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*405*
どのくらい立っただろうか。
サーヤ達は、順調に4回の階段の前まで到達していた。
残す部屋数は5。
それを越えれば、サーヤ達の最大の敵、魔王のたたずむ部屋が見える。「・・・・悪魔が、4体・・・。上級悪魔だと思われます。」
志穂が、眉間にシワを寄せて言った。
「上級悪魔・・・・。」
マテリアル達、ルナたちにも緊張が走る。
「・・・ルナちゃん、みんな。
ここは、私がやるよ。援護してもらえると嬉しいんだけど・・・」
サーヤが、力強い光を瞳に湛え、ルナたちを見回した。
「サーヤちゃんが言うなら・・・私はそれでもいいんだけど・・・」
ルナが、少し難しそうな顔をしていった。
それはレイヤも同じ。
サーヤの破魔のマテリアルは、魔を払う最大で最強の力。
ここで消耗してしまっては、意味が無いのだ。
レイヤやルナたちの心の内を読み取ったかのように、サーヤはふと考え込む表情を見せたが、次の瞬間顔を上げると大丈夫、というように頷いて見せた。
レイヤとユウヤはまだいぶかしげに見ていたが、信じないと言う訳にはいかず。
「仕方ない・・・・開けるぞ」
魔梨の声で、マテリアル達とルナたちは、一斉に身構えた。
・・・・が。
開けた瞬間、バンッ!!というすさまじい音がなったかと思うと、志穂の感じていた悪魔の気は綺麗さっぱり、消えていた。
「な・・・・、一体何があったんですか!?」
志穂がサーヤのほうを見つめると、サーヤは「あー・・・」といった表情で消えた悪魔たちのほうを見ていた。
「まさか、サーヤがやったの?」
雪乃の声。
「でも、一撃だぜ?翔と翼でもあんなこ・・・・いてえええええ!」
徹平の意見と、続いた悲鳴。
「でも確かに、今のは反則級にヤバかったよな」
ヘッドロックをしたままの、翔の声。
「え〜と・・・・」
サーヤはどう説明したものだろうと考えてから、言った。
「えっと、簡単に言うと、破魔の力と闇の力をぶつけたんですよね。
破魔の力は闇を払うから、お互いに強く反発するんです。光と闇よりも強く。えっと、それで、その二つがぶつかって、爆発する前に、投げつけた・・・?みたいな、感じです」
サーヤがあはは・・・と笑いながら説明を終えた。
瞬間、場が静まり返った。
そして。
「さ・・・さあやっちすげええええ!」
「紗綾ちゃん、すごいよ!」
「サーヤちゃんカッコイイよッ!!」
控えめだが、マテリアル達、ルナたちがサーヤを褒め称えた。
「あ、わ、ありがとう」
サーヤは驚いたような、恥ずかしいような表情をしていた。
その時だった。
ピッ・・・と、何かがスパークしたような音がマテリアル達の耳に入る。
「!?」
サーヤが、突然首筋を押さえ、渋面をつくりうずくまった。
そう。耳で聞こえるほど大きな音は、サーヤの破魔の力が感じ取った・・・・・・”魔王の力”だった。