どうぶつの森戦争小説『大和村の住民たち』 作者/スターマンの息子

第二話『奪われた自由』(後編)



村長「ど、奴隷になれじゃと!?」
 
さくらじま「なっ・・・」
 
「ガチャ!」
 
 テロリストたちはさくらじまに銃口を向けた。 
 
スペードマン「仲間になってくれるよ・・・・な!」
 
ララミー「わたし・・・・恐い・・・」 
 
ピース「心配するなおいらがついてるからな」
 
村長「そんなことして許されると思っているのか!」
 
スペードマン「ああ、許されるとも。エイブラムズ、説明してやれ」
 
エイブラムズ「『どうぶつの森連邦』のはずれにあるこの村の南は海、それ以外の方角は険しい山々で囲まれている。そのため人の出入りが極端に少ない。
 しかも、『どうぶつの森連邦』には軍隊はおろか自衛隊すらない。」
 
村長「どういうことじゃ!」
 
スペードマン「簡単に説明しよう。お前たちは助けを呼べない。助けてくれるやつもいない。そういうことだ!」
 
村長「そ・・そういうことか・・・」 
 
 『どうぶつの森連邦』は武器を持たない国として有名な国である。なぜならこの国では大きな事件や戦争(テロ戦争も)がおきたことが一度もなく平和すぎて武装する必要がないのだ。(つまり今回の事件はこの国始まって以来の大事件と言うことになる)このくには取り締まる者のいない、ある意味無法地帯とも言える。
 
スペードマン「ひとつ言っておくが電話線をきっておいたからな、お前たちが外の世界と連絡を取れないように。携帯も圏外だ。これでお前たちはこの地上の孤島で一生わらわれの為に働けるな!」
 
エイブラムズ「わかったらあの無駄にそびえ立ような家で早く寝ろ」 
 
 スペードマンは震電の家を指差した。震電の家は村の中でもひときわ大きい家だ。
 
男性「せめて、自宅で寝かせてくれぃ」
 
 彼の名は金吉、38歳。村でただひとつの商店金村商店の精悍な体つきの狸の店長だ。ちなみに江戸っ子。
 
テロリスト「だめだ、ほかの民家は我々が使用する」
 
金吉「何だってぇ!?」
 
テロリスト「捕虜だから仕方ないんだよ・・・」
 
金吉「こいつ!やんのかぁ!?」
 
テロリスト「ああ」
 
「ガチャ!」
 
 テロリストは金吉に銃口を向けた。
 
金吉「クソッ!」 
 
エイブラムズ「ちとせ・・・今日からよろしくな」
 
 エイブラムズはちとせにウインクをした。
 
ちとせ「あ・・・ああ・・・・」
 
 ちとせは首に手を当て震えていた。 
 
震電「ちとせ!どうしたんだ!?」
 
ちとせ「い・・・いえ・・・」
 
スペードマン「そこの人間、お前だけ特別に我々の仲間にならないか?人間として特別に」
 
震電「いやなこった!」
 
スペードマン「せっかくのチャンスだというのに・・・」
 
 住民たちは震電家に連れて行かれた。 

スペードマン「ワシの堪だが・・・一人足りない気がする」
 
テロリスト「そういえば、あの家には誰もいませんでした」
 
 やや太めのテロリストはフルメタルの家を指差した。
 
スペードマン「もういちど見て来いレオナルド!!」
 
レオナルド「サーイエスサー!!」
 
 この二十代前半の太った男の名はレオナルドと言うらしい。
 
 レオナルドはフルメタルの家に向かった。


レオナルド「やっぱり誰もいないな」
 
 レオナルドは部屋の明かりをつけた。  
 フルメタルの家にあるものお言えばモデルガンやエアガン、トレーニング器具、大人向け雑誌ばかりで主人の姿はどこにも見当たらない。
 
レオナルド「なんかやけに物騒だな、この村に似合わず。ん!?」
 
 レオナルドは何かを見つけた。人間用のエロ本だ。
 
レオナルド「いいもんみーっけ」
 
 レオナルドはエロ本にくぎづけになった。
 
レオナルド「獣人でもこんなもん読むんだなー」
 
 その時!!
 
「バキッ!!」
 
レオナルド「ぐはっ!」
 
 フルメタルは特殊警棒でレオナルドを殴った。フルメタルはすでに戦闘服に着替えていた。
 
フルメタル「まさかこんなトラップに引っかかるとはな」
 
 フルメタルはレオナルドの腰のホルスターからサイドアームの拳銃を抜いた。
 
フルメタル「『ブローニングハイパワー』か確かここら辺に同機種のエアガンが・・・・」
 
 フルメタルはばれないように偽物とすり替えたのだ。
 
 そのころ・・・
 
スペードマン「遅い!いつまで待たせるんだ!!20分も待ったぞ」
 
エイブラムズ「船長どこへ!?」
 
スペードマン「レオナルドを連れ戻してくる」
 
 スペードマンはフルメタル宅へと向かった。
 
スペードマン「レ、レオナルド・・・!」
 
 レオナルドは鼻血を出して倒れていた。
 
スペードマン「レオナルド!何があった!?」
 
レオナルド「後ろから鈍器で・・・」
 
スペードマン「バ カモーーーーーン」
 
「バキッ!!」
 
レオナルド「ぐはっ!!」
 
 レオナルドはスペードマンの右フックを食らった。
 
スペードマン「何寝言を言っている!それは何だ!!」
 
 スペードマンはエロ本を指した。
 
スペードマン「どうせエロ本でも読んで興奮して気絶でもしたんだろう!!」
 
レオナルド「いいえ自分は確かに!」
 
スペードマン「うるさい!」
 
レオナルド「いてててて!!・・・・」
 
スペードマンはレオナルドの耳を引っ張り連れ出した。
 
スペードマン「この家の主は旅行中だろう。多分」
 
 そのころフルメタルは近くの茂みの中に隠れていた。手にレオナルドから盗んだ拳銃を握って。
 
フルメタル「どうやら大変なことになっちまったな・・・・・・・・・・・それにしても戦闘服に軍用ジャケットだけじゃ寒いな・・・(カイロとってこようか)」 
  
 
  
 謎のテロリストヘルファイアー海賊団によって占領されてしまった大和村。
 銃を向けられ自由を奪われてしまった住民たち。
 助けのこない地上の孤島。
 そして、唯一囚われなかった元特殊部隊の傭兵フル・メタル・ジャケット。
 彼らを待っているのは自由か!?それとも終りなき奴隷生活か!?