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二話「お前は仲間だ」
「嫌だ。」
ナツはキッパリ言った。
何故だ、と言う顔でアイシーガはナツを見る。
「方法あるかもしんねぇーじゃん!」
『確かにあります。ですが、この方法は危険だ。』
「いいから、どんな?」
食い下がらないナツを、呆れた目でアイシーガはみる。
『…あれの核を、壊す。ですが、あれの核は、彼らの無数の茨が死守している。』
「茨は引き千切れないのか?」
エルザは剣を構える。
それに対し、アイシーガはならばやってみろと言った。
エルザは剣を振り落とす。
バキィンッと音が鳴った。
カラン、と剣の破片が転がる。
『アレは、特殊な人にしか入れない。たとえば、ナツや、グレイ。』
「じゃあ、俺が入る。」
グレイは無表情で、アイシーガを見た。
冷たい雰囲気を持った彼を、一体何人の人が駄目だと言えるか。
「まず、俺が原因だ。レイガを狂わせたのも俺。フェアリーテイルを攻撃したのも俺。」
全員は苦虫を噛み潰した様な顔をしている。
ナツはグレイの腕を掴んだ。
「誰が、そんな事思った?」
「は?」
「お前は、フェアリーテイルだ。こんなん、いつもの喧嘩じゃねぇか。」
ナツはニカ、と笑う。
対照的にグレイは哀しく顔を俯かせた。
「やりすぎた喧嘩、だろ。」
「でも…。」
ギルドメンバーがグレイを見つめ、笑う。
「そうだぜー、謝らなくちゃな!」
「殴りすぎた、ごめんグレイ!」
「グレイ様ー!今度ジュビアと買い物にー!」
「喧嘩したお詫びに、酒に付き合ってあげるよ!」
「それ嬉しいのそっちだろ…。」
いつもの会話に、グレイの涙腺は少しゆるむ。
それを我慢し、「じゃあ」と呟いた。
「クソナツ、お前が一緒にこい。」
「ん?おぉ、先にどっちが核を壊すか勝負だぁ!!!」
「望むところだっつの!」
意見が一致したところで、マカロフが叫ぶ。
「ナツ!グレイを守れよ!それじゃあワシらは無数の縄をぶち壊すぞ!
」
《おー!》
こうして、妖精の尻尾の反撃が始まった。
「聞け!」
エルザが走りながら叫ぶ。
そして、クスリと笑顔になった。
「いつもなら建物を壊すなというが、今回は大技を使え!壊れても構わない。」
全員のやる気は上がった様で、ナツ達の様に誰が沢山壊すか競走する事になった。
「舞え、剣達よ!!!」
「あの後、ヒビキから教えてもらったけど!ジェミニ!ウラノメトリア!!!!」
「天竜の、咆哮!」
「水中斬破!!」
全員の技が一斉に氷塊にぶつかる。
だが、氷塊には傷一つかない。
全員は、ナツとグレイに運命を預けた。