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*123*
ははは、殺すぞルア・・・・
+++
「”あの方”そいつ・・・・、まさか・・・・」
レイヤが、その名を口にしようとしたそのとき。
ビュッ!!
強い風がふく。
レイヤが目を見張っていた。
そう・・・、これは、人間界と魔界をつなぐ道が出現するときの、前触れ。
サーヤも、レイヤの教えられていたので、そのことは知っていた。
でも、なぜ今、この羽衣川に、その道ができているのか。
そして。その謎は、次の瞬間、一瞬で解けた。
そう、その道から出てきた人物。それは・・・・。
「・・・来てくださいましたか・・・、光栄です。」
「お・・・・まえ・・・」
レイヤが絶句する。
サーヤも目を見開いた。
「ご足労ありがとうございます・・・・」
悪魔はそこで言葉を切り、続けた。
「・・・ユウヤ様・・・」
そう。”あの方”とは、ユウヤ。
レイヤとサーヤも、ユウヤではないか、ということまでは予想がいっていた。
ならなぜ、二人が驚いたのか。
それは、
「あ、二人とも、驚いた?たしかに、おどろくよね・・・
だって・・・、ぼくの体が存在してるんだもの・・・・」
憂いに満ちた声で、ユウヤは告げた。
サーヤたちの後ろにいるマテリアルたちも、ルナ、タイ、ゆのりも驚いている。
「あの人が・・・・っ、サーヤちゃんの・・・、お兄さん・・・!?」
ルナはユウヤの発する悪意に満ちたオーラを、嫌というほど感じていた。
「・・・自分のからだは、やっぱり楽だね・・・。
今まで封印されていたみたいだよ。・・・技の数ももとにもどったし。
・・・これでやっと、レイヤとサーヤ二人と、同等にたたかえるよ・・・」
嬉しそうに、ゆっくりと話すユウヤ。
サーヤは、彼の顔をじっと見つめる。
(似てるよ・・・・。レイヤくん・・・・。似てる・・・)
サーヤは、レイヤとユウヤがあまりにも似すぎていたために、攻撃をためらってしまう。
あのとき、ユウヤがレイヤの体を乗っ取っていたときは、ペンダントの中にいたレイヤが声をかけてくれたので、混乱せずにすんだのだ。
が、今回は本人の体。
サーヤはどうしても、攻撃することができないのだ。
「サーヤ、ためらってちゃやられるだけだよ、攻撃しないと・・・」
今は昼。ユウヤの力は弱まる。
でも、それと同時に、魔梨の闇の力も弱まってしまう。
こちらの戦力も落ちてしまうのだ。
「いくよ・・・、サーヤ、レイヤ、魔梨」
この言葉を合図に、戦いが始まった。
『封印解除、第三の目を開眼する!』
ルナとタイも、戦闘態勢へ入る。
「臨・兵・闘・者・皆・陣・裂・在・前!」
ルナが九字を切った。が、その九字はユウヤに使える悪魔が払いのけてしまう。
「!そんな!」
「ルナ、焦るな、九字じゃダメなら、呪符を飛ばす!」
その言葉で、ルナは落ち着きを取り戻す。
そして、二人は呪符を作った。
「氷よ、我にご加護を!」
雪乃がたからかに叫んだ。
この技は初めて見る。雪成も使ってはいなかった。
すると、陸がぼそっと、つぶやく。
「加護をうけるか・・・・、おい、雪乃、援護する」
そう言うと、陸は雪乃の元へ駆け寄る。
「何、あんたも加護受けられるの?陸」
「受けられる。水のマテリアルだし、受けやすいんだよ。
氷のマテリアルのほうが、受けにくいってきいたが?」
「うるさいわね、これは私が見つけたの。
おにいちゃんだって使ってないわよ!」
「グズグズするな、やるぞ」
陸が一言いい、二人は一瞬にらみ合うが、加護を受けるために心を落ち着かせる。
「氷よ、我にご加護を」
「水よ、我に加護を」
二人が使ったこの技。
これを使うと、いつもの技の威力が倍になる。
体力は大きく消耗するが、使える技だ。
「陸、くたばらないでよ」
「お前こそ・・・」
二人は軽口をたたくと、攻撃を始めた。
「水よ、魔を縛る鎖となれ!」
「草よ、我が身を守れ!」
やはり、陸の二つのマテリアルの使いわけ方はうまい。
が、こっちも負けてはいなかった。
「氷よ、悪を凍らす吹雪となれ!」
こちらも威力は半端ない。
サーヤたちのほうにまで、冷気が伝わってきた。
「雪乃さん、すごい・・・!」
サーヤが関心の声をもらす。
「サーヤ、ぼーっとしてる暇はないみたいだ」
レイヤの言葉で、我に返る。
見ると、ユウヤの手のひらには、闇でできた剣が握られていた。
「・・・、光と闇、どっちが強いか・・・って、ことだよ、レイヤ」
ユウヤが楽しそうに言った。
「っ・・・光よ、悪を断つ剣となれ!」
レイヤの光の剣が出現すると、ユウヤは容赦なくレイヤに切りかかった。
「レイヤ、危ないね・・・・、ちゃんと目の前みないと、やられるよ」
ユウヤは言うが、レイヤは彼の目を見たくはなかった。
アイツとおなじだから。
「・・・、お前は・・・・、昔と変わらない・・・!」
レイも負けじと、言い返した。
「なにが?」
「・・・自分だけ強くなろうとするところが・・・・だ!」
レイヤはユウヤの剣を押しのけた。
ユウヤは今言われたことについて、こう答えた。
「レイヤも昔はそうだっただろ。・・・今は違うのか」
「違う。・・・お前みたいなやつとは・・・違う」
レイヤがそういい、二人の剣は再び、重なりあった。
+++
めっちゃ長文!2000ごえー!