そっか。」
しばらく間が空いてやっと口に出せたのはそれだけだった。

しばらく思い沈黙が流れる。

その沈黙を破ったのは私の方だった。
「あなたは、何になりたい?」
「え?」
「あなたは、いや、あなたの夢は何?」
「どうゆう、こと、ですか?」
「なんでも良いの。宇宙に行ってみたーい、とか、先生になりたーいとか。将来の夢でも良いし、願望でも良いし、なんでも良い。なんでも良いの。だから、あなたの夢を教えて?」
「な、なんで?聞いても叶うわけがないし、きっとあなただって否定してしまう。」
「夢を否定するのやめたら?」
「え、」
「叶うわけないとか、否定するとか、どうでも良いから。客観的な要素なんて捨てて。切り捨てて。」
「な、」
「自分自身を否定したり他者の意見になんて耳を傾けないで。」
「!!!」
「自分自身がどうなりたいのかを聞いて。心に聞いてよ、訊いてよ。」
「え、レイニウムせんぱ、」
「聴いてよ、聴かせてよ、」
「っ、」
「君の、レギュラス・アークタルス・ブラックの夢をきかせてよ、」
「僕は、…りたい。」

「ぼくの、ゆめは、

Re: あなたを 第2章 絶賛連載中! ハリーポッター 親世代 ( No.20 )
日時: 2024/07/20 13:24
名前: やまら (ID: HSijQ0Up)

こんちは。マジでお久しぶりです。二年くらい投稿してなくてしたに埋もれてしまっていたのでとりま上にあげときます。

Re: あなたを 第2章 絶賛連載中! ハリーポッター 親世代 ( No.21 )
日時: 2025/03/22 09:59
名前: やまら (ID: HSijQ0Up)

低浮上なので上にあげときます

Re: あなたを 第2章 絶賛連載中! ハリーポッター 親世代 ( No.22 )
日時: 2025/03/22 10:05
名前: 謎の女剣士 ◆7W9NT64xD6 (ID: b.1Ikr33)

初めましてですね。
ハリポタは知ってます、初期のみ映画館で吹替を見てました。
それ以外は字幕で……、まさにハリポタの世界観その物ですね。
今後どうなるか、凄く楽しみです。
実は私もダイ大は見てました、21年版ですけど。

しかし、そのダイ大は魔界か天界……どちらに行くんですかね。
それでは、また来ます。


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