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*159*
「魔梨ちゃん・・・・?どうしたの・・・?」
サーヤは、魔梨の顔を覗き込む。
「なんでもないよ・・・それよりほら、もう皆来るぞ」
魔梨の指摘を受け、サーヤは渋々自分の席に着いた。
「ねぇ、レイヤくん・・・、魔梨ちゃん、どうしたんだろ・・・」
小声で、レイヤに訊く。
「いや・・・僕にもわからない。一応、用心しておこう」
レイヤの小声の忠告に、サーヤも軽く頷いた。
_____
「ふぁー・・・・ん・・・・おはよう、もっけ、スネリ、タイくん・・・」
ルナが間抜けな顔をしてちゃぶ台のほうを見ると、そこには、どこか厳しい顔をした、人間姿のもっけとスネリ、そしてタイが座っていた。
「ど、どうしたの、皆・・・」
ルナはパジャマのまま、ちゃぶ台の自分の位置に腰掛けた。
「・・・朝から・・・、なにか、いやな気配がする。ルナは?」
タイに聞かれ、まだ起きたばかりだが意識を集中させる。
すると、
「!?」
ルナは驚いたように閉じていた目を見開いた。
「なに・・・、これ・・・、誰かが、何かを・・・」
ルナはおそろしくて、その先をいえなかった。
「ええ。おそらく、そうだわ。ルナ、タイ、4時くらいになったらウィンドミルにいってみてちょうだい。」
スネリにたのまれ、ルナとタイは頷いた。
――放課後・ウィンドミル――
「そうなの・・・、その気配が、いやな感じがして・・・」
ルナは、集まっていたマテリアルのメンバーに、今朝のことを話した。
「皆、感じたの・・・、そっか、ありがとう、ルナちゃん、タイくん」
サーヤがルナたちのお礼を言う。
するとルナが、
「あれ?そういえば、魔梨ちゃんは?ユウヤさんもいないけど・・・」
首をかしげた。
「あ、そうなの。魔梨ちゃんがいなくって、お兄ちゃんが探しにいってて・・・」
サーヤが心配そうな表情をする。
「そっか・・・・じゃあ、今から、わたしたちも探しにいこうよ」
「そうだね、行こう!」
ルナの提案で、皆で魔梨を探すことになった。
もちろん、家にはいない。
公園の一番奥のエリアも、
ユウヤに訊いていた魔梨のいきそうな場所も全部探したが、いなかった。
「・・・・どこにいったんだろう・・・魔梨ちゃん・・・」
サーヤがつぶやく。
すると、他の場所を探していたマテリアル、ルナ、タイ、ゆのりたちも帰ってきた。
「そっちは?こっちはいなかったよ」
ルナが報告する。
「そっか・・・・・・・・!痛っ・・・」
サーヤが首筋を押さえた。
『サーヤ!』
ユウヤとレイヤが、同時にサーヤの名前を呼ぶ。
「大丈夫・・・、たぶん、あっち!」
サーヤが指さしたのは、さっきまで探していた中央公園の奥だった。
痛みからして、かなり強いのだろう。
サーヤ達は足を速め、奥へと急いだ。
ガサッ・・・・・
「いた・・・」
ルナは続けようとして、息を呑んだ。
「うそ・・・で、しょ・・・」
雪乃もつぶやく。
そして、サーヤはもう、なきそうな顔で、その”人物”をみていた。
そう。
魔梨が・・・・、自分達の、敵になるなんて。