【〜秋の夜長に〜SS小説大会にご参加いかがですか?】■結果発表!(2015.12.06 副管理人1更新)>>58 【SS】忘れない愛 ルカさんが31票で1位となりました!ルカさん、おめでとうございます〜!今回は試験的な開催で申し訳ないです。次回までに表示項目などの各種修正改善を進めていきます。今回ご参加くださった皆様、誠にありがとうございます!投票してくださった皆様にも深く御礼申し上げます!次回SS春大会にもふるってご参加ください。****************************【日程に一部変更あり】■【変更前】 第11回(2015年11月1日(日)0:00〜11月30日(月)23:59)■【変更後】 第11回(2015年11月1日(日)0:00〜12月5日(土)23:59)※実際には12月5日24:59ごろまで表示されることがあります※小説カキコ全体としては初回のため仮的な開催です※ルールは随時修正追加予定です※風死様によるスレッド「SS大会」を継続した企画となりますので、回数は第11回からとしましたhttp://www.kakiko.info/bbs_talk/read.cgi?mode=view&no=10058&word=%e9%a2%a8**************************【第11回 SS小説大会 参加ルール】■目的基本的には平日限定の企画です(投稿は休日に行ってもOKです)夏・冬の小説本大会の合間の息抜きイベントとしてご利用ください■投稿場所毎大会ごとに新スレッドを管理者が作成し、ご参加者方皆で共有使用していきます(※未定)新スレッドは管理者がご用意しますので、ご利用者様方で作成する必要はありません■投票方法スレッド内の各レス(子記事)に投票用ボタンがありますのでそちらをクリックして押していただければOKです⇒投票回数に特に制限は設けませんが、明らかに不当な投票行為があった場合にはカウント無効とし除外します■投稿文字数100文字以上〜1万字まで((スペース含む)1記事約4000文字上限×3記事以内)⇒この規定外になりそうな場合はご相談ください(この掲示板内「SS大会専用・連絡相談用スレッド」にて)■投稿ジャンルSS小説、詩、散文、いずれでもOKです。ノンジャンル。お題は当面ありません⇒禁止ジャンルR18系、(一般サイトとして通常許容できないレベルの)具体的な暴力グロ描写、実在人物・法人等を題材にしたもの、二次小説■投稿ニックネーム、作品数1大会中に10を超える、ほぼ差異のない投稿は禁止です。これらは無効投稿とみなし作者様に予告なく管理者削除することがありますニックネームの複数使用は荒らし目的等悪意のない限り自由です■発表等 ※変更あり【変更前】2015年12月1日(火)12:00(予定) ↓【変更後】2015年12月6日(日)12:00(決定)■賞品等当面ありません…申し訳ないです■その他ご不明な点はこの掲示板内「SS大会専用・連絡相談用スレッド」までお問い合わせください**************************★第11回 小説カキコSS大会投稿作品 一覧(敬称略)>>1 【詩】雨、というその日に。 miNoRi>>2 【SS小説】飛べない小鳥 冬野悠乃 ◆P8WiDJ.XsE>>3 【SS小説】お別れ 奏音>>4 【詩】君にまた会える日を、僕はずっと待ち続けよう。 瀬ノ島 凛音>>5 【SS小説】輝夜姫は夜の闇に消える はみう(゜ω゜*)三>>6 【SS小説】『メトロノーム』 全州明 ◆6um78NSKpg>>7 【SS小説】rainy/melody 悠真>>8 【SS小説】その日は来ない、永遠に。 てるてる522 ◆9dE6w2yW3o>>10 【SS小説】君へ。 のれり>>11 【詩】Memorialdays 零>>12 【SS小説】無彩色と白。 とある>>14 【SS小説】螺旋 ろろ>>15-16 【SS小説】鶴は恩を仇で返す 瑚雲 ◆6leuycUnLw>>17 【SS小説】笑顔で言おう。「おめでとう」 クッキーコロッケ>>18 【SS小説】僕とシチューとタコの煮物(仮題) 表裏 ◆w2Agp5Gh4I>>20 【SS小説】大好きな幼馴染 杏莉>>21 【SS小説】宇宙より愛を込めて。 故草@。 ◆vna4a5IClM>>22 【SS小説】囚われた人間。考え。重い思い。 Coronate(コロネ)>>23 【SS小説】主人公『A』のお話 HVC−012>>24 【SS小説】茜色の雫が滲んで、 Garnet>>25 【SS小説】青い部屋に 紺子>>26 【SS小説】ありがとうの言葉。 ルナ>>27 【SS小説】約束 彩>>28 【詩】思いを伝えられたなら モンブラン博士>>29 【SS小説】オレ氏とワイセツ物とヒバリ様。 名無したろう>>30 【詩】存在透明人間 恋恋>>31 【SS小説】君と出逢えて 宗治狼 ◆r2L9GXvgnc>>32 【詩】花言葉に想いをのせて あると ◆9cjbSd9YrQ>>33 【詩】他力本願 さくら餅>>34 【詩】大好きなキミへ、ボクから送る最後の言葉 もな>>35 【詩】大切なきみへ そら>>36 【SS】二人は確かに愛し合った 希都>>37 【詩】幸せを願う証拠 希柳>>38 【散文】満月の上のマンサルド 翌檜 >>39 【SS】君の心は止まったまんま。 ふぁんぷ。>>40 【SS】バカが二人で大馬鹿三昧 (夢大好き丸)※名前部分削除>>41 【SS】秘密のキスはシーツの下で 妖狐>>42 【SS】例のアレ Gilochin>>43 【SS】ちょっと変わった恋 ー始まりー cinnamon>>44 【SS】僕の嫌いな、僕の話し。 蝉時雨>>45 【SS】アストロノーツは地に墜ちる 浅葱 游 ◆jRIrZoOLik>>46 【SS】手をつないで、空を見上げて 雛>>47 【SS】離れていくあなたへ贈るサヨナラ 妖眼美>>48 【SS】私は生きる 〜主治医との約束〜 水紀>>49 【SS】「明日の彼方」 とりけらとぷす>>50 【SS】夢を拾ってみました。 榛都>>52 【SS】空への手紙 シャノン>>53 【SS】ごぼう リアン>>54 【SS】夕暮れに伝えたい ミソノ>>55 【詩】Endless World 夏目 織 ◆wXeoWvpbbM>>56 【SS】歪んだ恋心。 蚯蚓と書いてミミズです(笑)>>57 【SS】あの空をもう一度 彩都>>58 【SS】忘れない愛 ルカ>>59 【SS】二人の隼人〜ひっこし〜 金愚>>60 【SS】わたしの取扱説明書 電卓>>61 【SS】彼氏は幼なじみ☆ 桜ルカ<ここで投稿を締め切ります 2015.12.01>(除外)>>19 【SS小説】マリオ小説 HVC−012 (←申し訳ないです。二次小説は無効です…。)(2015.12.06更新)※管理者が作品一覧を更新しています(1〜2日に1回確認)※第11回大会は終了しました。積極的にご投稿下さりありがとうございます!次回大会をお楽しみに☆
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おもりをてっぺんにやり、ネジを緩(ゆる)めて弾くとき、リズムとともにそれは生まれる。 彼が始めて見たものは、長い長い木の廊下。彼は四足(よつあし)歩きでのんびり進む。 初めの速度は遅く、おもりが落ちるのもまた、蝸牛(かたつむり)のごとし。 彼がその端に辿り着くころ、そっちじゃないよと声がする。こっちにおいでとこだまする。 振り向けば、廊下の向こうに誰かいる。四足歩きで急いで向かう。 長い長い廊下の終わりに立つ人影は、実の母親であった。母親は、優しい優しい声で言う。 よくできました。 彼はにわかに嬉しくなって、元の位置へと引き返す。 母の元まで向かうたび、何度も何度も褒められるから、それがあんまり嬉しくて、何度も何度も繰り返す。長い廊下を行ったり来たり、チクタクチクタク繰り返す。 しだいにおもりはずり落ちて、テンポは自然と速くなる。 四足歩きも速くなる。気付けば足は、二本になって、気付けば場所は、道路になって。 家と学校を行ったり来たり。チクタクチクタク繰り返す。 土日に休む、暇はない。寝ても覚めても勉強ばかり。 よくできました≠ェ聞きたくて、毎日毎日繰り返す。 毎日毎日勉強ばかり。チクタクチクタク繰り返す。 彼はどんどん大きくなって、テンポはしだいに速くなる。 気付けば大人になって、母はお墓になっていて。それでも彼は、繰り返す。 自宅と会社を行ったり来たり。チクタクチクタク忙(せわ)しない。 よくできましたが恋しくて。よくできましたが嬉しくて。 けれども中々言われない。よくできましたと言われない。 皆が皆、チクタクチクタク繰り返すから、それ以上じゃなきゃ言われない。 おもりはどんどんずり落ちて、テンポはますます速くなる。 彼もますます速くなる。チクタクチクタク速くなり、それでもチクタク繰り返す。 どこか遠くで声がする。優しい優しい声がする。 おもりはとうとう落ち切って、テンポはとうとう立ち止まる。 繰り返して来た人生で、彼は一度も休まなかった。彼は一度も止まらなかった。 遠のいていく意識の中で、たった一人の拍手喝采が起き、優しい優しい声がする。「よくできました」
じゃあねまたあしたばいばい・・・〜・〜・〜・〜・〜・〜雨は、好きだ。空からの雫が奏でる、メロディ。それに重なる、色とりどりの、音。透明な水の玉が、世界を洗い流していく。透き通ったカーテンを引かれた景色は、いつもより、ずっときれいに見える。す、と一筋の光がさす。メロディはだんだん小さくなっていく。世界に色が、広がる。世界の音が、見える。メロディはとまらない。世界中のたくさんの色を奏でながら・・・
『好き』なんてコトバじゃ足りなくて『愛してる』なんてコトバじゃ重すぎて『大好き』なんてコトバも、なんだか違う気がして。ああでもない、こうでもないと考えてるうちに、何故か時間だけがどんどん過ぎるの。私を置いて。君に言えたら、どんなに楽かな?君に伝えられたら、どんなに苦しくないだろう。『好きだよ』って。『愛してるよ』って。『大好き』。なんて言葉を並べて、無理矢理にでも気持ちを伝えたら……君は、少しは私を気にしてくれるようになるかな?意識してくれるようになるかな?君の笑顔を見るたびに、嬉しくなって君のことを想うたびに、苦しくなって君に話しかけられるたびに、舞い上がって君をただ見つめるたびに、虚しくなるいつか、君に伝えるよ私の、君への想いのすべてを。だから、待っていてください。どうか_____…。
有難う御免なさい遅過ぎた言葉。街から隔絶された様な土砂降りの中。目の前で力尽きた彼の前で零れた言葉。ずっと護ってくれたのにね何時だって傍に居た喜怒哀楽を共にして一緒に生きてずっと一緒だって誓ったでしょ?其の言葉は私の口から出て来ない。彼が逝ったのは私のせいだって解ってるから。笑ってる私が好きだって彼は伝えてくれたけど如何しても笑えないよ彼が何事も無かったかの様に起きてくれたらどんなに良かっただろう。またあの毎日が繰り返せたらどんなに嬉しかっただろう。もっと早く此の日常が幸せなんだって気づけたらどんなに良かったのだろう?泣いて哭いて泣いて、濡れるアスファルトに同化した私は、戯言に本気で縋って居た。身体の感覚さえ如何でも良くなった。倒れた彼を抱き締めて只慟哭する私は、最後の感触を確かめて居た。長い体にふわふわの茶色い毛。少し垂れた愛らしい耳に、二度と開く事の無い瞳。私は、人生を共に歩んで来た―遂に力尽きた愛犬を抱いて居た。有難う御免なさい私が好きだって何時も励ましてくれて冷え切った私の心を癒してくれてどれだけの感謝を、私は言いそびれて来たのだろうもう遅いんだってもう届かないんだって今更愛しい手を握り締めて聞こえてるって狂った様に聞いたって泣き叫びながら現実を目の当たりにしたって変わらないんだって解ってるんだよ認めたく無いだけで今は只何よりも愛しくて大事な貴方を抱きながら紡いだ思い出に浸って泣き崩れる事を許してね最高の笑顔で笑ってみせた頬を伝う涙等気にしない侭
―――…君に出会うまで、僕の世界は嘘だらけだった。自分に背を向けて、人を欺いて、気づけば”自分”がなんなのか全くわからなくなって僕は救いようのない暗闇をずっと彷徨っていた。少し、希望を持っていた目はまるで蝕まれるかのように黒に染まって行って―――。そんな時、君と出会ったんだ。君の第一印象は、”白”何でだろうね、―――それはきっと僕が醜い黒色だったからかもしれない。君と出会ってから僕の世界には色が戻り始めてきた。楽しくて、楽しくて、いつまでもこの時間が続けばいいと思った。だけど別れは唐突であれは、君と出会って二度目の雪の振る日だった。待っても、待っても君は来なくて。僕は、また黒に蝕まれそうになった。でもね―――。”黒”に蝕まれそうになると君との思い出で僕の世界は色鮮やかに光る。春に見た桜。夏の海。秋の紅葉。冬の雪。どの思い出にも必ず―――君の笑顔が映っていて。――――君がいなくなってきた五度目の春。相変わらず僕は毎年ここに来るけど、君は来ない。ザァッ…温かい春風が吹く――――…春風の中には微かに、君の香りがした。
夢を見ていた。君を追いかける夢を、長い長い螺旋階段を君は上っていく。だから、僕も上っていく。 螺旋階段は終わりなんてなかった。ずっとずっと、延々に続いていた。君は体が弱いから僕は君にすぐ追い付く、けれど、追い付かない。 なぜなら、あともう少しというところでいつも夢が覚めてしまうから。 いつからだろう、こんな悲しい夢を見るようになったのは、いつからだろう、君を見るのがこんなにも辛くなったのは、いつからだろう、君はこうしてベットに身を置いて人間の作った医療機器に繋がれているのは、いつからだろう、君の声を聞けていないのは。 あの日、君は突然倒れた。なんも前触れもなく、いつものきれいな、太陽のような笑顔をしてたのに、君は倒れた。目を閉じた。いまは笑顔なんて言葉は君にはない。ずっと目を閉じて呼吸音だけならしている。 僕は猫の毛ように柔らかな君の髪を撫でる。ふわふわしている。君の雪のように白く、木の枝のように細い腕をとる。暖かかった。こんなに白いのに、君の手は僕よりも暖かいんだね。 不思議だ。 なんでこんなに暖かい手をしているのに君はもう何年も目を閉じているのだろう。君はこんなにも近くにいるのに、遠くにいるように感じるのだろう。 頬に暖かい線が通る。しかし、暖かい線は、冷たくなっていく。冷たくなって、また、暖かい線に塗り替えられていく。繰り返していく。「僕は、もっと君の声が聞きたいんだよ、何か答えろよ、悲しくなるだろ」 そう僕が言っても君は目を覚まさない。大抵の物語は、この台詞をはいたらほぼほぼ目が覚める。けど、君は目を覚まさない。冷たく、瞳を閉じている。 僕は微笑む。自分の言った言葉を思い返して微笑む。何度あの言葉を口にしただろう。毎日毎日この真っ白い部屋に来て、君の手をとって。「この白い部屋には窓がないから外の話はできないね」 そう、無意識に僕はその言葉を口にした。「そんなことはないよ」 誰かの声が聞こえた。とても暖かい声で、懐かしい声。その声は続ける。「そんなことはないよ、たとえ視界に外の世界が見えなくとも、君は私の思出話はできるよ」 声は僕がとっている細い腕のほうから聞こえた。僕は慌てて下を見る。するとその声の主は、君は、目を閉じていた。しかし冷たく、ではない。笑っていた。とても幸せそうに。暖かく笑っていた。 けれど、その反対に君の手は、さっきよりも冷たくなっていた。
『晴樹くーん!あのね、私、告白成功しちゃった!』その言葉に僕は衝撃を受けた。僕は同級生の桃山さんに恋をした。初恋だった。いつも元気で明るくて、丸で僕とは大違い。なのに、話しかけてきてくれて、とても嬉しかった。でも…。「はぁ…。どんな顔をすれば…」桃山さんの笑顔、いつもより、キラキラしてた…。「晴樹くんっ!」「わ!も、桃山さん!?」「ごめん、驚かせちゃって…!こんなところで、どうしたの?」「…」僕は、どんな言葉を言えば分からなかった。ただ、君に今、会いたくない気持ちで、いっぱいだった。「あ、晴樹くん。お悩みがあるそうだね…!」「どうして分かったんですか?」「晴樹くんは悩みがあると、黙っちゃうでしょ?」「…当たってます」「やっぱり!…だからさ、言って。私も一緒に考えるから」ニコッああ…僕はこの笑顔が好きだ。怒ってる顔より、照れている顔より、笑っている君が好きだ。だから、僕も笑って言おう。「桃山さん」君におめでとうと…。「お付き合い、おめでとうございます」僕は、いつまでも…桃山さんが、その先輩の隣にずっといられるよう…祈っています。本当に…おめでとうございます_____________
僕は目を覚ました。一面にただ真っ白な世界が広がっている。一体、此処は何処だ?じんじん痛む頭に鉛の様に疲労している肉体。ふっと再び夢の世界へ落ちて行ってしまいたいと意識が告げている。「やあ。いまお目覚め?」 声の方を振り返ると長身の、きっと同年代位であろう青年が立っていた。白いボディスーツの様なものを着ている。白い世界にポツリと彼の紫色の短い髪の毛が靡いている。「……おい、お前。此処は一体何処だ。俺は誰だ?」 低い声が僕の口から出てきた。その声に自分でも少し驚く。青年は翡翠色の瞳を大きく開き僕の顔を驚いたようにしばらく見てからくすくすと笑った。「此処が何処か、君が誰か何て、そんなに大事なの?」 今度は僕が驚く番だった。青年は不思議そうに首を傾げている。「何でって、そりゃあそうだろう。……例えば、俺が人間である事。お前が人間である事。もし此の二つが違うとするなら……?それは、とても……悍ましい事なんだ」 青年の俯いて顔にかかった紫の髪が小さくぶるりと震える。そう言った僕もぶるりと震えた。「でも、たとえ僕や君が人間で無かったとしても僕も君も生きている……其れだけじゃダメなのかい?」 青年が何事もなったように続ける。僕はその問いに大きく首を振った。「だって、異種族は野蛮なのさ。俺達が、そう、俺達が正しい方に導かねば……!」 グッと拳を握り締めるがお腹からぐぅ……と言う何とも気の抜けた音がしてカッコよさが半減、いや其れを通り越してマイナス化した気がする。顔が熱くなるのを感じて俯くとすぐ傍から楽しそうな笑い声がした。「丁度、僕もお腹が空いていたんだ。……僕が作ったご飯だから自信は無いんだけどね」 そう言う優しい声に、僕は慌てて上を向いた。ほかほかとした湯気が立つお盆をいつの間にか彼は持っていて、僕は思わず拝んだ。「そ、そうか。まあ、食ってやらん事も無いな」 拝んだ姿のままそう言うと渡されたお盆を受け取った。嬉々としてお盆を見ると、其処には青い液体に沈んだタコの足のような煮物がどっしりと鎮座していた。むわっと何処か嗅いだことも無いような何とも形容しがたい匂いがする。お腹を空いている事も忘れて隣を見ると料理は苦手で……と申し訳なさそうな顔をしていた。 ご飯の恨みは怖いのだ。僕は取り敢えずその腹に鉄拳を入れた。「イタッ何するのさ!」 お腹を押さえて蹲る青年を見下ろしながら思った。ふっ。青年よ。これが社会の理不尽だ。此れでまた一つ大人になったな。……まあ、同い年位だけど。「酷いよ……僕、料理が苦手なのに……そんな事するなら自分で作ってよ……」そう言う青年に少し申し訳なさを感じる。すまん、すまん。つい、ショックでな。そう伝えてからふと青年の言葉に引っ掛かる物を感じた。「え?此処で、料理出来るのか……?」すると青年は埃を払い立ち上がると得意げに笑んだ。紫の髪がさらりと舞う。「出来るよ。君が望めば」 まずは、君の欲しい調理道具を目を瞑ってイメージしてみて。と続けられた言葉に、首を傾げながらもイメージする。そうだな……コンロにしよう。大体の料理は火が無いと出来ないからな。後、雑菌とか危ないし!換気扇とかも付けよう。最近主流のIHじゃ無くてガスにしよう。そう思い描いていると隣から不意に話しかけられた。「おお……。出来たみたいだよ」 そう言われて目を開けると何かが物足りないガスコンロが出来ていた。ん?これ、グリルが無い。あ、しまった!グリルを付け忘れていた。再び目を瞑ろうとした視界の端に苦笑する青年が映った。グリル料理はなぁ、美味しいんだよ!僕は心の中でそう叫んでから再びガスコンロを完成させ、他の器具も完成させた。 後は食材だが、これも出てくるのだろうか。思い描いてみたら目の前に新鮮な食材が溢れていた。「凄いな。まるで夢みたいだ!」そう叫びながら慣れた手つきで料理を作る。皆食べるだろうから多めに作ろう。そう思いながらシチューを作った。「ほーら、美味しそうだろ?」青年は苦笑している。如何やら僕のシチューがあまりにも美味しそうで委縮してしまったらしい。其れもそうだ。グリルで一度お肉を焼いているのだからな。其の儘僕と青年は食卓を囲んだ。申し訳なかったのか彼は僕の料理を2回ほど口に運んで其の儘自分の料理だけを食べ始めた。 人間、何にもする事が無いと色々考えてしまうモノである。「相変わらず、今日も平和だな……」 宙に浮いたグミキャンディをもぐもぐと食べながら青年を振り返って見る。彼は何やら古めかしい一枚の紙切れを見つめていた。「ちょっと見せろよ」 覗き込もうとした時彼は苦笑した。覗き込んでから僕は後悔した。今、一人ぼっちで居る青年には考えも付かない様な家族がそこに居た。小さな彼と、彼の手を繋ぐ両親。今の彼はもう俯いてしまって表情が見え無かった。「お前さ、見せるの嫌だったら嫌って言えよな。僕達は、白い世界に住むたった二人の人類で、友達なんだからな」 友達と言う言葉を言うのは何時ぶりだろう。何時も良い思い出が無いけれど、そう形容したくて。照れ臭く感じて僕は其の儘そっぽを向いた。そんな生活が何日か続いたある日だった。彼が紫の液体をまき散らしながらこの部屋に来たのは。「……君の、星が攻めてきた」彼は肩で息をしていてとても苦しそうだった。「どういう……」ブツン。途端に僕は全て思い出した。いつの間にか頭に付いていたヘルメットの様なものが落下する。白い部屋はコンクリート様な重い灰色の冷たい部屋になっていた。いや、元からそうであったのが正しかったように、酷く無機質であった。とおくで、爆発音とどこか懐かしい無い形容しがたい何かの香りがする。 俺は僕の脳が命じるままに銃を思い描き作り上げると青年に銃を突きつけた。青年の紫色の頭に押し付けた銃が何度も消えては構成するを繰り返している。彼は手負いのためか抵抗らしい抵抗を見せなかった。「俺は、第3次宇宙大戦にこの星を地球の傘下に入れるためにやって来た。地球出身の者である。異星人よ、何故俺を生かした。何が目的だ!」 異星人はその翡翠の様な無機質な瞳でじっと僕の顔を見つめていた。「僕の星は地球に住む種が持つ感情と言うエネルギーを研究している……君はその被検体だ、よ」足音がする。部下の、俺の名を呼ぶ声がする。きっと助けに来たのだろう。急がなくては。「お前の種族は感情を持たない、非道な種族だと聞いた……その様子じゃ、そうなんだな……」 早い所始末を付けなければいけないのに、手が震えて引き金を引く力すら入らない。「……そうだよ。全ては僕の星のためさ」強い目が僕を射抜いた。「うううああああああああああ!!!」……夢なら良かったのに。彼の口元が薄く笑んでいるのをみて僕は結局あのタコの煮物を食べれなかったことを悔やんでいた。2015/11/08 加筆修正
マリオの小説 1〜〜〜朝8時〜〜〜マリオ「おはよう!ルイージ、朝になったから起きろ!」ルイージ「う〜ん、眠いよ・・・。」マリオ達は、いつも通りに朝8時に起きて、朝食を食べた。ヨッシー「今日は、ピーチ姫に会いに行くんでしょ?楽しみだね〜。」ワリオ「いつもみたいに、クッパにさらわれたりして。」キノピオ「嫌なこと言わないでくださいよっ!」皆は会話をしながら朝食を食べた。__________5分後、皆は朝食を食べ終わって、ピーチ姫に会いに家を出た。キノピコ「ピーチ姫、元気にしてるかな?」クリボー「ケーキが食えるぜ♪」ドンキーコング「・・・って、お前はそれが目的かいっ!」皆は会話をし続けて10分がたち、ピーチ姫の家までたどりついた。するとピーチ姫の家の中から、話し声が聞こえた。ピーチ姫「きゃーーっ、誰か助けて〜〜〜っ!」その話し声とは、ピーチ姫が助けを求めている声だった。ワルイージ「ピーチ姫が助けを求めているぞ!」マリオ「ピーチ姫、今行きますからね!」ルイージ「扉を開けるよ!せーの.......。」ガチャッ(扉を開ける音)ルイージが扉を開けた先には.........?次回につづく。
「ねぇねぇ、私、結婚するの!」「そうなんだ…」ある日、大好きな幼馴染に言われた、衝撃な話だった。俺は、以前から、いや、幼稚園のころから好きだった。告白しようとしても、届かず…。俺が、諦めようとしたある日、このことを言われた。俺は、「告白すれば、良かったな」と、ポツリとつぶやいた。ああ、今更、後悔しても遅い。大好きな幼馴染に言えることは、これしかない、「おめでとう。良かったな」しか…。でも、幼馴染だから、たまには来てくれるよな…。声だけでもいいから…。