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*126*
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翔と翼は、ただ驚くことしかできなかった。
「あいつが・・・、レイヤとサーヤの・・・兄貴・・・?」
翔がかろうじて出した言葉に、翼も頷く。
「すごい・・・、威圧感・・・・、本当に、あの二人の兄貴なのか・・・?」
翼はユウヤの姿を見て、ユウヤの存在感の圧倒されていた。
きっと、それは翔も同じだろう。
そのときだ。
翔が、翼の耳元でささやいた。
〈・・・新技、いくか?〉
と。
そう、二人の力は全盛期。
今のうちに、少しでも技の数を増やしておきたいのだ。
その特訓のおかげで、二人の新技はかなり増えた。
「いくぞ、翼」
翔がいい、翼も頷く。
『炎よ・・・、行く手を阻む悪を消し去れ!』
二人が放ったその技は、二人のところから直接放たれるのではなく、
相手の体だけを狙い燃やせることのできる、便利な技だ。
「っ!・・・炎使いか・・・!前より威力をあげたか・・・」
ユウヤが言う。
少しはダメージを加えられただろうか?
サーヤのほうを見ると、サーヤは視線に気づいたらしく、翔と翼に向かって軽く頭を下げた。
どうやら、ある程度のダメージは加えられているらしい。
「っ、けっこう、くるよな、この技・・・」
「ああ、でも、この技あと2、3回は繰り出せるぜ」
二人はユウヤをにらみつけながら、言葉を交わし、次の攻撃へと移った。
『炎よ、荒れ狂う獅子となれ!』
いつもの技だが、この技も、二人の努力によって強化されていた。
これまでの倍の速さで、ユウヤに向かって突進していく。
「レイヤー、よけろー!!」
翔の声に、レイヤは即座に飛びのいた。
力をこめていたユウヤは、突然飛びのかれたせいで、バランスをくずし、双子の攻撃をまともにうけた。
「っし、やったか!」
翔と翼が、期待の目でユウヤのいた場所を見た。
そこには、闇の力で身を守ったのか、無傷のユウヤがいた。
「そんな!マジかよ・・・!」
翔は舌打ちをした。
体力は限界へ近づいていた。
あと1,2回そこそこだろう。
ここはやはり、一発逆転の力を秘めた、サーヤの破魔の力を頼るしかない。
「紗綾ー!!たのんだー!!」
翔はサーヤに声をかけた。
そして、サーヤが頷くのが見え・・・、次の瞬間、矢が放たれる。
それと同時に、力強い破魔の旋律が流れ出した。
1,2分笛を吹き続けたサーヤは、次なるアーティファクトを取り出す。
指輪だった。
サーヤはその指輪をはめる。
そして、今までうつむいてあげなかった顔を前に向けた。
翔は驚いた。
そう。サーヤの目には、涙がたまっていたから。
どうして、家族同士で争わないといけないの?
魔王と戦うときも、こんな思いをしないといけないの?
戦うしか、方法はないの・・・?
サーヤはそう思いながら、指輪の力を発動させる。レイヤと同じ、光の力だ。その力で、剣を作りながら、サーヤは魔梨に震える声で指示を出した。
「魔梨ちゃん・・・、一緒に、剣でレイヤくんに援護して・・・」
「・・・わかった。闇よ、光を切り裂く剣となれ!」
魔梨が闇の剣を出現させると、サーヤは、魔梨と走り出した。
そして、レイヤの横に着き、一緒にユウヤの攻撃を受ける。