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*306*
「っ!」
二人の手の甲が、いっそう強く輝く。形見に近づいているのだろうか。
あたりを見回し、誰も居ないことを確認する。
ルナは、声をひそめて、皆に言った。
「きっと、近いんだと思う。ここからは慎重に行こう」
「わかった」
歩けば歩くほど、光は輝きを増していく。
そして、これ以上ないというほどに、眩い光がルナたちを照らし・・・・。
目の前に、二つのペンダントが浮かんでいた。
「ぺ・・・・ペンダント・・・?」
ルナとタイは、ためらいがちに、そのペンダントに触れる。
するとそのペンダントは、持ち主の手に収まったことを確認してか、すっと、光を収めた。
「あ・・・・」
「光が、消えた・・・・」
「じゃあ、・・・そのペンダントが、ルナちゃん達のお母さんの、最後の形見って言うことなの?」
サーヤが、不思議そうな顔をして、ルナたちの手に収まる小さめなペンダントを覗き込みながら、聞いた。
「たぶん・・・・でも、これって、何に使うのかな・・・・?」
ルナは、そのペンダントを揺すったりまわしたりしながら、誰がこたえるわけでも無い質問を問うた。
「・・・・ルナ、これ・・・・・みて」
タイの、少し驚いたようなその声に、ルナは振っていたペンダントを止め、タイのペンダントに視線を移した。
「え・・・・!?こ、これって・・・・・!」
そこには、複雑な何かの模様が掘り込んであった。
じっと見ていると、何か・・・・剣に見えたりもする。
「・・・・このペンダントが、お母さんの最後の形見・・・・」
「そう・・・みたいだな」
その、剣のような模様が模してあるペンダントを首から下げ、ルナは顔を上げた。
「・・・皆、ありがとう。こんな遅くまで一緒についてきてくれて・・・」
「礼を言う」
二人は軽く頭を下げる。
「い、いや・・俺たち、べつに何もしてないし・・・・」
「そうですよ。ルナさん、タイくん、形見が見つかってよかったですね」
「・・・・・うん!ありがとう!」
マテリアル達に、もう一度ヘペコリと頭を下げたルナは、少し涙の浮かんだ瞳でにっこりと笑った。
「じゃあ・・・・今日の目的は、終わりね」
雪乃の、相変わらず無表情とな声が、告げた。
「ああ、そーだな」
「一日で終わっちゃったけど」
翔と翼が、少し名残惜しそうに、あたりを見回してため息をついた。
そんな二人を見て、ルナは思いついた。
「・・・明日、ちょっと探索してみませんか?」
「妖界を?」
サーヤが、いいの?と、視線で問いかけてくる。
「もちろん!でも、妖界って時間の流れがゆっくりだから、そんなにのんびりはしてられないし、人間界に居る人たちに心配かけちゃうから、ちょっとだけね」
「やっほー!」
「ルナちゃん頭いー!」
徹平をはじめ、マテリアル達は喜んだ。
ルナは、その様子を、うれしそうに見つめ、次いで空を見上げた。
神舞町では到底見られないほどの、星の数。
天の川まで、はっきりと見えた。
その夜空を見ながら、ルナは、今はもう冥界に居る母、父、都和子に向かって、呼びかけた。
「ありがとう」
と。
+++
え、何がありがとうって??イミわかんないよねー!自分でもわかんないしw!おそらく、形見を残しておいてくれて、ありがとうってことじゃ??と、思ってます!