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東方刃暁録-sword morn record -
作者: 黄昏。 ◆nYYwYkb6HQ  (総ページ数: 38ページ)
関連タグ: 東方 
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10~ 20~ 30~

*34*

パチュリー「はい、終わり。切り口も綺麗だし、貴方ならすぐに治るわ」

まだ赤みの残る妖夢の頬に手をあてて、

パチュリー 「熱いわね。熱かしら?」

ここに連れてこられた様子を見ていたとは思えないことを言った。

ただ、そう言ったときの目がニヤリと笑っていて、見透かされていることがよくわかる。

それが一層妖夢の熱を上げた。

パチュリー 「冗談よ。でも、気絶したのだから一応今日は泊まっていきなさい。人間は案外脆いのだから」

何かあったら大変よ、とパチュリーは言った。





暁 「妖夢、朝だ」

暁は妖夢の部屋に来ていた。

妖夢 「んっ…なんで暁さんがこんなとこ……」

寝呆けた調子で言った妖夢は、言い掛けて紅魔館に泊まったことを思い出したようだ。

シュバッと飛び起き、正座になりしばし互いに沈黙。

妖夢「お、おはようございます」

暁 「おう、おはよう。朝ご飯は用意してあるから食べていくと良い」

おずおず妖夢が挨拶すると、軽快に暁は返し、部屋を出ていった。

ポカーンとしていた妖夢だったが、すぐに我を取り戻し着替えてから食堂に向かった。




食後、なんとなく何か忘れているような気がする妖夢がいた。

暁 「どうした妖夢?まさか飯が不味かったか?」

暁がそれを察し、尋ねてくる。

妖夢 「いえ、とても美味しかったですよ。少し考え事です」

そうか、と笑顔で暁が返し、妖夢は再び思考に沈むが全く思い出せない。

しばらくしたら思い出すかと思い、白玉楼に帰ることにした。

パチュリー 「何か体に違和感があったらまた来なさい」

とパチュリー。

暁 「鞘の件、礼を言う。いつかこの恩に報いよう」

と暁。

咲夜 「ごめんね、妖夢」

と咲夜。

その三人に別れを告げ、妖夢は白玉楼に帰っていった。






一方その頃白玉楼には

「妖夢〜私のご飯はどこなの〜。お腹減ったわ〜」

と涙目な幽々子がいたのだった。

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