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*22*
慧音「お前、何者だ」
現れた白髪で、角の生えた女性が問う。
今にも撃ってきそうな勢いだ。
暁「敵ではない」
暁はそれを感じ取って、端的に事実だけを伝える。
慧音「敵は皆そう言うだろう。あの人のところへは通さない」
しかし、耳を貸さず女性は弾幕を張る。
それを必死で避けながら、声を張り上げる。
暁 「待て! ちょっと待て! 敵ではないって言ってるのにいきなり撃つ奴があるか! っうお!」
危うく当たるところだったものを避け、刀を取り出すと地面に突き刺した。
暁 「攻撃の意志はない。証拠に武器は捨てた」
そう言いながら、両手を挙げる。
慧音 「なぜ此処にいる?」
暁 「火があがるような光を見た。その理由を確かめに」
慧音 「幻想卿に住まう者なら、此処が好奇心で近づくべき場所じゃないのは知っているだろう」
暁 「いや、知らないな。俺は一昨日此処に来たばかりだからな」
再び懐手し、告げる。
暁 「敵意が無いってわかったならあれ拾っていいか? あれは実は俺の本体なんだ」
慧音 「本体?」
暁 「ああ、付喪神だ。今は紅魔館の世話になっている」
慧音「な! またレミリアからの刺客か」
また撃ちそうな雰囲気に慌てて言う。
暁 「刺客が何の話だかは知らないが、今日此処に来たことは紅魔館の誰の意志でもない。単に酒が飲める場所を探している途中に立ち寄っただけだ」
その言葉に女性は戟を収めた。
それを見てホッと一息ついたときだ。
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