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フェアリーテイル ―雪国の氷―  完結
作者: ハヤチ  (総ページ数: 65ページ)
関連タグ: FAIRYTAIL グレイ・フルバスター 二次創作 微グロ 
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二話「お前は仲間だ」


「嫌だ。」

ナツはキッパリ言った。
何故だ、と言う顔でアイシーガはナツを見る。

「方法あるかもしんねぇーじゃん!」
『確かにあります。ですが、この方法は危険だ。』
「いいから、どんな?」

食い下がらないナツを、呆れた目でアイシーガはみる。

『…あれの核を、壊す。ですが、あれの核は、彼らの無数の茨が死守している。』
「茨は引き千切れないのか?」

エルザは剣を構える。
それに対し、アイシーガはならばやってみろと言った。
エルザは剣を振り落とす。


バキィンッと音が鳴った。
カラン、と剣の破片が転がる。

『アレは、特殊な人にしか入れない。たとえば、ナツや、グレイ。』
「じゃあ、俺が入る。」

グレイは無表情で、アイシーガを見た。
冷たい雰囲気を持った彼を、一体何人の人が駄目だと言えるか。

「まず、俺が原因だ。レイガを狂わせたのも俺。フェアリーテイルを攻撃したのも俺。」

全員は苦虫を噛み潰した様な顔をしている。
ナツはグレイの腕を掴んだ。

「誰が、そんな事思った?」
「は?」
「お前は、フェアリーテイルだ。こんなん、いつもの喧嘩じゃねぇか。」

ナツはニカ、と笑う。
対照的にグレイは哀しく顔を俯かせた。

「やりすぎた喧嘩、だろ。」
「でも…。」

ギルドメンバーがグレイを見つめ、笑う。

「そうだぜー、謝らなくちゃな!」
「殴りすぎた、ごめんグレイ!」
「グレイ様ー!今度ジュビアと買い物にー!」
「喧嘩したお詫びに、酒に付き合ってあげるよ!」
「それ嬉しいのそっちだろ…。」

いつもの会話に、グレイの涙腺は少しゆるむ。
それを我慢し、「じゃあ」と呟いた。


「クソナツ、お前が一緒にこい。」
「ん?おぉ、先にどっちが核を壊すか勝負だぁ!!!」
「望むところだっつの!」

意見が一致したところで、マカロフが叫ぶ。

「ナツ!グレイを守れよ!それじゃあワシらは無数の縄をぶち壊すぞ!

《おー!》

こうして、妖精の尻尾の反撃が始まった。


「聞け!」

エルザが走りながら叫ぶ。
そして、クスリと笑顔になった。

「いつもなら建物を壊すなというが、今回は大技を使え!壊れても構わない。」

全員のやる気は上がった様で、ナツ達の様に誰が沢山壊すか競走する事になった。



「舞え、剣達よ!!!」
「あの後、ヒビキから教えてもらったけど!ジェミニ!ウラノメトリア!!!!」
「天竜の、咆哮!」
「水中斬破!!」

全員の技が一斉に氷塊にぶつかる。
だが、氷塊には傷一つかない。
全員は、ナツとグレイに運命を預けた。

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