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*20*
「おはよ…。って、ナツ!グレイに何かあったの!?」
ルーシィは起き、ナツ達の姿を確認しようとするとグレイを抱えているナツの姿が目に入った。
「いやー…ちょっと、な。」
「何があったのよ…。」
グレイを見ると、泣いた痕跡が見られた。
勘が少しだが鋭いルーシィは状況を把握する。
そして、ナツの荷物を代わりに持ち、歩くことにした。
「………う…ん…。」
「!グレイ、起きたか?」
グレイは目を覚まし、ナツの顔を見る。
どうやら自分はナツに抱えられている様だ。
「わりぃ。もう良いから下ろせ。」
「おう。」
ナツはグレイを静かに下ろす。
そしてルーシィに軽く礼を言い、荷物をもった。
「ここが登頂?」
「ああ、結構眺めがいいだろ?」
「うん!!」
グレイは後ろを振り迎える。
「さて、ここからは荷物を減らす必要があるな。」
その話をすると、エルザがビクリとする。
「ど、どのくらいだ?」
「えーと…。まぁ、食材はいるな。」
「そ、そうか。その…、衣装があるのだが…」
エルザの発言にルーシィのツッコミが加わる。
「また持ってきたのねー!!」
「ハァ…、ここで着替えるぐらいならいいぞ。」
そして、チームの着替えが始まった。(主に女子の)
決まった服装は
ルーシィが薄手のジャケットを着て、スカートを履いている。
エルザはいつもの鎧を脱いだときの格好となった。
男性群は。
ナツは、いつも通り。
ハッピーはとても可愛らしいTシャツを着ることに。
「グレイー、着替えた〜?」
「早くしろ。」
グレイが森の影から出てくる。
黒い着物。それは白い肌のおかげでとても美しく見えた。
「わぁ…。」
「東洋、という感じがするな。」
「グレイカッコいいね〜。」
あまりこういうので褒め慣れていないので、少し顔を赤くする。
ナツは退屈そうにハッピーの顔で遊んでいた。
哀れなハッピーだ。
だがグレイは、この着物には違和感を覚えた。
(いつも母さんは黒い着物を着ていた。)
どうしてかと聞くと、
「本当は着たくないの。でもね、いつのまにか着ている…。
グレイ、黒い着物は何かを招き入れる。
注意して…。」
と言っていたのを思い出す。
あの頃は意味が分からなかったが、今でも分かりづらく感じた。
「さぁ、行くぞ。」
氷が解ける。
熱い炎で。
氷が笑う。
綺麗な星で。
氷は立つ。
剣を掲げて。