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*329*
ドンッ!!
という、空気を振るわせる大きな衝撃音。
店の中には煙が立ちこめ、あたりが見えなくなっていた。
「や・・・・・ったの・・・・・?」
ルナが、かすれた声で言った。
「この煙が晴れないとわからないな・・・・」
鳴神のその言葉に、志穂が風の力を使う。
「風よ、邪悪を払う旋風となれ!」
とたんに、あたりがパっと晴れる。サーヤが矢をうった方向を見ると、周りの壁がべこりとへこんでいた。
そして、そのへこみの丁度中心には。
「う・・・・」
「によ・・・・これ・・・・反則じゃない・・・・」
メイラとビアンヌは、サーヤとルナ・タイの予想外の動きのせいで、サーヤの放った矢をまともに喰らっていた。しばらくは動けそうに無い。
「メイラ・・・・私は、いつも、魔王が消すと言った悪魔を消してきた・・・・。でも、それってやっぱり、違うと思う。もちろん、消す事事体いけないけど・・・、何の関係のない私が消すのは違うと思うの。
・・・・そして私は・・・仲間を傷つけた、貴方達だけを消すの。」
サーヤは、少し哀しい色をした瞳で、メイラたちを見下ろす。
「王女、私たちを殺すの?・・・殺せば、魔王様の怒りは倍増、倒しにくくなるのは目に見えてるでしょう?」
ビアンヌは、殺されるのを目前に、悪あがきをした。
が、サーヤの意思を曲げることは出来ず。
「・・・・・・」
無言で二人を見つめると、サーヤは息をつき、首にかけてあった破魔の笛を取りだす。
そして、ウィンドミルの中に、サーヤの奏でる美しい笛の旋律が流れた。
その音色を聞いたとたん、メイラとビアンヌがハッと息を呑んだかと思うと、苦しみだした。
「く・・・・・や・・・・め・・・・!」
「どうして・・・・こんなこと・・・に・・・・」
メイラは、最後にサーヤたちのことをギっと睨みつけると、その渋面を崩し・・・・。
「ごめん・・・・・魔梨・・・・・」
そうつぶやいて、消えた。
+++
・・・・・・・。
・・・・・・・。
うん。