完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

東方刃暁録-sword morn record -
作者: 黄昏。 ◆nYYwYkb6HQ  (総ページ数: 38ページ)
関連タグ: 東方 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~ 30~

*25*

第八章-奇なることは続く-

長い階段をゆっくり上る。

前回は上らなかった階段だ。

今日は参拝なので、歩いて上るべきだろう、という案外几帳面な暁だった。

ややあって、階段を上り切ったところには竹箒を持った霊夢がいた。

そして、昨日壊した石畳はきれいに直ってる。

霊夢 「あー! あんたこの前壊された石畳、直すの大変だったんだから!」

暁 「ここに樋口一葉様がおわすのだが」

霊夢「よく来たわね、暁、歓迎するわ」

暁 「切り替え早いな」

驚きの早さだ。

元々お賽銭を入れに来たので、それで機嫌が直ってくれるのは有り難いことだが。

魔理沙 「おまえも物好きだな」

暁 「そうなのか?」

魔理沙 「悪戯目的以外でお賽銭入れるやつなんてお前ぐらいだぜ」

縁側から魔理沙が話し掛けてくる。

暁 「うむ、だがご利益があったからにはお礼はせねばなるまい」

魔理沙 「ご利益?」

暁 「ああ、偶然昔の知り合いに出会ってな。案外ここの神社には縁結びがあるのかもしれん」

五千円を入れ終えると、魔理沙が入る縁側に腰掛けた。

ちょうどその時お茶とお茶請けをもった霊夢がやってくる。

霊夢 「ゆっくりしていってね」

と、霊夢はお茶を差し出した。

それに不満を示すのは魔理沙だ。

魔理沙 「なんで私にはお茶請けなしで、暁にはありなんだ? お茶だってセルフだぜ」

霊夢 「ほしいならお賽銭入れてきなさい」

だが、バッサリと切り捨てられる。

魔理沙 「そりゃないぜ」

暁 「まあまあ、二つあるからh――」

すると高速で奪われるお茶請け(饅頭)。

全部言い切る前に取られてしまう。

霊夢 「おい、ちょっとまて」

魔理沙 「邪魔したな、霊夢。この辺で帰らせてもらうぜ」

饅頭を一口で飲み込んだ魔理沙は箒に飛び乗り消えていった。

霊夢 「あきらめた方がいいわよ。魔理沙に盗まれたら戻ってこないわ」

何もかもね、と呆れ顔の霊夢が言う。

暁 「むう、この借りはいつか返さねば」

深く心に誓った暁だった。

24 < 25 > 26