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*258*
「や・・・・」
小さく、悲鳴あげた。
「サーヤ・・・」
レイヤが、心配そうな顔で聞いてくる。
「そん・・・な・・・たし・・・私は・・・みんなを・・・うら・・ぎって・・・ここに・・・・」
頭を抑え、必死に首を横に振る。
でも、真実は真実だ。
サーヤの記憶は、よみがえってしまった。
あの、孤独く日々が。
「サーヤちゃん・・・?」
ルナが、不安げにサーヤの顔を覗き込む。
「る・・・・ルナ・・・ちゃん・・・わたし・・・わたし、どうしたらいい・・・?」
助けを求めている、サーヤのか細い声。
「サーヤちゃん・・・?」
ルナは、どうすることも出来なかった。
そのときだった。
ガタンっ!
裏口が、音を立てて閉まる。
「・・・紗綾・・・起きてたのか?」
伊吹だった。
魔梨が、メールを送っていたのだ。
「・・・伊吹さん・・・・」
もう、なんの気力も残っていない瞳で・・・
伊吹を、見つめた。
「・・・?紗綾・・・?」
「やだよ・・・そんな・・・・そん・・・な・・・・」
サーヤは、現実を受け入れることなんて、出来なかった。
受け入れたくなかった。
もう、誰とも視線を合わせずに、すくむ足で、逃げるように二階へと上がっていった。
「紗綾さん・・・」
志穂が、よくわからないといった表情で、二階を見つめた。
「レイヤ、ユウヤ。・・・何があったんだ?」
翔と翼が、説明を求める。
伊吹も、こちらを見て、説明を待っているようだった。
「今は・・・何も、話したくない・・・・」
いつものレイヤからは遠くかけ離れた、疲れきった声。
だれも、励ましの言葉をかけることが出来なかった。
レイヤもユウヤも、休憩室へ行ってしまい、のこったのは志穂たちと、ルナたち。
「・・・サーヤちゃん・・・必死に、違うって・・・言ってたよ」
ルナが、確かめるように言う。
「ええ。・・・言ってたわ。・・・陸、あんた何か知ってるんじゃないの?」
雪乃が、鋭い視線で探る。
「・・・ずっと、不思議だと思ってた。
なにか、つながりがあるんだろうって・・・・
サーヤは、ずっと子供のときから、ひまわり園にいたわけじゃないんだ。・・・3年くらいのとき、来たんだ。俺は、それしか知らない」
陸の言葉に、一同が息を呑む。
「そ、それじゃあ・・・その、サーヤが園に来る前に・・・何かがあったってこと・・・?」
雪乃が、驚いた顔で言った。
「じゃあ・・・なんか、やっちゃいけないことをしたとか?」
翼が、意見を述べた。
「紗綾に限ってそれはないだろ?」
反対の意見もでる。
ああだこうだ言っているうちに、1時間がすぎて。
「・・・・取り乱して・・・すみません」
疲れた声だったが、サーヤが言った。
「紗綾ちゃん!」
「紗綾さん、大丈夫ですか?」
「サーヤちゃん!」
「・・・大丈夫・・・」
サーヤは、静かに、短く言葉を返す。
そのときには、いつもの明るい”サーヤ”ではなかった。
あのくらい魔界にいた頃の・・・”紗綾”だった。
+++
最後意味不明ですみません!