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cynical【完結】
作者: 美奈 (総ページ数: 63ページ)
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作者: 美奈 (総ページ数: 63ページ)
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5ー1
舞のバイトは、何と三ヶ月も続いている。
純粋な阿呆じゃないのかも、私!
ーいやいやいやっ、調子に乗ると危ないから駄目。
でもオーダーも間違えてないし、意外に順調だ。
しかし最近、湊が来ない。どうしたのだろう。
あの貸切営業の時の私が馬鹿過ぎて呆れた?
…いやいや、そんな事ではあの悩殺の笑顔を振りまく美男は休む筈がない。
それに、湊先輩とはそこまで悪い雰囲気になってる訳じゃないし…。
理由もわからない。
「大丈夫かなぁ…」
舞は5皿持ちながら、呟いていた。
と、急に皿の重みが腕から消える。
「どぁっ?!」
「皿持ってると、危なっかしくて見てらんないから」
横に、ついさっきまで舞が持っていたお皿を持っている湊がいた。舞は自分の目を疑った。
「か、神田先輩!!一週間も休むから、どうしたのかと…」
「心配、かけたか」
舞はすかさず言った。
「当たり前ですっ」
湊のレストランの制服の七分袖から、包帯が見えた。右腕が包帯でぐるぐるに巻かれている。舞はまた、自分の目を疑った。
「えっ、大丈夫、なんですか?痛そうだし、そのお皿持ちますけ…」
「いーよいーよ、もうあんま痛くないし、こういうの慣れてるし、またなんか事故りそうになったら嫌だし」
舞は驚いた。いや、ほんと。冗談抜きで。
…こういうの慣れてる?!
どういう生活してるんですか。
どっかの不良グループ所属かなんかですか。
「…慣れちゃ駄目ですよっ」
「いや、大丈夫だから。心配かけてごめん」
湊は皿を持って行った。少し、その表情が翳る。
「ー慣れなくちゃ、いけなかったんだ」
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