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ワンピース<火拳の姉は、九尾って呼ばれてます>
作者: rionn  (総ページ数: 115ページ)
関連タグ: ワンピース エース ロー 
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?話 <六兆年と一夜物語>

昔、昔のお話です

名もない時代の 名もない集落のお話です

その村に、ある日1人の女の子が生まれました

女の子は、――化け物――の力を持つていたので

親から、その子を引きはがすと

村の奥の牢屋へ入れてその子を、育てました

二年後、その子に、1人の弟ができました

けれども、その時母親は、力尽きて亡くなってしまいました

すると、1人の軍人がその子を引き取って連れて行ってしまいました

とうとう一人になってしまった、孤独な化け物は

『忌子じゃ』『鬼の子だ』

とその身に余る、吐き出すような暴力を受けていました

悲しいことも辛いことも、なかったけれど

「お母さん!」

「はいはい、一緒に帰ろうね」

夕焼け小焼け、手を引かれて並んで歩く、親子を見ると

無性にさみしく感じてしまうのでした

化け物は、何も知りません

自分が生きている意味も

叱られた後の優しさも

雨上がりの手の温もりも

ただ、本当は本当は本当に、寒むく感じてしまうのでした

死ななない、死なない何で死なないのだろう?

化け物は、けがをしても、すぐ治ってしまうのでした

それを知った、身勝手な大人たちは

次々に、化け物を傷つけていくのだした

そんな、夢も見れない毎日で

死のうとも考えたのですが、どうしても死ねないのでした

誰も知らない化け物の、心は

夕焼けの中に吸い込まれて、消えてしまいました

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六兆年と一夜物語、次も行きます

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