どうぶつの森戦争小説『大和村の住民たち』 作者/スターマンの息子

第二話『奪われた自由』(前編)
大和村南部に広がる大海原を一隻の船が不気味に漂っていた。その船の中で船長らしき人物と副船長らしき人物が話をしていた。
船長「あの陸地がうわさの獣人どもの住む国『どうぶつの森連邦』か・・・」
副船長「それにしても集落らしきものが見当たりませんね・・・・・」
船長「なにせここは『どうぶつの森連邦』の南のはずれに位置する場所だからな、村も少ないだろう・・・」
副船長「この辺にある村といえば・・・大和村ぐらいですからね・・・・」
船長「その大和村を探しているんだ・・・」
12月20日 午前2時23分。大和村の住人たちが深い眠りにつく時間帯に一人の男がだるそうに目覚めた。
男「さ、寒い・・・・冬眠しそうだ・・・」
彼の名は、いやコードネームはフル・メタル・ジャケット、略してフルメタル。元外国人部隊出身の彼は45歳のベテラン傭兵として働いている。ちなみに彼の本名を知るものは少ない。戦いの疲れを癒すため数週間前に引っ越してきたばかりなので住民たちとの交流はほとんどなく彼を知らない人さえいる。
フルメタル「さ・・寒い・・ストーブ付けよ・・・」
外の気温は-3℃、元特殊部隊の彼もカエルであるため寒さには弱いようだ。
「シュボッ」
フルメタルはダルマストーブに火をつけた。
その行動が大和村の運命の歯車を一気に狂わせる事になるとも知らずに。
船員「!?一時の方角から煙が昇っています!」
船長「やっと見つけたぞ大和村!この寒さだからおそらく暖房の煙だろう」
副船長「さすが田舎。エアコンもないとはなんと原始的な・・」
船長「全速前進!煙を目指せ!」
船はスピードを上げ大和村へと向かった。
副船長「スペードマン船長。あんなみずぼらしい村に何の用があるんですか?」
船長の名はスペードマンと言うらしい。歳は50代半ば、まるで某鬼軍曹のようないかつい顔をしている。
スペードマン「ムスタングよ、お前は参謀だから分かるだろう。ここが我々にとってどれ都合のいい所か」
副隊長と思われた男、ムスタングはどうやら参謀のようだ。彼は30前のハンサムなおとこである。
スペードマン「この村はなこの世で唯一どんなに罪を犯してもいい所なんだ」
ムスタング「わかりました。キーワードは『平和ボケ』と『国のはずれ』ですね」
ムスタングは分かりきったかのように2つのキーワードを言った。
ムスタング「よろしい。お前には分かりきっているいるようだな」
船員「そろそろ上陸の準備をします」
スペードマン「よし、しっかりやれよ」
そのころ村では
フルメタル「やっと体が暖まってきたきたぜ」
フルメタルは仕事で使っていた軍用のコートに身を包み体を温めていた。
フルメタル「どうせだから戦闘服に着替えちまおうか(案外あったかいし)」
フルメタルはクローゼットを開けて中から戦闘服を出した。その時!!
「バガァァァァァァン!!」
遠くから銃声が響いた。
フルメタル「じゅ・・銃声・・!!」
フルメタルの聞いた銃声はショットガンでドアをこじ開けた音だった。そうである、不審船の乗組員はテロリストだったのである。
テロリスト「起きろー!!」
「バコッ!」
チーフ「がはっ!」
テロリストは寝ているチーフの腹にショットガンで殴った。
チーフ「な・・何しやがる・・・・」
テロリスト「ついて来い!今日からお前は捕虜だ!」
チーフ「何でだよ!」
テロリスト「鉛弾喰らいてーのか」
テロリストはチーフに銃を向けた。
チーフ「ちくしょう・・・・・」
テロリストたちは女性にも容赦はしなかった。
「ドドドドドドドド!!」
一人の男がAK47自動小銃でドアを破壊した。その男は参謀のエイブラムズだった。
エイブラムズ「たまには運動もいいな・・・」
エイブラムズは土足で家の中に入り込んだ。
ちとせ「こ・・・殺さないでください・・・」
ちとせが必死で命乞いをしていた。
ムスタング「このやせ雌鶴が!!」
「ゲシッ!!」
ちとせ「ああっ!!」
エイブラムズは土下座するちとせの細長い首を硬い革靴で蹴った。
ムスタング「お前、名前はなんだ」
ちとせ「ち・・ちとせ・・・」
ムスタング「ほぅ、ちとせか・・・。それにしてもいい首してるな」
「ガッ!」
エイブラムズはちとせの首をつかんだ。
ちとせ「い・・いたい!!やめ・・て・・・」
ムスタング「やめれないんだなー、オレこういうの趣味だからさー」
ムスタングはちとせの首をつかん家から引きずり出した。
村の住民たちは役場の前に連れて行かれた。
震電「誰だよこいつらー」
ピース「しらねーよ」
ちとせ「グスン・・・グスン・・・」
ちとせは痛そうに首を押さえて泣いていた。ちとせの首もとからは血が流れていた。
「誰がこんなことを・・・・・・・・・ひどすぎる」
そのとき役場から誰かが出てきた」
女性「ナニスンノヨ、コノスケベヤロー」
片言の日本語をしゃべるアメリカ風のタカのような姿をした女性が出てきた。彼女の名はレイチェル23歳。役場で働いているおてんば娘だ。
レイチェル「キャサリーン、マヂウザクナーイ」
キャサリン「ソンナコトイッテルト、GUNデウタレルワヨ」
彼女はレイチェルの姉、キャサリン28歳。タカとはいえスーパーモデルのようなナイスバディの持ち主でけっこう下ネタ好きだ。
テロリストA「このタカ、メスですよね」
テロリストB「ああ、これだけの巨乳だからな」
レイチェル「ドコミテンノヨ!コノスケベヤロー!」
テロリストA「だまれ!」
「ドドド!!」
テロリストは威嚇射撃をした。
レイチェル「ス・・スンマシェーン」
テロリストB「お前の平坦な胸じゃねーよ」
テロリストA「わかったか!!お前たちが我々少しでも抵抗したら」
「ガチャッ」
テロリストB「蜂の巣だ」
テロリストは住民たちに銃口を向けた。
「ざわざわ・・・」
住民たちははじめてみる銃に恐怖を隠せなかった。
老人「や・・やめろ・・・」
頭に拳銃を突きつけられた老人が出てきた。彼が大和村の村長エビゾウだ。ちなみに年齢は74歳と大和村最年長だ。
スペードマン「これはこれは村長さん」
村長「お前がかしらか」
スペードマン「ワシはこの「ヘルファイアー海賊団」の団長スペードマンだ」
村長「海賊!?」
スペードマン「テロリストと言ったほうがなじみがあるかもしれんな」
村長「こんな貧しい村に何のようじゃ!!」
スペードマン「土地と・・・あと仲間が欲しいんだ・・・・奴隷のように働いてくれる・・・・」
村長「な・・なにぃーーー!!」

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