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*330*
「え・・・・・?」
最後に、メイラの残した言葉に、マテリアルたち、ルナたちは絶句した。
【ごめん・・・・・魔梨・・・・・】
メイラは確かに、そうつぶやいたのだ。
これは、メイラの口から出た言葉なのだろうか。
「うそ・・・・・だろ・・・・・」
魔梨が、かくんと膝をつく。
驚くはずだ。
魔梨は今まで、メイラは自分のことを”娘”だとおもっていないと感じていたのだ。道具だ。・・・そう思われていると感じていたのだ。
でも、本当は違った。
メイラは、魔梨の”母親”だった。
悪魔であろうが、その事実にかわりは無い。
メイラは、魔梨の、たった一人だけの・・・・・母親なのだから。
「母・・・・・さん・・・・・」
膝をついたまま、魔梨は、顔を見られないようにギリギリまで顔を下に向け、ポツリと涙を流した。
今まで魔梨が涙を見せたことは一度も無い。
きっと、レイヤとユウヤにも見せたことはないだろう。
”母親”。
それはやはり・・・・
愛の無い魔界では、とても貴重であり、・・・・大切な存在だったのだろう。
魔梨は皆の前で、声を殺して泣いていた。
________
「メイラとビアンヌが、消されただと!?」
魔王の城に響き渡った、その声の主。
間違いなく、魔王のものだった。
「はい。王女が消したようです。」
魔王のすぐそばに跪いた悪魔は、短くそう答える。
「・・・・・。」
しばらく考え込む表情をした魔王を、漆黒の髪を震わせ・・・・。
言った。
「・・・・・・・!絶対に・・・・!」
”絶対に”の前に、何を言ったのか。
私には聞き取れなかった。
とても、とても大事なことだったらしく、周りの悪魔達がざわつき始める。
「そ、それは、本当ですか、魔王様!?」
「正気だ。もう決まったことだ。」
魔王は険しい顔をしながら、周りの悪魔達に言った。
・・・・私は聞き取れなかったあの言葉で、後悔することになる。
+++
最後のほう出てきた、”私”。
あれは、新しい登場人物です!
魔梨ちゃん、かわいそうなことしたなぁ・・・