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作者: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (総ページ数: 57ページ)
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*30*
四柳
「博多は…………」
四柳
「…………」
四柳
「もう、覚えてないよ………名前が分かんないから、埋葬はしたが名前は書いてないんだ」
四柳
「……………だから、自分で確認を」
七夜
「………ポジティブに考えるな、か」
七夜
「嫌な事ばかりあると、本当に悪いように考えちまうな」
四柳
「…………七夜、知り過ぎるな」
七夜
「やっぱそうか、気を使わなくていいんだよ」
七夜
「………結局俺はなーーんにも、分かっていなかった」
七夜
「……居るんだろ、博多」
七夜
「『あっち側』に」
四柳
「……………………」
七夜
「いいんだ、博多も………多分、なんかあったんだろう」
七夜
「博多にとって、俺はそんな事も伝えないくらいには………」
七夜
「つーか、同じ大学で、サークル仲間みたいなもんって、多分俺が思うほど信用とかなかったのかもな」
四柳
「………………七夜、お前は」
四柳
「どうしてお前はそこまで自分を下に見るんだ?」
七夜
「なんか、漫画で見たんだけどよ……あんな言葉あったよな、2人の囚人が檻から外を見た」
四柳
「………1人は星を見た、1人は泥を見た、フレデリック・ラングブリッジの言葉か」
四柳
「同じ景色でも人生観によって真っ先に目に映るものが違うという意味だが………」
七夜
「俺はまー、俗に言う真っ先に泥を見た人間なんだ」
七夜
「でもよ、泥団子って作ったことあるか?磨くとすげーピカピカになるって聞いて、ガキの頃は夢中で磨いた」
七夜
「俺は泥団子になりたいんだ、星みたいにキラキラしてるけど……結局は泥だから星の引き立て役」
七夜
「人生ドン底の俺は幸せな奴と並べるだけで幸せなんだ、他に何もいらない」
四柳
「…………星空に、ぽつんと転がった泥団子がお前か」
七夜
「そんな星空も、まるで流星群みたいに消えちまったけどな………」
七夜
「マリオやカービィみたいにハッピーエンドとはいかねぇもんだな………」
四柳
「…………」
七夜
「四柳………これから、どうしような」
四柳
「…………分からない」