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魔天使マテリアル×妖怪ナビ・ルナカキコ
作者: ルル  (総ページ数: 447ページ)
関連タグ: 魔天使マテリアル 妖界ナビ・ルナ 
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*276*

「ここが・・・・夜鳴島?」
雪乃が、ぼそりとつぶやく。
「はい。」
「じゃあ、ここから、妖界への道がひらくの、ルナちゃん」
「うん。ただ・・・・ただね、皆に、言わなきゃいけないことがあるの。」
ルナは、下を向き、申し訳なさそうな顔をした。
「・・・妖界への道を通るには・・・長の試練を受けなきゃいけないの。」
『長?』
サーヤ達の声がハモった。
「うん。・・・近い未来に起こること・・・もしくは、過去の思い出したくないこと・・・・、それが、映像として、浮かび上がるの」
「じゃ、じゃあ・・・・ルナちゃんは、その試練を受けて、こっちのきたの?」
「そう。」

その説明に、マテリアル達は押し黙った。
「私・・・・、ルナちゃんに助けてもらったから・・・」
サーヤが、つぶやいた。
「サーヤが行くなら、僕も行くよ」
「レイヤと同じく」
この3人をスイッチにして、マテリアルたちは、
「せっかく仕事オフしてもらったんだ、行こうぜ」
「私も、紗綾たちと行くよ。」
「俺も問題ない」
「緊張するけど・・・・」

マテリアルたちの暖かい返答に、ルナはうれしくなった。
「ありがとう・・・・皆」
「ルナ。いけるか?」
タイが、カザンに乗り込みながら、ルナに言った。
「うん。いけるよ。皆も、準備はいい?」
「OK!」
「いいです!」

「じゃあ、皆、乗って!」
サーヤ達は、それぞれ、もっけ、カザン、雲にのって、二剣山の頂上まで上った。

「ここね・・・私とタイくんが、戦ったところなの・・・」
ふと、寂しそうな瞳で、ルナは語った。
「・・・ここで・・・・」
「・・・とっても・・・大変だった。
もっけとスネリも死んじゃって・・・都和子先生も・・・・」
「ルナちゃん・・・」
ルナの瞳には、いつの間にか、うっすらと涙が浮かんでいた。
「あ・・・ごめん、今のは、忘れて、サーヤちゃん!
タイくん、もう開ける?」
「開ける。早く変化しろ」
タイに言われ、ルナは、首のリボンを解いた。
「封印解除、第三の目を開眼する」
ふわりと、周りの空気が疼いた。

「・・・・皆、しっかり捕まって!!」
ルナの声に、全員がそれぞれ必死に風に耐える。
「タイくん、今!」
「わかってる!」

ルナとタイは、二剣山の丁度真ん中に、妖界への道を開けた。
「皆、行くよ!!!」
ルナの叫びを最後に、二剣山の頂上は、再び静寂に包まれた。

___________
「・・・・・ここ・・・・・・?」
サーヤ、レイヤ、ユウヤの3人は、どこなのかわからない場所にいた。
「これが試練・・・なんじゃないのか?」
レイヤが言った。
おそらく、そうなのだろう。
サーヤたちが身構えていると。

頭の中に、おそらく昔の出来事がプレイバックされる。

魔王の椅子の右下に、静かにたたずんでいるサーヤ・・・紗綾。
これは、きっと処罰の式のときのことだろう。

少し離れたところに、黎夜と夕夜、魔梨。
暗くて、表情はよく見えなかった。

「・・・魔王の命令に背き、自らの判断で動きをとった・・・。
メルフィ・レリア、あなたから男爵の位を剝奪し、死刑とする。」
冷たく響く、紗綾の声だった。
そして、その瞳の、暗く輝きを失っていた。

「王女、やめ・・・・やめてくだ・・・・」
その悪魔の言葉を最後まで聞き届けることなく、紗綾は右手を悪魔に向かって突き出す。
「ひ・・・・・」
「闇よ・・・掟を破りしものに罰を下せ」
低く響いたその声に応じて、闇が悪魔を取り巻く。
「ひいいいい!!」
悪魔は、大きな悲鳴を上げながら、消えていった。

その様子を、黎夜と夕夜、魔梨は、まともに見れずに視線を反らしてしまっていた。
______
「や・・・・い・・・いや・・・・!」
サーヤは頭を抑え、頭を振る。
「サーヤ・・・!」
同じ映像を見ていたらしい二人も、苦しげ・・・悲しげな表情で、サーヤのところへ来る。
「兄さ・・・・黎夜・・・・やだ・・・・思い・・・出したく・・・ない・・・」
サーヤは、涙を流しながら、頭を押さえた。
「・・・・サーヤ・・・・」
レイヤとユウヤは、つらい思いをしているだろうサーヤに、一言も声をかけることが出来なかった。




「・・・・・・」
試練が終わったのだろう。
映像が途切れた。
「おわ・・・・った・・・・」
サーヤが、疲れきった声で、言った。

「紗綾さん!」
向こうから走ってきたのは、志穂をはじめ、マテリアルたちとルナ、タイ、ゆのり。
「志穂ちゃん・・・皆・・・・・」
サーヤはよろよろと立ち上がり、皆のところへ歩き出す。
「サーヤちゃん、大丈夫だった?なかなかこないから・・・皆で探しに来たの」
そう言ったルナの姿に、サーヤは驚く。
「る、ルナちゃん!?し、し、・・・尻尾・・・!?」
「え?あ、ああ・・・・そうなの。妖界に居るときは、私、本来の姿に戻るんだ。あ、タイくんは嫌がってるから、第三の目を封じて、いつものカッコだけど・・・」

ルナの言ったとおり、タイはいつもの姿だった。
「ね、見て。・・・すっごく、綺麗でしょ?」
ルナの言葉に、マテリアル達は当たりを見回した。
「わぁ・・・・!」
「おとぎの国にきたみたい・・・・!」
「スゲ・・・・・こんなトコ、本当にあったんだな!」

全員が感動した。
「じゃあ、とりあえず・・・スネリの家にいこっか!」
「うん」

ルナの案内で・・・途中、船などに驚きながら・・・サーヤ達は、スネリの家へと向かった。
+++
長々とすみません!

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