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■些細な嘘から始まった ■【遂に完結!】
作者: 碧  (総ページ数: 77ページ)
関連タグ: 殺人 複雑  
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とりあえず、窓から出ろと言われたので部屋に一つしかない窓から出た。だが、今さっき思い出したが……ここは、三階だった。二人に助けを求めようと考えたが、女の子はひゃっほう!と叫びながら笑っているし、男は無表情で落ちている。俺が慌てるのはなんかかっこ悪いので、無理やり落ちるコトにした。おー、怖え。
と思ってたら、もう地上だ。女の子は、華麗に着地したらしい、満足げに笑っている。男の方は、音も立てずに降りた。もう、すごすぎるな、超人としか思えない。そして、俺は……頑張って膝を曲げてぎりぎり無傷ってところかな。あー、なんかこんな感じのドラマをこの前とった気がするなぁ。
着地したとたん、男は肩にかけていたバックから小型のノートパソコンを出すと、なにかを打ち始めた。よく分からないが、メールって感じかな。めっちゃ、打つの早えぇ……どこのサラリーマンだよ。
「一応。俺の名前は拓だ。こいつは……」
「鈴だよー!キュートビューティな女の子だよー!」
拓と、鈴か。キュートビューティ……か、女優になれそうだな。そして、拓とやらは……なんともいえないな、意外とモテたりして。
俺がぼーっとしていると、鈴は俺の病院服を軽く引っ張りながら拓を見た。
「ああ、それはやばいな。新しいのを買うか」
拓は、財布をバックから取り出すと、三万円を取り出すと鈴に渡した。
多分、新しい服を買えと言うことだろう。
嫌だな、三万とか安っぽい……なんて考えている暇はなさそうだ。俺、人気だしね。病院からなんか騒いでる声が聞こえるからもうばれたっぽいし……早く、買おう。
三万円を鈴は振りながら、近くの店へ入って行った。そして、暫くするとTシャツと、紺のジーンズを買ってきた。
意外と、センス良いな。
俺は、そこらへんの茂みで、着替えることにした。恥ずかしいが、そんなこと言ってる暇じゃないしな。

なんだかんだで着替え終わると、鈴が俺の服を引っ張りながら歩く。俺、なんか目が見えない人みたいじゃないか。まだ、いーや。

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