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■些細な嘘から始まった ■【遂に完結!】
作者: 碧  (総ページ数: 77ページ)
関連タグ: 殺人 複雑  
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でも、あの言葉は気になる。「私、あの人嫌いだから、死んでも別に構わない」か。もしかしたら、霞となにかゴタゴタがあったのかもしれないな。
そんなことを考えていると、ガチャリとドアの閉まる音がした。それと一緒に、鈴の元気な、「また、あおーねー!」などの声も聞こえる。
てか、帰っちまったら、まだ聞きたいことがあるのに……と後ろめたくなってきた。
俺は、鈴に「ちょっといってくる」といい、拓の部屋に少しの恨みを込めて「さっきの蹴り、エネルギーもらったぜ」と明るく言い、家の外にでた。
葵さんは、道の真ん中をとぼとぼ歩いている。後ろからは葵さんの歩く速さに合わせて幾らかの車がのろのろ走行。クラクションはなりっぱなしで、脳が湧きそうだが、葵さんはそんなの気にもしていない。不思議だ。

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