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東方刃暁録-sword morn record -
作者: 黄昏。 ◆nYYwYkb6HQ  (総ページ数: 38ページ)
関連タグ: 東方 
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10~ 20~ 30~

*28*

暁は歩きながら先ほどの引っ掛かるものについて考えていた。

引っ掛かったキーワードは『切られた右腕』

そういえば、会った初め嗅ぎ覚えのある匂いがする、と華扇は言っていた。

昔会ったことがあるのか?

場所は『博麗神社』

あそこには特に関係は……

と、考えたとき慧音のことを思い出した。一緒に酒を飲んだとき何か言っていた気がする。





――『因みにたまに博麗神社に出没するぞ』






……ああ、そういう事か。



つまり茨木童子=華扇ということだ。

気付かなかった。


暁 「分身との容姿違いすぎだろう」

思わず洩らした独り言。

元主と共に見た茨木童子の姿はいかつく、いかにも鬼ということを主張した姿だった。

あれがあんな女性だったとは。

すぐに繋がらなかったことも頷ける。

だが、華扇に対して個人的な恨みはない。

斬ったときも、それはそれで人間との力比べを楽しんでいたようにも思える。

向こうが恨んでいる可能性も無くはないが、その時はその時だ。

右手を斬ったことがあるわけで、全く勝ち目が無いという訳でもない。

それに、恨んでいる相手を忘れるほど馬鹿でもないはずだ。

とりあえずは、酒を飲み交わすまで。

その時までは黙っていることにした。

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