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作者: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (総ページ数: 57ページ)
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*29*
四柳
「…………今回の件で、俺にも傲りがあることが分かった」
四柳
「俺が見えていた未来というのは、単なる結果のひとつに過ぎなかった」
七夜
「で、でもよ!!お前のおかげで義羅を止められたんだぜ!?」
四柳
「…………俺がやった事は未来を見た事、はっきんだまを壊したぐらいだ」
四柳
「俺がこんなことをしなくても、直前で気付いて追い出すことが出来たはずだ」
四柳
「そうすれば………」
七夜
「…………………」
四柳
「それに………薄情かもしれないが」
四柳
「ここで死んだ奴の事が………どうにも思い出せないんだ」
四柳
「顔まで潰れてるせいで死体を見ても誰だか思い出せない………結局の所、俺から見れば他人でしかない」
四柳
「大して変わらないように見えてしまう自分が嫌だと俺も思うよ 」
七夜
「………………なぁ祖父江、お前にこんなこと聞きたくねえけどさ」
四柳
「……四柳でいい」
七夜
「……四柳、お前は……日本に帰りたいか?」
四柳
「……………ああ、この間の話のことか」
四柳
「親が嫌だからってこんな所に引きこもるほど俺も馬鹿じゃない」
四柳
「それに………」
七夜
「それに?」
四柳
「……………いや、いい、俺はお前と同じでちゃんと帰ろうという意思はあることは覚えておいてくれ」
七夜
「………………」
七夜
「四柳……………お前さ」
七夜
「遺体をどこに片付けた」
四柳
「…………」
四柳
「なんで、そんなことを聞く」
七夜
「分かってんだろ、璃音は俺に気を使って言わなかったけど、分かるんだよ」
七夜
「………お前だって俺たちとはそれなりに長い付き合いだったろ」
四柳
「………やめろ、聞くな」
七夜
「いいから、答えてくれよ、なぁ」
七夜
「…………………なぁ、頼むよ」
七夜
「俺………まだ、まだ見てねぇんだよ!!!」
七夜
「あれから逃げて!!生き残りの顔を見た!!」
七夜
「でも………でもよ!!!博多の姿を見ていないんだ!!」
七夜
「どこにあるんだ!!博多は…………死んだのか!!?」
四柳
「……………」