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*179*
+++
「・・・・・ふ・・・・・、メイラ・・・・いい、かげん・・・」
魔梨はふらつきながらも、サーヤたちの元へと歩き続ける。
「・・・・・外側から・・・・」
魔梨はふと、外側へ目を向けた。
そう、ルナたちが―――主にルナとタイ、ゆのり―――、この仮想空間をこじ開け、入ってこようとしているのだ。
「・・・・バカな・・・・闇を断つことができるのは、光のみ・・・。
その光を扱う奴が、今この空間にいるんだからな・・・・」
冷たく言い放ち、魔梨は再び歩き出した。
・・・・・
「どうしよう・・・・、やろうっていっても、まず魔梨ちゃんを探さないと・・・」
サーヤは、うんうんうなりながら思考をめぐらせる。
「こんな真っ暗じゃ、人がいても近くまでこないとわからないしね」
ユウヤも頷く。
するとレイヤが、
「なら・・・、僕の力でここを明るくすることは出来るんじゃないのか?」
ポツリと出たその意見に、サーヤとユウヤが勢いよく振り返った。
「それだよ、レイヤくん!でも、そうしたら魔梨ちゃんも有利になっちゃうんじゃないの?」
もう一度眉を八の字にして、サーヤは考えようとする。
「いや・・・、もう、魔梨は気づいてる。ぼくらがここにいるってこと」
「え!」
「ああ。この空間を作った張本人だしな」
「だから、それに関してはどちらも同じようなものなんだよ」
ユウヤとレイヤがかわるがわる説明してくれた。
サーヤはなんとなくだが理解し、次いで作戦を考え始めた。
「じゃあ、まずレイヤの力で周りを明るくしよう。」
「この空間はあまり広くないから・・・・・」
「すぐに見つかるね。見つかったら、まずおにいちゃんの力で・・・」
作戦会議は順調に進みつつあるが、それと同時に戦いの時間も近づいている。
サーヤはそのことを深く考えようとはせずに、作戦会議に没頭した。
「・・・・じゃあ、それで・・・・」
「決まりだ」
「うん」
3人の意見を全てまとめ、勢いよく立ち上がる。
「じゃあ、レイヤくん、お願い!」
サーヤの合図で、レイヤは力を発動させた。
「光よ、闇を照らせ!」(こんなワザありません)
とたん、あたりがまぶしい光に包まれた。
(始まった・・・・戦いが!)
サーヤは気を持ち直し、あたりを見回した。
「!ユウヤ!後ろ!」
レイヤの声が聞こえ、サーヤもつられて後ろをむくと。
『うわっ!』
「きゃあっ!」
3人の悲鳴が旋律する。
「魔・・・・梨・・・、ちゃん・・・・・」
サーヤはふらつきながら、前に立った魔梨をみつめた。
「紗綾、黎夜、夕夜・・・・悪いが・・・・やらせてもらう」
一言いい放つと、魔梨はサーヤ達に掌をかざし、ボソっと何かをつぶやいた。
そのとたん、地揺れが起きる。
「!?な、何・・・!」
サーヤは倒れないように、必死で足に力をこめる。
レイヤとユウヤも、驚いた表情で魔梨を見ている。
「・・・・呼び出して力を借りるのは癪だが・・・・」
魔梨が低く言うと。
真っ黒な光が空中に集結し、ある形をかたどった。
そして、その光が完全に消え去って・・・・
「う・・・・そ・・・・・」
サーヤは、その人物がだれであるかをすぐに察した。
「・・・・」
レイヤも無言でその人物を睨みつけている。
その人物は・・・。
「力を貸してもらう・・・・メイラ」
+++
あーぁ、きたった、メイラ・・・・