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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 144ページ)
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ふたりは部屋を出て、レストランのある一階まで降りて、ロビーに出たとき星野くんにばったり会いました。
ですが、ふたりは星野くんの様子がいつもと違うことに気がつきました。正確にいうと初めてあったときに逆戻りしているような印象を受けました。
「星野くん!」
「きみたちは誰ですか」
ぶっきらぼうに答える星野くん。目はじっとこちらを見つめたままです。
「ぼくだよ、マロン!となりは、力也くんだよ!もしかして、忘れちゃったの・・・・?」
「何をですか。ぼくは、今きみたちに出会ったばかりです。忘れたも何もありません。それなのになぜ、きみたちはぼくの名前を知っているんですか」
「星野くん・・・・何があったの?」
「ぼくは海で泳いできただけです。誰にも迷惑はかけていませんし、別にいいでしょう。失礼しますね」
星野くんは冷たく言うとスタスタ歩いていきました。
その様子を見た力也くんはハッとひらめいて、ぽつりとつぶやきました。
「あの子、なんだか不思議な子だね」
「不思議で悪かったですね」
ふいに後ろから声がしました。行ってしまったかと思われた星野くんがいつの間にかふたりのそばにいました。
「きみ、家族はどうしたの?」
すかざす力也くんがたずねます。
「「家族はいませんよ・・・・誰も。別にぼくは気にしていません」」
マロンくんと言葉がデュエットしたので、驚く星野くん。
「どうしてぼくのいうことが、わかったのですか?」
しかしマロンくんはそれには答えず、たずねました。
「きみの下の名前なんだったっけ?」
すると星野くんはしばらく天井を眺めていましたが、ゆっくりと口を開きました。
「ぼくは星野・・・・天使です」
その瞬間、星野くんはハッとして、記憶を取り戻しました。
「マロンくん、力也くん、お久しぶりですね」