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フェアリーテイル ―雪国の氷―  完結
作者: ハヤチ  (総ページ数: 65ページ)
関連タグ: FAIRYTAIL グレイ・フルバスター 二次創作 微グロ 
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*50*

「願い…?」
『彼らを合体させ、最強にする事…です…。』

アイシーガは上を見上げる。
すぅ、と息を吸っているようだ。

「!ブレスを使う気なの!?」
『私は古龍です。本来私はこの世から消え、伝説となる存在です。最強とまではいきませんが。
…覚悟は?』
「できてるよ、僕はどんな異形でも耐えてみせる。自由の為に。」
「同じく。」
「当たり前じゃない。」

大きいブレスが、ルド達にあたる。

『力を使いきらなくてはならない…。グレイのためにも…。』
「………。」

グレイはその光景を見ていた、見ているしかなかった。
全ての事が遠くに感じる。


『ただ、私は故に残酷でもある。…彼らの器では入りきらなかった。』
「え…。」
『器から魔力が漏れると、異形の生態が出来上がる…。』

目の前を向くと、一つの氷塊。
それは氷の筈だ。
その筈なのに、それを見ていると異様な吐き気と悪寒を覚える。
とてつもなく大きい氷塊、まるでそれは。

「…デリオラ、みてぇだ。」

その氷塊はグレイを襲う。
氷の縄で、グレイの自由を奪った。

「ぐぁっ!」
「グレイ!」

ルーシィの星の大河がグレイを引っ張り、グレイはそこを抜け出す。
だが、氷の縄は再度グレイを襲おうとした。
それを、全員は必死で止める。

『これは彼らが求めた結果…。』

ボソリとアイシーガが呟く。
その直後、ナツの叫び声が、洞窟内で響いた。



「ふざけんなぁ!確かにこいつ等は俺達の仲間に、グレイに酷ぇ事をした!!」
『火竜の子…。』
「だけど、それでも生きてるだろ!?俺達と一緒だ!!」

その叫びは矛盾みたいで。
グレイはなんともいえない気持ちになった。

「方法」
『………?』
「あれをどうにかする方法は?あるのか、アイシーガ。」
『ありますね。』

エルザがアイシーガを睨む。

「なら、何故それを実行しなかった。」
『怖かったかも知れません。ですが火竜の子のおかげで、決心がついた。』

アイシーガは、純粋な目で、全員を見る。
そして、グレイが一番聞きたくない事を言った。









『私を、    殺してください。』

氷塊が、赤黒く変色した。
それは怒りか、とグレイは目を瞑り、涙を堪えた。

一話・終

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