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■些細な嘘から始まった ■【遂に完結!】
作者: 碧  (総ページ数: 77ページ)
関連タグ: 殺人 複雑  
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「こんにちはー!」
俺が突っ立っていた玄関のドアがいきなりあくと、どこかで聞いたことのある声がした。んー……どっかで、どっかで……
「あ!葵さんですかっ?」
作り笑顔で振り向くと、そこにいたのは……紛れもなく、霞であった。
「えっ……あ、こんにちは」
霞は、俺を申し訳なさそうに見て軽く会釈したあと、奥のさっき鈴がいった場所へかけていった。俺も、ひそりとついていく。中から話し声が聞こえた。
「ちょっと、鈴!話が違う」
「ちがくない!一斗くるっていったじゃん」
「そりゃ、そーだけど」
「なら、違ってない!」
俺は、ドアを開けてリビングらしいところに入る。すると、霞は硬直した。
「あ、どーも」
軽く会釈をする俺。なんか、他人行儀。
「あ、一斗ー。この子は、あ……」
その時、霞は思いっきり鈴の頬をビンタした。パチンッ!という音が部屋に響き渡る。
「一斗来てたんだね」
鈴を叩いた怖い表情のまま、俺に向かって言う。怖え、なんの撮影だよ、怖すぎるだろ。
「あ、あお……」
また、鈴が喋りかけて、霞にビンタされている。霞は、こんなに乱暴だっただろうか。
「なんで叩くの、あお……!」
ニコニコ笑ながら、霞に叩かれる鈴。うわぁ、鈴はMらしい。その時、俺の背中を蹴る者がいた。
「なっ、なんだ!?」
俺は後ろをまた振り向く。すると、怒気を振りまく微笑した男がいた。……拓だ。
「あぁ、すまん。間違えた」
俺に軽く謝り、鈴に一発蹴りをいれ、またスタスタと帰っていく拓。その顔はさっきと変わりはなかったが、オーラは普通に戻っていた。って、拓の観察より俺の背中!さっき痛かった!あんな軽い謝罪で終わりなのか!暴力反対!

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