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その日僕に落ちた神様は人生を喰いました〜完〜
作者: にゃは  (総ページ数: 69ページ)
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*2*

次の朝から電車に乗り、以来の場所に向かった。
「お兄さん、どこにいくんですか?」
天の顔を除き混むロムに対し、天は目をそらした。
ロムには依頼書を見せてない。

「今回現れたのはエンリル…風と嵐を司る神、シュメールの神話に現れる神だ。場所は佐賀県の琵琶湖だ」
なぜ琵琶湖に現れたのかはわからない。なにが目的なのか…それは神のみぞ知るってやつだな。


シューーと電車の止まる音が聞こえる。
天は自分の持ってきた小さな鞄を片手で持ってロムに目線を向ける。
「ついたか、行くぞロム」
「はーいっ



て……おもっいっきり山なんですけど」
電車を降りるとどこを見ても山。見渡す限り山だらけだった。

「こっからは飛ぶぞ」
はい?という顔になるロム。普通は使わない言語に戸惑う。
「あぁ普通には飛ばねぇよ。少し待ってろよ」
天が少し前に歩いてかがみはじめた。地面に魔方陣のような字を書く。

「回りに人は?」
下を見ながら天がロム訪ねる。
「待ってね…ん、」
耳を済ますロム。ロムにはアーテナーというギリシャ神話の神が落ちて、知恵、戦略の力により、風、足音、におい、様々な環境の変化から観察し周囲をさぐることが出来る。

「誰もいないよ」
力を使い終わったロムは天に応答をかける。それに安心したようにうなずく天。
「よし、かけたぞ」
地面に書いたのは魔方陣。真ん中だけが文字が抜けていて、周りには小さな文字がずらりと並んでいた。
「我を導け…」
そういいながら天は真ん中に
「示」に「申」を書いた。


すると魔方陣が光り一瞬にして湖が目に入った。
「これは……」
不思議な現象に驚く顔を見せるロム
「これは神の魔方陣…本来魔神が使う瞬間移動だ」

風景がいっぺんに変わり
日の光により輝く湖が目に写る…綺麗な水だ。


「人……結構いるよ」
魔方陣を消した天は腰をあげる。
「時間を破壊する」
そういうと手に力をいれ手のひらを開いて前にかざした。そしておもっきり拳を握ると……


「時間が止まった……」
ロムは今まで天と戦うときは人はいないところだった。
「これ……戻せるの?」
ごもっとも、戻せなければ意味がない。時間をずっと止めておけば大変なことになるだろう。
「大丈夫だ、それより…………」


天が言葉をいいかけたとたん、湖の中心部の場所に竜巻が起こり大きい人影が見える。
「あれが……エンリル」
「下がって援護頼むぞ」
少しひいてたがコクっとうなずくロム。


「人間か…時を壊すとは何者だ?」
声を荒らげているがわざとには見えない。
「まず問うぞ、お前はエンリルか?」
手をポケットにいれて攻撃しない姿勢をとる。
「いかにも」
「ここでなにしてる?」
「愚かな人間を喰らうためだ…」
(ずいぶん正直だな)
「で、何人喰らった?」
「何人食らいようが我の勝手だ」
不適に笑う神。その姿はまるで悪魔であった。
(そ、そうか…全く……)
「貴様もその女も我の生け贄となれぇ!!」

この神も駄目か…誰が俺達を救ってくれるんだ。
失望するように言うが…仕方ないことだ。世界のバランス事態が崩れている。本来の神ではないことはわかっていた。


「愚かな人間よくちろぉ!!」
風と水の竜巻が天に降り注ぐ。
「残念だけど、くちるのは…お前だぁあ!!」
戒めを込めた拳は竜巻を粉砕。


「わ、我の力が…貴様、まさか…」
かっこいいなんていらねぇ…ただ…人間はおとなしくねぇぞ!!
「「示」「申」…これより我……
……………… 神憑璃 天は神を食らう」


神を拝む姿を見せる。隙があるように見えるが天の破壊の力のオーラが隙をカバーする。


「貴様、ゴッドイーター(神殺し)か」

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