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*34*
パチュリー「はい、終わり。切り口も綺麗だし、貴方ならすぐに治るわ」
まだ赤みの残る妖夢の頬に手をあてて、
パチュリー 「熱いわね。熱かしら?」
ここに連れてこられた様子を見ていたとは思えないことを言った。
ただ、そう言ったときの目がニヤリと笑っていて、見透かされていることがよくわかる。
それが一層妖夢の熱を上げた。
パチュリー 「冗談よ。でも、気絶したのだから一応今日は泊まっていきなさい。人間は案外脆いのだから」
何かあったら大変よ、とパチュリーは言った。
暁 「妖夢、朝だ」
暁は妖夢の部屋に来ていた。
妖夢 「んっ…なんで暁さんがこんなとこ……」
寝呆けた調子で言った妖夢は、言い掛けて紅魔館に泊まったことを思い出したようだ。
シュバッと飛び起き、正座になりしばし互いに沈黙。
妖夢「お、おはようございます」
暁 「おう、おはよう。朝ご飯は用意してあるから食べていくと良い」
おずおず妖夢が挨拶すると、軽快に暁は返し、部屋を出ていった。
ポカーンとしていた妖夢だったが、すぐに我を取り戻し着替えてから食堂に向かった。
食後、なんとなく何か忘れているような気がする妖夢がいた。
暁 「どうした妖夢?まさか飯が不味かったか?」
暁がそれを察し、尋ねてくる。
妖夢 「いえ、とても美味しかったですよ。少し考え事です」
そうか、と笑顔で暁が返し、妖夢は再び思考に沈むが全く思い出せない。
しばらくしたら思い出すかと思い、白玉楼に帰ることにした。
パチュリー 「何か体に違和感があったらまた来なさい」
とパチュリー。
暁 「鞘の件、礼を言う。いつかこの恩に報いよう」
と暁。
咲夜 「ごめんね、妖夢」
と咲夜。
その三人に別れを告げ、妖夢は白玉楼に帰っていった。
一方その頃白玉楼には
「妖夢〜私のご飯はどこなの〜。お腹減ったわ〜」
と涙目な幽々子がいたのだった。